「簿記以外に、経理で役立つ資格って結局何があるの?」という質問を、転職相談のたびによく受けます。日商簿記はもちろん基本ですが、業界特化型の資格やスキル評価型の検定まで含めると、意外と選択肢は多いものです。ここでは実務でよく名前が挙がる資格を一覧で比較し、どんな人にどれが向いているかを整理します。
先にお伝えしておくと、経理の転職では資格の有無より実務経験が重視される場面が多いのが実情です。資格はあくまで「知識の証明」「入り口を広げる手段」として捉え、実務経験とセットで考えるのがおすすめです。
経理に役立つ主な資格一覧
| 資格名 | 主催 | 特徴 |
|---|---|---|
| 日商簿記検定(2級・3級) | 日本商工会議所 | 仕訳・財務諸表作成の基礎。経理の登竜門として最も広く認知されている |
| 建設業経理士(1〜4級) | 建設業振興基金 | 建設業特有の会計処理(未成工事支出金など)に特化。1・2級は「建設業経理士検定」、3・4級は「建設業経理事務士検定」の名称 |
| FASS検定 | 経済産業省関連団体 | 合否ではなくA〜Eの5段階でスキルを客観評価。実務レベルを数値で示したい人向け |
| 給与計算実務能力検定 | 一般社団法人 実務能力開発支援協会 | 給与計算・社会保険実務に特化。人事給与担当を兼ねる経理職に有用 |
| ビジネス会計検定 | 大阪商工会議所 | 財務諸表を「読む」「分析する」力に特化。経営企画や財務志向の人に相性がよい |
なお、かつて経理職の英語力証明として名前が挙がっていた「BATIC(国際会計検定)」は、2022年11月の試験をもって終了しています。求人票や資格スクールの案内で名前を見かけても、現在は新規受験ができない点は覚えておいてください。
どれを選べばいい?キャリア段階別の考え方
- これから経理を目指す・未経験の人:まずは日商簿記3級、可能であれば2級まで。多くの求人で足切りラインの目安にされています。
- 建設業界の経理を目指す人:日商簿記に加えて建設業経理士を取得すると、業界特有の会計処理に対応できる人材として評価されやすくなります。
- 実務経験を数値で示したい経験者:FASS検定でスコアを取得しておくと、書類選考で実務レベルを客観的にアピールできます。
- 人事総務も兼任する小規模企業の経理:給与計算実務能力検定など、簿記以外の周辺知識をカバーする資格が実務に直結します。
資格取得はゴールではなく手段
資格を並べて比較すると、つい「全部取ったほうがいいのでは」という気持ちになりますが、実務で使わない資格は正直なところ評価されにくいのが現実です。今の職場・目指す業界で実際に使う知識から逆算して選ぶのが、遠回りに見えて一番の近道だと感じています。
簿記そのものの必要性については経理に簿記資格はいらない?未経験者が転職成功する方法とは?でも詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。