- 税理士事務所と会計事務所はどう違う?
- 税理士法人って何?
- 公認会計士が開業している税理士事務所もあるの?
税理士業界への転職を検討している方の中には、
税理士事務所・会計事務所・税理士法人・公認会計事務所…などなど、
いろんな名前の事務所があることに気づかれた方も多いでしょう。
以下では、それぞれの組織の違いについて解説いたします。
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【ブログ管理人の転職体験談】月収16万円のブラック会計事務所勤務から年収600万円超えるまでの話
こんにちは!このブログの管理人です。この記事では、自己紹介をかねて私自身の転職体験談を書いています。私は決して優秀な人間ではありませんが、この業界で年収を上げるためのコツのようなものは実体験ベースで語れます。よければ参考にしてみてくださいね。
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この記事の目次
税理士事務所・会計事務所・税理士法人…何が違う?
結論から言うと、税理士事務所と会計事務所はまったく同じ意味です。
いずれも所長税理士が個人事業として運営している事務所になります。
一方で、税理士法人は「2名以上の税理士が共同で運営している事務所」です。
こちらは個人事業ではなく、会社として運営されている組織ということになります。
↓まとめるとこうなります。
税理士の事務所の名称について
- 会計事務所と税理士事務所はまったく同じ意味です(個人事業)
- 税理士法人は「2名以上の税理士が集まって作っている事務所」です(法人企業)
- 公認会計士事務所は、公認会計士が税理士として開業している場合の名称です
税理士法人だけがちょっと特殊な組織
税理士法人だけがちょっと特殊で、この場合の事務所は「法人=会社」という扱いになります。
普通の起業家でも、最初は個人事業主として仕事をスタートして、ある程度軌道に乗ってきたら事業を株式会社化する、というかたちでステップアップしていきますよね。
これと同じように、税理士も最初は「税理士事務所」や「会計事務所」などの個人事業からスタートして、ある程度規模が大きくなってきたら「税理士法人」に組織変更するということを行っているのです。
別の個人事務所と合併して仕事をするようになったようなケースでも、税理士法人化するケースが多いでしょう。
事務所の名称から判断するのではなく実態をみるのが大切
ただし、かなり大きな規模で仕事をしている税理士でも、個人事務所のままで活動している人たちも普通にいます。
なので、この業界では「この名前だからこういう規模」ということはいえないのが実際のところです。
重要なことは事務所がどういう名称になっているか?ではなく、その事務所が実際にどういう働き方をしているか?といえます。
求人に応募する前に、その事務所の雰囲気や社風、福利厚生の内容をよく確認しておくようにしましょう。
応募前に事務所の雰囲気や福利厚生についてくわしく知る方法
「求人応募前に仕事内容や福利厚生の内容を知るなんて、どうやったらできるの?」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
これは実は簡単です。
転職エージェントに登録をして、エージェント経由で応募する事務所の内部情報を教えてもらえばいいのです。
転職エージェントは、実際に企業の採用担当者と会って求めている人材像などをヒアリングしていますから、それぞれの事務所の雇用環境についてくわしく把握しています。
↓例えば、転職エージェントを使って転職活動をすると、以下のようなことを事前に知った上で応募先を決めることができますよ。
エージェント経由で知れる情報
- 職場で実際に働いている人たちの平均年齢や性別構成
- 職場の雰囲気や社風
- 繁忙期の残業時間や休日出勤の有無
- 先輩たちの中に税理士試験の合格者がどのぐらいいるか(税理士試験勉強との両立を考えている人にとっては非常に重要な情報です)
- その事務所ではどのような実務経験を積めるか。資産税や医療法人など、強みになる特徴があるか
- その事務所がどういう人材を求めているか(採用確率を高めるためにぜひとも知っておきたい情報です)
なお、転職エージェントにお金を払っているのは採用活動を行う企業側ですから、完全無料でリスクなく使うことができます。
ハローワークで求人をこつこつ探すという人もいらっしゃるかと思いますが、個人的にはおすすめしません。
実際に求人に応募した後になると福利厚生や仕事内容について確認する…というのはなかなか難しいからです。
入社してから「失敗した…」なんて事態を避けたい方は、応募前に転職エージェントから情報を得ておくことをおすすめします。
公認会計士が税理士事務所を開業していることもある?
公認会計士試験に合格した人は、無試験で税理士資格を取得することができます。
公認会計士が自分で独立して仕事をするという場合、基本的には税理士業務を行うことになります。
この場合の事務所名称は「~公認会計士事務所」といように名乗っている事務所も少なくありません。
公認会計士は上場企業などの大きな会社の会計監査をするのが仕事で、税理士は中小企業の経営者向けに会計アドバイスをするのがメイン業務です。
公認会計士が本来の業務である会計監査をするためには、監査法人という組織に所属する必要があります。
ほとんどの公認会計士は監査法人への就職という形でキャリアを築いていきますが、中には独立して仕事をしたいという人もいます。
そのような場合、監査法人をゼロから立ち上げるというのは非常にハードルが高いですから、税理士として開業してスタートする人が多いのです。
税理士法人は「ビジネスライクな職場」であることが多い
上でも少し触れましたが、税理士法人という組織になっている事務所は、税理士事務所や会計事務所、公認会計士事務所の名称で活動している事務所と少し違いがあります。
↓具体的には、以下のような違いを押さえておくと良いでしょう。
- 税理士法人=現在の所長税理士が仕事をやめてもずっと続いていくことを前提としている事務所
- 税理士法人では、良くも悪くも「ビジネスライクな雰囲気」が強い印象
- 従業員の立場で見ると、税理士法人なら社会保険は必須なので安心できる
この記事をお読みの方の中には、「アットホームで家族経営的な事務所で働きたい」という方もいれば、「ビジネスとしてある程度ドライな環境で働きたい」と思っている方もいるでしょう。
後者の方(ビジネスライクに働きたい人)は、求人を選ぶ際には税理士法人を選ぶようにしておくと、比較的マッチする求人に出会いやすいかもしれません。
税理士事務所は、よくも悪くも所長税理士の人格と組織とが同体になっているのが普通です。
人格の良い所長税理士なら従業員を大切にする良い事務所になると思いますが、パワハラ的な所長税理士が運営する事務所は地獄のようなブラック企業になることも少なくありません。
(もちろん、そういう事務所は少数なのですが)
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ブラックな税理士事務所の特徴18個…最悪な求人の見分け方を業界10年経験者が解説
税理士事務所(会計事務所・税理士法人)はブラックで最悪だからやめとけ…って本当?ブラック事務所の求人の見分け方は?この記事では、税理士業界で10年働いた経験のある著者が、雇用環境が劣悪な「ブラック事務所」の特徴を18個紹介しています。税理士業界への転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
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所長税理士と事務所組織が一体になっている場合のリスク
さらに、所長税理士が病気や怪我、高齢によって仕事を続けられなくなった場合には、その事務所自体が閉鎖になるというケースも考えられます。
この点、税理士法人は2名以上の税理士がいることが大前提ですから、基本的には現在の所長税理士の引退後もずっと組織が続いていくことを前提としています。
そのため、日常の運営についても所長税理士がすべてをコントロールして決めるという体制よりも、複数の幹部が取締役のような形で運営しているケースが多いです。
健康保険・厚生年金などの福利厚生の扱いの違い
また、個人事業(税理士事務所や会計事務所)ではなく、法人企業(税理士法人)として運営しているところでは、従業員を健康保険や厚生年金といった社会保険に加入させることが義務付けられています。
個人事業の税理士事務所でも多くの事務所で社会保険は完備になっていますが、中にはそうでないケースもありますから注意しておきましょう(税理士法人の場合は必ず社会保険に加入できます)
税理士法人という組織を選択している時点で、その事務所は「所長税理士と事務所が分離している」ことが前提になっているといえます。
仕事とプライベートはきっちりと分けたい。
組織の中で出世していくというかたちでキャリアを築きたいと考えている方は、税理士法人の名称になっている事務所を優先的に応募候補にしてみると良いでしょう。
税理士事務所の多くはファミリー企業
ほとんどの税理士事務所、会計事務所では、所長税理士の名前をとって「鈴木税理士事務所」とか「佐藤会計事務所」といったように、税理士個人の名前が上にくっついていますよね。
税理士業界というのは、伝統的にファミリー企業(家族経営の事務所)が多いのが特徴です。
具体的に言えば、所長税理士の後を息子の税理士が継ぐ…ということが非常に多いです。
税理士事務所のホームページなどを見るとその事務所の設立経緯などを見ることができます。
開業20年以上・30年以上といった歴史のある事務所の場合、ほとんどは現在の所長税理士のお父さんが開業した事務所になっていることが多いでしょう。
ただし、最近では業界的にも後継者不足が深刻になっています。
なので、まったくの他人が後継者として事務所を事業承継するケースも増えてきていますね。
税理士事務所に長年勤め、その間に税理士資格も取得して事務所内の中心メンバーとなれば、その事務所の後継者として指名されるという可能性もあります。
この記事をお読みの方の多くは「将来的に自分で事務所を持つ」ことを目標に転職活動をされていると思いますが、一つの事務所の中でキャリアを築いていくという方法もあることをぜひ理解しておいてください。
給料安くて超激務な「ブラック事務所」で絶対に働きたくない人へ
- 未経験で科目合格もなしだけど、年収400万円は欲しい。
- いずれは税理士として独立目指す。でも今の年収はさすがにキツいのでなんとかしたい…。
- 仕事が忙しすぎて税理士試験全滅…とか絶対避けたい。
- パワハラな所長税理士の下で、江戸時代の丁稚奉公みたいに働くのは絶対嫌…。
↑こんなふうに不満や不安を抱えている方、税理士志望者にはきっと多いと思います。
職員を「使い捨て部品」ぐらいにしか考えず、
安月給で搾取しまくるブラック事務所は2024年現在も残念ながら存在しているので注意してください。
こういうブラックな事務所ほど、
「うちは家庭的でアットホームな職場です!」
…とかアピールしてたりするのでたちが悪いんですよね…。
いま税理士事務所で働いている人もこれから働く人も、
労働環境が悲惨なブラック事務所にまちがえて入社しないよう注意してください。
もちろん、すべての税理士事務所がブラックという意味ではありませんよ。
最近は年収高めで残業も少ないホワイト事務所も増えてますからね。
重要なのは、転職サイト等で求人を見た時に、
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ブラック事務所の求人を最初から応募の選択肢に入れないように注意しましょう。
ブラック事務所に「間違えて応募」しないようにするには?
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税理士業界志望者はハロワは使わない方が良い
私は、税理士業界で転職するならハローワークは使わない方が良いと思ってます。
なぜかというと、登録されている求人の「質(年収など)」があまりにも低すぎるからなんですね。
実際、私が1社目に入社した事務所は完全にブラック事務所だったんですが、
この事務所はハローワーク経由で応募しました。
(窓口の職員さんに「こちらは特におすすめですよ」と紹介されました…)
私も後から知ったんですが、ハローワークの相談員って、
彼ら自身が非正規職員だったりするんです。
はっきりいってけっこういい加減なんですよね…。
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なぜ「最大手のリ●ナビ」をおすすめしないのか?
転職サイトっていろんなところがありますよね。
リク●ビとかの方が「学生時代の就活とかでも使ってなじみがある」と思われる方も多いかもしれません。
ただ、個人的にはこういう転職サイトの選び方はおすすめしません。
なぜかというと、税理士業界は採用側も応募側も、事情がかなり特殊だからです。
採用側(事務所側)は繁忙期と閑散期で採用の難易度をガラッと変えてきたりしますし、
応募側(私たち)も税理士受験生なので仕事と勉強の両立がマストだったり、
社会人から勉強スタートの人が多く、キャリアスタートの年齢が高めだったりと、
一般的な転職活動とは事情がかなり異なるケースが多いんです。
特に未経験者の方は、年収が極端に低い事務所(年収200万円代など)に応募しないように注意しないといけません。
実務経験者はともかく、業界的な年収相場をよく知らない未経験者を狙って、
「うちは勉強しながら働けますよ!(なので年収は低くても我慢してね!)」
みたいな感じで、極端に低い年収で募集をかけているブラックな事務所は本当に多いんです。
↓特に、以下のいずれかに該当する人は、
税理士業界専門の転職サイトを活用しましょう。
- 税理士試験との両立ができる事務所で働きたい人
- 毎年「1年に1科目」などのかたちで、着実に科目合格を積み重ねていきたい人
- 業界相場より低年収の事務所にまちがえて応募する愚を避けたい人
- 将来の独立を見すえて開業資金をちゃんと貯金していきたい人
- 税理士試験に失敗した場合に備えて、企業経理への転職という選択肢も検討している人
「今すぐは転職活動できない」という人も、これだけは今すぐやっておきましょう
「転職したいけど、今すぐは転職活動は始められない。
ひょっとしたら今の勤務先に残るのがベストかもしれないし…。」
↑今の環境にいろいろ不満はあるけれど、
なんとなく不安で動けなくなっちゃってる方も多いでしょう。
転職活動なんて人生でそう何回もやることじゃないですし、
そのわりに人生に与える影響がデカくて不安になっちゃいますよね。
私自身もブラックで働いている時に経験したことなんですが、
今いる職場でストレスがマックスまで溜まると、
まじで何も行動する気がなくなるんですね。
転職って年齢的に若ければ若いほど有利なのが現実ですし、
精神的な疲労が溜まってくると人間って正常な判断が効かなくなってきます。
あと、転職サイトから得られる情報って、
自分で求人検索とかかけて能動的にとってくるものだけでなくて、
受動的に(受け身で)入ってくるものも大事です。
希望年収や勤務地などを転職サイト内で入力しておくと、
マッチする最新のおすすめ求人がメールで送られてくるので便利。
↓以下の画像のような感じで、
あらかじめ自分で入力した年収などの条件にマッチする求人が出たら、
最速でメール通知してくれるので見逃しがなくなります。
↓※ 私のメールBOXに実際に届いたメール。
↑こういう良さげな求人が見つかったらブックマーク保存しておいて、
いざ転職するとなったときに、ロケットスタートを切れるようにしておきましょう。
これやっとくだけで、「どうしてもつらくなったら転職もある」という選択肢を持つことができます。
過労やストレスでぶっ倒れる前に行動を起こすことができますよ。
転職サイトは完全無料で、
気に入らなければ即解除しちゃえばいいんで使うことにリスクは何もないです。
ブラック事務所にまちがえて入りたくない人は、情報リサーチに使い倒しましょう。
よくある質問と回答(Q&A)
転職サイトに関して、
あるあるな疑問とそれに対しての回答を載せておきます。
転職サイトは本当に無料?なぜ無料?
転職サイトは、企業や事務所が払う紹介手数料(広告料)で運営されています。
お金払ってるのは企業側だけなので、
私たち求職者側は最初から最後まで完全無料で使うことができますよ。
後からお金を請求されるとかはいっさいないので、安心して求人リサーチに使い倒しましょう。
転職サイトに登録したら電話セールスとかうるさくない?
転職サイトの登録は基本的にメールアドレスだけでできるので、
電話はかかってこないですね(相手はこちらの電話番号を知らない状態)
定期的に「こういう求人出てきましたけどどうですか?」みたいな連絡はくれますが、基本的にはメールオンリーです。
未経験資格なしでも応募できる事務所ってあるの?
これは実際に求人検索してみるのが早いかもしれませんが、
税理士事務所って未経験OK求人が意外に多いです。
ただ、リクナビとかハロワで探すと年収200万円台…みたいな、
完全ブラックな事務所もわんさか出てきたりするので、くれぐれも注意してください。
未経験無資格でも年収400万円以上の求人ぐらいなら、普通にたくさんありますよ。
複数の転職サイトを同時に使っても問題ない?
これはまったく問題ないです。
むしろ、たくさん使った方がいろんな求人に出会えるチャンスがひろがるので、2社〜3社ぐらいを使い回す方が良いでしょう。
転職サイトには無料のエージェントサービスがつくことが多いですが、
担当してくれるエージェントとの面談に進んだような場合には、
他社のエージェントからも話は聞いてますぐらいに教えてあげると親切かもしれませんね。
(求人リサーチのために転職サイトを使いたい用途の場合には、そもそもエージェントとのやり取りは発生しません)
最後の最後にお伝えしたいこと
↓仕事や転職で成功するために大事なのって、結局はこれです。
転職活動でもっとも重要なのは、能力やスキルより情報収集です。
具体的には、どの転職サイトを使うか?(リクナビなどの「一般向け」を使うか?税理士業界専門か?)で大きな差がつきます。
税理士業界は、能力的にとても優秀なのに、
転職活動のやり方がまずかったのが原因で、
ブラック事務所で働くことを余儀なくされている人…がものすごく多いです。
転職サイトへの登録なんて、実際には1分でできる作業です。
お金もかかりませんし、気に入らなければ即解除できるのでリスクなんて何もありません。
それでもやらない人はやらないですし、やる人はさくっととやります。
↓今から5年後に、あなたはどちらになっていたいでしょうか。
- 劣悪な雇用環境で給料も安く、税理士試験もいつまでたっても科目合格ゼロ…。貯金もゼロ…。
- 働きながらスピーディに5科目合格達成。年収高めなので独立資金のめどもある程度ついている。あとは税理士としての実務能力を高めていくだけ…!
↑この前者は実は過去の私の姿そのもので、
今思うと「もっと早く行動しておけばよかった」と後悔しています。
この記事を読んでくださったあなたは、もちろん後者を目指してください。
いまどんな状況にいる人でも、
成功に向かって一歩踏み出すことは可能です。