- 経理から税理士にキャリアチェンジってどう?
- 経理経験者は会計事務所で優遇されるって本当?
- 税理士補助の仕事は経理とどう違う?
これまで企業経理として働いてきた経験のある人の中には、さらなるステップアップとして税理士への転職を目指す人が少なくありません。
具体的には、企業の経理から会計事務所(税理士事務所)に転職し、税理士補助として働きながら税理士試験合格を目指すルートが多いですね。
この記事では、経理から税理士(補助)への転職を目指す人向けに、
キャリア構築のポイントや注意点について解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
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ブログ管理人
1985年生まれ。未経験ニートで会計事務所入社→月給16万円で地獄のような目にあう→何度か転職して年収600万円→会計事務所から経理に転職→現在は経理の管理職/2018年開始の当ブログも6年目突入!おかげさまで毎月1万人(累計34万人超)の方に読まれています。
この記事の目次
経理から税理士補助への転職は可能
経理で培った仕訳や試算表のスキルが税理士補助に活かせるからです。
税理士事務所では、確定申告や納税など、通常企業では扱わないような専門的な業務を行います。
経理は支払・入金などにお金を動かして財務体質の向上をはかり、自社の利益追求を目指す部署です。
一方税理士事務所は、顧問先の企業に代わって経理作業や決算業務を請け負います。
対象企業が大きく異なる点をお分かりいただけるのではないでしょうか。
経理経験者の中には、税理士とやりとりをした経験のある方も多いと思いますが、
税理士補助として働く場合今度は税理士側の立場で働くことになります。
顧客企業の目線に立ち、「自社の経理を担っている」という心意気で業務にあたることが大事です。
企業経理と税理士補助の仕事内容の違い
↓企業経理と税理士補助の仕事内容の違いとしては、以下のようなことが重要です。
- 税理士補助は外回り(巡回監査)がある
- 税理士補助が所属する会計事務所はとても小さな組織
- 会計事務所は転職や独立前提で働く人が多い
- 税理士補助は決算と税務申告業務がメイン業務になる
- 税理士補助として働く人は税理士試験の受験生がほとんど
1.税理士補助は外回り(巡回監査)がある
税理士補助には内勤、外回り(巡回監査)の2通りの業務があります。
外回りは顧問先に実際に足を運んで業績の確認を行ったり、試算表の数値に基づいて経営のアドバイスを行ったりします。
午前中から昼過ぎ頃まで巡回をした後は、監査報告をまとめ内勤スタッフに資料を引き継ぎます。
巡回監査は責任も重くアドバイスを相手に理解してもらうためのコミュニケーション力も求められます。
ですがいわゆる「顧問先の先生」という扱いを受けるため、やり取りは比較的スムーズに進められます。
誰にでも分かりやすく、親身なアドバイスをするよう心がければ大丈夫でしょう。
2.税理士補助が所属する会計事務所はとても小さな組織
税理士事務所の待遇や人間関係は事務所によって様々です。
個人事務所は規模が小さく、やり取りも密など大変アットホームでしょう。
業務中は淡々と仕事をこなし、業務外では和気藹々としっかりしたメリハリがついています。
給与については内勤メインでは年収約300万、外回りがあると400万〜500万程度まで上がります。
税理士事務所は自力でクライアントを獲る必要があるため、顧客数が多いと収入が安定します。
つまり、所長の日々の営業力や実績が鍵になるのです。
コンプライアンス遵守の風潮がある為、福利厚生は比較的整っており、リモートワーク等を取り入れる事務所もあります。
3.会計事務所は転職や独立前提で働く人が多い
税理士補助は独立希望が多いため一つの事務所で定年まで働くことが殆どありません。
税理士になるには2年以上の実務経験が必要な為、多くの人が実績作りや情報収集をかねて修業します。
また科目合格すると待遇も上がるため、より良い条件や経験を多く積める事務所にステップアップし実力で渡り歩く働き方をする形になります。
4.税理士補助は決算と税務申告業務がメイン業務になる
決算とは、在庫商品の棚卸しや未払金の処理など年に1回行う作業のことです。
また税務申告とは確定申告や税務署に提出する書類の作成などをいいます。
これらの作成書類を、一つひとつミスがないかチェックするのが税理士補助の主な業務といえます。
また12月には年末調整、3月頃までは確定申告等の繁忙期を迎えます。
調整額の計算や申告書の作成、市区町村への書類提出など膨大なステップを踏むため最もスタッフの手を必要とする期間です。
5.税理士補助として働く人は税理士試験の受験生がほとんど
税理士事事務所は繁忙期と閑散期の区切りがはっきりしており、閑散期には集中して勉強に時間を充てることが可能です。
受験生にとって税理士事務所は実務経験を積みつつ試験勉強もできる格好の場といえるでしょう。
ほとんどの人が無資格から始め、働きながら資格取得を目指します。
ですが、入社後いきなり巡回業務などの負担の大きい仕事を任せたりする事務所も少なからず存在するので、入社後の業務には注意しておきましょう。
(追伸)給料安くて超激務な「ブラック事務所」で絶対に働きたくない人へ
- 税理士事務所ってどこも給料安すぎる…。
- 実務未経験で科目合格もなしだと搾取の対象って本当?
- 将来は税理士として独立目指すけど、今の年収はさすがにキツい…。
- 仕事が忙しすぎて税理士試験全滅…とか絶対避けたい。
- パワハラな所長税理士の下で丁稚奉公みたいに働きたくない…。
↑こんなふうに不満や不安を抱えている方、税理士志望者にはきっと多いと思います。
残念ながら、その不安が的中してしまうケースは少なくありません。
職員を「使い捨て部品」ぐらいにしか考えず、
安月給で搾取しまくるブラック事務所は2024年現在も普通に存在しています。
はっきり言って「令和のこの世の中で、いまだにこんなことやってるのか?」
みたいなブラックな事務所がたくさん存在しているのが現実です。
もちろん「税理士事務所のすべてがブラック」というわけではありませんが、
全体の2割は完全ブラック、
全体の6割はややブラック、
残りの2割だけがホワイト…
みたいな割合がリアルな実態でしょう。
(↓こんな感じ)
↑労働環境が良好な「ホワイト事務所」で働けているのは全体の2割の人だけ。
残りの8割の事務所職員は、ブラックな環境で苦しんでいる…というのが実際のところなんですね。
なぜ、こうなってしまうのか?ですが、理由は単純です。
税理士事務所ってどこもめちゃくちゃ小さな組織で、
しかも所長税理士のワンマン経営なので、
外からの批判にさらされることがないからです。
税理士事務所って、そのほとんどが「所長税理士合わせてスタッフ5名」みたいな感じの小さな組織です。
大企業の場合、ブラックなことやってたら新聞やテレビマスコミから批判されますよね。
でも、税理士事務所みたいに小さな組織が、
メディアに注目されることなんてほとんどないです。
一般企業のように株主と経営者が分離しているなんてこともありません。
基本的に「所長税理士=事務所のオーナー」なので、
ブラックなことやってても、誰からも批判されませんし、
労働組合みたいな「労働者の権利を守る組織」みたいなものもありません。
さらにいえば、ネット上でも「実際に事務所で働いた人たちの正直な口コミ」がめったに出てこないんです。
ただでさえ狭い業界な上に、所長税理士どうしの横のつながりが強いので、
自分の事務所の悪口をネットに書き込んだりすると、
すぐに気づかれてしまってヘタをすると業界にいづらくなる…。みたいなことすらあります。
みんな自分のキャリアを危険に冒してまで、ネットやSNSに口コミなんて書かないんですね。
こんなふうに、ブラック事務所を見分けるための情報が非常に少ないせいで、
まちがえてブラックな事務所に応募してしまう人が続出するんです。
しかも、完全ブラックな事務所ほど人を集めるのに必死ですから、
「うちはアットホームで家族的な雰囲気です!…」
みたいに求人サイトでアピールしたりするので、たちが悪いんですよね…。
ブラック事務所の求人を「最初から選択肢に入れない」ことが重要
これは税理士業界に限らずですが、
すでに志望業界が決まっている人は「業界専門の求人サイト」で求人を探すのが転職成功のコツです。
ブラック企業でも簡単に求人掲載できてしまうリ●ナビやハロワ、indeedとかとは違って、
業界専門サイトでは「最低限の年収や福利厚生条件を満たしているか?」が厳しくチェックされます。
そうしないと、求人数で勝負している大手リクナビに勝てないからです。
「うちは求人数ではリクナビには勝てませんけど、
求人の『質』ではリクナビなんかより圧倒的に良いものがありますよ」
↑みたいな感じで、ブラック事務所の求人をあらかじめ排除することで、質で勝負しているわけですね。
転職サイトの中にどんなに求人数がたくさんあっても、
当たり前ですが実際に働ける事務所は1つだけです。
すでに「税理士業界で働く」「将来は税理士として独立を目指す」とはっきり決めている人なら、
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税理士業界志望者はリク●ビやハロワ、indeedは使わない方が良い
私は、税理士業界で転職するなら、
リクナビやハロワ、indeedなど、
「一般向け求人サイト」は使わない方が良いと思ってます。
なぜかというと、登録されている求人の質があまりにも低すぎるからなんですね。
実際、私が1社目に入社した事務所は完全にブラック事務所だったんですが、
この事務所はハローワーク経由で応募しました。
(窓口の職員さんに「こちらは特におすすめですよ」と紹介されました…)
私も後から知ったんですが、ハローワークの相談員って、
彼ら自身が非正規職員だったりするんです。
はっきりいってけっこういい加減なんですよね…。
税理士業界への転職を検討している方は、
厳選された求人だけが掲載されている専門サイトを使いましょう。
リクナビやindeedと同じように完全無料で使えるサイトなので、こちらを使わない理由はないです。
(みんな知名度だけでリクナビを選び、失敗します)
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- 将来的に独立を目指すのもOKな事務所求人
なぜ「最大手のリ●ナビ」をおすすめしないのか?
転職サイトっていろんなところがありますよね。
リク●ビとかindeedの方が「学生時代の就活とかでも使ってなじみがあるし、Googleで検索したときに上の方に出てくるから安心」と思われる方も多いかもしれません。
ただ、個人的にはこういう転職サイトの選び方はおすすめしません。
リクナビとかindeedって、企業側が求人掲載をする料金が以上に安い上に、
ろくな審査もないのでブラックな事務所でも求人出し放題なんですよね…。
あと、税理士業界って採用側も応募側も、ニーズがかなり特殊です。
採用側(事務所側)は繁忙期と閑散期で採用の難易度をガラッと変えてきたりしますし、
応募側(私たち)も税理士受験生なので仕事と勉強の両立がマストだったり、
社会人から勉強スタートの人が多く、キャリアスタートの年齢が高めだったりと、
一般的な転職活動とは事情がかなり異なるケースが多いんです。
特に未経験者の方は、年収が極端に低い事務所(年収200万円代など)に応募しないように注意しないといけません。
実務経験者はともかく、業界的な年収相場をよく知らない未経験者を狙って、
「うちは勉強しながら働けますよ!(なので年収は低くても我慢してね!)」
みたいな感じで、極端に低い年収で募集をかけているブラックな事務所は本当に多いんです。
↓以下のいずれかに該当する人は、
税理士業界専門の転職サイトを使って求人を探すようにしましょう。
- 税理士試験との両立ができる事務所で働きたい人
- 毎年「1年に1科目」などのかたちで、着実に科目合格を積み重ねていきたい人
- 業界相場より低年収の事務所にまちがえて応募する愚を避けたい人
- 将来の独立を見すえて開業資金をちゃんと貯金していきたい人
- 税理士試験に失敗した場合に備えて、企業経理への転職という選択肢も検討している人
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忙しくて今すぐは転職活動できない…という人へ
「転職したいけど、今すぐは転職活動は始められない。
ひょっとしたら今の勤務先に残るのがベストかもしれないし…。」
↑今の環境にいろいろ不満はあるけれど、
なんとなく不安で動けなくなっちゃってる方も多いでしょう。
転職活動なんて人生でそう何回もやることじゃないですし、
そのわりに人生に与える影響がデカくて不安になっちゃいますよね。
私自身もブラックで働いている時に経験したことなんですが、
今いる職場でストレスがマックスまで溜まると、
まじで何も行動する気がなくなるんですね。
転職って年齢的に若ければ若いほど有利なのが現実ですし、
精神的な疲労が溜まってくると人間って正常な判断が効かなくなってきます。
どんなに時間がなくて忙しい人も、
受動的に(受け身で)入ってくる状態にしておくことが大切です。
希望年収や勤務地などを転職サイト内で入力しておくと、
マッチする最新のおすすめ求人がメールが定期的に入ってきます。
↓ある日の私のメールボックスをお見せすると以下の画像のような感じ。
あらかじめ自分で入力した年収などの条件にマッチする求人が出たら、
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未経験資格なしでも応募できる事務所ってあるの?
これは実際に求人検索してみるのが早いかもしれませんが、
税理士事務所って未経験OK求人が意外に多いです。
ただ、リクナビとかハロワで探すと年収200万円台…みたいな、
完全ブラックな事務所もわんさか出てきたりするので、くれぐれも注意してください。
未経験無資格でも年収400万円以上の求人ぐらいなら、普通にたくさんありますよ。
複数の転職サイトを同時に使っても問題ない?
これはまったく問題ないです。
むしろ、たくさん使った方がいろんな求人に出会えるチャンスがひろがるので、2社〜3社ぐらいを使い回す方が良いでしょう。
転職サイトには無料のエージェントサービスがつくことが多いですが、
担当してくれるエージェントとの面談に進んだような場合には、
他社のエージェントからも話は聞いてますぐらいに教えてあげると親切かもしれませんね。
(求人リサーチのために転職サイトを使いたい用途の場合には、そもそもエージェントとのやり取りは発生しません)
最後の最後にお伝えしたいこと
↓仕事や転職で成功するために大事なのって、結局はこれです。
転職活動でもっとも重要なのは、能力やスキルより情報収集です。
具体的には、どの転職サイトを使うか?(リクナビなどの「一般向け」を使うか?税理士業界専門か?)で大きな差がつきます。
税理士業界は、能力的にとても優秀なのに、
転職活動のやり方がまずかったのが原因で、
ブラック事務所で働くことを余儀なくされている人…がものすごく多いです。
転職サイトへの登録なんて、実際には1分でできる作業です。
お金もかかりませんし、気に入らなければ即解除できるのでリスクなんて何もありません。
それでもやらない人はやらないですし、やる人はさくっととやります。
↓今から5年後に、あなたはどちらになっていたいでしょうか。
- 劣悪な雇用環境で給料も安く、税理士試験もいつまでたっても科目合格ゼロ…。貯金もゼロ…。
- 働きながらスピーディに5科目合格達成。年収高めなので独立資金のめどもある程度ついている。あとは税理士としての実務能力を高めていくだけ…!
↑この前者は実は過去の私の姿そのもので、
今思うと「もっと早く行動しておけばよかった」と後悔しています。
この記事を読んでくださったあなたは、もちろん後者を目指してください。
いまどんな状況にいる人でも、
成功に向かって一歩踏み出すことは可能です。