「税理士事務所の仕事はきついから、やめたほうが良いよ…」

知り合いからの情報やネット情報でこういった話を聞いて、不安に感じてしまっている方も少なくないでしょう。

この記事では、税理士事務所の仕事はきついのか?お給料に見合った仕事といえるのか?どういうところが魅力なのか?といったことについて私の経験から解説いたします。

これから未経験で税理士事務所への転職・就職を目指す方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

税理士事務所の仕事はきつい?

税理士事務所 仕事 きつい

結論から言うと、税理士事務所の仕事は「最初の1年目はきついと感じる部分が多いけれど、2年目以降になると急激にやりやすくなってくる」ということが言えると思います。

その理由はかんたんで、税理士事務所の仕事というのは、基本的に毎年同じルーティンで進んでいくからです(もちろん、ルーティンだけでない部分もありますが)

具体的には、税理士事務所の職員は、10件~20件程度の得意先を担当し、その得意先企業の経理チェックや決算税務申告といった業務を代行するのが基本業務になります。

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会計の大原則は「継続性の原則」=毎年同じ内容の仕事をすること

会計を勉強している方にはおなじみのキーワードで「継続性の原則」というのがありますが、要するに会社の経理というのは「毎年同じ処理の仕方を継続しないといけない」という大原則があります。

なので、1年目に経験した仕事内容というのは2年目もほぼ同じ形で処理していくことになるわけです。

1つの得意先について決算業務を1回経験すれば、その得意先企業の内情というのはだいたいわかりますし、処理の仕方で迷うということは非常に少なくなります(迷ったら「去年はどうしていたんだろう?」と資料を調べて同じ処理をすればいいわけですから)

仕事がきつくなるとしたら得意先の変更があった場合

税理士事務所 仕事 きつい

もちろん、税理士事務所の職員としてだんだんとレベルアップしていくにつれて、担当する得意先企業の数は増えていくでしょうし、それぞれの得意先企業の規模も大きくなっていくのが一般的です。

1年目は年商数千万円~1億円までの企業を10件だけ担当していたけど、3年目からは年商3億円~10億円規模の企業を20件担当する…といったような具合ですね。

規模が大きな企業というのは従業員さんの数も多いですし、取引内容の量も多くなり、複雑になっていきます。

多くの税理士事務所では3年目ぐらいから本格的に仕事を任されるようになっていくと思いますので、1年目~2年目の段階でしっかりと先輩にわからないところを質問しておきましょう。

個人的には税理士事務所の仕事は、スタートダッシュがとても大切だと思っています。

1年目や2年目の時期は大変だと思いますが、そこを乗り越えればどんどんこの仕事の醍醐味(だいごみ)がわかってくるはずです。

仕事の面白さがわかってくるのも3年目ぐらいから

担当得意先が増えるタイミングというのは、仕事できついと感じる部分も多くなってきますが、同時に仕事のおもしろさがわかってくるのもこの時期です。

得意先の経営者から信頼されていろんなことを質問していただいたり、「こういう説明の仕方がわかりやすい」「こういう資料を作って持っていったら喜んでもらえるかも」というように試行錯誤していくうちに、税理士事務所の仕事というのはどんどんやりがいが出てきます。

20代~30代の若い人で、経営者から経営の重要な問題について直接相談を受けるような重要な仕事というのは他になかなかありませんよ。

経営に興味がある人、企業の中でより高いレベルの仕事にかかわりたい人(人事や財務など)にとって、税理士事務所の仕事というのは非常にやりがいがあると思います。

税理士事務所の労働時間や残業はどのぐらい?

税理士事務所 仕事 きつい

上では税理士事務所の仕事内容について簡単に説明いたしましたが、以下では「税理士事務所の労働条件が実際どういうものなのか?」について見ていきましょう。

おおまかにいうと、税理士事務所というのは従業員数人~20人前後の規模で運営している事務所がほとんどですから、大企業のように福利厚生が充実している…ということはあまり期待しないほうが良いでしょう。

ただし、ひと昔前にくらべると近年は「超売り手市場(税理士事務所業界はいま人手不足の状態です)」であることも比べて、労働条件はずいぶんと改善されている印象があります。

↓※一例をあげると以下のような条件が平均的な税理士事務所の労働条件になります。

税理士事務所 仕事 きつい
(↑クリックで拡大します)

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就業時間について

私が実際に働いていた税理士事務所は、従業員数20名程度のやや大きめの事務所でした。

就業時間は一般的な企業と同じく8時半~17時30分でしたが、繁忙期には残業が発生するという感じでしたね(8時半からみんなで事務所の掃除をして、そのあと朝礼をして…という感じでした)

残業時間と残業代について

税理士事務所の仕事には繁忙期と閑散期(暇な時期)があります。

繁忙期というのは確定申告業務がある1月~3月と、三月決算法人の申告がある5月ですが、この時期はある程度の残業が発生することは覚悟しておいた方が良いでしょう。

具体的には、私の場合は毎日20時~21時ごろまで仕事をするという感じです。

一方で、閑散期(暇な時期)になると非常にゆったりと仕事ができると思います。

就業時間通りに定時で帰ることが多いですし、税理士事務所の職員というのは得意先を訪問している際には非常に自由に動けますから、税理士試験との両立をしたいという方にもピッタリだと思いますよ。

また、繁忙期の残業については、私が所属していた事務所では「確定申告が終わる3月に1か月分の給与のボーナスが出る」という形で報酬になっていました。

1か月の休日数・休日出勤や長期休暇について

税理士事務所 仕事 きつい

土日祝日休みが基本だと思いますので、1か月20日の出勤が一般的でしょう(私が所属していた事務所でもそうでした)

休日出勤については繁忙期は毎週土曜日が出勤ということも普通にありますが、日曜日まで出勤するということは少ないと思います。

なお、税理士事務所業界の特殊事情として、職員のほとんどが税理士試験の受験生であるということがあります。

事務所側もこの事情はかなり考慮してくれていて、税理士試験の直前期には2週間~1か月程度の長期休暇を取ることが可能な事務所が多いと思います。

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気になる給与は?

給与については、未経験から入社した場合には1年目の年収で300万円程度~のスタートになるでしょう。

その後は担当する得意先の数や、能力によって前後すると思いますが、3年目~5年目で400万円程度、それ以降は600万円程度が固定給の上限かと思います。

(節税対策のための生保提案や新規の顧問先の獲得といったような動きができる人はかなり高い報酬を得ている人も多いです)

また、この業界の特徴として、10年目以上のプレーヤーになると、税理士試験に合格して独立したり、一般企業経理に転職したりといったケースが多い点が挙げられます。

そうなると年収はその人の能力次第という形になりますから、30代で年収1000万円を超える人もいるでしょう。

このように、未経験の人は税理士事務所をスタートラインとして、良い形でその事務所を「卒業」できるかどうかが年収アップをどんどんしていけるかどうかのポイントになると思います。

逆に言うと、最初に入社した税理士事務所でずっと定年まで勤めあげる…というキャリアはほとんどないというのが実際のところだと思います。

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税理士事務所の仕事の魅力について

税理士事務所 仕事 きつい

税理士事務所の仕事というのは決して楽なものではありません。

業界的に離職率が高いのは事実ですし、繁忙期には残業も発生します。

しかし、会計や経理の世界でキャリアアップしていこうと考えている方にとって、税理士事務所で働いた経験は宝になることは間違いないでしょう。

ここからは、税理士事務所の仕事をしていて、具体的にどういう場面できついと感じるのか?この仕事の魅力はどういった点なのか?といったことについて書かせていただきますね。

税理士事務所の仕事はきつい?

結論から言うと、税理士事務所の仕事は「きつい部分もあるけれど、貴重な実務経験を積めるやりがいのある仕事」といえます。

税理士事務所の仕事は本当にきついのか?を考える際には、そもそも税理士事務所の仕事内容とはどういうものなのか?について知っておきましょう。

これはいうまでもなく、同じ仕事であっても人それぞれ感じ方が違うからですね。

税理士事務所の仕事は、大きく分けて次の3つがあります。

税理士事務所の仕事は大きく分けて以下の3種類

  • ①毎月やる仕事
  • ②季節ごとにやる仕事
  • ③単発のイレギュラーでやる仕事

以下、順番に見ていきましょう。

①毎月やる仕事

まず①毎月やる仕事についてですが、これはいわゆる巡回監査(月次監査)です。

具体的にはお客さんである顧問先企業を訪問して、経理の担当者さんが会計ソフトに入力してくれている内容が正しいかどうかをチェックさせてもらいます。

例えば、1月1日に売上が100万円上がっていたとしたら、その請求書を確認し、会計ソフトに会計仕訳が正しく入力されているかどうかを確認します。

上の場合であれば「売掛金/売上高 100万円」という仕訳が入力されていたらOKですが、「売掛金/借入金 100万円」(意味不明な仕訳ですが)となっていたりしたら間違っているので修正してもらうわけです。

会計データを経営者に報告する

毎月、すべての勘定科目についてこういったチェック(現資料と会計ソフトの照合作業)をやっていきます。

チェックが済んだら今回の内容を経理担当者さんに報告し、月次の試算表データを経営者に報告します。

データを見ながら今後の会社の方向性や節税対策などについて相談を受けることが多いですので、一緒に考えていくという感じです。

月次監査は1つの顧問先につき月1回行う

こういった月次監査は1つの顧問先に対して月1回行うのが基本です。

なので、自分が担当している顧問先企業が30社あったとしたら、毎月30社の顧問先を訪問するというわけですね。

1回の月次監査で3時間程度はかかりますから、午前中から1件か2件まわって、事務所に戻ってきて、夕方ぐらいからは事務所内部での仕事をするといった感じで税理士事務所の日常業務は動いていきます。

②季節ごとにやる仕事

次に、季節ごとにやる必要がある仕事です。

これは①の毎月やる仕事(主に月次監査)にプラスして行うことになります。

上で「午前中に月次監査を行い、夕方ごろに事務所に戻ってきて事務所内部での仕事をする」と書きましたが、この「事務所内部での仕事」がこの②季節ごとにやる必要がある仕事というわけです。

季節ごとにやる仕事としては、次のようなものがあります。

季節ごとに行う仕事

  • 法人企業の年次決算(決算月から2カ月の月に該当する月に行う)
  • 顧問先企業の従業員の年末調整業務(12月~1月に行う)
  • 個人事業主の確定申告業務(2月~3月に行う)

年末調整や確定申告については法律で申告する期日が決まっていますから、それぞれ該当月に行います。

 

※年末調整や確定申告って何?という方は、次の記事を読んでみてくださいね。

>>税理士事務所の仕事内容③:年末調整業務ってどんなもの?

>>税理士事務所の仕事内容④:確定申告は激務?乗り切るコツは?

 

一方で、1つ目の法人企業の年次決算は「決算月から2か月以内」が期限となります。

法人企業の決算月は完全に自由に決めることができますから、年次決算の作業を行う時期はそれぞれ異なります。

例えばあなたが3社の顧問先を担当しているとして、それぞれ3月決算・5月決算・8月決算となっていたとしたら、5月・7月・8月に年次決算の仕事を行うことになります。

 

  • 3月決算法人:5月に年次決算の作業を行う
  • 5月決算法人:7月に年次決算の作業を行う
  • 8月決算法人:10月に年次決算の作業を行う

 

日本では3月決算の企業が多いですから、必然的に決算作業を行う5月は忙しくなりますね。

③単発のイレギュラーでやる仕事

3つ目の単発イレギュラーでやる仕事についてですが、次のようなものがあります。

イレギュラーでやる仕事の主なもの

  • 節税対策や予算作成に関する相談
  • 税務調査の立ち合い
  • 相続税申告の相談など

これらは必ずしも季節ごとに入るような性質の仕事ではなく、お客さんからの相談が発生するごとに行う業務になります。

税務調査の立ち合いなどは本当にある日突然税務署から連絡が入ったりするので、普段の業務プラスアルファでやる仕事になります。

税務署側も税理士事務所の繁忙期がいつかなどは把握しているのである程度配慮はしてくれているようですが、基本的にいつ連絡が入るかは予想できないことがほとんどなんです。

ただし、こういったイレギュラーな業務が新しい顧客獲得のチャンスになることも多い(相続税申告の依頼を受けたことをきっかけに事業の顧問契約を結んだり、税務調査をきっかけに月額顧問報酬のアップにつながったりということが生じます)ので、しっかりと対応する必要があります。

顧問先の担当件数によって仕事のきつさは変わる

税理士事務所の仕事の忙しさというのは、自分が担当している顧問先企業の件数に比例します。

月次監査は基本的に毎月すべての顧問先企業について行う必要がありますから、20件の顧問先がある人は毎月20件、30件の顧問先がある人は毎月30件の企業を回る必要があるわけですね。

もちろん、年次決算についても全く同じです(20件の顧問先がある人は年間20回決算作業を行い、30件の顧問先がある人は年間30回の決算作業を行います)

担当顧問先の件数が30件を超えるとしんどくなってくる

これは個人的な感想ですが、顧問先30件を超えたあたりから業務が多忙になってきます(最初のうちは10件~20件ぐらいからスタートするのが普通だと思います)

私の場合1時期40件ほど顧問先を持っていた時期がありましたが、かなりの激務でした。

なので、実際に税理士事務所に入社する前にどのぐらいの業務量になるのか?を予測するためには、相手先の税理士事務所に「だいたい職員1人につきどれぐらいの数の顧問先を担当していますか?」と確認してみると良いでしょう。

無料で使える転職サイトなどを通して確認すると正確な情報を得ることができますよ。

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税理士事務所の繁忙期について

税理士事務所の労働時間や残業時間がどの程度の者なのか?についても知っておきましょう。

もちろん、この数字は所属する事務所や自分が担当する顧問先企業の件数にもよるのですが、繁忙期にはある程度の残業が発生することを覚悟しておく必要があります。

※繁忙期というのは年末調整が重なる12月~1月や、確定申告を行う2月~3月、あるいは3月決算法人の決算を行う5月などです。

私の場合は繁忙期は夜9時ぐらいまで仕事をすることが多いですね。

税理士事務所は閑散期には落ち着いて仕事ができる

逆に、繁忙期以外の時期(閑散期:6月~11月ぐらいまで)についてはかなり余裕をもって仕事ができると思います。

税理士事務所で働く人の多くが税理士試験の受験勉強を同時進行でやっていると思いますので、この時期にはしっかりと勉強時間を確保したいところですね。

特に、8月には税理士試験がありますから、その1か月前の時期(7月)には長期休暇を取得することを認めてくれる事務所も多いです。

休日や残業代については入社前に確認しておく

休日や出勤日数については基本土日祝休みですが、確定申告の期限が近いときなどには土曜日に出勤することも多いですね。

ただこれは強制というわけではなく、業務の進み具合に任せるというスタンスです。

個人的には残業代をしっかりもらえるならある程度残業するのは構わないので、この時期はある程度覚悟をして仕事に取り組むようにしています。

なお、入社前に残業代や福利厚生の扱いについてくわしく知りたい場合にも、転職エージェントを通して情報収集しておくのが良いです(無料で使えます)

残業代が全くでないブラックな事務所も一部存在しているので、必ず入社前にその事務所の勤務条件は確認しておきましょう。

一般企業の経理と比べて業務難易度はどう?

税理士事務所への転職を考えている方の中には、一般企業経理の仕事とどちらが良いかで迷っている方も多いと思います。

実際、私のまわりでも「税理士事務所→一般企業経理」の形で転職していく人や、逆に「一般企業経理→税理士事務所」の形で業界に入ってくる人が多いです。

(私自身、税理士事務所と一般企業経理の両方の経験があります)

問題はどちらの仕事の方がきついのか?ですが、結論からいうと「税理士事務所の方がきつい」といえます。

税理士事務所では年間数十件の決算業務をこなす

税理士事務所、一般企業経理ともに一番きつい業務は決算業務であることに変わりはありません。

1年分の会計データを集計し、税額や利益の金額なども考えながら慎重に処理をしていく必要があります。

税理士事務所の場合、この決算業務を担当している顧問先企業の件数に応じてこなす必要があります(30件の担当件数がある人は、年間30回の決算作業を行う)

これに対して一般企業経理では自分の所属する企業の決算業務だけですから、通常は年に1回だけですね(大きな企業っであれば四半期決算で年4回ということもありますが)

これに加えて、税理士事務所の仕事では年末調整や確定申告などが季節イベントとして、税務調査立ち合いや相続税申告が単発のイベントとして入ってきますから、業務量としては一般企業経理よりもかなり多くなります。

実務経験を豊富に積めるのは税理士事務所

ただ、きつい仕事であってもどちらの方が実務経験をたくさん積めるか?ということについても考える必要があります。

特に、20代~30代前半の方の場合にはキャリアをスタートした初期の時期にどのぐらい濃い実務経験を積んだか?によって生涯年収が決まります。

年間で経験する決算業務が年間1回~4回の一般企業と、年間20回~30回の税理士事務所では、あきらかに税理士事務所の方がたくさんの経験を積めます。

また、税理士事務所で実務経験を積めば、将来的に税理士資格を取得して独立というキャリアも見えてきます。

税理士は難易度が高く、仕事がきつい分高い年収を得られるやりがいのある仕事ですから、会計の分野でキャリアアップしていくことを考えている方にはおすすめの進路だといえますね。

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