結論から言うと、税理士事務所での仕事と税理士試験の勉強の両立は可能です。

実際に税理士試験5科目に最終合格する人のほとんどが、税理士事務所(会計事務所)で職員として仕事をしながら勉強をしている人たちですから、あなたも仕事を覚えながら5科目合格を達成できる可能性は十分にあるでしょう。

ただし、次の項目で見るように短期合格を目指すのであれば「働く環境」はとても大事です。

「どの税理士事務所への入社を目指すか」については転職活動の段階でしっかりと吟味しておく必要がありますよ。

転職先に選ぶ税理士事務所は見極める必要あり

税理士事務所 転職

転職先として選ぶ税理士事務所が「税理士試験との両立を認めてくれているかどうか」は転職活動の際によく見極めておきましょう。

税理士事務所とひと言で言っても、業務量や残業時間、所長税理士の試験についての考え方はさまざまですから、環境の悪い事務所に入所してしまったら「実質的に試験との両立が不可能」ということも考えられます。

具体的には、転職活動をする際に、募集要項や税理士事務所のホームページなどをよく見て、次の3つのポイントは必ずチェックしてください。

税理士試験との両立を目指す人が、会計事務所入社前にチェックしておくべき3つのポイント

  • ①在籍職員の中に、税理士有資格者や科目合格者がどのぐらいいるか
  • ②1人の職員につき、何件ぐらいの顧問先を担当するのか
  • ③ベテランの従業員がどのぐらいいるか(ベテランが多いと注意)

これらの情報はその事務所が「職員が税理士試験を目指すのに協力的か、非協力的か」を見極めるのに有益な情報となります。

以下でそれぞれの項目について順番に解説していきますね。

①在籍している職員の中に、税理士有資格者や科目合格者がどのぐらいの割合でいるか

税理士事務所のホームページでは、「うちで実際に働いている人の中に税理士有資格者や、科目合格者がこれだけいますよ」ということを公開している事務所が少なくありません。

税理士事務所側としても税理士受験生は有力な採用候補ですから、勉強との両立がしやすい環境であることを積極的にアピールしているというわけですね。

有資格者や科目合格者が多い事務所は、必然的に事務所内に税理士試験の勉強と仕事の両立を応援する雰囲気があることが予想されます。

毎年科目合格者や5科目合格者が出る環境にいるのと、試験を目指している人すらいない…という事務所では当然前者の方が試験合格に近づくでしょう(人は環境に左右されるものです)

仕事が早く終わったらみんな資格スクールの自習室に行く事務所と、お酒を飲みに行く事務所とでは、前者の方が当然勉強はやりやすいですよね。

ただし、あまり転職希望者向けの情報提供に力を入れていない事務所の場合(そういう事務所でも優良な環境な事務所はたくさんあります)、職員の情報を公開していないこともあります。

職員自身が公開してほしくない、と事務所側に伝えているケースもあるでしょうから、事務所ホームページの情報だけを鵜呑みにしてしまうのには注意が必要です。

②1人の職員につき、何件ぐらいの顧問先を担当するのか

税理士事務所の仕事と税理士試験の両立を考えた場合、仕事がどのぐらい忙しいのか?は非常に重要な問題です。

税理士事務所の職員の仕事の忙しさは「1人の職員が担当する顧問先の数」によってだいたい決まりますので、担当顧問先の数があまりにも多い事務所では勉強との両立が実質不可能…という可能性も考えられます。

目安となるのは1人当たりの担当件数が20件を超えるかどうか、だと思います。

実際に私が働いていた税理士事務所では、1人当たり20件程度の顧問先であれば試験との両立も比較的やりやすい状態ですが、30件を超えてくると非常にしんどくなってくる感じでした。

過去に勤めていた事務所では1人当たりの平均が30件~40件(これはもう超激務です…しかも給料があんまり変わらなかったりする)ということもありましたから、どの税理士事務所に勤めるかは税理士試験5科目合格にまで到達できるか考えるうえで非常に重要な問題といえます。

ただし、自社の従業員が何件ぐらいの担当先を持っているか?を公開している税理士事務所はかなり少なくなります。

※税理士事務所の内部情報をくわしく教えてもらう超簡単な方法は後で説明します。

③ベテランの従業員がどのぐらいいるか(ベテランが多いと注意)

実際に事務所内で働いている人たちの年齢構成がどうなっているか?も参考になります。

気を付けたいのが40代~50代のベテラン職員がほとんど、という事務所です。

40代~50代の税理士事務所職員で、税理士資格を保有していない人は一定数いますが、こういった人たちの多くは「税理士試験はすでにあきらめているが、実務で十分に稼げている人」たちです。

自分が所属する事務所のボス税理士と信頼関係をがっちり作っていて、事務所のコア人材としてものすごい数の顧問先や仕事をさばいていることが多いです。

ベテラン職員が多いことからわかる税理士事務所の2つの内情

こういったベテラン職員が多いという情報から何が読み取れる情報として、2つのことがあります。

ベテラン職員が多い税理士事務所の傾向

  • ①良い面:税理士試験に合格できなかった人でもコア人材になれる
  • ②悪い面:仕事が非常に忙しい可能性が大

1つ目は「その事務所は税理士資格を取得しない人でもコア人材として活用する意思がある」という点です。

税理士試験は残念ながらすべての人が合格できる試験ではありませんから、ドロップアウトする人は業界内に一定数以上います。

そうした人は一般企業の経理財務職に流れていくケースが多いですが、上で見たような形で税理士事務所のコア人材となっていくケースも少なくないです。

ベテラン職員が多い事務所は仕事が忙しい可能性大

2つ目の情報は「仕事そのものが非常に忙しい」ということです。

コアな人材が勉強そっちのけで仕事をしているわけですから、必然的に「勉強よりも仕事が最優先」という風潮があることが予想されます。

私が過去に働いていた事務所は従業員20名程度の比較的大きめな事務所でしたが、40代後半~50代の職員が幹部職員として10人ぐらいいました。

彼らは過去には税理士試験を目指していましたが、現在は完全に試験はあきらめて、ひたすら税理士事務所の職員としての仕事に打ち込んでいる感じでしたね。

結局その事務所には3年ほどいましたが、私も含めて若手は試験との両立が難しいことを理由に辞めていっていました。

税理士試験に短期間で合格したいという方は、こういった事務所(ベテラン職員の比率が高い事務所)を選択することはリスクが高いと考えておく必要があるでしょう。

ただし、すでに3科目合格あたりまで来ていて、5科目合格までのおおよそのめどがついているという状態の人であれば、こうした仕事の忙しい事務所で実務経験をみっちり積んでおくのも一つの選択肢です。

入社前に税理士事務所内部の情報を知る方法

税理士事務所 転職

結論から言うと、入社前に税理士事務所の内情をくわしく知りたいのであれば、税理士事務所を専門にしている転職サイトに登録して転職活動をしてください(転職サイトは完全無料で使えます)

転職サイトを運営している人材紹介会社のエージェントは、税理士事務所側の採用担当者と打ち合わせをするために事務所に実際に訪問して情報を得ています。

彼らから会計事務所の内部情報(年齢構成や科目合格者の割合、残業の有無や担当する顧問先の数など)を教えてもらいながら転職活動を進めていけば、あなたの希望に合った税理士事務所を見つけることができますよ。

特に、税理士試験の勉強との両立を考えている方にとって「どういう事務所に入社するか?」は短期合格を目指す上で決定的に重要ですから、必ず面接を受ける前に転職サイトを使って情報リサーチをするようにしてください。

小規模な税理士事務所(こういう事務所でも良い環境の事務所はたくさんあります)の場合、ホームページをそもそも持っていなかったり、持っていたとしてもものすごくとぼしい情報しか公開していなかったりするので、転職サイトを使わないことにはリサーチしようにもしようがない…という状況も少なくありません。

面接などで実際に事務所を訪問する前に、職場の雰囲気や業務量、残業の量などを知っておきたい場合には、税理士事務所転職を専門にしている転職サイトを活用するようにしましょう。

>>私が実際に使った転職サイトはこちら(無料)

税理士事務所転職を目指すなら、大手の転職サイトは避ける

大手の転職サイトというのは、例えばリクナビとかマイナビとかいったサイトのことですね。

税理士事務所業界は転職事情がかなり特殊なので、こういった大手の人材紹介会社が運絵師ている転職サイトは避けたほうが良いです。

あなたにアドバイスをしてくれるはずのエージェントが、そもそも税理士事務所業界の事情についてよく理解していない…なんてことも少なくありません。

私が実際に使った大手サイトのエージェントは、税理士事務所への転職希望者のほとんどが税理士試験受験生であることすら知りませんでした。

「内定が出るのが最優先」という形で案件を紹介してくるので、入社した後のことの方が重要なこちらの立場としては、残念ながら「この人わかってないなあ…」という感想しかありませんでしたね。

税理士事務所への転職を目指している方、特に税理士試験勉強との両立が必須である方は、必ず税理士事務所を専門としている転職サイトを活用するようにしましょう。

まとめ

税理士事務所 転職

今回は、税理士試験の勉強をしながら税理士事務所で実務経験を積むことを考えている方向けに、仕事と試験の両立が可能かについて説明しました。

結論的には税理士事務所の仕事と税理士試験の両立は可能ですが、「両立が可能な事務所かどうか」は転職活動の時点で情報をきちんと見極める必要があります。

税理士事務所の内部情報(職場の雰囲気や残業の有無、試験合格者の割合など)について正確な情報を知るためには、税理士事務所を専門にしている転職サイトを活用することは必須といえます。

>>私が実際に使っていた転職サイトはこちら(未経験者OK。完全無料です)