【税理士事務所の仕事内容】業務ルーティンやノルマ有無を未経験の初心者向けに解説!
- 会計事務所の仕事内容ってどんなもの?
- 繁忙期は激務って本当?ノルマとかあるの?
- 巡回監査とは?決算業務とは?確定申告とは?
これから未経験で会計事務所に転職しようと考えている方や、
会計事務所に税理士補助として入社したての方は、
会計事務所に入社したらどういう仕事をやることになるんだろう?
と期待と不安を感じていらっしゃることでしょう。
以下では、3社の会計事務所でトータル10年間ほど働いている私が、
会計事務所の仕事内容について具体的に解説します。
会計事務所で「仕事ができる人」になるためにはどうしたらいいのか?
についても私なりのアドバイスも書いていますので、ぜひ参考にしてみてください。
会計事務所の仕事内容

(会計事務所の仕事内容について解説します)
会計事務所の仕事内容は、
↓大きく分けて以下の2種類があります。
それぞれの仕事内容について、順番に見ていきましょう。
1.クライアント企業の経理税務を代わりにやること
会計事務所の1つ目の仕事内容は「顧問先の経理・税務の代行業務」です。
会計事務所は、お客さんである中小企業経営者から「うちの経理や税金の計算を代わりにやってくれ」ということで顧問契約を結んでいます。
どんな企業であっても1年に1回は必ず税金の申告をしないといけませんが、中小企業ではこうした作業を社内で処理するのが難しいケースも少なくありません。
(社長が忙しかったり、経理スタッフがうまく確保できなかったりします)
お客さんからすると、新たに経理スタッフを雇用して毎月のお給料を払うよりも、会計事務所と顧問契約をした方が安上がりなのです。
そこで、会計事務所では顧問先の経営者に変わって経理や税金計算の業務を行うことになります。
これが会計事務所のもっとも中心的な業務です。
↓それでは、「経理・税務の代行業務とは具体的にどう言うものなのか?」ですが、ものすごく単純化していうと以下のような作業をいいます。
- 記帳作業を行う
- 会計ソフトに入力された内容が実際のお金の出入りとあっているかチェックする(月次監査)
- 1年に1回、決算をして税務申告を行う
それぞれの項目について、順番に見ていきましょう。
記帳作業を行う
顧問先の企業は、売上をあげたり、経費を支払ったりするたびに記帳作業を行なわなくてはなりません。
簿記では会計仕訳を勉強しますね。あれと同じです。
例えば、得意先に商品を発送したら「売掛金/売上高 100万円」といったように毎日記帳していきます。
こうした記帳作業は、顧問先企業の経理スタッフさんが行なってくれるのですが、会計事務所側で行うこともあります。
(会計事務所が代わりに記帳を行う場合を、記帳代行業務といいます。記帳代行業務は行なっている会計事務所とそうでない会計事務所があります)
なお、昔は手書きで記帳作業を行っていましたが、今はほとんどの会社が会計ソフトを使っています。
そのため、会計事務所の仕事を早く覚えられるかどうか?は「会計ソフトを使いなれているか」どうかにかかっているといえます。
これから会計事務所で働くことを考えている方は、入社前に実際に会計ソフトをさわっておくのが良いでしょう。
↓会計ソフトは無料で使えるものもありますから、まずはご自分の家計簿をつけるのに使ってみるのがおすすめです。
記帳作業は、企業が仕事として行うのも、個人が家計簿をつけるために行うものも、原則的な部分は同じです。
あなた自身の家計を「企業活動」に見立てて、会計作業を疑似体験してみてください。とても良い勉強になると思います。
勤務先からお給料が入ってきたら「売上」、お客さんと飲みに行ったら「接待交際費」というように記録していきましょう。
1ヶ月間の入力が完了したら、実際の現預金残高が会計ソフトの残高とあっているかチェックしてください。
会計ソフトに入力した内容が実際のお金の出入りとあっているかチェックする(月次監査)
上で見た記帳作業(会計ソフトの入力)は担当するスタッフが手作業で行います。
人間の行う作業ですから、当然ながら間違いが生じることもあります。
ですので、会計ソフトの入力内容が本当に正確なものかどうか?は定期的にチェックしなくてはなりません。
そこで、会計事務所の職員は、1ヶ月に1回程度のスパンで顧問先の事業所を訪問し、チェック作業を行います。
これを巡回監査(月次監査)と呼んでいます。
巡回監査では、実際の請求書や領収書を見ながら、会計ソフトの入力内容が事実に基づいているかをチェックしていきます。
↓巡回監査の具体的な内容についてはこちらの記事でくわしく解説していますので参考にしてみてください。
1年に1回、決算をして税務申告を行う
月次監査を12ヶ月分行ったら、1年に1回の決算を行います。
決算とは、顧問先の会社が1年間でどのぐらいの利益を出したのか?を確定する作業です。
(損益計算書や貸借対照表といった「財務諸表」を作成します)
すべての企業は1年間で得た利益の中から税金を計算して納税しなくてはなりません。
そのため、決算業務が完了したら税金の申告業務を行います。
個人事業主として活動している顧問先企業は所得税、法人企業として活動している顧問先企業は法人税という税金を納めます。
個人事業主の決算・税務申告作業のことを「確定申告」と呼びます。
確定申告は、法律で毎年2月16日〜3月15日に行うことが義務付けられていますから、この時期は会計事務所の繁忙期となります。
法人企業の場合は「決算日から2ヶ月以内」に税務申告を行います。
一人の職員につきだいたい20件程度の顧問先を担当していますから、会計事務所の職員は「1年中決算業務をやっている」というのが実際のところですね。
(三月決算法人の決算業務は5月、四月決算法人の決算業務は6月、5月決算法人の決算業務は7月…というように)
↓決算業務や税務申告についてはこちらの記事でくわしく解説していますので、参考にしてください。
2.その他の相談へのお答え(節税対策や経営助言など)
上で見てきたように、会計事務所の仕事は「1.クライアント企業の経理税務を代わりにやること」がメインとなります。
一方で、顧問先の経営者からはさまざまな相談を受けることがあります。
↓具体的には以下のような相談を受けることがあります(多くは月次監査で顧問先の事務所を訪問した際に相談を受けることになります)
- 節税対策としてどういうことをやればいいか?
- 決算書を会社の経営を生かすにはどうしたらいいか?
- 税務調査が来たらどうしたらいいか?
- 銀行からお金を借りるにはどうしたらいいか?
会計事務所によっては、こうした業務のことを「経営指導業務(経営助言業務)」とか「MAS業務(Management Advisory Servise)」とかいったように呼ぶこともありますね。
近年では会計ソフトの発達によって単純な経理作業だけでは税理士業務の差別化が難しくなっています。
そのため、MAS業務は顧問先の経営者からの信頼を獲得するために非常に重要な仕事内容と言えます。
会計事務所もビジネスですから、他の事務所よりも高品質なサービスを提供し、少しでも高い顧問料をいただかなくてはやっていけません。
こうした事情から、上のような経営助言業務(MAS業務)に力を入れている会計事務所は非常に多くなっています。
会計事務所で「優秀な職員」となるためには、こうした助言業務にどれだけ対応できるかにかかっているといえますね。
会計事務所の1日(業務ルーティン)はどんな感じ?
会計事務所の1日の業務ルーティンがどのような感じで進んでいくのか?についても見ておきましょう。
↓平均的な会計事務所スタッフ(税理士補助スタッフ)は、以下のような感じで1日のスケジュールをこなしています。
- 朝礼やそれぞれの人の業務スケジュールの確認など
- 顧問先を訪問し、巡回監査を行います(午前・午後で1件ずつぐらい)
- 夕方ぐらいに事務所に戻ってきて社内業務を行います(決算業務や日報作成など)
巡回監査にはだいたい2時間〜3時間程度はかかりますから、だいたい1日に2件ぐらいの顧問先を訪問することになります。
なので、午前中〜夕方にかけては外に出かけている人が多いですね。
顧問先では請求書などの資料を見ながら、会計ソフトの入力内容が正しいかどうかを1つ1つチェックしていきます。
1ヶ月分の会計データのチェックが完了したら、訂正事項などを社長や経理スタッフさんに報告して巡回監査は終了です。
(巡回監査の場は顧問先の経営者と実際に会える貴重な機会ですので、この場で経営相談などを受けることもあります)
夕方ぐらいに巡回監査から帰ってきたら、自分が担当する顧問先の決算業務などを処理していきます。
繁忙期には深夜になることもありますが、繁忙期以外は定時(18時など)に帰宅できることが多いですね。
会計事務所の仕事内容は大変?ノルマはある?
会計事務所のスタッフは、顧問先の新規開拓などの営業ノルマなどは基本的にありません。
(顧問先の開拓は所長税理士自身がやるのが基本の事務所が多いです)
もちろん、既存の顧問先企業との信頼関係を築くことができれば、新規の顧問先などを紹介してもらえるケースもありますが、これらをノルマとして設定している事務所は少数派でしょう。
一方で、会計事務所の職員の仕事は「時間との戦い」になることが多いです。
上でもみたように、顧問先の税務申告は「決算日から2ヶ月以内」に完了しなくてはなりません。
例えば、三月末決算法人の顧問先を担当しているなら、その顧問先の決算業務は絶対に5月31日までに完了しなくてはならないのです。
会計事務所の仕事では「段取りの良さ」が求められる
もし税務申告の期限内に決算業務を完了できないようなことになれば、顧問先企業からの信頼を大きく傷つけることになってしまいます。
(最悪の場合は顧問契約を切られてしまいます)
会計事務所の職員は常時20件程度の顧問先を担当していますから、自分の担当する顧問先の決算に間に合うように仕事をしなくてはなりません。
新規開拓の営業ノルマのような苦しさはありませんが、心理的にかなりハードな仕事になることもありますね。
会計事務所の仕事は、自分の担当する仕事を、順序立てて段取りよく進めていく能力が求められる仕事と言えるでしょう。
会計事務所の仕事でコミュニケーション能力は必要?
会計事務所の仕事は、コミュニケーション能力が必要です。
なぜかというと、会計事務所のお客さんというのは「中小企業の経営者さん」だからです。
(上で見てきたように、会計事務所のメインの仕事は「経理や税務申告の代行」ですから、こういった仕事を依頼してくるお客さんは必然的に中小企業の経営者ということになるのです)
企業規模の大小によらず、経営者の方々は非常にエネルギッシュな人が多いですね。
バリバリの営業マン出身者や、飲食業でアルバイトから独立したような人が多いですから、体育会系のノリの人が多い印象です。
日常的にこういった性格の人たちを相手に仕事をしていくことになりますから、「人と話すのが超苦手…」という人が税理士を目指すのはやや厳しいかもしれません。
もっとも、「コミュニケーション能力」というのはただ単に空気を読んで明るく振る舞える能力のことをいうのではありません。
相手との会話の中で、「本当はこういうことに悩んでいるのかも」「実はこういうことを言いたいけど、面と向かってはいいにくいのかも」といったように、相手の心情をイメージする能力の方が重要です。
(こうした能力にとぼしいと、ある日いきなり顧問契約の解除を言い出されたり、担当者の変更を要求されたりします)
会計事務所で働く人はおとなしい性格の人が多い
お客さんとのやりとりだけでなく、会計事務所内での他の職員や、所長税理士とのコミュニケーションも必要です。
会計事務所で働く人たちは基本的に内向的でおとなしい雰囲気の人が多いので、人付き合いが苦手…という人もそれほど抵抗なく馴染めるかと思います。
ただ、中には非常にパワハラ的な環境の会計事務所も存在していますから、「どういう会計事務所で働くか?」はきちんと吟味しなくてはなりません。
私は合計で3社の会計事務所で働いた経験があるのですが、未経験で入社した1社目の会計事務所がパワハラの横行するブラック事務所だったために大変な苦労をしました。
↓私が体験したブラック環境の会計事務所の体験談はこちらで書いています。
もちろん、会計事務所の全てがパワハラのブラック事務所なんてことはありません。
(ネットではネガティブな口コミが多いですが、わざわざ掲示板等に悪口を書き込む人はよほどネガティブな体験をした少数派の人たちです。福利厚生のきちんとしているホワイト環境の会計事務所もちゃんと存在していますから、入社前にきちんとチェックしておけば良い事務所に出会えますよ)
会計事務所のパート事務員(アルバイト)と正社員の違いは?
会計事務所で働く人には、①内勤の事務員と、お客さんと直接やり取りする②監査担当者の2種類がいます。
(監査担当者は税理士補助と呼ばれることもあります)
会計事務所の職員はこの2種類
- ①内勤事務員:事務所内部で働く内勤職員
- ②監査担当者(税理士補助):外部の顧客と直接やり取りする仕事
事務員は基本的にパートやアルバイトとして雇用されることが多いです(派遣社員のこともあります)
電話当番や書類整理、来客対応などの事務的な仕事を担当するケースが多いでしょう。
※↓会計事務所の事務員として働きたい方はこちらから
会計、税務、経理・財務分野の派遣・紹介予定派遣なら【ジャスネットスタッフ】
監査担当者(税理士補助)の仕事内容は資格を持った税理士とまったく同じ
一方で、監査担当者(税理士補助)は基本的に正社員で、仕事内容は税理士と全く同じです。
(税理士資格をまだ持っていなくても、やっている仕事内容は税理士と全く同じです)
毎日顧客の事業所を訪問して巡回監査を行い、決算業務と税務申告の代行を行うのが基本業務となります。
必然的に会計や税法に関する非常に高いレベルの知識が求められますので、会計事務所で監査担当者として働く人の多くが税理士試験受験生となります。
(事務所側も税理士試験の受験生を優先的に採用しています)
将来的に税理士を目指す方は、監査担当者(税理士補助)として入試し、勉強しながら仕事を覚えていくのが一般的です。
>>会計事務所で監査担当者(正社員)として働きたい人はこちらから
会計事務所と経理事務で仕事内容はどう違う?
これから会計事務所で働くことを考えている人の中には、経理(経理事務)として働くことも視野に入れている人もいらっしゃるでしょう。
会計事務所の職員も、経理事務職も、会計にかかわる仕事ですが、業務内容はかなり違います。
ものすごくおおざっぱにいうと、会計事務所の職員は「会計の仕事の最後の仕上げだけ」を仕事として扱うのに対して、経理事務は日常的な経理業務を担当します。
↓実際の業務の流れで言うと、以下のような感じになりますね。
- 企業が外部とお金のやり取りをする
- 経理職が外部への支払いや請求書の送付などの業務を行う
- 経理職が会計ソフトの入力作業を行う
- 会計事務所の職員が月次監査を行う
- 1年に1回、会計事務所の職員が決算と税務申告を行う
- 税金の納付は経理職が行う
- 経理職や経営者が翌年度の予算に関する計画を立てる
このように、会計事務所の職員と、経理職(会計事務所職員から見ると顧問先のスタッフさんになります)とは協力して1つの企業の会計業務を回しているのです。
このように見ると会計事務所の職員の方が「上流の仕事」のように感じますが、必ずしもそう言うわけではありません。
経理職として働く人の中には、1つの企業の中で役員として経営者の一員になる人もいます。
会計事務所では決算や税務に関する非常に濃い経験を積むことができますから、会計事務所で実務経験を積んだ後に一般企業の経理職に転職する人も多いです(実は私もそうです)
会計事務所の仕事は、大きく分けて次の3つがあります。
会計事務所の仕事は大きく分けて以下の3種類
- ①毎月やる仕事
- ②季節ごとにやる仕事
- ③単発のイレギュラーでやる仕事
以下、順番に見ていきましょう。
①毎月やる仕事
まず①毎月やる仕事についてですが、これはいわゆる巡回監査(月次監査)です。
具体的にはお客さんである顧問先企業を訪問して、経理の担当者さんが会計ソフトに入力してくれている内容が正しいかどうかをチェックさせてもらいます。
例えば、1月1日に売上が100万円上がっていたとしたら、その請求書を確認し、会計ソフトに会計仕訳が正しく入力されているかどうかを確認します。
上の場合であれば「売掛金/売上高 100万円」という仕訳が入力されていたらOKですが、「売掛金/借入金 100万円」(意味不明な仕訳ですが)となっていたりしたら間違っているので修正してもらうわけです。
会計データを経営者に報告する
毎月、すべての勘定科目についてこういったチェック(現資料と会計ソフトの照合作業)をやっていきます。
チェックが済んだら今回の内容を経理担当者さんに報告し、月次の試算表データを経営者に報告します。
データを見ながら今後の会社の方向性や節税対策などについて相談を受けることが多いですので、一緒に考えていくという感じです。
月次監査は1つの顧問先につき月1回行う
こういった月次監査は1つの顧問先に対して月1回行うのが基本です。
なので、自分が担当している顧問先企業が30社あったとしたら、毎月30社の顧問先を訪問するというわけですね。
1回の月次監査で3時間程度はかかりますから、午前中から1件か2件まわって、事務所に戻ってきて、夕方ぐらいからは事務所内部での仕事をするといった感じで会計事務所の日常業務は動いていきます。
②季節ごとにやる仕事
次に、季節ごとにやる必要がある仕事です。
これは①の毎月やる仕事(主に月次監査)にプラスして行うことになります。
上で「午前中に月次監査を行い、夕方ごろに事務所に戻ってきて事務所内部での仕事をする」と書きましたが、この「事務所内部での仕事」がこの②季節ごとにやる必要がある仕事というわけです。
季節ごとにやる仕事としては、次のようなものがあります。
季節ごとに行う仕事
- 法人企業の年次決算(決算月から2カ月の月に該当する月に行う)
- 顧問先企業の従業員の年末調整業務(12月~1月に行う)
- 個人事業主の確定申告業務(2月~3月に行う)
年末調整や確定申告については法律で申告する期日が決まっていますから、それぞれ該当月に行います。
一方で、1つ目の法人企業の年次決算は「決算月から2か月以内」が期限となります。
法人企業の決算月は完全に自由に決めることができますから、年次決算の作業を行う時期はそれぞれ異なります。
例えばあなたが3社の顧問先を担当しているとして、それぞれ3月決算・5月決算・8月決算となっていたとしたら、5月・7月・8月に年次決算の仕事を行うことになります。
- 3月決算法人:5月に年次決算の作業を行う
- 5月決算法人:7月に年次決算の作業を行う
- 8月決算法人:10月に年次決算の作業を行う
日本では3月決算の企業が多いですから、必然的に決算作業を行う5月は忙しくなりますね。
③単発のイレギュラーでやる仕事
3つ目の単発イレギュラーでやる仕事についてですが、次のようなものがあります。
イレギュラーでやる仕事の主なもの
- 節税対策や予算作成に関する相談
- 税務調査の立ち合い
- 相続税申告の相談など
これらは必ずしも季節ごとに入るような性質の仕事ではなく、お客さんからの相談が発生するごとに行う業務になります。
税務調査の立ち合いなどは本当にある日突然税務署から連絡が入ったりするので、普段の業務プラスアルファでやる仕事になります。
税務署側も会計事務所の繁忙期がいつかなどは把握しているのである程度配慮はしてくれているようですが、基本的にいつ連絡が入るかは予想できないことがほとんどなんです。
ただし、こういったイレギュラーな業務が新しい顧客獲得のチャンスになることも多い(相続税申告の依頼を受けたことをきっかけに事業の顧問契約を結んだり、税務調査をきっかけに月額顧問報酬のアップにつながったりということが生じます)ので、しっかりと対応する必要があります。
顧問先の担当件数によって仕事のきつさは変わる
会計事務所の仕事の忙しさというのは、自分が担当している顧問先企業の件数に比例します。
月次監査は基本的に毎月すべての顧問先企業について行う必要がありますから、20件の顧問先がある人は毎月20件、30件の顧問先がある人は毎月30件の企業を回る必要があるわけですね。
もちろん、年次決算についても全く同じです(20件の顧問先がある人は年間20回決算作業を行い、30件の顧問先がある人は年間30回の決算作業を行います)
担当顧問先の件数が30件を超えるとしんどくなってくる
これは個人的な感想ですが、顧問先30件を超えたあたりから業務が多忙になってきます(最初のうちは10件~20件ぐらいからスタートするのが普通だと思います)
私の場合1時期40件ほど顧問先を持っていた時期がありましたが、かなりの激務でした。
なので、実際に会計事務所に入社する前にどのぐらいの業務量になるのか?を予測するためには、相手先の会計事務所に「だいたい職員1人につきどれぐらいの数の顧問先を担当していますか?」と確認してみると良いでしょう。
無料で使える転職サイトなどを通して確認すると正確な情報を得ることができますよ。
会計事務所の繁忙期について
会計事務所の労働時間や残業時間がどの程度の者なのか?についても知っておきましょう。
もちろん、この数字は所属する事務所や自分が担当する顧問先企業の件数にもよるのですが、繁忙期にはある程度の残業が発生することを覚悟しておく必要があります。
※繁忙期というのは年末調整が重なる12月~1月や、確定申告を行う2月~3月、あるいは3月決算法人の決算を行う5月などです。
私の場合は繁忙期は夜9時ぐらいまで仕事をすることが多いですね。
会計事務所は閑散期には落ち着いて仕事ができる
逆に、繁忙期以外の時期(閑散期:6月~11月ぐらいまで)についてはかなり余裕をもって仕事ができると思います。
会計事務所で働く人の多くが税理士試験の受験勉強を同時進行でやっていると思いますので、この時期にはしっかりと勉強時間を確保したいところですね。
特に、8月には税理士試験がありますから、その1か月前の時期(7月)には長期休暇を取得することを認めてくれる事務所も多いです。
休日や残業代については入社前に確認しておく
休日や出勤日数については基本土日祝休みですが、確定申告の期限が近いときなどには土曜日に出勤することも多いですね。
ただこれは強制というわけではなく、業務の進み具合に任せるというスタンスです。
個人的には残業代をしっかりもらえるならある程度残業するのは構わないので、この時期はある程度覚悟をして仕事に取り組むようにしています。
なお、入社前に残業代や福利厚生の扱いについてくわしく知りたい場合にも、転職エージェントを通して情報収集しておくのが良いです(無料で使えます)
残業代が全くでないブラックな事務所も一部存在しているので、必ず入社前にその事務所の勤務条件は確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、会計事務所の仕事内容について解説いたしました。
将来的に税理士を目指し、会計事務所で未経験から働くことを目指している方はぜひ参考にしていただければと思います。
会計事務所は未経験・資格なしでも正社員(監査担当者)として採用されることは普通にあります。
(というか、ほとんどの人が最初は未経験の資格なしで、税理士試験の勉強をしながら会計事務所で働き始めます)
↓会計事務所の求人はこちらのサイトで見つけることができますので、参考にしてみてください。
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