- 税理士に向かない人/向いてる人の性格的特徴は?
- 会計事務所の仕事はきつい?激務って本当?
- 働きながら税理士試験に合格できる人ってどんな人?
税理士を目指して勉強しています。
会計事務所で税理士補助として働きながら
5科目合格を目指そうと思うのですが、
税理士に向いてる人・向いてない人とかってありますか?
特別な能力は必要ないと思いますが、
こういう人は税理士には向いていないかも…
という性格的な特徴は正直ありますね。
税理士というと「性格的に几帳面な人」というイメージがあるでしょう。
ただ、実際にはかなりおおざっぱな性格でも、
この業界で結果を出している人や、
高年収になっている人ってたくさんいるんです。
(つまり、重要なのはそういうところじゃない)
この記事では、私が実際に税理士として独立してみて実感した、
税理士に向いてる人・向いてない人の性格的特徴についてお話しします。
これから税理士目指して会計事務所に転職したい人や、
すでに会計事務所で税理士補助として働いているけど、
「ひょっとして自分は税理士に向いていないのかも…」
と感じている方は参考にしてみてください。
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この記事を書いた人
上場企業の経理として働きながら8年かけて税理士試験合格→税理士として独立開業しました。現在約15件のクライアント企業の顧問税理士として活動しています。独立開業している税理士として、税理士の仕事のリアルを体験談として書いていきます。
>>私の職歴についてはこちらの記事で書いています。
この記事の目次
- 税理士なってみてわかった「向いてる人・向いてない人」の特徴18個
- 1. 仕事を一人でため込まない人
- 2. 勉強が苦にならない人
- 3. いわゆる「コミュ障」ではない人
- 4. 人の入れ替わりが少ない職場でも働ける人
- 5. パソコン操作にアレルギーがない人
- 6. マニュアル的な業務もコツコツやれる人
- 7. 正義感(倫理観)の高い人
- 8. 中小企業の経営に興味がある人
- 9. 数字で考えるのが嫌いでない人
- 10. 男性・女性の適性について
- 11. 文系理系や数学の得意不得意について
- 12. 所長税理士とうまくやれる人
- 13. 顧客との「適度な距離感」をとれる人
- 14. 繁忙期の激務にも耐えられる精神力がある人
- 15.「机の上の作業だけ」をしていたい人は向いてない
- 16. 安定第一な人は税理士に向いてない
- 17. 顧客に「ノー」と言えない人は税理士に向いてない
- 社会人として働きながら税理士になれる人と、なれない人の違い
- 給料安くて超激務な「ブラック事務所」で絶対に働きたくない人へ
- 「今すぐは転職活動できない…」という人もやっておくべきこと
- まとめ
- 追伸
税理士なってみてわかった「向いてる人・向いてない人」の特徴18個
私は、サラリーマンとして働きながら8年間かけて税理士試験に合格し、
2023年4月に税理士として独立開業をしました。
この記事を書いている現在で、開業からは約半年。
顧問先企業は15件程度で、年商は500万円〜600万円ほどになりそうです。
正直、サラリーマン時代の方が年収は高かったですが、
これからどんどん顧客を増やしていって、
将来的には年商億単位の税理士を目指したいと思っています。
まだまだ「駆け出しの開業税理士」ではありますが、
それだけに「独立したての税理士がどんな感じで生活しているのか?」
についてはかなりリアルな体験談としてかけるかと思います。
以下では、私が実際に開業税理士になってみて感じた、
税理士に向いてる人・向いてない人の特徴を紹介しましょう。
1. 仕事を一人でため込まない人
税理士の仕事は、非常に責任が重い仕事です。
仕事をしていく中で、精神的なプレッシャーを感じる場面が少なくありません。
もちろん、責任感が強いことは美徳ですが、
これが行き過ぎてしまうのは禁物です。
なんでも自分で抱え込みすぎてしまい、ストレスをためこんでしまう人は
「もたない…」と感じてしまうことも少なくありません。
実際、税理士としてものすごくまじめに頑張っていた人が、
精神的に折れてしまい、
突然退職してしまったり、
税理士を廃業してしまうパターンは多いです。
ポイントとしては仕事をためこまないことですね。
会計事務所で働いているなら、
税理士・税理士補助とはいえ、
まだ独立していない勤務職員である以上はサラリーマンです。
不安に感じることや判断に迷うことについては、
先輩や所長税理士にこまめに相談しましょう。
最終的に仕事の責任を負うのは、事務所の責任者である所長税理士ですからね。
税理士(税理士補助)が仕事でプレッシャーを感じる場面
税理士(税理士補助)が実際に仕事をしていて、
精神的なプレッシャーを感じる場面にはどんなことがあるでしょうか。
第一には「計算ミスがいっさい許されないこと」が挙げられます。
お客さん(中小企業経営者)はあなたのことを「会計や税務のプロ専門家」として扱います。
そのため、お金の計算について1円でも間違いがあれば信頼を損ねてしまう可能性があります。
非常にシビアな仕事を求められることを知っておきましょう。
また、税金の計算をまちがえてしまうと、
最悪のケースでは「顧問先企業に脱税を指導した」などということにもなりかねません。
刑事罰を喰らうケースはほとんどありませんが、
ペナルティとして加算税や延滞税を追徴課税されることはあります。
さらに、税理士補助が作成する会計データや資金繰り資料は、
顧問先の経営者にとっては経営のかじ取りの「地図」のようなツールになることも多いです。
もしこの数字にまちがいがあったりすると、
経営方針をまちがえて倒産…なんてこともありえるのです。
(具体的には、通るはずの銀行融資が通らず、資金がショートしてしまうなど)
そのほかにも節税対策や税務調査への立ち合い、
経営者への生命保険加入の指導など、
お客さんの人生を左右するような重要な仕事がたくさんあります。
几帳面すぎる/まじめすぎる…も考えもの
実は几帳面すぎる性格は税理士に向いていないと私は思っています。
几帳面なあまり、細かい部分にこだわりすぎて仕事が終わらない…
なんてことになると本末転倒だからです。
税理士の仕事は、申告期限内に手続きを終わらせることが絶対ですが、
実務では、必ずしもきちんと判断材料となる資料が揃っているとは限りません。
↓例えば、こうしたトラブルはしばしばあります。
- 請求書や領収書を紛失して取引内容を確認できない場合
- 一括記帳となったため、通帳の動きが確認できない場合
ある程度の几帳面さは必要ですが、
どうしようもないこと(自分の責任ではどうしようもなこと)は、
割り切ってしまわないととてもやってられません。
できる範囲で手を打つことができる要領の良さも大事ですね。
>>給料安くて超激務な「ブラック事務所」で働きたくない人が知っておくべきこと
2. 勉強が苦にならない人
税理士や税理士補助として働くなら、
勉強が苦にならない人であることは必須の適性と言えるでしょう。
税理士は、一生勉強がつきものの職業です。
まず、税理士になるために税理士試験の猛勉強をすることから始まります。
そして税理士になった後も、税法が改正される度に知識をアップデートすることが必要です。
会計や税法のルールはほぼ毎年変わっていきますので、
すでに税理士資格を持っている有資格者であっても、
毎年変わる税法のルールに対応するために勉強が必要なのです。
また、税法だけでなく、注目される節税スキームや経営者の注目する時事ネタなど、
幅広く情報収集をしていかなければいけません。
顧客により良いサービスを提供できるように、
向上心を持って日々勉強できる人が税理士に向いています。
3. いわゆる「コミュ障」ではない人
税理士の仕事では、コミュニケーション能力はかなり重要です。
会計事務所の職員が日常的にやりとりするのは中小企業の経営者さんたちだからです。
中小企業の社長さんって、
はっきりいって「変わった人」が多いです。
(めっちゃ失礼ですが…)
よく言えば、人なつっこくてノリが良くバリバリ情熱的に仕事をこなす人が多いですね。
逆に悪く言うと、お調子者な人や、
そのときどきで気分が変わりやすい人が多いのが実際のところです。
普段から現場で従業員などに指示を出す立場で働いている人たちですから、
言葉の表現などが多少横柄に感じることもありますね。
なので、人とのコミュニケーションが苦手な、内気なタイプの人は
最初はちょっと面食らうかもしれません。
(いわゆる「コミュ障」までいくとかなり難しいかもしれません)
また、税理士というと「毎日電卓を叩きながらのデスクワーク」というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、実態はかなり違います。
税理士は「外回り」が多い仕事
実際には、税理士はいわゆる「外回り」が多い仕事です。
↓日常的には、だいたいこんな感じの仕事内容になるでしょう。
- 昼間は自分が担当する企業訪問をして、会計帳簿のチェック
- 夕方ごろに事務所に戻ってきて決算や税務申告業務などのデスクワーク
外部の取引先を訪問して、
顧問先企業の経営者や経理スタッフさんとやりとりをするのが業務内容になります。
仕事の雰囲気的には「ルート営業」のような感じと思っておくと良いかもしれません。
なので、人とのコミュニケーションが苦手…なタイプの人は、
会計事務所の仕事はつらくなってくるかもしれませんね。
もちろん、新規開拓の営業は求められることは通常ないので、
社会人として普通のコミュニケーションができる人なら問題はないですよ。
また、顧問先企業にいくと「税理士の先生」というあつかいなので、軽くあつかわれるようなこともないです。
これは税理士資格を持っているかどうかに限らずです。
人と話すのが好きな人は向いている
また、税理士の仕事は、顧客以外にも
- 税務署など役所の担当者
- 銀行など金融機関の担当者
- 弁護士や司法書士など他士業の人たち
↑など、多くの人と話す機会があります。
人と話すことが苦手な人にとっては、大きなストレスになってしまうでしょう。
税の専門家として高度な知識を豊富に持っていたとしても、
この知識を上手く伝えるスキルがなければ、
まったく価値のない知識になってしまいます。
知識のない人に対しては、専門用語をできるだけ使わず、
中学生でも分かるような伝え方をするべきです。
逆に、同じ専門家である税務署に対しては、
条文どおりの専門用語を用いた厳格な表現をしなければ、
細かい部分の解釈をとり違えるかもしれません。
知識のある人への必要以上に丁寧な伝え方は、むしろ失礼になってしまいます。
相手に合わせたコミュニケーションができる税理士は、
それだけで周りから高く評価されるでしょう。
営業マン経験者は好まれる!
あと、営業マンとしての経験がある人は、
会計事務所では歓迎される傾向があります。
税理士のお客さんは中小企業経営者なわけですが、
彼らの多くは営業経験者からたたき上げで独立している人が多いですから、
営業マンをやっていた時代の話などをすると共感してもらえることが多いですね。
そういう意味で、社会人経験が豊富な方は会計事務所の採用でも有利になる可能性があります。
採用活動を行う会計事務所側としても、どちらかというと内気な人が多いです。
そんな中で、営業経験のある人というのはキラリと輝く存在でもあるわけですね。
「これから税理士を目指して会計事務所に転職したいけど、
営業マンの経験しかない自分でも採用されるのかな?」
と不安に感じている方は、
ぜひ挑戦してみると良いと思いますよ。
>>給料安くて超激務な「ブラック事務所」で働きたくない人が知っておくべきこと
4. 人の入れ替わりが少ない職場でも働ける人
税理士や税理士補助が働く会計事務所というのは、
「小さな組織(スタッフ数5名〜10名程度)」であるケースがほとんどです。
もちろん、税理士業界には「BIG4」といわれる大手事務所もありますが、
こうした大手事務所に入れる人はひとにぎりですから、
大多数の人は個人事務所レベルの会計事務所でキャリアスタートすることになるでしょう。
個人事務所レベルの会計事務所での場合、
20名程度のスタッフ数がいれば「大きい事務所」といわれます。
ほとんどの会計事務所では、
毎年新人が入ってくるようなことはありませんし、転勤もありません。
なので、必然的に同じメンバーと何年も一緒に働くことになります。
よく言えば「家族的な雰囲気」で働くことができますが、
プライベートで勤務先の人たちとやりとりをすることもあるかもしれません。
こうした働き方に苦痛を感じるタイプの人は、
会計事務所で働くのは向いていないかもしれませんね。
5. パソコン操作にアレルギーがない人
税理士の仕事は、ごくおおまかにいえば「お客さんの税金を計算して国に申告すること」です。
会計業務や税金計算はほぼすべての企業でIT化が進んでいます。
具体的には、会計ソフトを使ってパソコンで決算業務や税務申告書作成を行い、
インターネット経由の電子申告で国への申告も完了します。
コロナ禍以降はリモートで顧問先とやりとりをするケースが増えていますから、
こうした操作に慣れていることも重要ですね。
なお、会計ソフトは一般個人でも無料で使うことができます。
これから会計事務所で働く人は、
家計簿がわりに使って操作に慣れておくのがおすすめですよ。
↑スマホアプリとしても使えますので、まずはさわってみてください。
これをやってるかやってないかで、
会計事務所入社後の仕事への慣れ方がまったく違いますよ。
ゲームや車の運転と同じで、
会計ソフトは説明書を読み込むより、
実際に使ってみる方が圧倒的に理解が早いです。
家計簿として使うのにも適していますので、ぜひ使ってみましょう。
6. マニュアル的な業務もコツコツやれる人
税理士の仕事は、コツコツやっていく地味な作業がとても多いです。
- 日常の経理作業を正しく行い、
- 月次の決算を正しく行い、
- 年次の決算を正しく行い、
- 決算の数字に基づいて税務申告書を作成…
↑こんな感じで、マニュアル的に進めていく作業が多くあります。
これらを期限までにまちがいなく完了するのが、
税理士や税理士補助の仕事です。
非常に緻密(ちみつ)な仕事ですから、
一つ一つの仕事をコツコツきっちりやっていくタイプの人は仕事を早く覚えられるでしょう。
会計には「継続性の原則」がありますから、
一度やった処理については次回以降もまったく同じように処理しないといけません。
(これは法律で決まっているルールです)
よく言えばマニュアル化されていて迷うことなく作業できるのですが、
単調に感じてしまう部分も多くありますね。
コツコツ作業を積み上げていくのが得意な人は向いている
税理士の仕事は、最終的に税務申告書を税務署に出すことで完了するわけですが、
ここまで行くためには、日々の小さな作業の積み上げが必要になります。
たとえば、法人の決算業務の場合、おおまかに下記の業務フローとなります。
- 請求書や領収書を1枚1枚日付順に整理
- 整理した書類から取引内容を確認しながら、1つ1つの取引を正しく会計ソフトへ入力
- 1年間の取引の仕訳を集計した決算書を作成
- 作成した決算書をもとに申告書を作成
多ければ、数万仕訳を会計ソフトへ入力する法人もあり、
仕訳量が多ければ、書類も膨大な量になります。
書類の整理、会計ソフトへの入力を早くできることが、
仕事のスピードに直結します。
コツコツ作業するのが得意で、
早く正確に作業ができる人は、その素質を存分に発揮できるでしょう。
7. 正義感(倫理観)の高い人
税理士や税理士補助は、
お客さんである中小企業経営者の代わりに税金の申告を正しく行うのが仕事です。
経営者は「税金なんてできるだけ払いたくない」と考えている人がほとんどです。
さすがに「脱税のやり方を教えてくれ」とはっきり言ってくる人はいませんが、
ちょっとでも税金を安くできる裏ワザ的なものがあるなら教えて欲しい…。
と思っている人がほとんどですね。
もちろん、税理士(補助)は公務員ではありませから、
基本的には顧問先企業経営者の立場にたって仕事をするべきです。
その一方で、法律のルールを超えることをやってしまうと、
勤務先事務所の社会的な信用を地に落としてしまうことにもなりかねません。
ルールを逸脱するやり方をお客さんから求められた場合に、
きちんとNOということが求められることは理解しておきましょう。
なお、合法的に税金を安くする方法を「節税」
違法なやり方を「脱税」と呼んで区別したりします。
税理士は重い責任を問われることも…
税理士の仕事には、損害賠償や資格剥奪などの危険が伴います。
苦労して税理士になったのに、
1つのミスで税理士のキャリアを棒に振ってしまうなんてことも起こり得ます。
(↓例えばこんなケースも…)
- 不明点を十分に確認をせずアドバイスしたことにより、顧客から損害賠償請求をされた。
- 顧客の無理難題に応じてしまい、脱税行為に加担したとみなされ、税理士資格を剥奪された。
強い倫理観や正義感を持っていれば、
いい加減なアドバイスをせず、きちんと確認した上で有益なアドバイスをするでしょう。
また、顧客に対して「できないことは、できません」とはっきり断ることができます。
危険を回避するだけでなく、
頼れる税理士になるために必要な素質の一つともいえますね。
8. 中小企業の経営に興味がある人
税理士のお客さんは、中小企業の経営者さんたちです。
大手の税理士法人などに勤務する場合には大企業を相手にすることもありますが、
個人事務所レベルの会計事務所で働く場合は、
町工場の社長さんや商店街の八百屋さんなど、
比較的小規模な経営者と日常的にやりとりすることになります。
お客さんである中小企業経営者からは、
経営についていろんな相談をされることがあります。
節税方法だけでなく、銀行融資への対策や
従業員の雇用、長期目線での経営方針についてなど、
中小企業経営全般についての相談がされます。
もちろん、まだ独立していない勤務税理士や税理士補助は「サラリーマン」です。
自分自身は経営者の経験がない人がほとんどですから、
答えられる質問と答えられない質問があるのは当然です。
それでも自分の能力が及ぶ範囲で調べ、お客さんにアドバイスできるか?は、
「中小企業経営に興味があるか」による部分が大きいです。
興味がある・ないは相手に伝わるものですからね。
なお、将来的に税理士として独立を目指している人の場合、
中小企業経営に興味があることは必須の適性といっても良いでしょう。
税理士として独立するということは、
自分の事務所の経営者になるということでもあります。
>>給料安くて超激務な「ブラック事務所」で働きたくない人が知っておくべきこと
9. 数字で考えるのが嫌いでない人
税理士補助は「会社の数字」をあつかうのが仕事です。
どのようなことでも数字で正確に語ることが求められます。
なので、お金の計算をするのが苦手…というタイプの人は、
残念ながら税理士には向いていないでしょう。
(そういう方はそもそも税理士を目指すことはないと思いますが)
数字で語るというのは「今年の税金の金額はこれだけ」
といったように具体的な数字で伝えることにプラスして、
「比較の視点をもつ」ということでもあります。
↓例えば、当期の数字を以下のような数字と比較する視点が重要です。
- 過去の数字との比較
- 目標値(予算)との比較
- 同業他社の数字との比較
経営者から「うちの会社どう?」と聞かれたときには
売上が前年の同期と比べてどうか、年初に立てた目標と比較してどうか、
といったことを具体的な数字で回答することが大切です。
なぜかというと、
経営者は「具体的な数字で知りたいからこそ、
わざわざ税理士(会計事務所)と顧問契約を結んでいるから」なんですね。
おおまかな数字を知りたいだけならどんぶり勘定でもいいですし、
自社の経理スタッフでもある程度は正確な数字を出してくれます。
そこからさらに一歩進んで、
税理士という「専門家の目を通した数字」を知りたいと考えているのが経営者です。
税理士補助として会計事務所で働くなら、
自分の顧客があえて高いお金を払って、
税理士と顧問契約しているのはなぜなのか?
を考えながら仕事をするのが大切ですよ。
税理士は経営のパートナーとしての役割もあります。
自分が担当している顧問先企業の経営状況については、
常に把握しておかなくてはなりません。
(そうしないと、経営者から相談を受けたときに適切な回答ができません)
10. 男性・女性の適性について
税理士補助は男性と女性のどちらが向いているか?についてですが、
これは基本的に差はないと思います。
男性女性を問わず、優秀な人とそうでない人がいます。
ただ、税理士業界は基本的に男性が多い業界です。
ちょっと古いデータですが、
日本税理士連合会による第6回税理士実態調査(平成26年)によると、
↓女性の税理士は全体の14.4%となっています。
11. 文系理系や数学の得意不得意について
文系と理系でどちらが税理士に向いているか?ですが、
これについても基本的に差はないと思っています。
もちろん、税理士志望者は大学の文系学部を出ている人が多いのは事実です。
(経済学部や経営学部、商学部の出身者が多いです)
ただし、これは文系の方が適性があるということではなく、
目指す人の多い/少ないの問題に過ぎません。
理系出身者でも税理士や会計士として活躍している人はたくさんいますからね。
なお、学生時代に数学が得意だったか?は、
税理士として仕事をしていく上であまり重要ではないです。
簿記や会計学で出てくる計算って、
足し算・引き算・掛け算・割り算だけです。
どちらかというと、税理士試験は税法科目で「理論の丸暗記」を求められますから、
そういった勉強に慣れているかどうかの方が試験の合否には影響してくるかもしれませんね。
12. 所長税理士とうまくやれる人
税理士を目指す人の多くは、
まずは会計事務所で実務修行をしながら税理士を目指すことになります。
会計事務所での仕事は、
経営者である「所長税理士の性格しだい」で、天国にも地獄にもなる…
↑というのが現実だと思っておいてください。
会計事務所というのは、どこも小さな組織です。
(所長税理士を含めてスタッフ5名〜10名という規模がほとんど)
少人数の事務所は、所長の性格や手腕が大きく出ます。
小規模事務所は、大手事務所と違い、事務所の雰囲気も様変わりします。
小規模事務所ならでの、アットホームな雰囲気がある事務所もあれば、
人数が少ない割には、連携プレーが出来ていない事務所もあります。
所長の人柄が雇用環境に直接出るので、同じ規模でもカラーが全く変わってきますね。
思いつきの強い所長だと、運営方針も所長の一声で変わります。
例えば、次はこういう顧客をターゲットにするぞ!と、思いつきで動いてしまうなどです。
その方向性が職員にとって、意見を受け入れ柔軟に対応できるものならいいですが、
職員の納得がいかないまま突き進んでいったら、しんどい職場になりますよね。
逆に言えば、がんばって所長税理士とコミュニケーションをとり、
提案できるようになればしめたものですよ。
小さい職場だからこそ、職場環境って大事ですよね。
マネジメントスキルがない所長は地獄!
会計事務所の所長税理士は、実は他業種での経験がとぼしい人が多いです。
税理士になるために、勉強ばかりしていた方がほとんどですからね。
働きながら税理士になった人もいますが、仕事場は会計事務所が多いです。
社会人経験が浅いため、所長になっても人の扱いに慣れていないのですよ。
他の組織や世界を見たことないわけですからね。
人が多くなれば、全員に認識がいきわたる様に、組織化していく必要がありますが、
小規模事務所では、その場で職員全員集めて運営方針を語ることも可能です。
フットワークの軽さは、小規模事務所の特権ではないでしょうか。
しかし、人の扱いに慣れていない所長のもとでは、意見も聞いてもらえず振り回されて、
新たな仕事が舞い込みがちです。
職員は、みんな疲労困憊になってしまい、仕事したくないなぁとなってしまいますよね。
13. 顧客との「適度な距離感」をとれる人
税理士にとって、顧客とのコミュニケーションは非常に大事です。
これは「とにかく仲良くすること」が大事なのではなく、
「適度な距離感をキープすること」が大事という意味ですね。
年齢や趣味も近いと、コミュニケーションも弾みますが、
親近感ができすぎてしまうと無理なお願いをされるようなことが多々あります。
(下手をすれば脱税の片棒かつぎをさせられることにもなりかねません)
家族ぐるみや友達のような付き合いになるのは考えものです。
仕事の距離感は、意識するようにしましょう。
そこは、ビジネスですからね。
顧客の企業規模によっても変わるコミュニケーション
顧客の企業規模が個人企業だと、結構大変な場合があります。
なぜなら、会計の知識がないから、頼んでいるわけですからね。
1から10までお願いする顧客もいれば、
決算や確定申告だけ限定する顧客とさまざまです。
限定的な依頼の顧客は、会話もしやすく仕事もはかどります。
家族経営や個人など、経理がいない顧客を相手にするしんどいんですよ。
会話できる知識がないので、思わぬ残業が増えてしまいがちです。
サクッと必要な事を終わらせ、昼食をいただき、少し余談しサクッと帰るのがいいです。
顧客とのさじ加減をもったコミュニケーションができる人は、案外好感をもたれますよ。
14. 繁忙期の激務にも耐えられる精神力がある人
会計事務所の繁忙期は、毎年年末〜翌年3月、そして5月です。
年末〜1月にかけては年末調整業務、
2月〜3月にかけては確定申告業務、
5月には三月決算法人の申告業務があります。
会計事務所で働く場合には、
この時期はそうとうな激務となることを覚悟しておきましょう。
特に働きながら税理士試験の勉強がある人は、
肉体的・精神力にも強い人じゃないと、
この時期に体調を崩してしまうことは少なくありません。
逆に、繁忙期がめちゃくちゃに忙しい分、
6月から11月の閑散期はかなり落ち着いて仕事や勉強ができます。
この時期は税理士業界は転職活動が活発になる時期でもあるので、
人の入れ替わりが起きやすい時期でもありますね。
>>給料安くて超激務な「ブラック事務所」で働きたくない人が知っておくべきこと
15.「机の上の作業だけ」をしていたい人は向いてない
簿記の勉強や税金の計算など、
数字を使った作業が好きで税理士を目指す人はきっと多いでしょう。
もちろん、企業経営にまつわる数字が好きなことは、
税理士とってはとても大切な適性です。
ただ、問題はそれだけではダメなこと。
「食える税理士」になるためには、顧客とのコミュニケーション能力は必須です。
(これはサラリーマン税理士も、独立開業税理士も共通です)
特に、税理士として独立開業してみてわかったことは、
顧客の開拓営業が絶対的に必要だということです。
独立前は「紹介でなんとかなるかも…」と思っていたのですが、
これは甘かったですね。
経理知識や税務知識だけではなく、
税理士としての自分を選んでもらうための営業力は必須です。
顧客側(企業経営者)から見れば、税理士なんていくらでもいて、
どの税理士も同じように見えているものですからね。
(なかには、価格だけで税理士を選んでいる顧客もいます)
そんな中で、自分をアピールできないことには顧客はついてきませんし、顧問料を払ってくれません。
会計事務所等で働く勤務税理士や、
まだ資格がない税理士補助もこれはまったく同じで、
自分が担当するクライアント経営者からの信頼を勝ち取ることは必須です。
彼らにとっては「担当者なんて、ちゃんと仕事してくれるなら誰でもいい」わけですからね。
そんな中で「うちの顧問はぜひあなたにお願いしたい」と言ってもらえるようにならなければ、
税理士として独立しても食えるようにはなりませんし、
サラリーマン税理士としてもお給料はいつまで経っても上がりません。
税理士としての専門知識も重要ですが、
自己プレゼン力やコミュニケーション能力はぜひ養ってください。
顧客が「自分を選んでくれた」という成功体験を重ねていくことにより、
税理士としての自信と、手取り収入を得ることができるようになります。
16. 安定第一な人は税理士に向いてない
仕事や人生に安定を第一に求める人は、基本的に税理士は向かないでしょう。
少なくとも、税理士として独立を目指すことはやめた方が良いです。
私自身は上場大手企業のサラリーマン経理として長く働いてきましたが、
正直に言って税理士として独立開業した今よりも収入は安定していました。
(その分仕事はきつかったですが…)
大手企業で働く経理として長い時間をかけて出世していけば、
年収1000万円ぐらいは普通に狙うことができます。
あえて社会人として働きながら、
税理士というしんどい国家資格の勉強をする必要はないでしょう。
サラリーマンであれば、給与は定期的に入ってきますし、賞与や退職金もあります。
さらに企業によっては、社員旅行等の福利厚生もあります。
また、体調を崩して休むことになっても有給休暇があります。
何かトラブルを起こしても、個人にペナルティはあるかもしれませんが、
最終的には企業が責任をとってくれます。
サラリーマンは、企業に縛られつつも企業によって多くの恩恵がもたらされています。
一方で、開業税理士は努力した分だけ収入にはなりますが、毎月同じ収入ではありません。
定期的な賞与などはなく、退職金も小規模企業共済等で自分で積み立てることになります。
また、有給制度はありません。
一人で開業した場合、体調が悪くなっても代わりはいませんので、
納期が迫っている場合、体調が悪くても働かなくてはいけないです。
トラブルが起こった場合、すべて自分で解決をしなければなりません。
このように独立開業をすることは、魅力的には見えますが、さまざまなリスクがあります。
リスクを背負ってまで、独立開業をする勇気は無い、
安定して働きたいという人は、開業税理士に向いていません。
17. 顧客に「ノー」と言えない人は税理士に向いてない
意志が弱くて、顧客に「ノー」ときちんと言えない人も税理士には向いていません。
税理士の使命は、顧客である企業経営者が税法に基づいて正しく納税ができるようにし、
脱税で訴えられる…などのリスクが生じないようにしてあげることです。
しかしながら、顧客の経営者の中には「税金は絶対に払いたくない…」みたいなタイプの人は少なからずいるのが現実です。
経費にできないものを経費計上をしてほしいという依頼があったり、
もっと悪質になると脱税をほのめかす人もいるかもしれません。
そういったときには、税理士や税理士補助は毅然と「ノー」と言わなくてはいけません。
しかも、ただ「ノー」というだけでは相手は納得しません。
(最悪、顧問契約を解消されたりクレームになったりします)
ただ単に「ダメです」と伝えるだけではなく、
こういった税法があり、過去こういった判例があるということまで、
まったく会計知識がない人でもわかるように伝えて、
顧客に納得してもらう必要があります。
もし、顧客の言うまま、成すがままに対応をしてしまうと、
顧客としても「税理士がOKしているのだから税法上もOKなのだろう」と勘違いをしていまいます。
その結果、気付かずに脱税に関与していた…なんてことにもなりかねません。
税理士が脱税に関与した場合、最悪の場合は税理士資格を失うこともあります。
苦労して手に入れた税理士資格を、
そういったことで失ってしまうのもバカバカしいですよね。
税理士にはダメなものはダメと言える意志の強さと、正義感や倫理観が重要となります。
>>給料安くて超激務な「ブラック事務所」で働きたくない人が知っておくべきこと
社会人として働きながら税理士になれる人と、なれない人の違い
↓
私は、一般企業の経理スタッフとして働きながら、
8年間かけて税理士試験に合格しました。
↓5科目合格までの道のりとしては以下のような感じですね。
- 1年目:簿記論に合格
- 2年目:財務諸表論に合格
- 3年目:合格科目なし
- 4年目:消費税法に合格
- 5年目:合格科目なし
- 6年目:合格科目なし
- 7年目:所得税法に合格
- 8年目:住民税に合格(5科目合格)
「合格まで8年」というのは社会人受験生としてはごく平均的かとは思いますが、
かなり長い間勉強してきた中で、いろんな税理士受験生と会いました。
そんな中で、結局5科目合格までいかずに挫折してしまう人と、
働きながらコツコツ科目合格を積み重ねて、
最終的に税理士になることができる人とでは、
考え方というか、働き方に違いがあることに気づいたんです。
以下では、働きながら税理士試験に合格できる人と、
できない人の違いについて、8年間実際にやってみて思ったことを書きます。
1. 勉強環境を整えることの重要性を認識しているか
一番重要なことは「勉強を継続できる環境を整えているかどうか」です。
社会人として働きながら税理士試験に挑戦する場合、
試験勉強はかなりの長期戦になります。
長期戦の中でモチベーションを切らさずに、最後まで走り切るためには、
何よりも環境作りが重要になるんですね。
かなり長いこと勉強しているのに、
税理士試験に失敗する人の多くは、
合格までは給料安くても、激務でも修行…!
みたいに思い込んでしまってる人が多いです。
仕事が激務すぎるブラックな税理士事務所で働いていたり、
勉強はOKでも、毎年合格者がほぼゼロ…
みたいな「試験はあきらめムードな人ばかりの事務所」で働たりしてしまうと、
あなた自身の5科目合格は遠のくと思っておいた方が良いです。
もちろん、合格するまでは絶対にあきらめない…!という意志の強さや根性は重要ですよ。
ですが、人間なんてほんとうに弱いもので、
1年〜3年の短期戦ではそれでなんとかなっても、
5年以上も「根性論」で頑張れる人なんてほとんどいないのが現実でしょう。
そこで重要になるのが「無理なく合格を目指せる環境」で働くことなんです。
2. 仕事が激務過ぎないこと
まずは仕事が激務でなく、毎日の勉強時間をコンスタントに確保できることです。
仕事が忙しすぎて、家と会社を往復するだけ…みたいな生活では継続できません。
税理士試験は理論暗記が必要ですし、
計算問題を早く解くトレーニングが重要な試験です。
そのため、勉強は毎日コンスタントに継続することが大切になります。
これを実現するためには、ワークライフバランスが取れており、
きちんと勉強時間をとることができる職場環境が必要です。
もし、現在の仕事が残業が多く激務の場合には、転職も検討する必要があるでしょう。
転職に罪悪感を持つ人は多いですが、
あなたのキャリアのことを本気で考えているのは、結局のところはあなた自身しかいません。
3. 会計事務所で働くなら「毎年合格者が出る事務所」で働こう
人間はどんなに意思が強くても、結局は環境に影響される生き物です。
「朱に交われば赤くなる」ということわざもありますが、
勉強を順調に進めていきたいなら、
勉強が順調な人たちがたくさんいる環境に、あなた自身もつかることが大切なんです。
例えば、会計事務所で働きながら合格を目指すなら、
毎年5科目合格者が1人は出てくるような職場が望ましいです。
逆に、周囲がみんな諦めムードな職場で働く場合、自分も感化されてしまいます。
人は環境に影響される生き物です。
応援をしてくれる人がいれば頑張れますし、
周囲のモチベーションが高ければ、自分のやる気もでます。
税理士試験に対し、高いモチベーションを保てる職場を選びましょう。
4. サラリーマン時代から年収には絶対こだわるべき
税理士を目指す人は、「将来は独立したい」と考えていたとしても、
サラリーマン時代から年収にはこだわるべきです。
具体的には、なるべく同僚や先輩が高い年収を稼いでいる勤務先で働くようにしてください。
なぜなら、サラリーマンとしては稼げていなかったけど、
独立したらいきなり稼げる…!
なんてことはほぼあり得ないからです。
(独立開業の方がサラリーマンよりも難易度が高いので、当然そうなるかと思います)
逆に言えば、サラリーマン時代(勤務税理士や税理士補助時代)から、
しっかりと年収にこだわって仕事をしてきた人は、
税理士として独立した人もお金をしっかり稼げるようになっている印象です。
独立している/していないは単にビジネスの形態の違いにすぎません。
ビジネスマンとしての能力をきちんと身につけるかどうか?が大事なんですね。
ビジネスマンとしてのノウハウは自分自身で学ぶことも重要ですが、
実際には「職場の優秀な先輩や同僚」から学ぶ部分が大半だと思います。
周囲のレベルが高ければ、自分も引っ張られて成長することができるということですね。
サラリーマン時代に大した実績もないのに、
独立開業をしても上手くいくわけがありません。
将来的に税理士として独立開業を目指す人も、
サラリーマン時代からレベルの高い環境で修行を積むことを意識してみてください。
5. 性格は税理士に向いていても「向いてない職場」に入ると悲惨…
税理士の仕事は、向き不向きがある仕事です。
ただ、実際に会計事務所で仕事をしていく上では、
その職場に自分が合っていることの方が大切だったりします。
具体的には、雇用環境が劣悪すぎるブラック事務所にまちがえて応募しないよう注意してください。
性格的にどんなに税理士向きの人でも、
ブラック事務所を勤務先に選んでしまうと悲惨なことになります。
税理士業界には残念ながらまだまだブラックな職場が多いです。
私自身、開業税理士としていろんな所長税理士と話をしますが、
従業員(税理士補助)のことを、
「使い捨て部品」ぐらいにしか考えていない税理士がいるのも現実です。
よその事務所のことをあれこれ言うのは良くないと思いますが、
こういうブラック事務所で働きながら、
税理士試験合格を目指すなんてとても無理です。
特に最近では「ホワイト事務所とブラック事務所」で、
雇用環境の差がどんどん広がっている印象がありますね。
これから税理士を目指して会計事務所で働く人は、
どういう雇用環境で働くか?にきちんとこだわるようにしてくださいね。
給料安くて超激務な「ブラック事務所」で絶対に働きたくない人へ
いま税理士事務所で働いている人も、これから働く人も、
労働環境が悲惨なブラック事務所にまちがえて入社しないよう注意してください。
職員を「使い捨て」ぐらいにしか考えず、
安い給料で搾取しまくるブラック事務所は2024年現在も残念ながら存在しています。
ブラックな事務所ほど、
「うちはアットホームな職場です!」
…とかアピールしてたりするのでたちが悪いんですよね…。
もちろん、すべての税理士事務所がブラックという意味ではありませんよ。
最近は年収高めの事務所も増えてますからね。
転職活動で重要なのは、ブラック事務所の求人を最初から応募の選択肢に入れないことです。
ブラック事務所に間違えて応募したくない人は、
税理士事務所専門の転職サイトで求人を探すようにしましょう。
転職サイトにはいろんなところがありますが、
税理士事務所や経理といった「会計職」の求人だけを扱う専門サイトを使うのがコツです。
税理士業界の求人だけを扱う専門サイトなら、
ブラック事務所の求人はあらかじめ排除されているので安心です。
↓税理士事務所専門の転職サイトで、有名どころで言えば以下の5つですね。
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転職サイトは2〜3社を同時進行で使いまわそう
一点だけ注意ポイントとしては、
1つの転職サイトの情報に依存しすぎないことです。
同じ税理士業界専門でも、掲載されている求人の方向性は微妙に違ったりします。
「ホームとしてこの転職サイトをメインで使う」とかはあっていいと思いますが、
やはり1つのサイトだけに依存していると、入ってくる求人情報がかたよっちゃうんですよね。
例えば、上のマイナビ税理士は科目合格以上の人向けの求人が豊富なのが特徴ですが、
まだ科目合格のない人がここ1社だけにしぼって使っちゃったりすると、
「ひょっとして自分を受け入れてくれる事務所なんてどこにもないのかも…」みたいな、
まちがった判断になってしまうかもしれません(ちょっと極端な例ですが)
自分の中で比較の視点を持つという意味でも、
転職サイトは2社〜3社程度を同時進行で使い回すようにしましょう。
ただし、同時に4社も5社も使うとかになると「どこでどういう求人見たっけ??」とわけわかんなくなるのでその点は注意ですね。
同時に使うのは3社程度にしとくのが、多くもなく少なくもなくでちょうどいい具合かと思います。
税理士業界志望者はハロワやリクナビを使わない方が良い
正直、税理士業界に転職するなら、
ハローワークやリクナビは使わない方が良いと私は思ってます。
なぜかというと、登録されている求人の「質(年収など)」が低すぎるからなんですね。
実際、私が1社目に入社した事務所は完全にブラック事務所だったんですが、
この事務所はハローワーク経由で応募しました。
(窓口の職員さんに「こちらは特におすすめですよ」と紹介されました…)
私も後から知ったんですが、ハローワークの相談員って、
彼ら自身が非正規職員だったりするんです。
はっきりいってけっこういい加減なんですよね…。
税理士業界への転職を検討している方は、
この業界の優良求人だけが掲載されている会計求人専門の転職サイトを使いましょう。
↓例えば、以下のような好条件求人をたくさん見つけることができますよ。
- 未経験・資格なしでも年収400万円スタートの求人
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- 税理士事務所から経理の転職歓迎の求人
- 相続税申告の実務経験を積むことができる事務所求人
- 将来的に独立を目指すのもOKな事務所求人
なぜ「最大手のリクナビ」をおすすめしないのか?
転職サイトっていろんなところがありますよね。
この記事を書いている2024年現在で、なんと1万社以上あるそうです。
最大手のリクナビとかの方が、
学生時代の就活でも使ったのでなじみがある…
という方も多いかもしれません。
ただ、税理士業界って採用側も応募側もかなり事情が特殊です。
必ずしも大手の事務所が環境良いわけではないですし、
仕事探す側も税理士受験生だったり、
キャリアスタートの年齢が高めの人が多かったりと、
普通の求職者とは異なる事情が多いんです。
こういった「特殊事情」をふまえて転職活動していくなら、
税理士業界専門の転職サイトを使うべきです。
- ブラックな会計事務所で絶対に働きたくない人
- 将来は独立を見すえ、ちゃんと年収を稼げる税理士になりたい人
- 税理士試験との両立ができる事務所で働きたい人
- 会計事務所での経験を生かして経理に転職したい人
↑このどれかに該当する人は、税理士業界専門の転職サイトを活用しましょう。
リクナビなどとは登録されている求人の質(年収や福利厚生)がまったく違うので、びっくりすると思いますよ。
転職エージェントと面談して「とっておきホワイトな非公開求人」を吐き出させる
上で見たように、ホワイト事務所の求人は税理士業界専門の転職サイトで見つかります。
ただ、その中でもさらに条件の良い「とっておきのホワイト求人」というのがあることを知っておいてください。
それが非公開求人というもので、
簡単に言えばその転職サイトの「独占求人」みたいなやつのことですね。
せっかく税理士業界専門の転職サイトを使ってホワイト求人を狙うなら、
この非公開求人をぜひ手持ちのカードとして選択肢に入れたいところです。
なんで求人をわざわざ非公開にするのか?ですが、これにはいろんな理由があります。
年収などの条件がとびきり良いので、
転職サイト内でオープンにしてしまうと応募が殺到してしまい、
採用事務がパンクするので非公開、ということもありますし、
企業や事務所側が何らかの理由で自社が採用活動を行っていることを非公開にしたいとか、
急な退職者が出て採用をなるべく早く埋めたいので、求人サイトを使わずにつきあいのある転職エージェントに直接求人を出すみたいなケースもあるみたいですね。
ただ、残念ながらこういう非公開求人(とびきり条件の良いホワイト求人)は、
転職サイト内の求人検索結果とかには出てきません。
非公開求人の情報を得るためには、転職エージェントとの無料面談に進む必要があります。
(面談に来てくれた人だけに見せますよ、みたいな感じ)
転職サイト側も、こういうとびっきりの案件(非公開求人)は、
本当に転職意思が高い人に紹介しないと企業側(事務所側)との信頼関係を損ねてしまうので、
いわゆる「いちげんさん」や、悪くすると「冷やかし客」には情報として出したがらないんですね。
なので、非公開求人も含めてホワイト求人を選択肢にしたいなら、
エージェントとの面談は転職活動のなるべく早い段階で受けておきましょう。
エージェントの面談を受けるのって心理的なハードルが高いと思いますが、
本気で良い条件で転職したいと考えるなら、さくっと受けちゃった方が良いですよ。
転職って自分の人生決める決断になりますから、
ここで中途半端に手を抜いてエージェントとの面談をスキップしちゃうのは賢くないです。
エージェント使えば選択肢にできたはずのホワイト求人を、
自分の選択肢(手持ちのカード)から捨てることになりますからね。
エージェントとの面談は無料ですし、時間も30分程度でたいていはリモート面談ですから、そんなにおおげさなものでもないです。
面談を受けてから「やっぱり転職は辞めて今の職場にとどまる」という決断をしてもエージェントに文句を言われる筋合いはありませんし、
エージェント側もそんなことは日常茶飯事で気にもしません。
(実際、私は過去に何度もこういうお断りをしてますが、担当のエージェントさんから文句をいわれたことはありません)
ある程度の転職意思が固まってきたら、エージェントとの無料面談に進みましょう。
たった30分の面談をめんどうがって、その後10年間ずっと働くことになるかもしれない職場の環境や年収のランクが下がる…とかもったいなすぎですからね。
「今すぐは転職活動できない…」という人もやっておくべきこと
「転職のコツはわかったけど、さすがに今すぐは転職活動は始められない。
ひょっとしたら今の勤務先に残るのがベストかもしれないし…。」
↑今の環境にいろいろ不満はあるけれど、
なんとなくの不安で動けなくなっちゃってる方も多いでしょう。
転職活動なんて人生でそう何回もやることじゃないですし、
そのわりに人生に与える影響がデカくて不安になっちゃいますよね。
ただ、今すぐは動けない人も、転職サイトへの無料登録だけは早めにやっといたほうが良いです。
これ私もリアルに経験したことなんですが、
今いる職場でストレスがマックスまで溜まると、まじで何も行動する気がなくなるんですね。
転職って年齢的に若ければ若いほど有利なのが現実ですし、
精神的な疲労が溜まってくると人間ってIQ下がってくるんで正常な判断が効かなくなってきます。
いま無職ニートの人もこの記事見てくれてると思いますが、
今日こそ転職活動のために情報収集するぞ!と思って求人サイト開いても、
無料アカウント作らずなんとなくでやってると、
「あーこんな求人もあるのね」ぐらいの情報感度になりがちです。
そうなると、趣味でネットサーフィンしてるのとあんまり変わらないんですよね。
(いつのまにかYouTubeとかTikTok見てる…みたいなことになりがち)
今すぐは転職活動できないんだよねという人も、転職サイトで無料アカウントを作ることだけは今やっておきましょう。
(スマホで1分でできる作業です)
ここで使うべきはだんぜん「税理士業界専門」をうたっている転職サイトです。
リクナビとかと比べると情報の質がぜんぜん違います。
あと、この転職サイトから得られる情報って、
自分で求人検索とかかけて能動的にとってくるものだけでなくて、受動的に入ってくるものも大事です。
希望年収や勤務地などを転職サイト内で入力しておくと、
マッチする最新のおすすめ求人がメールで送られてくるので便利です。
↓以下の画像のような感じで、あらかじめ自分で入力した
年収などの条件にマッチするものだけが送られてきます。
情報って多すぎても使えないんで、
自分にマッチする求人だけを送ってもらえるのが便利です。
日常的に、税理士業界の最新の求人情報にアンテナを立てておくようにしましょう。
日常的に求人情報を見るようにしておくと、
税理士業界の年収や、福利厚生の相場みたいなものもなんとなくつかめてきます。
良さげな求人が見つかったらブックマーク保存しておいて、
いざ転職するとなったときに、ロケットスタートを切れるようにしておくことが大切です。
精神的に余裕のあるタイミングでこれやってる人と、
やってない人とでは大きな差がつきますよ。
こうやって送られてくる求人情報の中から「良さげ!」と思ったものがあったら、ブックマークしたり、メールBOXで重要マークつけるクセをつけましょう。
これやっとくだけで、「いざ転職になったらすぐ動ける」という選択肢を持つことができます。
過労やストレスでぶっ倒れる前に行動を起こすことができますよ。
転職サイトは完全無料で、気に入らなければ即解除しちゃえばいいんで使うことにリスクは何もないです。
税理士業界での転職に使うなら下記の税理士業界専門サイトです。
ブラック事務所にまちがえて入りたくない人は、情報リサーチに使い倒しましょう。
よくある質問と回答(Q&A)
転職サイトや転職エージェントに関して、
あるあるな疑問とそれに対しての回答を載せときます。
転職サイトや転職エージェントは本当に無料?なぜ無料?
転職サイトや転職エージェントは、企業や事務所が払う紹介手数料で運営されています。
お金払ってるのは企業側だけなので、私たち求職者側は最初から最後まで無料で使うことができます。
例えば、転職エージェントは書類選考のための履歴書や職歴書作成をチェックしてくれたり、面接でこうきたらこう返しましょう的な対策準備を手伝ってくれたりしますが、
こういうのを何回利用しても私たちは求職者側は完全無料です。
(もちろん、あんまり過剰にやりすぎると出禁をくらうとかはあるかもしれませんが。。)
転職サイトや転職エージェントはどれだけ使ってもデメリットは何もないので、文字通り使い倒しましょう。
転職サイトに登録したら電話セールスとかうるさくない?
多くの転職サイトへの登録は基本的にメールアドレスだけでできるので、電話はかかってこないですね(相手はこちらの電話番号を知らない状態)
転職エージェントとのやりとりまで進んだ場合には、電話かメールでのやり取りになることが多いです。
エージェントは定期的に「こういう求人出てきましたけどどうですか?」みたいな連絡をくれますが、こちらはメールでの連絡が多いですね。
文章でまとまってる方がお互い意思疎通しやすいですし。
電話セールスについてはないこともないですが、
今どきは無理なセールス的なことやると会話録音されてYouTubeにアップされて炎上…みたいなことはエージェント側もビビってるので、無理やりなセールスはほぼないと思いますよ。
長期間放置していると電話くることが多いですが、「現在の転職活動の状況はどんな感じですか?」みたいな確認の電話が多いですね。
もしその時点で、自分の中で「転職はないな」という状況になっていたなら、
「とりあえず今の職場でもう少しがんばってみることにしました」とか答えておけば、連絡は来なくなると思います。
エージェントとの面談って実際どんなの?
コロナ前は支店みたいなところにわざわざ出向いてたものですが、最近はほぼほぼリモート面談ですね。
面談時間はトータルで30分ぐらいで、初回は「サイト内で気になった求人はありましたか?」みたいな話から始まって、
どういう規模の事務所を探してるか?年収はいくらぐらい狙いたいか?みたいなヒアリングに進むことが多いです。
この記事の本文でも説明しましたが、エージェントの面談ではぜひ彼らが持っている非公開求人を引き出しましょう。
エージェントは特に転職意思の強い人向けに、条件の良い非公開求人(独占案件)を隠しているものなので、
それを吐き出させるためにも、面談ではなるべく転職する意思がちゃんとあることを見せた方が良いです。
エージェントとの二人三脚がうまくいくか?は転職活動の成否をわける重要な要因になるので、ぜひフル活用しましょう。
複数のエージェントを同時に使ってることは伝えるべき?
これは私は伝えるようにしてます。
なぜかというと、エージェント側で競い合ってもらうぐらいの方が、良い求人(非公開求人)を紹介してくれる可能性が高いからです。
これは引越し業者探しとか車やバイクの買取で一括査定使ったことがある人ならイメージしやすいと思いますが、
手を挙げてもらうエージェントは複数あった方が交渉的にこちらは有利に進みやすくなるんです。
転職エージェントは非公開求人を出してもらってなんぼですので、
「良い求人出してくれないならよそいくよ」ぐらいのプレッシャーをかけた方が良い結果になります。
もちろん、上から目線でこういうこというのは良くないですよ。エージェントも人間ですからね。
コツというか私が良くやるのは、面談の中の会話で、
「よそのエージェントにこういうこと言われたんですが、どう思いますか?」的にプロとしての意見を謙虚に求めるんです。これならちゃんと答えてくれます。
その上で、やんわりと「おたくの他にもエージェント使ってますよ」って伝わりますから、おすすめです。
エージェント側も、いまどきの求職者は2社から3社、多い人なら5社以上のエージェントを同時進行で使ってることぐらい百も承知なので、嫌な顔するような人はまずいないですね。
まとめ
今回は、税理士に向いている人・向いていない人の特徴についてお話ししました。
税理士としての向き不向きに加えて、
より重要なことは「良い職場に出会えるか」であったりします。
仕事をしっかり教えてくれるホワイト事務所に入ることができた人と、
地獄のような雇用環境のブラック事務所に入ってしまった人とでは、
5年後・10年後のキャリアに大きな差がついてしまいますから注意してくださいね。
最後の最後にお伝えしたいこと
↓仕事や転職で成功するために大事なのって、結局はこれです。
転職活動でもっとも重要なのは、能力やスキルより情報収集です。
具体的には、どの転職サイトを使うか?(リクナビなどの「一般向け」を使うか?税理士業界専門か?)で大きな差がつきます。
税理士業界は、能力的にとても優秀なのに、
転職活動のやり方がまずかったのが原因で、
ブラック事務所で働くことを余儀なくされている人…がものすごく多いです。
転職サイトへの登録なんて、実際には1分でできる作業です。
お金もかかりませんし、気に入らなければ即解除できるのでリスクなんて何もありません。
それでもやらない人はやらないですし、やる人はさくっととやります。
↓今から5年後に、あなたはどちらになっていたいでしょうか。
- 劣悪な雇用環境で給料も安く、税理士試験もいつまでたっても科目合格ゼロ…。貯金もゼロ…。
- 働きながらスピーディに5科目合格達成。年収高めなので独立資金のめどもある程度ついている。あとは税理士としての実務能力を高めていくだけ…!
追伸
↓私が税理士事務所で「年収200万円→年収600万円」まで年収を増やした転職活動のコツについて、こちらで書きました。
-
結局、税理士事務所はブラックばかりでもうオワコンなの?
「税理士事務所(会計事務所)はブラックばかり?税理士業界ってもうオワコン?」この記事では、2024年現在の税理士業界のリアルな現実について紹介するとともに、税理士事務所職員として年収を上げていくための転職活動のコツを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
続きを見る
この業界で今後も生き残っていくために必要なことを全部書いてます。
正直、「税理士業界にかかわる人たち全員に届け!」ぐらいの熱量で書きました。
ぜひちょっとだけ時間とって読んでみてください。