この記事では、社会人の方向けに、税理士試験の受験計画の立て方を解説します。
税理士試験は、長期目線で戦略的に勉強を進めていくことが大切な試験です。
短期合格につながる税法科目選択のポイントについても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事の目次
「5年で5科目」がもっとも現実的な受験計画

(働きながら税理士試験合格を目指す場合の平均合格年数)
社会人が働きながら税理士試験合格を目指す場合、
平均合格年数は5年〜10年程度が相場になると思います。
もちろん、学生さんなど勉強に専念できる環境の人なら、
1年〜2年の超短期合格を達成する人もいます。
しかし、社会人の場合は5年程度の勉強期間は必要と考えておくのが現実的でしょう。
科目合格制度を活用し「1年に1科目」ペースで「5年で5科目合格」を目指すというのがもっともポピュラーな勉強計画です。

ただし、単純に「毎年1科目合格していって、5年で5科目合格」というやり方は普通しません。
税理士試験科目は、内容が共通している科目が多くあるからです。
科目間でのシナジー効果をうまく働かせながら勉強を進めていくのが短期合格のポイントになるでしょう。
例えば、簿記論と財務諸表論は内容が似ていますから、同時受験する人が多いですね。
- 1年目
簿記論と財務諸表論を同時受験し、両方不合格 - 2年目
簿記論と財務諸表論を再受験し、両方合格
↑こんな感じで勉強を進めていけば、
1年目は1科目も合格できなかったとしても「5年で5科目」を達成することは可能です。
↓同じように考えて、以下のようなかたちの受験計画が考えられます。
「5年で5科目」の具体例
- 1年目
簿記論+財務諸表論
1科目以上の合格をめざす - 2年目
不合格科目+消費税法
どちらか1つに合格して累計2科目合格をめざす - 3年目
不合格科目+法人税法
2年目で落ちた科目に合格して累計3科目合格をめざす - 4年目
法人税法+相続税法
どちらか1つに合格して累計4科目合格をめざす - 5年目
相続税法(or 法人税法)
5科目合格をめざす
このように、税理士試験は長期目線で戦略的に勉強を進めていくことが求められます。
税理士試験の税法科目を選択するときのポイント
税理士試験は、会計2科目・税法3科目の、トータル5科目に合格する必要がある試験です。
税法3科目のうちには、所得税法と法人税法のどちらかを必ず含めないといけません(両方含めてもOK)
会計2科目(簿記論と財務諸表論)についてはどちらも必ず受験しなくてはいけませんが、
税法3科目についてはかなり広い選択が可能になります。

税法科目の選択ポイントとしては、
↓以下のようなことを知っておくと良いかと思います。
- 法人税法や所得税法は勉強ボリュームが大きいので、2年〜3年かけて合格を目指す
- 法人税法と所得税法はどちらか1つだけを受験科目に含めれば良いので、できればどちらか1科目だけを受験科目とする
- 法人税法はある程度の会計知識が前提になることが多いので、会計2科目の合格後に勉強スタートする
- 消費税法は会計知識なしでも受験できるので、最初に受けてみるのもあり
また、どのような税法科目を選択したか?は、あなたの税理士としてのキャリアにも影響を与えます。
税法科目は「実務での利用頻度が高いもの」を選ぶと転職などでも有利になるでしょう。
実務での利用頻度が圧倒的に高いのは、法人税法と消費税法ですね。
所得税法も利用頻度高いですが、法人税法とどちらか1つを選ぶとしたら、法人税法を選ぶ方が実務的には良いです。
また、相続税法を選択しておくと、将来的に資産税分野の仕事もできるようになって年収アップにつながるでしょう。

↓税理士としての実務までみすえた試験科目の組み合わせ方法については、こちらの記事でくわしく書きましたので参考にしてみてください。
-
-
税理士科目合格の価値は?試験科目の組み合わせで転職を有利にする方法
「税理士試験の科目合格にはどのぐらい価値がある?」この記事では、会計事務所や一般企業経理の転職活動で、税理士試験の科目合格がどのように評価されるか解説します。おすすめの税理士試験科目(税法科目)組み合わせも紹介しますので、参考にしてください。
続きを見る
社会人は「会計事務所で働きながら合格を目指す」のがおすすめ
社会人が働きながら税理士試験合格を目指す場合は、
会計事務所に転職して、税理士として仕事を覚えながら勉強を進めていくのがおすすめです。

↓税理士試験の受験生が会計事務所で働くことには、以下のようなメリットがありますよ。
- 実務と試験勉強を結びつけながら学ぶことができるので、仕事にも勉強にも好影響になる
- 収入を得ながら無理なく5科目合格を目指せる
- 同じ目標を持つ仲間とはげまし合いながら挑戦できる(会計事務所で働く人の多くは税理士試験受験生)
- 会計事務所は職員の試験合格を奨励していることが多いので、資格スクールにも通いやすい。試験直前期の長期休暇取得OKとしている事務所などもある
- 5科目合格後には2年間の実務要件を満たさないといけないが、会計事務所で働きながらならこの実務要件も自動的に満たせる(5科目合格後すぐに税理士を名乗れる)
- 万が一、税理士試験をあきらめるとなった場合にも、キャリアが断絶せずに済む(企業経理への転職なども選択肢にできる)
最後に
今すぐ転職する気はないという人も、転職サイトへの登録はやっておきましょう。
今の仕事のストレスや疲労が限界までたまってくると、
転職サイトに登録する作業すらやる気がなくなります。
気になった求人をストックしておくだけでも、
いざとなったら転職すればいいという選択肢を持てます。
過労で倒れてしまうより前に、転職という次の手段が打てますよ。

※転職サイトは登録無料です。
転職サイトに登録しておくと、あなたの年収条件に合う最新求人や、
採用される可能性の高いおすすめ求人がメールで届きます。
今すぐ転職はできない方も登録しておきましょう。
会計事務所の求人探しにおすすめの転職サイト!
- MSジャパン
企業経理や会計事務所の求人が専門の大手転職サイトです。
未経験・資格なしで挑戦できる求人(年収400万円〜)が豊富にあります。これからキャリアスタートの方におすすめです。 - ジャスネットキャリア
会計事務所の経験者(3年以上)向けの求人が豊富なサイト。
資産税特化型の優良事務所や、上場大手企業の経理職など、会計ハイキャリア求人が多数登録されています。 - マイナビ税理士
税理士・科目合格者向けの求人に特化している転職サイト。
まだ科目合格のない人は登録できませんが、BIG4税理士法人を含む優良求人が豊富にあります。
給料安い・上司がうざい・勉強時間とれない…
今の職場になんらかの不満がある方へ。
今すぐ転職を視野に入れた行動を取り始めた方が良いです。
これは実体験込みですが、
年齢を重ねれば重ねるほど、転職というのは不利になっていきます。
特に、未経験の方は、年齢的に若ければ若いほど採用される可能性は高くなるのはまちがいありません。
同じ未経験者なら、年齢的に若い人の方が教育しやすいというのが現実ですからね。
あなたが人生で一番若いのは、今この瞬間です。

いまブラック事務所で働いている人は、
そんなしんどい状態で耐え続けるのやめてください。
所長税理士はあなたの人生に責任は持ってくれませんし、ボロ雑巾のように使い倒されて捨てられるのがオチです。
↓無理して頑張らないでも、世の中にはホワイトな環境でお給料もたくさん稼げる事務所がたくさん存在していますよ。
- 今より年収100万円プラス。
- 税理士試験の勉強時間をしっかり取れる。
- 人間関係が良好でストレスなく働ける。
- 資産税業務を取り扱っているので相続税関係の実務経験を積める。
会計事務所ってどこも同じような仕事してますから、
ある程度ちゃんと仕事できる人なら、より良い環境で働く方がいいに決まっていますよね。
年収100万円違ったら、生活水準はガラッと変えられます。
将来のために全額貯金するにしても5年間で500万円の差がつきます。
10年間で1000万円の差ですね。
勉強時間を毎日2時間長くとれる事務所なら、
独立して自分の事務所を持つまでの期間も2〜3年は短くできるでしょう。
独立を目指す人は、「若手税理士」を名乗れる年齢で独立した方が、
ビジネスは何かとうまくいきますよ。

今すぐ動き出しましょう。迷っているだけは変化は起きません。
自分から動き出す人だけが、理想の職場環境を手に入れることができるのです。
どんな事務所を目指すにしても、条件の良い求人を見つけないことには何も始まりませんから、
まずは会計職専門の転職サイトで求人をいろいろ見てみるところからスタートしましょう。
(※非公開求人まで全部見るためには無料登録が必要です)
登録作業なんて5分でできる作業です。無料ですからリスクなんて何もありません。
↓この簡単な作業を今すぐやる人と、やらない人とで大きな差が生まれるのは間違いありませんよ。
\ 会計職専門!優良求人多数あり!/
転職サイトについてよくある質問
転職サイトについて、よくある質問と回答をまとめました。参考にしてみてください。
(↓質問をクリックで回答を開きます)
\ 会計職専門!優良求人多数あり!/