今回は、会計事務所の仕事内容のうち「決算業務」について解説します。
決算業務とは、顧問先企業の1年間の会計の数字を確定し、
税金額を計算して税務署に報告することを言います。
この決算業務で1つの顧問先の1年間の仕事内容ルーティンが1周することになります。
通常、会計事務所の職員は1人で20件~30件程度の顧問先を担当しますから、
年間で20件~30件の決算業務を行うことになります。
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この記事の目次
会計事務所の仕事内容:決算業務とは?
日本で活動しているすべての企業は、
1年に1回は必ず決算をして税務署に申告し、税金を納めなくてはいけません。
企業には大きくわけて個人事業主と法人企業(株式会社や合同会社のこと)がありますが、
↓それぞれの企業が決算を行うタイミングは法律で以下のように決まっています。
決算を行うタイミング
- 個人事業主
2月16日~3月15日 - 法人企業
事業年度が終了する2か月後
なお、個人事業主の決算業務のことを確定申告と呼びます。
個人事業主は、毎年1月1日〜12月31日をひとくぎりとして、
翌年の2月16日〜3月15日の間に申告を行わないといけません。
例えば、令和3年1月1日〜12月31日までの分は、令和4年2月16日〜3月15日の間に申告します。
法人企業の決算業務
法人企業の場合、事業年度をいつにするか?は自由に決めることができます。
これは個人事業主とは異なる点ですね。
(個人事業主は、上で見たように必ず1月1日〜12月31日を事業年度としなくてはなりません)
例えば4月1日~3月31日を事業年度にした場合には3月決算法人、
1月1日~12月31日にした場合には12月決算法人というように呼びます。
そして、法人企業の場合は、事業年度が終了してから2ヶ月が経過するまでに決算業務を行わないといけません。
例えば、3月決算法人の場合、
3月31日が事業年度が終了する日ですので、そこから2か月後の5月31日までに決算をして税務署に申告します。
同様に、12月決算法人の場合には2月末日、
1月決算法人の場合には3月末日というように、
決算を行うタイミングは各企業によって異なることになります。
日本には3月決算法人が多い
日本には、慣習的に3月末日を事業年度終了の日とする3月決算法人が多いです。
そのため、5月末までに決算を行う企業が多くなります。
会計事務所のお客さんである顧問先企業にも3月決算法人が多いので、
必然的に税理士事務所の5月は忙しい時期(繁忙期)になるわけですね。
決算業務の具体的な仕事内容(作業内容)
決算業務の具体的な仕事内容(実際に行う作業の内容)についてみていきましょう。
月次監査で毎月の経理作業はチェックを行っているので、
決算業務を行う事業根度末のタイミングで基本的には会計の数字はほぼ完成している状態のはずです。
↓月次監査(巡回監査)の仕事内容についてはこちらの記事を参考にしてください。
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会計事務所の仕事内容:月次監査(巡回監査)とは?
今回は、会計事務所の仕事内容の基本である「月次監査(巡回監査)」について説明します。月次監査をきちんとやっているかどうか?で会計事務所職員の仕事の質が決まると言っても過言ではありません。ぜひ具体的にイメージしながら読んでみてくださいね。
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ごく簡単に言うと、この状態から決算処理の仕訳を入力していくのが決算業務です。
くわしくは簿記で勉強する内容ですが、
事業年度末には以下のような決算整理仕訳を会計ソフトに入力することになります。
- 売上原価の計算
- 未払費用や前払費用(経過勘定)の振替
- 引当金の計上
- 固定資産や有価証券の評価処理
- 仮払勘定の振替など
簿記で「仕入高/繰越商品」「繰越商品/仕入高」って売上原価の計算方法を勉強しますよね。
あれをここで作業としてやっているわけです。
決算整理仕訳を入力した段階で、その企業の当期の税引き前利益の金額が確定します。
次に税引き前利益の金額から、当期の法人税の金額を計算します。
税引き前利益の金額から法人税を計算
法人税の計算は、税引き前利益の金額を調整することで計算します。
くわしい内容は専門書などを読んでほしいですが、ざっくりというと、
「税引き前の利益額+損金不算入+益金算入-損金算入-益金不参入」という形で課税される所得の金額を計算します。
課税される所得の金額に法人税率をかけると法人税の金額を計算できます。
この時点で正確な決算書と法人税申告書が作成できますので
、顧問先の経営者などに報告することが多いですね(納付書も渡します)
経営者への報告と承認をもらったら、税務署に申告します。
ここまでが税理士事務所の仕事内容としての決算業務です。
決算業務が完了すると、1つの顧問先の年間ルーティンが1周することになります。
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なぜ「最大手のリ●ナビ」をおすすめしないのか?
転職サイトっていろんなところがありますよね。
リク●ビとかの方が「学生時代の就活とかでも使ってなじみがある」と思われる方も多いかもしれません。
ただ、個人的にはこういう転職サイトの選び方はおすすめしません。
なぜかというと、税理士業界は採用側も応募側も、事情がかなり特殊だからです。
採用側(事務所側)は繁忙期と閑散期で採用の難易度をガラッと変えてきたりしますし、
応募側(私たち)も税理士受験生なので仕事と勉強の両立がマストだったり、
社会人から勉強スタートの人が多く、キャリアスタートの年齢が高めだったりと、
一般的な転職活動とは事情がかなり異なるケースが多いんです。
特に未経験者の方は、年収が極端に低い事務所(年収200万円代など)に応募しないように注意しないといけません。
実務経験者はともかく、業界的な年収相場をよく知らない未経験者を狙って、
「うちは勉強しながら働けますよ!(なので年収は低くても我慢してね!)」
みたいな感じで、極端に低い年収で募集をかけているブラックな事務所は本当に多いんです。
↓特に、以下のいずれかに該当する人は、
税理士業界専門の転職サイトを活用しましょう。
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- 業界相場より低年収の事務所にまちがえて応募する愚を避けたい人
- 将来の独立を見すえて開業資金をちゃんと貯金していきたい人
- 税理士試験に失敗した場合に備えて、企業経理への転職という選択肢も検討している人
「今すぐは転職活動できない」という人も、これだけは今すぐやっておきましょう
「転職したいけど、今すぐは転職活動は始められない。
ひょっとしたら今の勤務先に残るのがベストかもしれないし…。」
↑今の環境にいろいろ不満はあるけれど、
なんとなく不安で動けなくなっちゃってる方も多いでしょう。
転職活動なんて人生でそう何回もやることじゃないですし、
そのわりに人生に与える影響がデカくて不安になっちゃいますよね。
私自身もブラックで働いている時に経験したことなんですが、
今いる職場でストレスがマックスまで溜まると、
まじで何も行動する気がなくなるんですね。
転職って年齢的に若ければ若いほど有利なのが現実ですし、
精神的な疲労が溜まってくると人間って正常な判断が効かなくなってきます。
あと、転職サイトから得られる情報って、
自分で求人検索とかかけて能動的にとってくるものだけでなくて、
受動的に(受け身で)入ってくるものも大事です。
希望年収や勤務地などを転職サイト内で入力しておくと、
マッチする最新のおすすめ求人がメールで送られてくるので便利。
↓以下の画像のような感じで、
あらかじめ自分で入力した年収などの条件にマッチする求人が出たら、
最速でメール通知してくれるので見逃しがなくなります。
↓※ 私のメールBOXに実際に届いたメール。
↑こういう良さげな求人が見つかったらブックマーク保存しておいて、
いざ転職するとなったときに、ロケットスタートを切れるようにしておきましょう。
これやっとくだけで、「どうしてもつらくなったら転職もある」という選択肢を持つことができます。
過労やストレスでぶっ倒れる前に行動を起こすことができますよ。
転職サイトは完全無料で、
気に入らなければ即解除しちゃえばいいんで使うことにリスクは何もないです。
ブラック事務所にまちがえて入りたくない人は、情報リサーチに使い倒しましょう。
よくある質問と回答(Q&A)
転職サイトに関して、
あるあるな疑問とそれに対しての回答を載せておきます。
転職サイトは本当に無料?なぜ無料?
転職サイトは、企業や事務所が払う紹介手数料(広告料)で運営されています。
お金払ってるのは企業側だけなので、
私たち求職者側は最初から最後まで完全無料で使うことができますよ。
後からお金を請求されるとかはいっさいないので、安心して求人リサーチに使い倒しましょう。
転職サイトに登録したら電話セールスとかうるさくない?
転職サイトの登録は基本的にメールアドレスだけでできるので、
電話はかかってこないですね(相手はこちらの電話番号を知らない状態)
定期的に「こういう求人出てきましたけどどうですか?」みたいな連絡はくれますが、基本的にはメールオンリーです。
未経験資格なしでも応募できる事務所ってあるの?
これは実際に求人検索してみるのが早いかもしれませんが、
税理士事務所って未経験OK求人が意外に多いです。
ただ、リクナビとかハロワで探すと年収200万円台…みたいな、
完全ブラックな事務所もわんさか出てきたりするので、くれぐれも注意してください。
未経験無資格でも年収400万円以上の求人ぐらいなら、普通にたくさんありますよ。
複数の転職サイトを同時に使っても問題ない?
これはまったく問題ないです。
むしろ、たくさん使った方がいろんな求人に出会えるチャンスがひろがるので、2社〜3社ぐらいを使い回す方が良いでしょう。
転職サイトには無料のエージェントサービスがつくことが多いですが、
担当してくれるエージェントとの面談に進んだような場合には、
他社のエージェントからも話は聞いてますぐらいに教えてあげると親切かもしれませんね。
(求人リサーチのために転職サイトを使いたい用途の場合には、そもそもエージェントとのやり取りは発生しません)
最後の最後にお伝えしたいこと
↓仕事や転職で成功するために大事なのって、結局はこれです。
転職活動でもっとも重要なのは、能力やスキルより情報収集です。
具体的には、どの転職サイトを使うか?(リクナビなどの「一般向け」を使うか?税理士業界専門か?)で大きな差がつきます。
税理士業界は、能力的にとても優秀なのに、
転職活動のやり方がまずかったのが原因で、
ブラック事務所で働くことを余儀なくされている人…がものすごく多いです。
転職サイトへの登録なんて、実際には1分でできる作業です。
お金もかかりませんし、気に入らなければ即解除できるのでリスクなんて何もありません。
それでもやらない人はやらないですし、やる人はさくっととやります。
↓今から5年後に、あなたはどちらになっていたいでしょうか。
- 劣悪な雇用環境で給料も安く、税理士試験もいつまでたっても科目合格ゼロ…。貯金もゼロ…。
- 働きながらスピーディに5科目合格達成。年収高めなので独立資金のめどもある程度ついている。あとは税理士としての実務能力を高めていくだけ…!
↑この前者は実は過去の私の姿そのもので、
今思うと「もっと早く行動しておけばよかった」と後悔しています。
この記事を読んでくださったあなたは、もちろん後者を目指してください。
いまどんな状況にいる人でも、
成功に向かって一歩踏み出すことは可能です。