- 高卒者が最短で税理士になるには?
- 会計事務所で働く場合、学歴はみられる?大卒者が多い?

私は税理士になりたいのですが、学歴が高卒です。
高卒者でも税理士になれますか?
税理士は、学歴に関係なく受験できる国家資格です。
実際には大卒の人が多いのは事実ですが、
高卒者でも税理士として活躍している人はとても多いですよ。

この記事では、高卒者が最短で税理士になるためにはどうしたらいいのか、具体的なステップを解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
高卒者が税理士試験を受けるための受験資格

(税理士試験の受験資格は?)
まずは、税理士試験の受験資格を確認しておきましょう。
↓税理士試験は、以下のどれかの条件を満たす人が受験できます。
税理士試験の受験資格
- 日商簿記検定の1級合格者
- 大卒で法律学・経済学の単位を取得している人
- 会計関連の仕事で2年以上の実務経験がある人
高卒学歴の方の場合、
上の1.「日商簿記検定の1級合格」か、
3.「会計関連の職歴2年以上」が受験資格になるでしょう。
会計関連の「実務経験2年間」を受験資格にする場合
「会計関連の仕事で2年以上の実務経験」によって受験資格の取得を狙う場合、
会計関連の仕事が経験できる企業に就職して、働く必要があります。
ここでいう「会計関連の仕事」とは、
一般企業の経理や、会計事務所での実務経験のことですね。

2年間働いた後に、勤務先から証明書を発行してもらえば、
それだけで税理士試験の受験資格を取得できます。
(この場合、簿記検定に合格している必要はありません)
なお、受験資格を取得するための実務経験とは別に、
税理士試験合格後に、正式に税理士資格を取得するためにも、
実務経験2年間が必要です。
こちらについては税理士試験に合格する前に実務経験を積んでもいいですし、
合格してから実務経験を積んでもOKというルールになっています。
また、この場合の実務経験はは、「受験資格を得るための実務経験2年間」とかねてもOKです。
ちょっとややこしいですが要するに、
人生のどこかのタイミングで、会計や経理の仕事を2年間以上やったことがある人なら、正式に税理士になれます。
逆にいうと、どんなに勉強ができて税理士試験に合格できたとしても、
2年以上は実務経験がないと正式に税理士になることはできません。
高卒者が最短で税理士になる方法

(高卒者が最短で税理士になるためのキャリアプラン)
↓高卒者の方が最短で税理士を目指すなら、以下のようなプランがおすすめです。
- 経理や会計事務所で「会計関連の実務経験」を積みつつ、
- 同時進行で日商簿記1級に向けた勉強を進めていく
- 簿記1級または2年間の実務経験を満たした時点で税理士試験の勉強スタート
- 3年間〜5年ぐらい仕事をしながら税理士試験に挑戦(税理士試験は科目合格制度があるので、「1年に1科目」などのかたちで最終的に5科目合格すればOK)
- 税理士試験に合格
例えば、現在23歳(高卒)の方がいたとして、
↓30歳までに税理士になることを目指すとしたら、以下のようなキャリアプランが考えられます。
税理士試験の受験プラン
- 23歳〜24歳(2年間)
経理または会計事務所に転職して「会計関連の実務経験」を積み、税理士試験の受験資格を取得する - 25歳〜29歳(5年間)
働きながら1年に1科目ずつ税理士試験に合格 - 30歳
税理士資格を取得して独立や転職
↑こちらでは受験資格として「実務経験2年」を使っていますが、この間に簿記1級に合格できるならもっと早いペースで税理士になれます。
↓さらに、税理士試験の勉強をもっとハイペースで(例えば2年間)いけるなら、以下のようなキャリアプランもあり得るでしょう。
税理士試験の受験プラン(最短)
- 23歳(1年間)
経理または会計事務所に転職して「会計関連の実務経験」を積みながら簿記1級に合格し、受験資格を取得 - 24歳〜25歳(2年間)
働きながら税理士試験5科目に合格 - 26歳
税理士資格を取得して独立や転職
ポイントは受験資格を得るところまででもたつかないことです。
簿記1級に合格できるかどうかは確実とは言えませんから、経理や会計事務所で働きながら勉強しましょう。
そうすれば2年後には確実に受験資格が得られます。
もちろん、その間に簿記1級に合格できればもっと早く受験資格を満たすことができますね。
働きながら税理士を目指すなら会計事務所がおすすめ
なお、働きながら最短で税理士を目指すなら、
会計事務所で働くのがベストですよ。
会計事務所というのは、税理士が開業している事務所のことです。
資格がない人でも、税理士補助として働くことができます。
税理士補助の仕事内容は税理士とまったく同じなので、会計や税務の仕事を覚えながら、税理士試験に挑戦することができます。
会計事務所で働く人には大卒者が多いですが、高卒者も一定数います。
ほとんどは税理士試験の受験生ですので、同じ環境の人たちとはげまし合いながら働けるのは大きいですね。
↓※その辺りの事情についてはこちらの記事で書きました。
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税理士は働きながらは無理?勉強と仕事の両立を目指す人が知っておくべき短期合格のポイント
「税理士試験に働きながら合格するのは無理?社会人は早めにあきらめた方がいいの?」この記事では、税理士試験に挑戦しようと考えている社会人の方向けに、短期合格のためのポイントを解説いたします。働きながら短期間で5科目合格を目指すなら「仕事と勉強を両立するには?」を徹底的に考えておく必要があります。ぜひ参考にしてみてくださいね。
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受験資格さえ満たせば大卒者と条件は同じ
高卒学歴の人も、受験資格さえクリアしてしまえば、大卒者と同じスタートラインに立つことが可能になります。
なので、まずは経理や会計事務所で働きながら簿記の勉強をスタートしましょう。
仕事はせず勉強に専念して簿記1級を取得する、ということも一応考えられますが、
この場合、試験合格が遅れれば遅れるほど、受験資格を得るのが遅くなってしまいます。
経理や会計事務所で働きながら勉強すれば、どんなに遅くとも2年後には受験資格を取得できますよ。
お給料をもらいながら勉強することもできるのも大きいですね。
実務経験を2年積み、税理士試験の受験資格を満たしたなら、
簿記1級の勉強は辞めていきなり税理士試験の勉強に移行しても問題ありません。
日商簿記1級を税理士試験の勉強準備と位置付けよう
税理士試験では簿記論や財務諸表論といった会計関連の科目がありますが、
日商簿記検定1級はその準備のための勉強としてもマッチします。
↓つまり、以下のような感じで勉強を進めていくのが良いですね。
- まず日商簿記検定1級で基礎知識を勉強
- その後に税理士試験の会計科目(簿記論と財務諸表論)に挑戦
日商簿記検定1級は難易度の高い試験ですが、決して合格不可能なほど難しい試験ではありません。
↓例えば、こちらの合格者の方は、以下のようなスケジュールで日商簿記1級合格を達成しています。
- 2014年10月〜資格スクールで勉強スタート
- 2015年6月に1級合格
- 勉強期間約9ヶ月間
↑1年以内に簿記1級合格というのはかなり優秀ですね。
勉強の進め方なども具体的に書かれているので、参考にしてみてください。
なお、税理士試験の会計科目(簿記論と財務諸表論)は、簿記1級よりも難易度が高いです。
最終的に税理士を目指すならこのぐらいのスピード感で挑戦する必要はあると思います。