- 経理の実務経験を積むには?
- 会計事務所と企業経理ではどちらがおすすめ?
- いきなり正社員を目指すのは無謀?派遣社員から始めるべき?

経理の仕事につきたいのですが、
経理は「実務経験者限定」の求人が多くて応募できません…。
実務は未経験ですがやる気はあります。
経理の実務経験を積むにはどうしたらいいのか教えてください。
確かに、経理求人は実務経験者向けのものが多いですよね。
それじゃ未経験者はまったく望みがないのか?
というとそんなことはありません。

誰でも最初は未経験です。
正しい探し方を知っておけば、未経験OKの経理求人はちゃんと見つかりますよ。
この記事では、経理の実務経験を積む具体的な方法を紹介します。
まだ経理として働いたことがない未経験者の方向けに解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事の目次
未経験から経理の実務経験を積む3つの方法

(未経験者が経理に転職する3つのルート)
未経験者が経理の実務経験を積む方法には、以下の3つがあります。
↓※青文字をクリックでジャンプできます。

経理の実務経験を積む3つの方法
「大手企業の経理にはなれないの?」と思われた方も多いかもしれませんが、
大手企業の経理未経験採用は、ほとんどを大卒新卒(20代前半の人たち)でうめているのが現実です。
新卒以外の人が大手の経理に転職するには、実務経験が必要になります。
大手企業で経理として働きたい人は、
まずは中小企業経理や会計事務所で経理の実務経験を積み、
そこから実務経験者として大手へ転職を目指すのが現実的です。

【経理の実務経験を積む方法1】中小企業の未経験者向け求人を狙う

(まだ実務未経験の方は中小企業の経理求人を狙っていきましょう)
中小企業では未経験者向けの経理求人を出すことが多くあります。
企業規模が小さい分、経理の全体像をみわたしながら仕事をおぼえていけるというメリットもありますよ。
経理実務の経験がまだない方は、
年収300万円〜350万円が相場と考えておきましょう。

未経験者歓迎の経理求人の例をいくつか紹介します。
↓こちらのように簿記検定にまだ合格していなくても応募可能な求人もあります。

(未経験OKの経理求人の例:この求人はMSジャパンに登録されています)
↓こちらの求人は「経理総務」という区分で募集されています。

(未経験者OKの求人例:この求人はMSジャパンに登録されています)
↑このように、経理事務の経験がまだない方の場合、
経理以外の一般事務も担当しながら、
少しずつ経理の実務経験を積んでいくかたちになるケースも多いです。
中小企業というと「あまりイメージが良くない…」という方もいらっしゃるかもしれませんが、
実際には日本企業の9割以上は「中小企業」です。
名前は知られていなくても、
ニッチな分野で世界トップシェアを持っているような優良企業もたくさんありますよ。
なお、中小企業では基本的に欠員補充(辞めた人の代わりに新しい人を入れる)
というかたちで経理スタッフを補充することが多いです。
入社後には、前任者からマンツーマンで業務の引き継ぎを受けるというかたちで仕事がスタートするケースが多いでしょう。

【経理の実務経験を積む方法2】会計事務所で働く

(会計事務所でも経理の実務経験を積むことができます)
2つ目の選択肢が、会計事務所(税理士事務所)で働く方法です。
会計事務所というのは、簡単にいうと税理士が開業している事務所のことですね。
税理士資格のない人でも、男女問わず会計事務所で働くことができますよ。
(というか、実際には無資格の人がほとんどです)
会計事務所は経理未経験者の採用を積極的に行っています。
ゼロから実務経験をスタートしたい人にもマッチしますよ。
会計事務所で働く場合、
顧問先企業の経理チェックや決算業務を担当することになります。

会計事務所で実務経験を積めば、
↓転職では経理経験者として認めてもらえます。
この記事を書いている私自身(管理人)も、
会計事務所で実務未経験からスタートして一般企業経理に転職して、
今は経理の管理職をやっています。

会計事務所では経理や税務についての非常にレベルの高い実務を短期間で学べますので、おすすめですよ。
会計事務所の具体的な仕事内容については、
↓こちらの記事でくわしく説明しています。参考にしてみてください。
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会計事務所(税理士事務所)は未経験・資格なしで転職できる?
「会計事務所は未経験・資格なしでも転職できる?」この記事では、これから税理士業界に未経験で挑戦する!という方向けに、会計事務所の採用事情について解説します。結論から言うと、実務未経験で簿記や科目合格もまだ…と言う方でも、会計事務所で正社員として採用される可能性は普通にありますよ。
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会計事務所と経理の違いって?
会計事務所ではどういう仕事をしているのか?というと、
ごく簡単にいえば「顧問先の決算業務をひたすらやっている」という感じです。

決算業務というのは、
経理にとっては「1年のメインイベント」のようなもので、通常は1年に1回しか経験できません。
自分の勤務先企業の決算だけをやるわけですから、これは当然ですね。
一方で、会計事務所では「顧問先企業の決算業務だけ」を専門的に扱います。
会計事務所の職員は1人あたり20件〜30件ぐらいの顧問先を担当し、
それらの会社の決算業務を担当するというかたちで仕事をしています。
結果的に、1年間で20件〜30件もの決算業務の経験を積むことができるのです。
↓こちらの求人にあるように「経理の実務経験」は、
決算業務の経験があるかどうか?でチェックされることが多いです。
簿記の勉強を進めている方はご存知かと思いますが、企業経理というのは、
- 1年間にわたって経理作業をつみかさねていき、
- 総まとめとして1年に1回は決算業務をやる
↑というかたちで動いています。
もっとも重要な業務である決算業務をたくさん経験できる会計事務所では、
短期間で非常に濃い経理の実務経験を積むことが可能なのです。
会計事務所と経理の違い
- 経理経験は「決算業務経験の有無」で判断されることが多い。
- 経理では「1年に1回」の決算業務を経験できる。
- 会計事務所では「1年に20回〜30回」の決算業務を経験できる。
- 会計事務所では短期間で非常に濃い経理の実務経験を積むことができる。
↓実際に会計事務所で働いている人たちの口コミ情報を見つけたので、掲載しておきます(Yahoo知恵袋より)

↓こちらは会計事務所から経理に転職した人の体験談ですね。
会計事務所で働くことにはデメリットもある?
会計事務所で働くことには、
「経理の実務経験を最短で身につけることができる」というメリットがあることを説明いたしました。
その一方で、会計事務所で働くことにはデメリットもあります。
それは、会計事務所は、非常に小さい企業であることです。
ほとんどの会計事務所は「所長税理士+従業員数名〜10人以内」という規模で活動しています。
一般企業と比較すると会計事務所は「超小規模な企業」といえるでしょう。
(よくいえば「少数精鋭の組織」ということでもあるのですが)

なので「一つの会社で長期間働き、社内でキャリアアップしていく」
というキャリアを思い描いている人は、会計事務所は向かないかもしれません。
もっとも、上でもみたように「会計事務所から経理に転職」というキャリアも選択肢としてあります。
- 20代うちは会計事務所で徹底的に経理についての実務経験を積み、
- 30代後半〜40代になってから経理に管理職として転職する(大手も狙える)
↑というキャリアの築き方をしている人も多いですよ(私もこのコースです)
\ 年収400万円〜未経験者OK!/
【経理の実務経験を積む方法3】派遣社員から始めて正社員登用を目指す

(派遣社員からスタートして正社員への登用を目指すのもひとつの選択肢です)
未経験から経理の実務経験を積む3つ目の方法は、
派遣スタッフからスタートして、その後に正社員への登用を目指すという方法です。
派遣スタッフを採用している企業の中には、
派遣社員として6ヶ月程度働いてもらった後に、正社員への登用を行うところも多いです。
こうした採用方法を「紹介予定派遣」と呼びます。

↓この方法のメリットとしては、以下のようなことがあげられますね。
- 経理職がまったくの未経験でも採用してもらえる
- 他の事務職に比べて時給が高い
- 応募してから最短1週間程度ですぐ働き始めることができる
- 勤務先で正社員に登用されるケースがある(紹介予定派遣)
紹介予定派遣でなくても、
派遣スタッフとして半年以上の経験があれば、
経理の実務経験者として正社員転職することが可能です。
派遣スタッフというのは「この仕事内容で募集」というかたちで限定されて求人が出ますので、
経理以外の雑用的な仕事をさせられる可能性が低いというメリットもあります。

経理派遣の求人サイト
派遣で働くメリット・デメリット
パートや派遣スタッフとして実務経験を積むことのもっとも大きなメリットは、
「働き始めるまでの待ち時間が少ない」という点です。
派遣会社に登録したら、1週間後には経理として働き始められるというケースもありますよ。
- 転職活動をする時間を少しでも短くしたい
- 現在無職で今すぐお給料を稼ぐ必要がある
↑という方は派遣からスタートするのが良いでしょう。
ただし、時間をかけて転職活動できる人で、
最終的に正社員として働くことを目指している人は、
やはり正社員向けの求人に最初から応募するのがおすすめです。
給料や福利厚生、昇進などの面でみると、派遣社員よりも正社員の方が圧倒的に有利なのが現実だからです。
(ボーナスの支給も正社員に限られるのが一般的です)
これから長期目線で会計人としてキャリアを積んでいきたいと考えている人は、
最初から正社員として働くことを目指しましょう。
中小企業経理や会計事務所なら、未経験者でも正社員として採用してもらうことは可能ですよ。

ブラック企業を回避せよ!経理未経験者が求人を探すときのチェックポイント

(ブラック企業を見分けるポイントを解説!)
「経理になれたのはいいけど、勤める会社がブラック企業…」
↑いくら希望の職種につけるといっても、こんな事態は避けたいですよね。
私自身もブラックな環境で働いていたことがあるのですが、
「会計職でブラック」というのは本当に地獄です。
繁忙期のサービス残業は当たり前ですし、
基本的にずっと同じメンバーで仕事をすることになるので、
いっしょに働く上司がパワハラだと最悪なことになってしまいます。

以下では、経理未経験の方が経理職向けの転職サイトなどで求人を探すときのチェックポイントを解説します。
↓具体的には、以下のようなポイントに気をつけてみてください。
- 未経験OKの求人か?をチェックする
- 年収が低すぎないか?を見る
- どこまでの仕事内容を経験できるか?を把握しておく
- 落ち着いた環境で働ける職場か?のチェック方法を知っておく
- 転職サイトは「会計職専門」を使う
\ 未経験OK!年収400万円〜/
(チェックポイント1)未経験OKの求人か?
大前提として、応募する求人が「未経験者もOK」の求人であることを確認しておきましょう。
未経験者が実務経験者向けの求人に応募しても、採用ニーズがちがうのでまず採用されません。
経理は実務経験者むけの求人と、
未経験者むけの求人が厳密に分かれている職種であることを知っておいてください。

↓※未経験者OKの経理求人の例。

(未経験OKの経理求人の例:この求人はMSジャパンに登録されています)
(チェックポイント2)平均年収と比べて年収が低すぎないか?
経理未経験者の年収相場は300万円〜350万円程度です。
一方で、年収200万円程度〜と、
↓かなりきびしめの条件になってしまっている求人も中にはありますね。

(年収がやや低めの経理求人の例:この求人はMSジャパンに登録されています)
同じ働くなら、少しでも高い年収で働ける方がいいに決まってますよね。
年収が100万円違ったら、毎月の手取りは8万円ぐらいの差がつきます。
生活の豊かさがまったく違ってきますよ。

なお、転職サイトの求人検索で出てくる年収というのは、
「入社スタート時点での年収(初年度の想定年収)」です。
役職が上がるにしたがって年収アップも狙えますよ。
(チェックポイント3)どこまでの仕事内容を経験できるか?を把握する
経理という職種は、採用のされ方によって任される仕事の範囲が違います。
具体的には、「将来の幹部候補」といったかたちで採用されるか、
言い方は悪いですが「使い捨てのスタッフ」として採用されるかによって、
経験できる経理実務の範囲が変わってきます。

(「将来の幹部候補」として募集されている経理求人の例:この求人はMSジャパンに登録されています)
>>「将来の幹部候補」として募集されている経理求人を見てみる
なぜこのような違いがあるのかというと、
経理は「ぜったいに外部にもらしたくない会社の内部情報」をあつかう部署だからです。
将来の幹部候補には見せられるけど、
そうでないスタッフには見せられない情報というのがたくさんあるというわけですね。
- 従業員がいくらのお給料をもらっているか
- 役員がどこのキャバクラで接待しているのか
- そもそも会社がちゃんともうかっているのか
- 会社がどこからお金を借りて、毎月いくら返済しているのか
↑経理はこういった「超極秘情報」を日常的に扱う仕事です。

経理としてプロを目指すなら、
最初から「将来の幹部候補」というかたちで募集されている求人を狙うのがベストです。
- 使い捨てスタッフとして5年間働くのと、
- 幹部候補スタッフとして5年間働くのとでは、
経験できる経理実務の質も量もぜんぜん違います。
もし5年後に「転職したい」となったときの選択肢がまったく違ってきますよ。
(チェックポイント4)落ち着いた環境で働ける職場か?のチェック方法
経理は繁忙期(忙しい時期)と、
閑散期(ひまな時期)とで業務量にかなりの差がある職種です。
求人に「残業の少ない職場です」という記載があったとしても、
それが「繁忙期における業務量」なのか、
あるいは「閑散期における業務量」なのかをきちんと確認しておく必要があります。
経理は「あらかじめ決められている仕事をさばいていく仕事」なので、
基本的には業務量のコントロールがしやすい職種だとは言えます。
営業職とは違ってノルマはありませんし、
アイデアをどんどん出さないといけないようなことはありません。

一方で、人員と仕事量のバランスがくずれた職場だと、
仕事量はあらかじめ決まっているけど、その仕事量そのものがとても多い…
ということもあり得ます。
こういった職場では、経理でも非常に忙しい働き方をせざるをえないでしょう。
(チェックポイント5)転職サイトは「会計職専門」を使う
転職活動のために求人を探す際には、
転職サイトを使うのが一般的になっていますね。
ハローワークだとわざわざ職員さんに相談して応募手続きや求人検索をしないといけませんが、
転職サイトは無料で使えていつでもどこでも求人を探すことができるので、とても便利です。
その一方で、
- 転職サイトってたくさんありすぎて、どこを使ったらいいのかよくわからない。
- どの求人も同じに見えてしまう…。
と感じている人も多いでしょう。

転職サイトにはリクルートやマイナビといった大手企業が運営しているところもありますし、
従業員数人程度の小さな会社が運営しているところもあります。
注意しておかないといけないのは、
有名な転職サイトだからいい求人を紹介してくれるとは限らないことです。
大手企業の転職エージェントはありとあらゆる種類の求人を紹介してくれる一方で、
それぞれの業界や職種の情報についてはあまりくわしくなかったりします。
それではどうしたらいいのか?ですが、
結論からいうと、経理職への転職をめざす人は
会計職専門の転職サイトを使うのがおすすめです。
会計職専門の転職サイトには、未経験OKの経理求人がたくさん登録されています。
また、企業の人事担当者とのあいだに入ってくれるエージェントも、
「経理」という仕事について良いところも悪いところもよく理解してくれています。
(エージェントとのやりとりはリモートでできますよ)

会計職専門の転職サイトは会計職に特化した求人(経理や会計事務所)だけを扱っていますから、
年収の高い求人が多く登録されているのも魅力ですね。
「まだ志望職種が決まっていない」という人なら別ですが、
経理職を目指すことがすでに決まっている人は、
↓以下のような「会計職専門の転職サイト」を選んで使うようにしてください。
MSジャパン
未経験OKの優良求人が多数!
MSジャパンは、会計事務所や経理の求人をメインで扱っています。
特徴は「未経験・資格なし」の人でも応募できる優良求人が多数あることですね(年収400万円〜など)
これから未経験で会計職キャリアをスタートしたい人におすすめです。
ジャスネットキャリア
経験3年以上の方におすすめ!高年収の求人多数あり
ジャスネットキャリアは、会計職の「実務経験者向け求人」が充実しています。
初年度年収600万円〜など、高年収の求人がたくさん掲載されていますので、経験者のキャリアアップ転職に使えます。
なお、実務経験3年未満の人は応募できない求人が多いのでMSジャパンを使いましょう。
マイナビ税理士
科目合格者向けの求人多数!
マイナビ税理士は、税理士有資格者または科目合格者におすすめです。
登録にあたっては税理士有資格者あるいは科目合格が1科目以上あることが条件になりますが、
BIG4税理士法人などの優良求人が多数登録されています。
すでにある程度税理士試験に目処がついている人が使うのにおすすめです。
今すぐ転職する気がなくても「転職サイトへの登録」だけはやっておいた方が良い理由

(今すぐは転職できないという人も、転職サイトへの無料登録は早めにやっておきましょう)
今すぐ転職する人もしない人も、
転職サイトへの無料登録だけは今やっておきましょう。
転職活動はあなたの人生に影響を与える重要なものですから、
「今の職場にいづらくなって、どうしようもなくなってから始める」のではなく、
「精神的に余裕があるうちに始めておく」のがベターですよ。

転職サイトに登録して希望年収などを登録しておくと、
あなたにおすすめの求人が定期的にメールで送られてきます。
気になった事務所の求人をストックしておくだけでも、
「今の職場がどうしてもつらくなったら転職すればいい」という選択肢を持つことができます。
いざ転職となったときも、
「前から気になっていたあの求人を」と良いスタートダッシュを切ることができるでしょう。
↓転職サイトは無料で使えますので、登録だけは今すぐやっておきましょう。
\ 好条件の会計職求人が多数!/
未経験から経理への転職を目指す人からよくある質問

(経理実務の未経験者からよくある質問と回答をまとめました)
未経験から経理への転職を目指す人から
よくある質問と回答をまとめました。参考にしてみてください。

↓※青文字クリックでジャンプできます。
1.会計事務所と経理ならどっちがおすすめ?

会計事務所と経理の両方から内定をもらっています。
どっちを選ぶのがおすすめですか?
個人的には会計事務所からスタートするのがおすすめですが、
↓以下のようにニーズに合わせて選択するのが良いと思いますよ。

- 1つの企業に長く勤めて、キャリアアップしていきたい人
→経理からスタートがおすすめ - 手に職をつけて、いろんな勤務先を渡り歩けるようになりたい人
→会計事務所からスタートがおすすめ
どちらからスタートするにしても、メリットとデメリットがあります。
会計事務所のメリットは
「短期間でハイレベルな会計実務を身につけられること」ですが、
「所属先企業の規模がとても小さくて不安定」というのがデメリットですね。
(実務未経験者の場合、お給料も安い事務所が少なくありません)
なので、会計事務所で働く人は、最初から「転職を前提で働く人」が多いです。
1つの事務所で仕事を覚えてしまえば別の事務所でも働けますし、
企業経理の実務経験者として転職することも可能になるからです。
実務経験者として転職すれば、高年収も狙えますよ。

経理からスタートする人は、
「入社した企業で定年までずっと働く」という選択肢を選べるメリットがあります。
お給料や役職も年功序列で上がっていきますから、余裕を持って働ける可能性が高いです。
その一方で、経理からスタートした場合、
会計事務所と比較すると、会計のプロとして成長するのには時間がかかるケースもあるでしょう。
- 決算業務は年に1回しか経験できない
- 他の企業の経理実務を知る機会が少ない
- 重要な仕事(決算業務や税務申告書作成など)を任せてもらうまでに長い時間がかかる
↑こういったことは、経理からスタートすることのデメリットといえます。
(もちろん、その分だけ会計事務所の仕事はきついという意味でもあるのですが、若いうちの修行と思ってがんばるならありだと思います)
2.「簿記資格はあるけど実務経験なし」はどう評価される?

簿記2級は学生時代に取得したんですが、
経理の実務経験はまだありません。
こういう人って転職市場ではどう評価されるんでしょうか?
経理は実務経験がとても重視されるので、
基本的に「実務経験 > 資格」だと思っておいた方が良いですね。

経理として働くなら、簿記の知識は絶対に必要です。
経理の仕事内容というのは「簿記で勉強する内容そのまま」といっても過言ではありませんから、
簿記の知識はたくさんあるに越したことはありません。
一方で「簿記資格さえあればOK」というわけでもないのが転職活動の難しいところです。
↓ものすごく単純化して言えば、
- 簿記2級は合格しているけど、実務経験がまだない人
- 簿記資格は持っていないけど、実務経験が1年ある人
↑採用する候補者としてこの2人の人が応募してきてくれたとしたら、
ほとんどの企業は、
後者の「簿記資格は何も持っていないけど、実務経験が1年ある人」
を採用する判断をするでしょう(その他の条件がまったく同じだったとして)
採用の時点では「資格と実務スキルのどちらが重要か」でいえば
「実務スキルの方が重要(優先)」ということですね。

理想は「資格もスキルも両方ある人」なのは当前ですが、
どちらか一方を選ばないといけないなら、スキルのある人(実務経験のある人)が優先されるということです。
3.そもそも「経理の実務経験」とはどんな内容をいうの?

転職サイトで求人検索していると「経理経験者」という言葉がよく出てくるのですが、
これってどの程度の経験年数や仕事内容をいうんでしょうか?
会社によって経理経験者に求めるレベルは違いますが、
「決算業務の経験があること」が1つの目安になることが多いです。

経理という仕事は、基本的には1年に1回の年次決算業務にむけてすべてが動いていきます。
日常的な経理作業は「決算でどういう扱いになるか?」を常に考えながら判断しますし、
仕事のスケジュールも「決算にまにあうか」を基準に組まれています。
なので、「決算業務の経験があるか?」は、
経理経験の有無をはかるバロメーターのような位置づけになることが多いのです。
「経理経験者」というと、なんだかハードルが高いように感じてしまいますよね。
ただ、実際にはそれほど経験豊富でなくても採用されるケースはたくさんあります。
決算はすべての会社で1年に1回はやらないといけませんから、
経理として1年以上の経験がある人なら決算業務は必ず体験することになりますからね。
「決算業務」には2種類ある
↓なお、「決算業務」には以下の2種類があることも知っておきましょう。
- 月次決算
- 年次決算
↑「1.月次決算」とは、一カ月間の企業業績を集計する作業で「年次決算の簡易版」のようなものです。
この月次決算を12ヶ月分つみあげていって、
年に一度の「2.年次決算」を完成させるわけですね。
年次決算によってその会社が納める税金の金額が決まり、
1年間で黒字だったのか赤字だったのかが決まることになりますから、
経理にとって一番大切な仕事は年次決算ということになります。
この「年次決算の経験があるかどうか?」によって経理の経験者と未経験者に分けられる可能性が高いです。

経理の「日常業務」とはどんなもの?
上で説明した「決算業務」に対して、
↓経理の「日常業務」というのは以下のようなものです。
- 会計システムへの仕訳入力
- 従業員の経費精算作業
- 領収書や請求書のファイリング業務
- 銀行預金の入出金管理
- 売掛金の管理
- 買掛金の管理
↑このように「会社のお金にかかわること」のすべてを管理しているのが経理という仕事です。
未経験で入社した場合、
会計システムへの仕訳入力作業や、
領収書や請求書のファイリング作業から始めることが多いでしょう。

4.簿記検定に合格してから転職活動始めた方がいい?

経理に転職したいんですが、今のところ簿記3級も持っていません。
- 簿記に合格してから転職活動する
- いま転職活動を始めて、簿記は後からとる
どっちがいいんでしょうか?
これに関しては、
「いま転職活動を始めて、簿記は後からとる」が圧倒的におすすめです。

上の2つ目の質問(「簿記資格はあるけど実務経験なし」はどう評価される?)で説明したことと少しかさなりますが、
経理職というのは実務経験が何よりも重要な職種です。
「簿記資格はあるけど、実務経験はない人」よりも、
「簿記資格はないけど、実務経験はある人」
の方が圧倒的に有利なのはまちがいありません。
簿記資格なんて、ぶっちゃけ入社後に取得するのでもぜんぜんいいです。
採用面接で「簿記はまだ持っていないのですか?」と聞かれたら、
「はい、現在のところまだ取得していません。
現在2級を勉強中でして、次の6月の試験の合格を目指しています」
と答えておけば「最低限の簿記知識はすでに持っている人なんだな」と評価してもらえますよ。
経理の実務で必要なのは簿記2級の商業簿記までの知識ですが、
このぐらいの知識は、アマゾンで売ってる入門書を読むだけでもじゅうぶん身につきます。
その一方で、簿記2級に検定合格しようと思ったら、
早い人でも6ヶ月程度の受験勉強が必要になります。
6ヶ月間も無職で勉強するぐらいなら、
その6ヶ月間でささっと実務経験者になってしまった方がお得ですよ。
お給料も稼げますしね。

5.ブランク(無職になっていた期間)があっても経理になれる?

私は社会人になってから3年ほど無職だった期間があります。
ブランク期間があっても未経験から経理になれますか?
結論からいうと可能だと思います。
経理は一種の専門職ですので、
採用も「仕事をまじめにきちんとこなせる人か」が問われることが多いです。
過去の職歴がきびしくチェックされるようなことはあまりないと思います。

「ブランク期間があって、履歴書や職歴書に自信が持てない…。」
と感じている人もいらっしゃるでしょう。
私自身、大学卒業後に新卒入社した会社(営業職)を数ヶ月で辞めてしまい、その後は1年ほどニートやってました。
そんな私でも会計事務所に未経験で入社したのをきっかけに、
これまで10年以上も会計の仕事でずっと飯を食っています。
会計職は営業職などと違って「まじめにこつこつやっていくタイプ」の人に向いている仕事です。
仕事内容は簿記で勉強する内容ととてもリンクしていますから、
勉強が苦にならない人ならスキルをどんどん高めていけるのも魅力ですね。

履歴書や職歴に自信がないという人も、
意欲さえあれば経理としてキャリアをスタートすることは可能です。
ぜひ前向きに頑張ってみてください。
6.正社員と派遣社員どっちがいい?
正社員として働くことには、メリットとデメリットの両方があります。
↓具体的には以下のような感じですね。
正社員のメリット
- ボーナスの支給がある
- 最初から長期的なキャリア形成を視野に入れて働ける
- 幹部候補としての入社も狙える
正社員のデメリット
- 転職活動に長い時間がかかる
- 採用されても最初から経理の仕事ができるとは限らない(一定期間は事務スタッフとして雑用をやることも)
- 良くも悪くも上司からの期待が大きく、業務負担が大きい
特に「今すぐ働き始めてお給料を稼ぐ必要がある」という状況の人にとって、
転職活動が長期化するのは避けたいところですよね。
転職活動をどれだけがんばっても、そのあいだお給料は1円も稼ぐことができません。
- 養う家族がいる
- 一人暮らしで家賃を払わないといけない
- カードローンやクレジットカードの支払いがある
などなど、人によって生活状況はさまざまです。
「今すぐにでもお給料を稼がないといけない」という状況の方は、
まずは派遣社員として経理の仕事を始めてみるのも1つの選択肢と言えます。

派遣社員なら、派遣会社に登録して1週間以内に仕事を始められるケースもありますよ。
また、派遣社員は「この内容の仕事ができる人を募集」と厳密に限定されていますから、
最初から経理に特化した仕事ができます。
経理の実務経験を最短で積んで、
そこから正社員への転職を目指したいと考えている人にもおすすめです。
(派遣社員として働きながら転職活動することも可能)
経理事務の派遣は、一般的な事務職派遣と比べて時給が高く設定されているのも魅力ですね。
↓※未経験OKの経理事務派遣求人はこちらでたくさん見つかりますよ。
7.東証一部上場企業など「大手企業」の経理に転職するには?
東証一部上場など「日本を代表するような大手企業で経理として働きたい」と考えている方はきっと多いでしょう。
経理という職種は企業規模によって仕事のやりがいや難易度がかなり違いますから、
高度な会計知識を駆使して働き、高い年収を得たい!
と考えている人にとって、大手企業の経理職は魅力的です。
ただし、残念ながら「未経験者むけの求人」となると、
大手企業の求人数は非常に少ないというのが実情です。
大手企業の場合、未経験の経理スタッフは「新卒で採用してゼロから教える」という考え方をとっている企業が多いためです。
中途採用で大手企業の経理になりたいなら、
実務経験は必須になると考えておきましょう。
未経験の方はまずは中小企業や会計事務所で実務経験を積み、
そこから大手企業への転職を目指すのが現実的です。
上場している大手企業では、
公認会計士の監査にも耐えうる高度な会計知識が求められます。
会計や税務の勉強が好きで、
意欲的にスキルアップをしていける人なら大手企業の経理職を目指しましょう。
大手企業の経理財務職として出世していけば、
高い年収と社会的地位を得られるのも魅力ですね。
