
税理士事務所 未経験 きつい
- 税理士(税理士補助)の仕事内容はきつい?
- 会計事務所に未経験で転職したら実際どんな感じ?
- 税理士試験の勉強と両立できる?
- 職場の雰囲気はどんなの?パワハラとかない?

税理士を目指して勉強しています。
税理士補助として会計事務所で働きながら
税理士試験合格を目指そうと思うのですが、
「会計事務所は仕事がきついからやめとけ」
という口コミ評判が多くて迷ってます。
実際どんな感じなんでしょうか?
そうですね。決して楽な仕事ではないです。
ただ、税理士(税理士補助)って
会社の経営者から「先生」と呼ばれる仕事です。
きついですがやりがいはありますよ。

将来的に税理士を目指す人は、
ほぼ100%の人が別の税理士のもとで修行してから税理士になります。
税理士補助として、会計事務所で未経験から実務経験をスタートすることは、
避けられない登竜門ということができるでしょう。
なお、会計事務所でサラリーマン職員として働く場合、
税理士有資格者と税理士補助(資格なし職員)の仕事内容はまったく同じです。
また、税理士事務所・会計事務所・税理士法人の3つは基本的に同じ仕事をしています。
この記事では、会計事務所で働く税理士(税理士補助)の仕事内容で
「こういうところがきつい」という具体的な場面を紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
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ブログ管理人
1985年生まれ。ニートで税理士事務所入社→月給16万円のブラック事務所で地獄のような目にあう→ホワイト事務所に転職して年収600万円/2018年開始の当ブログも6年目突入!おかげさまで毎月1万人(累計34万人超)の方に読まれています。
>>自己紹介の記事はこちらです
この記事の目次
- 税理士補助が未経験者には難易度が高い理由4つ
- 会計事務所で働く!税理士補助の仕事で「きつい」と感じる瞬間16個
- 1. 求められる会計・税務の知識レベルが高くてきつい
- 2. お客さんから「先生」扱いされるプレッシャーがきつい
- 3. 性格的に内気なタイプだとお客さんとのやりとりがきつい
- 4. 所長税理士と性格的に合わないときつい
- 5. 未経験で入社してすぐは給料が安くてきつい
- 6. 繁忙期の残業が多くてきつい
- 7. 税理士試験の勉強との両立がきつい
- 8. 担当する顧問先の数が多くなってくるときつい
- 9. クライアントの経営者から「会計や税務以外の相談」をされるときつい
- 10. 先輩が仕事を教えてくれない事務所だときつい
- 11. ミスが許されない仕事なのがきつい
- 12. 業界的に「変化の波」がきていてきつい
- 13. 会計の仕事だと思ったら「法律の勉強」も必須できつい
- 14. 地味でコツコツ系の作業仕事が多くてきつい
- 15. 人間関係がピリピリした職場だときつい
- 16. 時間管理がかなりシビアできつい
- 会計事務所に未経験入社前に準備でやっておくと良いこと
- 税理士事務所では「4種類の人たち」が働いている
- 税理士・税理士補助の具体的な仕事内容はこんな感じ
- きつい税理士事務所の仕事を乗り切る!メンタルと対策方法
- 労働環境が劣悪なブラック事務所でぜったいに働きたくない人へ
- まとめ
税理士補助が未経験者には難易度が高い理由4つ

(未経験者は「入社する事務所」をまちがえるときついです)
1. 未経験でも高度な専門知識を求められる
会計事務所で税理士補助として働く場合、
会計事務所のお客さんは「中小企業の経営者」で、
お客さんからみるとあなたは「税理士の先生」です。
これは、あなたが税理士資格を持っていなくても同じですし、
実務未経験(社会人経験なしなど)であっても同じです。
お客さんは会計や税務の相談をするためにお金を払って顧問契約しています。
なので、会計や税務についてバンバン質問をしてきます。
お客さんはあなたが未経験であることなんて知りませんし、考えてもくれません。
もし頼りないな…と思われたら、
「担当を変えてくれ」と言われてしまいます。
これは会計事務所の職員(税理士補助)にとってかなりつらいことなんですね。
もちろん、これはどんな仕事でもある程度は同じでしょう。
ですが、会計事務所の税理士補助は
「知識を売り物にしているサービス業」です。
(営業マンのようにモノを「仕入れてきて売る」などの仕事ではありません)
必然的に高度な知識を求められますから、
未経験者にはかなりきびしい仕事と言えるでしょう。
未経験で入社したら「先輩のお手伝い」からスタート

(未経験で税理士事務所に入社したらどんな感じ?)
もっとも、最初から完璧に対応できる人なんていません。
少なくとも入社して半年〜1年程度は、
先輩職員や所長税理士にくっついて、
ゼロから勉強することから始めるのが一般的でしょう。
その後、入社半年〜1年すると、
自分一人でお客さんとやりとりすることが求められるようになります。
入社した直後から猛烈な勉強が必要だと思っておきましょう。
未経験者が転職直後のタイミングが一番大切です。
この期間をぼんやりと過ごしてしまうと、
一人で顧問先を訪問するようになった時にものすごく後悔することになります。
くれぐれも注意してくださいね。
未経験者ほど「ゼロから仕事を教えてもらえる環境」の会計事務所を選ぶべき

(税理士補助は「仕事を覚えるまで」が一番きつい)
このように、会計事務所で働く税理士補助は、
仕事を一人前にこなせるようになるまでが一番大変です。
逆にいうと、ある程度仕事を覚えてしまえば
自分自身の判断で仕事をできる部分が多いですし、
お客さんから頼りにされる仕事なので楽しくなってくると思いますよ。
これから未経験で税理士業界に転職する人は、
「最初に勤務する会計事務所の職場環境」
には徹底的にこだわってください。
未経験者にもゼロから仕事をきちんと教えてくれる事務所を選ぶことが大切です。
この業界では未経験者ほど「どこで働くか?」が重要と思っておいてください。
会計事務所の中には、はっきりいって劣悪な環境になっている事務所も少なくありません。
いわゆる「ブラック事務所」が存在しているのも現実なんですね。
実は私が最初に入社した事務所は、
まさに典型的なブラック事務所でした。
まったく仕事がわからない状況で現場に放り出され、
本当に地獄のような目にあいました…。

ブラック事務所で未経験者が働くのは本当に過酷なので、
絶対にまちがえて入社しないよう注意してください。
2. 繁忙期は仕事が忙しくてきつい

(税理士事務所は繁忙期の仕事がかなり忙しい)
会計事務所という職場は、
繁忙期(仕事が忙しい時期)と、
閑散期(ひまな時期)がかなりはっきり分かれている職場です。
↓会計事務所が繁忙期となるのは、以下の3つの時期ですね。
- 2月〜3月(個人事業主の確定申告業務を行う)
- 5月(三月決算法人の税務申告業務を行う)
- 12月(年末調整業務を行う)
↑これらの時期は仕事がかなり忙しくなります。
ある程度の残業は覚悟しておく必要がありますね。
私の職場では午後10時を過ぎてから退社する…
という日が2週間近く続くみたいな感じですね。
繁忙期はかなりしんどいですが、
これはもう税理士業界の宿命と思って受け入れてます。
(残業代は割増で出るので給料は増えます)

↓税理士事務所職員が給料を上げる方法については、
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税理士受験生は閑散期(仕事がひまな時期)の過ごし方が大切

(税理士試験との両立を目指す人は「閑散期」の過ごし方が大切)
逆にいうと、上の繁忙期以外の時期は閑散期(仕事がひまな時期)ですので、
落ち着いた環境で仕事ができるケースが多いでしょう。
特に、税理士試験のある8月直前には、
長期休暇を取れる事務所も少なくありません。
会計事務所で働く税理士補助の多くが税理士試験受験生です。
ただし、これも所属する事務所によってかなり状況が異なるのが実際のところです。
職員のレベルアップをうながすために、
受験勉強を積極的に応援している事務所もあれば、
いま無資格の職員(税理士補助)が税理士試験に合格してしまったら、
独立してやめていってしまうので、
試験勉強はなるべくさせたくない…。
(なので、仕事をたくさん振って勉強させないようにする…)
↑こんなえげつないことを考えている所長税理士もいます。
(「職員の独立問題」は税理士業界あるあるだったりします)
こういう職員の勉強反対の事務所を勤務先に選んでしまうと、
税理士試験との両立は絶望的に難しくなります。
ここでもどんな事務所で働くか?が重要になりますので、注意しておきましょう。
↓以下のような感じで、
職員の税理士試験勉強を応援している事務所もちゃんとあります。
無資格・未経験の人ほど、
こういう環境の事務所を
最初に働く勤務先に選ぶようにしましょう。

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3. 人間関係が悪い事務所だと精神的にきつい

(「小さな組織」である税理士事務所で人間関係が最悪だと地獄です)
会計事務所は基本的にどこも小さな組織です。
(従業員20名未満の事務所が業界全体の8割以上を占めます)
転勤や異動などはありませんから、ずっと同じ顔ぶれで働くことになります。
なので、事務所内の人間関係が悪いと職場の雰囲気は地獄です。
先輩に手取り足取り仕事を教えてもらわない未経験者が
こういう職場で働いていくのは、相当なストレスでしょう。

転職活動では実際に事務所に足を運ぶ場面もあると思います(面接のときなど)
そういった場ではぜひ職員どうしがどんなコミュニケーションをとっているか?
をよく観察してみてください。
なんとなく見えてくるものがあるはずです。
税理士業界専門の転職エージェントから情報をもらおう
あと、転職エージェントを使っていろいろ情報をもらうのも手です。
↓以下のような情報を応募前に知ることができるので、
変な事務所に入ってしまうリスクを減らすことができますよ。
- 所長税理士の性格や人格
- 応募先事務所の社風
- 入社後の職員年収の推移
- 職員の男女比率
- 職員の年齢構成
- 職員の税理士試験有資格者の割合
- 新人教育体制の有無
転職エージェントはどこも無料で使えますので、絶対に使った方が良いです。
特に、税理士業界専門の転職エージェントを活用しましょう。
税理士業界ってかなり特殊な業界ですので、
転職活動は情報収集が命になります。
4. 先輩が仕事を教えてくれないときつい

(未経験者ほど「どういう事務所で働くか?」の選択が重要です)
会計事務所で働く税理士(税理士補助)は、
お客さんに会計や税務の知識を提供するのが仕事内容です。
なので「仕事を覚えるまで」が一番大変です。
未経験入社してすぐの時期に先輩に放置されてしまうとかなり厳しいですね。
仕事が激務すぎて教育体制が整備されていない事務所に入ってしまうと悲惨です。
私が最初に入社した事務所(ブラック事務所)でも、
未経験者「先輩のまねをしながら覚えて」
という感じで、ほぼ放置でした。
(自分から先輩に食らいついていく…ぐらいの態度が求められました)

ここでも未経験者ほど勤務先の事務所選びは重要になります。
例えば従業員数5名以内の小規模事務所は、
教育体制が整備されていない可能性がかなり高いので注意しましょう。
きちんと新人研修を受けてから実務に入っていきたい人は、
ある程度の規模(従業員20名以上など)で、
長く運営されている事務所を最初の勤務先に選ぶのが良いでしょう。
会計事務所で働く!税理士補助の仕事で「きつい」と感じる瞬間16個

(税理士事務所の仕事できついと感じる瞬間は?)
1. 求められる会計・税務の知識レベルが高くてきつい
会計事務所で働く税理士補助の仕事とは、
ごくおおまかに言うと顧問先企業の決算や税務申告を代行することです。
(つまり、お客さんの税金計算を代わりにすることです)
日本では、どんな会社でも1年に1回は決算をして国に税金の申告をしないといけません。
企業が自力でやるケースもありますが、
中小企業では税理士と顧問契約を結んで代わりにやってもらっているところがほとんどですね。
日本の税法は「わざとわかりにくくしている」
といわれるほど複雑なルールになっているので、
知識のない人が自力で申告をやるのはほぼ無理なのが現状です。

当然ながら、会計事務所で働く職員には
会計や税務に関する高度な知識レベルが求められます。
これは税理士資格の有無を問いません。
自分が担当する顧問先企業の税務申告を、
期限までに完了しないといけません。
(当然ながら、最終的には所長税理士が仕事をチェックしてハンコを押すかたちになりますが)
仕事になれないうちはきついと感じる部分もありますね。
もちろん、入社してすぐの時点では誰もが未経験者です。
最初のうちは事務所内で先輩にいろいろと教わりながら、
ひとつひとつ仕事を覚えていくことになるでしょう。
2. お客さんから「先生」扱いされるプレッシャーがきつい
会計事務所の職員は、顧問先のお客さんからみると「税理士の先生」です。
これは、あなたが税理士試験に合格しているかどうかは関係ありません。
まだ資格がない人は「税理士補助」のあつかいになりますが、
やっている仕事は税理士とまったく同じです。

会計事務所の職員が日常的にやりとりをするお客さんは、
顧問先企業の経営者や経理スタッフさんなのです。
お客さんからは会計や税務についてのいろんな質問が飛んできますが、
私たちはいわば「知識を売り物」にしてお金をいただいている立場ですから
「わかりません…」とは言えないのがつらいところです。
正直、これはかなりのプレッシャーです(特に新人のうちはきつい)
もっとも、多くの事務所では
入社〜半年ぐらいはお客さんとの直接のやりとりはせず、
内勤をしながら最低限の知識を身につけるトレーニングを受けることになるでしょう。
この間にしっかりと勉強し、
先輩職員から仕事の引き継ぎを受けておくことが大切ですね。

当たり前ですが、最初からすべての質問に答えられるような人はいません。
もしわからないことがあった場合には、
「申し訳ありません。この場では確実なことはいえないので、いったん持ち帰ってくわしくお調べします。本日中にお電話で報告いたします」
↑といったように対応しながら、ひとつひとつ覚えていくしかないです。
働き始めて3年後ぐらいになると、
お客さんからのたいていの質問には答えられるようになると思いますよ。
3. 性格的に内気なタイプだとお客さんとのやりとりがきつい
税理士ときくと、
「一日中、電卓を叩きながらデスクワークをしている」
というイメージをお持ちの方もひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際にはこれはまったく違います。
税理士の仕事は外回り(顧問先企業の訪問)が多い仕事です。
顧問先企業で会計処理が正しく行われているか?
をチェックするために、
顧問先企業の営業所を訪問することになるからです。
これを月次監査(巡回監査)と呼んだりします。

自分が担当する顧問先1件につき、毎月1回は訪問するのが基本です。
会計事務所の職員は一人で20件〜30件の顧問先を担当していますから、
毎日1〜2件の顧問先企業を訪問することになります。
朝から顧問先を訪問し、夕方ぐらいに事務所に戻ってきて内勤の仕事をするという感じですね。
必然的に、外部のお客さんとのやりとりがひんぱんに発生しますから、
性格的に内気で、人とのコミュニケーションが苦手…
という人にはきついかもしれませんね。

もちろん、新規開拓の営業などは普通求められません。
仕事の雰囲気的には「ルート営業」のような感じでしょうか。
お客さんから見るとあなたは会計や税務をお任せしている先生というあつかいですから、
軽くみられるようなことはありません。
(巡回監査中はお茶菓子を出してくれたりしますよ)
私は税理士事務所で働き始める前、
証券会社の営業マンをやっていて
毎日お客さんに怒鳴られたり、門前払いを食らったり…。
という感じで働いていました。
その時と比較して「税理士事務所のお客さんは天使か…」と感じてましたね。

4. 所長税理士と性格的に合わないときつい
会計事務所は「所長税理士 + 職員スタッフ」というかたちの組織になっています。
所長税理士を含めて、総勢10人未満などの小さな組織のところが多いでしょう。
とても小さな組織ですから、良くも悪くも事務所経営者である所長税理士が、
ほとんどのことをワンマンで決めることになります。
なので、所長税理士に嫌われたり、性格的に合わなかったりすると非常にしんどい働き方になります。
逆に、所長税理士と仲良くやっていける感じなら、
非常にいごこちの良い働き方ができると思いますよ。

なお、会計事務所というのはどこでも基本的に同じような仕事をしています。
なので、ひとつの事務所で仕事をしっかり覚えてしまえば、
どこの事務所に転職しても即戦力として働けるというメリットがあることは知っておいて損はありません。
つまり、一緒に働く人たちが性格的に合わなければ、
無理して1つの職場で働き続ける理由があまりないのです。

税理士業界は、転職でキャリアアップするのが当たり前の業界です。
ひとつの職場で定年まで働く人はめったにいないのが実情ですね。
税理士業界は、良くも悪くも人材が流動的です。
手に職をつけて、自分のウデ一本で食っていくという職人的な働き方をしたい方に向いている仕事といえるかもしれません。
5. 未経験で入社してすぐは給料が安くてきつい
会計事務所に未経験で入社した場合、
平均年収は300万円〜350万円が相場になります。
イメージ的には「月給は20万円前後で、ボーナスは年間で月給の3ヶ月分」という感じですね。
ただし、未経験者向けの求人でも、
↓やや高めのお給料が設定されている事務所もありますよ。
(事務所そのものがもうかっている場合、
そこで働くスタッフの給料も高い傾向がある)

↓その一方で、年収がかなり低い事務所
もあるのが実情ですね。

このように、勤務先としてどういう事務所を選択するか?によって、
未経験者でも年収にかなりの差がつく点には要注意です。
将来的に独立を考えている人も
開業資金は必要ですから、
職員時代から年収は高いに越したことはありません。

入社後になってからお給料を上げてもらう…というのは非常に難しいです。
転職活動の時点で年収にこだわって勤務先を決めておかないと後悔することになりますよ。
税理士はお金の専門家なのに、
自分自身は低年収…なんてかっこ悪いですしね。
6. 繁忙期の残業が多くてきつい
会計事務所の仕事は、繁忙期にはある程度の残業が発生します。
↓繁忙期というのは、具体的には以下のような時期ですね。
- 2月〜3月
個人事業主のお客さんの所得税確定申告を行います。 - 5月
三月決算法人の決算業務を行います。 - 12月〜1月
年末調整業務を行います。これは顧問先企業の従業員さんの所得税を計算する手続きです。
逆にいうと、これ以外の時期(6月〜11月ごろ)というのは、業務量は落ち着いていることが多いですね。
働きながら税理士試験の勉強を進めていく予定の人は、
繁忙期とひまな時期とでメリハリをつけて勉強していくことが求められます。
なお、どの程度の残業が発生するか?は、
所属する会計事務所によって大きく異なります。
↓中には「繁忙期でも残業がない」という事務所もありますよ。

ここでも勤務先としてどういう事務所を選ぶか?
が大切になることを理解しておいてください。
7. 税理士試験の勉強との両立がきつい
会計事務所で働く人の多くは、税理士試験の受験生です。
働きながら税理士試験の勉強をし、
↓合格したら独立というプランを立てている人が多いですね。
- 会計事務所に未経験で入社する
- 働きながら税理士試験の勉強をする
- 3年〜5年ぐらいかけて5科目合格し、同時に実務要件も満たす
- 税理士として独立
(または、もっと条件の良い別事務所へ実務経験者として転職)
税理士試験は公認会計士試験や司法試験と並んで
「最難関レベル」といわれる国家試験です。
仕事をしながら合格を目指すのはかなりきついのはまちがいありません。
もっとも、税理士試験は科目合格制度がありますから、
1年に1科目ペースで、5年かけて5科目合格
などのかたちでスムーズに合格する人も多いですね。

ただし、会計事務所の仕事は、税理士試験の勉強内容とかなり重複しています。
実務知識と、税理士試験の学習内容を互いにオーバーラップしながら勉強できますので、
効率的に学習を進めていくことが可能になります。
例えば、実務で法人税申告書の書き方を学びながら、
税理士試験対策として法人税法の理論的な勉強を進めていくといった具合ですね。
テキストや問題集でだけ勉強だけをしてきた人と、
実際に申告書を作成して税務署に出した経験のある人とで、
税法の理解に差が生じるのは当然です。
会計事務所で働く人に税理士試験の合格者が多いのには、このような背景があるのです。
「一定期間は仕事をせずに勉強に専念する」というのもひとつの選択肢でしょう。
しかし、それが必ずしも有利になるとは言い切れないことは理解しておいて下さい。
すでに社会人になっている人がこれから税理士の勉強を始めるなら、
会計事務所で働きながら合格を目指していくのが結局は最短ルートだと思いますよ。
8. 担当する顧問先の数が多くなってくるときつい
会計事務所の仕事は、自分が担当する顧問先企業の件数によって、かなり業務量が変わります。
平均的には1人で20件〜30件ぐらいの顧問先企業を担当することが多いでしょう。
当然ながら、担当件数が多くなればなるほど仕事はきつくなります。
20件ぐらいまでであれば比較的余裕を持って働けると思いますが、30件を超えてくるとかなりきついです。
私が経験した中では「1人で担当40件」ということもありました。
これはもう超絶激務です(いい経験にはなりましたが)

1人で何件の顧問先を担当するか?は、事務所の考え方によってかなり差がありますね。
↓以下のように、それぞれの事務所によって経営戦略は違うからです。
- 職員一人あたりの担当件数が多い会計事務所
格安の顧問料で、とにかくたくさんの顧問先を獲得するという戦略をとっていることが多い。 - 職員一人あたりの担当件数が少ない会計事務所
顧問先1件あたりの顧問料を高額に設定する代わりに、
1件1件の顧問先に対して質の高いサービスを提供するという戦略をとっていることが多い。
↑個人的には、この後者の戦略をとっている会計事務所で働くのがおすすめですね。
質の高い税理士実務を学べますし、
時間的に余裕をもって働けるので試験勉強との両立もやりやすくなります。
9. クライアントの経営者から「会計や税務以外の相談」をされるときつい
会計事務所の仕事は、会計や税務に関する知識をサービスとしてお客さんに提供することです。
ただし、顧問先の経営者のニーズによっては、
経営コンサル的な助言を求められることもあります。
これは正直に言って、
会計事務所の職員には荷が重いです。
経営についての助言を求められても
「正直よくわからない…」というのがホンネですね。

ほとんどの職員は「会計や税務の専門家」であっても、
経営者の経験はありませんからね(みんなサラリーマンです)
「今年のうちの税金がいくらになる?」という質問には答えられても、
「うちの経営戦略どう思う?」という質問にきちんと答えられる人は少ないわけです。
それでも仕事の性質上「わかりません…」とは言いにくいのがこの仕事のきついところです。
10. 先輩が仕事を教えてくれない事務所だときつい
会計事務所で働く人にあるあるの悩みとして、
先輩が仕事を教えてくれなくてつらい…というものがあります。
これは私自身も未経験で働き始めた頃にはとても悩んだので、
気持ちはとてもよくわかります。

ただ、この仕事は自力でとことん調べる能力が求められることは理解しておく必要があります。
仕事のコツのようなものは先輩が教えてくれるかもしれませんが、
会計や税法の処理のしかたについてはとつひとつ条文や通達を調べながら、
自力で習得していくしかないのが実際のところです。
所長税理士やベテラン職員であっても、
会計や税法のルールについてすべて理解している人はいません。
逆にいうと、こつこつ調べ物をしながら仕事を進めていくという働き方ができない人には、
会計事務所の仕事はかなりつらいものになるかもしれませんね。
11. ミスが許されない仕事なのがきつい
会計事務所(税理士)の仕事は1円単位の正確さが求められる仕事です。
決算書や申告書の数字に1円でもまちがいがあれば、
それだけでお客さんからの信頼を損ない、顧問契約の解除にもつながりかねません。
もちろん、新人の頃には先輩の手伝い
というかたちで仕事を覚えていきますから、
いきなり責任をとらされるような事態は起こらないでしょう。

また、顧問先に対して最終的に責任を負うのは所長税理士です。
職員が行った計算については、所長税理士自身がしっかりと検算やダブルチェックを行うのが普通ですね。
ミスは事務所内でフォローできれば大きな問題に発展することはありませんから、過度に失敗を恐れる必要はありません。
むしろ、仕事で失敗をしても許されるのは新人の特権です。
入社して1年〜3年ぐらいまでは失敗を恐れずいろんなことにチャレンジしていきましょう。
12. 業界的に「変化の波」がきていてきつい
これは最近になってからの話ですが、
税理士業界は「変化の波」がきている業界です。
会計や税務という仕事は、単純作業的な仕事も少なくないのですが、
そういった作業はAIや会計ソフトが代替するようになってきています。
これまでは税理士といえばいわゆる「先生ビジネス」で、
顧問先を獲得してしまいさえすればあとはなんとでもなる…
みたいな部分が多くありました。
逆にいうと、顧問先の経営者からの信頼を勝ち取り、
「経営者の右腕」的な立場になれる税理士は強いですね。

良くも悪くも、税理士業界は今後、
勝ち組と負け組がはっきりしていくと思います。
これから未経験で会計事務所に転職する人は、
顧客に対して付加価値を提供するという
意識の高い事務所を選んで就活していくのが良いと思いますよ。
将来的には税理士として独立を目指す人も、
どういう事務所で修行するか?はとても大切です。
今後はぬるい仕事をしている会計事務所が
どんどん淘汰されていくのは間違いありません。
「税理士試験に合格しさえすれば稼げる」
みたいな時代はとっくに終わっていることは理解しておいて下さい。
13. 会計の仕事だと思ったら「法律の勉強」も必須できつい
税理士や税理士補助というと、
会計や税金の専門家なので、
数字に関係する仕事を担当する。
↑こんなふうに思っている人が多いと思います。
もちろん、これはまちがいではありません。
ただ、税理士(税理士補助)の仕事には
「法律の仕事」の側面もかなり大きいです。
具体的には税法ですね。
条文の意味について調べたり、
その条文の解釈をめぐって問題となった判例や通達を調べる…
みたいな仕事がとても多いんです。
あと、
- 社会保険関係のルールを調べたり、
- 給付金や助成金のルールを調べたり…
↑なども多いですね。
法律の条文というのはものすごく独特の文章ですから、
生理的にきつい…
と感じる人も少なくありません。
税理士(税理士補助)の仕事内容には、
法律家としての側面も大きいことを知っておいてください。
14. 地味でコツコツ系の作業仕事が多くてきつい
税理士・税理士補助の仕事は、
コツコツ系の事務作業がものすごく多いです。
- 会計ソフトに数字を1つずつ入力していったり、
- 領収書(レシート)を一枚ずつチエックしたり…
↑みたいな仕事が日常業務になります。
もちろん、顧問先の経営者の相談に乗ったり、
税務調査に立ち会って調査官と交渉したりみたいな
華やかな仕事(?)もあるのですが、
そうした仕事は地味なコツコツ作業を積み重ねた先にあるものです。
(地味なコツコツ作業をきっちりこなして、
信頼を勝ち取るからこそ、お客さんからいろんな相談をしてもらえます)
この手のコツコツ作業が性格的に無理…
という人は、税理士(税理士補助)の仕事はかなりきついと感じると思います。
15. 人間関係がピリピリした職場だときつい
会計事務所って、それぞれの職場でかなり雰囲気が違います。
もう少し具体的に言えば、
その事務所の所長税理士の性格が、
組織全体の雰囲気に影響を与えます。

会計事務所ってどこも小さな組織(スタッフ5名〜10名ぐらいのところが多い)ですから、
必然的に組織のトップ(所長税理士)の性格が、
そのまま組織の雰囲気になりやすいんですね。
所長税理士が明るく元気なタイプなら、
職場の雰囲気も明るく元気、
所長税理士が陰気で神経質なタイプなら、
職場も小さなミスも許さないピリピリした雰囲気…
↑みたいな感じです。
面接の際には、必ず所長税理士と直接話す機会があると思います。
そこでの感覚を大切にしてみてください。
「なんかこの人嫌いかも…」
↑と感じた場合、ほぼまちがいなくその予感はあたります。
(そういう事務所への転職はやめたほうがいい)
自分の性格に合わない職場で働くのってそうとうきついので、注意しておきましょう。
↓※自分のボスになる所長税理士ってどんな人たち?が気になる方は、こちらの記事もどうぞ。
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16. 時間管理がかなりシビアできつい
会計事務所の職員あるあるですが、
とにかく「時間がない!」です。
朝から月次監査(巡回監査)で1日に1〜2件の顧問先をまわったら、
だいたい夕方になっていることが多いですね。
その後に事務所に戻ってきて、
担当先の決算業務をやる…ってやってると、
下手すると毎日残業です。
税理士試験の勉強をしながら働く場合には、
仕事が終わった後に資格スクールに通うことになるでしょう。
よほど時間管理をシビアにやっていかないと、
とても勉強どころではありません。
もちろん、事務所によって仕事量はかなりちがいます。
税理士試験との両立を目指す人は、
ワークライフバランスの良い事務所を自分の職場として選択することが大切ですよ。
↓※残業の少ない会計事務所で働きたい人はこちらもどうぞ。
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税理士事務所が地獄な理由は?残業なしの職場に転職することは可能?
税理士事務所が「地獄のような職場環境」と言われる理由は?残業なしの税理士事務所ってないの?この記事では、税理士業界への転職を目指す方向けに、税理士事務所の雇用環境の実態をお教えします。給料手取りや残業時間などについて赤裸々に書いていきますので、参考にしてみてください。
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会計事務所に未経験入社前に準備でやっておくと良いこと

(税理士事務所に未経験入社前に準備しておくべきことは?)
1. 簿記二級(商業簿記)のテキストをしっかり理解しておく
入社前には簿記2級(商業簿記)のテキストをしっかり理解しておきましょう。
税理士補助業務を行うためには簿記の知識が必須になります。
会計入力は、借方・貸方や勘定科目など義務教育では学習しない特殊な知識が必要になります。
少なくとも簿記2級の商業簿記テキストまでの内容はしっかりと理解しておきましょう。
(工業簿記は仕事であまり使いません)
もちろん、余力があれば簿記2級に合格しておくのが良いでしょう。
2. 税金計算と社会保険計算の基本的な仕組みを勉強しておく
会計事務所で働く税理士補助の仕事は「税金の計算」がメインです。
所得税・法人税・消費税の3つについては、計算方法をしっかりと理解しておきましょう。
また、社会保険の仕組みを理解しておくのも大切です。
健康保険や厚生年金、雇用保険や労災保険などの基本的な用語について理解するとともに、
保険料の計算方法も知っておくと良いですね。
税金計算や社会保険計算の基本的な仕組みを勉強するためには、
FP技能士などの資格テキストなどを読んでおくのがおすすめです。
ここでも試験に合格する必要はないので、内容の理解に努めましょう。
3. 会計ソフトを使って家計簿をつけてみる
会計ソフトを使って家計簿をつけることも良い経験になります。
現在、会計ソフトの業務は「会計ソフト」なしにはまわらないようになっています。
逆にいうと、会計ソフトさえ使えれば基本的な仕事はかなりできると思います。
会計ソフトは誰でも無料で使えるものがありますので、
会計事務所に入社する前に使い慣れておくのがおすすめです。
(会計freeeなどがおすすめです)
まずは会計ソフトを使って自分自身の家計簿をつけてみてください。
これをやっておくだけで、会計事務所で勤務するハードルが大きく下がります。
税理士事務所では「4種類の人たち」が働いている

(会計事務所=税理士事務所では大きく分けて4種類の人が働いています)
税理士を目指す人の多くが、
会計事務所(税理士事務所)で仕事をしながら
試験合格を目指しています。
会計事務所では、大きく分けて
↓以下の4種類の人たちが働いていることを知っておきましょう。
この記事を読んでくれている人の多くは、
3. 無資格職員(税理士補助)からスタート
になるかと思います。

- 所長税理士
会計事務所のボスで、普通の会社でいう社長。
ある程度の規模の事務所になると自分で計算業務をやってる人は少数派(ベテラン職員を雇って丸投げ)
なので、仕事内容は普通の会社の社長とほぼ同じだったりする。 - 職員(税理士有資格者)
税理士資格はすでに持っているけど、あえて独立はせずにサラリーマンとして生きている人たち。
独立準備のために実務修行中だったり、見込み顧客の開拓中だったりの人も多い。
なお税理士は開業にそんなにお金はいらないので「今は開業に向けて資金を貯めてます」は言い訳だったりする。 - 職員(無資格者・税理士補助)
税理士業界の人口の8割はここ。これから税理士目指して働きながら勉強スタート!という人から、
すでに業界30年…みたいな人もいる。
なお、サラリーマンとしてめっちゃ稼ぐベテラン無資格職員もたくさんいます。 - 内勤のスタッフ
外部の顧客対応はせず、事務所内でスタッフとして働いている人たち。
必ずしも会計や税金の知識がある人とは限らず、アルバイトや派遣スタッフのケースもあり。
女性比率が圧倒的に高いのが実際のところで、なぜか2.や3.の職員と結婚して寿退職するケースが多い。
なお、将来的に税理士として独立開業したい!という人も、
5年〜10年ぐらいはよその開業税理士の事務所で
実務修行をしてから独立するのが一般ルートです。
いきなり修行もなしに独立!とかは、
この業界では普通はありえないです。
(勉強できるだけでは食っていけないので)

税理士・税理士補助の具体的な仕事内容はこんな感じ

(税理士・税理士補助の仕事内容をくわしく説明します)
会計事務所で働く税理士・税理士補助の仕事内容について、
↓もう少し具体的に説明すると以下のような感じになります。
1. 月次監査(巡回監査でも同じ)
会計事務所の職員は、
それぞれ自分が担当する顧問先クライアントがあります。
それらの担当顧問先を「月に1回」などのペースで実際に訪問し、
会計ソフトに入力してある数字と、
実際の帳簿の数字が合っているかチェックするのが巡回監査です。
職員1人につき20社程度〜
の数のクライアントを担当することが多いです。
何社担当するか?は事務所によってかなり違って、
30社とかになるとかなりの激務ですね。

月次監査は基本的に「帳簿のチェック業務」になります。
ただし、クライアントからするとせっかく顧問の税理士と顔を合わせて会えるチャンスですから、
節税対策その他でいろいろ質問をされることが多いですね。
最近ではリモートで月次監査を済ませる事務所も多くなっているようですが、
対面でコミュニケーションを重ねているうちに大きなお金が動く案件が出てきたりします。
対面とリモートは一長一短なので、組み合わせが大事になるでしょうね。
↓※会計事務所の仕事内容「月次監査=巡回監査」についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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会計事務所の仕事内容:月次監査(巡回監査)とは?
今回は、会計事務所の仕事内容の基本である「月次監査(巡回監査)」について説明します。月次監査をきちんとやっているかどうか?で会計事務所職員の仕事の質が決まると言っても過言ではありません。ぜひ具体的にイメージしながら読んでみてくださいね。
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2. 決算業務と税務申告業務
日本国内で活動するすべての会社は、
1年に1回は決算をして税金を納めないといけません。
この決算業務・税務申告業務をクライアント企業の代わりにお金をもらってやるのが、
税理士や税理士補助の基本的な仕事内容になります。
職員はひとりにつき20社〜30社のクライアント企業を担当していますから、
必然的に年間で20回〜30回の決算業務をこなすことになりますね。
決算・税務申告業務は、
会計事務所職員のもっとも重要な基本業務
ということができますね。

1.でみた「月次監査=巡回監査」で「月に1回のチェック」を毎月積み重ねていき、
これを1年かけて12回やったら、
最終的に決算・税務申告を行うことになります。
月次監査・巡回監査は「外回りの仕事」ですが、
決算業務・税務申告業務は「事務所内でやる仕事」という感じです。
↓決算業務・税務申告業務についてよりくわしく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
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会計事務所の仕事内容:決算業務・税務申告ではどんなことをする?
この記事では、会計事務所の仕事内容のうち「決算業務」について説明します。決算業務は会計事務所の仕事のうちもっとも重要な仕事といえます。会計事務所職員としてどの程度の実務経験があるか?については、この決算業務の経験数で測られることも多いです。最重要業務という位置付けですので、ぜひ具体的に理解しておきましょう。
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3. 年末調整業務
会計事務所のクライアント企業は、従業員さんを雇用しています。
その従業員さんたちのお給料の金額から所得税の金額を計算し、
納税額をクライアント企業にお伝えするのが年末調整業務です。
所得税は1月〜12月に得た所得金額から計算されますから、
年末12月になったタイミングで初めて計算できます。
毎月のお給料からは「源泉所得税」
というかたちで税金が天引きされていますが、
実はこれは概算額(だいたいの金額)なのです。

この概算額を「正確な金額」に計算しなおすのが年末調整で、
「年末」のタイミングでやる納税額の「調整」なので、年末調整と言います。
年末調整はクライアント企業の経理担当者が自力でやっているケースもありますが、
多くのケースで会計事務所に丸投げというかたち依頼されます。
↓会計事務所の仕事内容としての年末調整業務について、くわしくはこちらの記事をご覧ください。
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会計事務所の仕事内容:年末調整業務ってどんなもの?
この記事では、会計事務所の仕事内容のうち「年末調整業務」について解説しています。年末調整とは、ごく簡単にいえば顧問先企業に雇われている従業員さんの所得税を計算する業務のことです。年末〜翌年1月にかけて行う業務で、会計事務所職員としては本格的な繁忙期となる直前期に行う仕事です。
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4. その他のスポット業務
ここまでみた1.〜3.の業務が、
会計事務所職員の「基本業務」になります。
(1. 月次監査・2. 決算業務・3. 年末調整)
これら3つにプラスして、
↓以下のようなスポット業務(単発で依頼される業務)を処理するのも、
会計事務所で働く税理士・税理士補助の仕事内容に含まれます。
相続税の申告
人が亡くなると、亡くなっていた人の財産は家族が遺産として相続します。
遺産を相続した人は、遺産の金額が一定額を超える場合には、
相続税という税金を納めないといけません。
この相続税の計算を行うのも税理士や税理士補助の仕事です。
(会計事務所にお客さんが相談しにきます)
クライアント先の企業経営者が亡くなったので
その相続税申告を担当するなどのケースもありますが、
基本的には相続税申告業務は単発のスポット業務になることが多いです。
普段の業務にプラスして行う仕事なので、繁忙期などに急な依頼が入るととても忙しくなることもありますね。
税務調査の立会い
クライアント企業に対して、
税務署(国の役所)から税務調査が入ることがあります。
日本では「自分の税金は自分で計算して、納める」が基本なので、
その計算が正しくルールに従って行われているか?を国はチェックしに来るわけです。
税務調査は年中ランダムに行われますので、
基本的に単発のスポット業務になります。

なお、実際の税務署職員さんはとても腰が低い人が多いですね。
「マルサの女(古い?)」
みたいなイメージはあまりありません。
会計事務所の職員はこの税務調査の立ち会いを行います。
具体的には、税務署の職員さんが日時を指定して「会計帳簿を見せてくれ」と言ってきますので、
その場に同席して質問などに対応するのが税務調査の立会業務になります。
融資対策の書類作成業務
顧問先のクライアント企業が銀行からお金を借りるためには、
決算書を銀行に提出したり、
事業計画書を作成して提出したりと言ったことをしなくてはいけません。
決算書をクライアント企業の代わりに作成しているのは会計事務所(税理士・税理士補助)ですから、
融資がスムーズに行われるように決算書の内容を補足する書類を作成したり、
リアルで実現性が高い内容の事業計画書を作る支援をするのも税理士・税理士補助の仕事内容になります。
銀行からの融資が無事に通るかどうか?は、
クライアント企業の生死を分ける重要なイベントになることが多いです。
(融資がうまく通らないと、下手したらクライアント企業が倒産…なんてことも)
融資対策の支援は会計事務所の職員にとっても力の見せ所といえるでしょう。
役所に出す書類の作成代行(給付金・助成金その他)
税金や融資以外にも、役所に出す給付金関係の書類代行業務も会計事務所の仕事です。
コロナ禍で事業者向けの給付金書類作成業務のニーズが非常に高まりましたね。
(詐欺事件その他で何かと話題の「持続化給付金」など)
役所に出す書類というのはルールがものすごくきびしいので、
経験のない人には非常に難しいのが現実です。
給付金を受け取るための書類作成依頼をきっかけとして、
会計事務所(税理士)と顧問契約を結ぶケースは今後増えていくかもしれません。
(コロナ禍で一気に業績を伸ばした…という会計事務所は実は多かったりします)
きつい税理士事務所の仕事を乗り切る!メンタルと対策方法

(きつい会計事務所の仕事をこなしていくコツ)
ここまでは
「会計事務所で働く税理士・税理士補助の仕事って、
こういうしんどいことがあるよ」
↑というお話をしてきました。
ここからは、そういうしんどい
税理士・税理士補助の仕事を、
上手に乗り切るコツみたいなもの
をお教えしたいと思います。
(一応この業界は10年経験者)

お伝えする内容を、
↓おおまかにまとめるとこんな感じです。
↑特に重要なのは3つめなので、
忙しい方は3つ目だけ読んでもらう感じでもOKです。
それでは説明していきますね。
1. 低年収職員と高年収職員の違いを知っておく
まず、大前提として知っておくべきことは、
税理士といっても
高年収の人と低年収な人の2種類がいることです。
日本最難関の国家試験である税理士試験ですが、
これに合格したからといって別に稼げるようになるわけではありません。
税理士資格持ってるけど
ギリギリの生活費しか給料稼げなくてブラック…
↑こういう人がわんさかいるのがこの業界の現実です。

逆に言えば、税理士資格を持っていないし、
はっきりいってあんまり勉強できないタイプの人でも
バリバリお金を稼いでいる人ってたくさんいます。
せっかくこの業界で働くなら、
ぜひ高年収になりたいですよね。
税理士試験合格を目指す/目指さないにかかわらず、
この業界でお金を稼げるようになるコツ
みたいなものを知っておくことはとても大切です。
こういう「稼げている人」は何が違うのか?を知っておき、
自分の働き方にも取り入れてみることが大切ってわけですね。
で、税理士業界で資格持っていなくても稼げてる人の特徴
↓はこういう感じです。

- 新規の顧問先を紹介で取ってくることができる
- 生命保険など「お金が動く節税対策」で手数料を稼げる
- 大手の税理士法人で働いている
これも順番に見ていきましょう。
↓※なんとなくわかったので、
この内容を飛ばす人はこちらをクリック。
>>マジでどうしようもない「ダメ事務所・ブラック事務所」の存在も知っておく
無資格でも稼げる人の特徴1. 新規の顧問先を紹介で取ってくることができる
この1. はコミュ力高い人向けです。
会計事務所って顧問先が払ってくれる月額顧問料で稼ぐビジネスなので、
当然ながら顧問先を新規開拓できる職員は歓迎されます。
私が過去に働いていた事務所では、
新規開拓が決まったら、
「月額顧問料の3ヶ月分」みたいな感じで、
給料にボーナスがついてました。
月額顧問料はだいたい2〜3万円が相場です。
(なので開拓1件につきボーナス6万円〜9万円程度)

この稼ぎ方のコツは、
とにかく「紹介」で新規をとってくることですね。
税理士・税理士補助のお客さんは中小企業の経営者さんです。
で、経営者って「経営者友達」がたくさんいるんですね。
なので、自分の担当している顧問先の社長と仲良くなって、
その社長のお友達を紹介してもらうのを狙うわけです。
コミュ力というか、営業力は必要になりますが、
「税理士・税理士補助=お金の専門家」
ということで経営者はかなりしっかり私たちの話を聞いてくれます。
信頼関係を築くのはそんなに難しいことではないですよ。
>>マジでどうしようもない「ダメ事務所・ブラック事務所」の存在も知っておく(この場合は転職一択)
無資格でも稼げる人の特徴2. 生命保険など「お金が動く節税対策」で手数料を稼げる
コミュ力にあんまり自信がない人におすすめなのがこの方法です。
税理士が生命保険の提案するってどういうこと?
って思われるかもしれませんが、
これってかなり王道のパターンなんですね。

生命保険って会社名義で入ると
保険料を経費で落とせるんで、
節税対策としてとてもポピュラーな方法なんです。
あと、会社の経営者ってたいていはでかい金額の借金を抱えているんで、
社長が死んだら家族に借金がいきます。
こういう悲惨なことにならないように、
借金対策として生命保険に入り、
かしこく節税対策しながらリスクに備えましょう、
↑現場ではこういう感じのセールストークになります。
これが驚くほど決まるんですね。
で、会社名義の生命保険って個人の生保と違ってものすごくでかいお金が動くんです。
普通に保険金額3億とか5億とかみたいな保険に入るので、
保険料も毎月10万とか20万円単位になります。
そして、こういうのが決まると、
生命保険会社から会計事務所に対して紹介手数料が入ります。
会計事務所としては月額顧問料プラスアルファの収入なんで、非常に助かるんですよ。
そうすると、契約を決めてきた職員(勤務税理士や税理士補助)にボーナスを出そう、となるわけですね。
私もこのボーナスで
月に30万円ぐらいもらったことがあります。

事務所によって職員への配分は違うと思いますが、
生命保険をコンスタントに決められる職員は高年収になれるのはまちがいないです
これって有資格者・無資格者関係なしなので、
税理士試験あきらめ組の無資格職員は、
こういうところを極めて高年収になっていくケースが多いですね。
>>マジでどうしようもない「ダメ事務所・ブラック事務所」の存在も知っておく
無資格でも稼げる人の特徴3. 大手の税理士法人で働いている
会計事務所で無資格でも稼げる職員の特徴3つ目は、
大手の税理士法人で働いている
↑ズバリこれです。
なんだか身もフタもない感じがしますが、
大手の事務所って、個人事務所レベルの事務所に比べてやっぱり固定給が高いんですね。
↓大手事務所の給料事情や採用事情についてはこちらの記事で詳しく書いています。
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BIG4税理士法人への転職は難易度高い?学歴や科目合格は必須条件?
税理士や税理士補助としてキャリアアップを目指す人の中には、BIG4税理士法人への転職を目指している人も多いでしょう。この記事では、BIG4税理士法人への転職を成功させるためのポイント(学歴や科目合格の必要性)について解説します。参考にしてみてください。
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必然的に採用でのライバルは多くなりますが、
- 未経験者の場合
税理士科目合格3科目程度
できれば英語力 - 実務経験者の場合
売上数億円・従業員10〜20人前後のクライアント企業で、ひとりで法人税申告まで完結できる実務レベル
↑このどっちかに該当するなら、
大手事務所でも普通に採用候補になれるかと思います。
大手事務所は福利厚生が比較的良いので、
落ち着いた環境で働きたい人は狙ってみると良いでしょう。
>>マジでどうしようもない「ダメ事務所・ブラック事務所」の存在も知っておく
2. 給料以外で得られるものに注目する
「会計事務所の仕事をこなすコツ」の2つ目です。
2つ目は「給料以外で得られるものに注目すること」で、
これは長い目で見たときにかなり大きな資産になります。
というのも、会計事務所って「会計・税務についての超濃い実務経験」が積める場所なんですね。
イメージ的には、
一般企業の経理だったら3年ぐらいかけて
ゆっくり学ぶ実務を、
会計事務所なら1年で学ぶみたいなイメージです。
私は会計事務所と経理の両方の実務経験が長いので、
これは体感ベースでほぼまちがいない感じです。

ドラゴンボールで「精神の時の部屋」っているのが出てきますが、
会計事務所で働くのってまさにあんな感じです。
実務的には短期間で非常にハイレベルになれるわけですが、
当たり前ながら仕事はかなりきついです。
会計事務所ってはっきりいって給料低めなんですが、
こういう「給料以外で得られるもの」がかなり大きいので、
かなり優秀な人でも、しばらくは修行するつもりで働いているケースは多いですね。
>>マジでどうしようもない「ダメ事務所・ブラック事務所」の存在も知っておく
人脈(顧問先社長とつながっている別の社長)
あと、給料以外で得られるものとして「人脈」も大きいです。
会計事務所職員って、
中小企業の経営者がお客さんなんですね。
マジで「毎日やり取りする人」が、
会社の経営者なんです。

もちろん経営者とは言っても「中小企業の」ですけど、
中小企業ほど「業界内の経営者どうしの横つながり」がかなりしっかりしているのも見逃せません。
例えば建設業の顧問先。
ある程度の規模の仕事やってる事業者さんの場合、
ひとつの現場仕事を完了するためには、
いろんな種類の職人さんたちを集めてこないといけません。
そして、その職人さんたちって、
ひとりひとりが個人事業主だったりするんですね。
会計事務所の職員からしたら、
彼らすべて「将来のお客さん候補」なわけです。
既存のクライアント企業の社長との信頼関係をがっちり築けば、
こうした「現場で繋がってるお友達(ぜんぶ社長)」たちを、
新しい顧問先として紹介してもらえるケースは少なくありません。
会計事務所で働きながら、
将来的に税理士として自分の事務所を持って独立!
を目指している人にとって、
日頃の仕事をしっかりやっていくことが、
将来の自分の事務所の顧問先開拓にもつながるわけです。
これは会計事務所で働く場合に
「給料以外で得られるもの」としてかなり大きいです。
目の前のお給料の金額だけを見るのではなく、
こういう視点も持っておいて損はないと思いますよ。
(特に、将来的に独立を目指している人は)
3. マジでどうしようもない「ダメ事務所・ブラック事務所」の存在も知っておく(この場合は転職一択)

(ブラック企業…といわざるを得ないような過酷な労働環境になっている会計事務所も中にはあります)
将来的に税理士を目指す人は、
まずは会計事務所に入社して仕事を覚えることがキャリアのスタートラインです。
ひとつの会計事務所で一人前に仕事をこなせるようになれば、
その後はもっと給料の良い事務所に転職しても良いですし、
一般企業の経理職として活躍することも可能になります。
ただし、会計事務所の中には「ブラック企業」といわざるを得ないような過酷な労働環境のところもあるので注意が必要です。
特に、未経験で入社する最初の事務所の選び方には要注意ですね。
会計事務所というのは、どこもとても小さな組織です。
(スタッフ5名〜10名程度のところがほとんど)
労働組合のようなものも普通はありません。
事務所経営者である所長税理士が圧倒的に強い権力を持っていますので、
所長税理士の考え方しだいでは、
ブラックな労働環境になってしまうことがあるのです。
私自身、20代の頃に未経験で入社した会計事務所が、
典型的なブラック企業でした。
月給手取り16万円で毎日深夜まで残業で酷使され、
大変な思いをしました。

↓そのあたりの体験談はこちら
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【私の転職体験談】月収16万円のブラック会計事務所から年収600万円で転職できた話
こんにちは!このブログの管理人です。この記事では、自己紹介をかねて私自身の転職体験談を書いています。私は決して優秀な人間ではありませんが、この業界で年収を上げるためのコツのようなものは実体験ベースで語れます。よければ参考にしてみてくださいね。
続きを見る
最近はブラック企業への風当たりが非常に強くなっていますので、
税理士業界でもブラックなところはずいぶん少なくなっています。
しかし、中には「スタッフなんて使い捨て」という考え方で、
従業員を搾取することしか考えていない開業税理士がいるのも現実です。
こういう事務所にまちがえて入社しないように注意しないといけません。
私が経験したブラック企業の実態…

(私が実際に経験したブラック事務所の勤務実態…)
参考までにですが、私が実際に経験したブラック事務所では、
↓職員はみんなこんな感じで働いていました。
- 20代後半でも月給20万円あればいいところ(年収300万円前後)
- 繁忙期は毎日終電ギリギリまで残業…。
- 残業するのは「お前の仕事が遅いから」といわれ残業代の支給はなし
- 新人は3年以内にほとんど全員が退職…。
- 所長税理士がパワハラ気質で毎日怒号が飛びかう職場。
- 新人は「どうせすぐ辞めていく」と仕事を教えてもらえない。
この事務所では冗談抜きでボロ雑巾のように酷使され、
うつ病寸前までいきました。
それでも2年ほど働きましたが、
結局この事務所は辞めて別の事務所に転職しました

ブラック事務所の労働環境は本当に過酷です。
税理士試験との両立なんてまず不可能なので、
くれぐれも注意してくださいね。
労働環境が劣悪なブラック事務所でぜったいに働きたくない人へ

(ブラックな会計事務所で働きたくない人へ)
いま税理士事務所で働いている人も、これから働く人も、
労働環境が悲惨なブラック事務所にまちがえて入社しないよう注意してください。
職員を「使い捨て」ぐらいにしか考えず、
安い給料で搾取しまくるブラック事務所は
2023年現在も残念ながら存在しています。
こういう事務所ほど「うちはアットホームな職場です!」
…みたいにアピールしてたりするのでたちが悪いんですよね…。
もちろん、すべての税理士事務所が
ブラックという意味ではありませんよ。
最近は年収高めのホワイト事務所も増えてますからね。
重要なのは、ブラック事務所にまちがえて応募しないことです。

ブラック事務所に絶対に間違えて入社したくない人は、
会計職専門の転職サイトで求人を探すようにしましょう。
税理士や経理といった会計求人だけを集めている専門サイトなら、
ブラック事務所の求人はあらかじめ排除されているので安心です。
ヒュープロ(税理士業界専門の無料転職サイト)
ホワイト事務所の求人多数あり!
ヒュープロは、税理士業界専門の無料転職サイトです。
未経験資格なしOKで年収400万円の求人
経験3年以上で年収660万円〜の求人
BIG4含む大手税理士法人の求人
税理士試験と両立できる残業なし求人
など、ホワイト求人が多数ありますよ。
>>10,097件の求人を見る
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税理士事務所の求人探すならここ!おすすめ転職サイトランキング【厳選4社】
この記事では、税理士業界(会計事務所)への転職を目指す人におすすめの転職エージェントを紹介しています。税理士業界はかなり特殊な業界です。年収や福利厚生が良い会計事務所求人を見つけたい人は、税理士業界(会計事務所)専門の転職エージェントを使うようにしましょう。
続きを見る
何を求めて転職するのか?を明確にするのが重要
私のブログを読んでくださっている方は、
なんらかの理由があって、今の職場に不満がある人(給料安い・人間関係が最悪…など)が多いと思います。
そんな方にぜひ知っておいていただきたいことがあります。
↓それがこれです。
なんの欠点もない「天国のような職場」はこの世に存在しない。
↑すでに社会人経験がある人は同意していただけると思いますが、
給料良くて、ワークライフバランスも良くて、
人間関係も最高で、所長税理士も優しくて…
みたいな天国のような職場ってまあ現実には存在しません。

この点を理解しておかないと、
「あの人っていつ会っても転職活動やってるな…」
みたいなことになりがちですので注意してください。
(税理士業界では、そういう人はけっこう多かったりします)
重要なことは、あなた自身の中で、
妥協できない点と妥協できる点を明確にすることです。
そこから「自分にとって一番メリットの大きい職場」を、
現実的な選択肢として選ぶことなんですね。
↓具体例を挙げると、例えば以下のような感じです。

具体例1
- 妥協できない点
今は税理士試験の勉強に集中したいので、繁忙期も残業のない事務所に転職したい - 妥協できる点
その一方で、多少はお給料が下がることはしかたないので、年収500万円以上を許容ラインにする - 現実的な選択肢
ワークライフバランス重視・職員の税理士試験挑戦を応援することを明示している事務所求人を狙う
具体例2
- 妥協できない点
実務経験者として今度の転職では年収アップにこだわりたいので、年収600万円は絶対に欲しい。 - 妥協できる点
その代わり、仕事がある程度いそがしくなるのは許容する。 - 現実的な選択肢
BIG4を含む大手税理士法人の求人を狙う
具体例3
- 妥協できない点
将来的には税理士として独立を目指しているので、自分の得意分野を持っておきたい。
独立のための資金を貯めるためにも、年収は600万円は絶対欲しい。 - 妥協できる点
その代わり、仕事がある程度いそがしくなるのは許容する。 - 現実的な選択肢
相続税対策についての実務経験をゼロから積める「資産税特化事務所」の求人を狙う
なんとなく「いまの事務所嫌だなー…」とばくぜんと考えていても、
なかなか具体的な選択肢は見えてきません。
(具体的な選択肢が見えてこないと、人間は行動に移すことはできないものです)
そうこうしているうちに、
年齢を重ねて転職の選択肢がどんどんせばまっていく…
というのは税理士業界に限らずあるあるですね。
そういう人と比べて、
上記のように「妥協できる点」と「妥協できない点」から職場探しをできる人は、
比較的短期間で理想に近い職場を見つけられる可能性が高いです。
自分の中で明確な基準を持って、現実的な「落とし所」を探るのが大切と言えるでしょう。
現実的で勝ち目のあるゲームをしましょうという話ですね。
税理士業界専門の転職エージェント(無料)を活用しよう
なお、こういった「妥協できる点・妥協できない点」から、
「現実的な選択肢(落とし所)」を決めるかたちの転職活動の進め方については、
転職エージェントに相談しながら進めた方がうまくいく可能性が高いです。
2023年現在、転職活動に転職エージェントを使うのはほぼ当たり前というか、
使わない理由がないというのが実際のところですね。
書類選考対策から面接対策、
採用担当者と面接アポ取りや年収交渉まで、
すべて無料でやってくれますので。

自分のニーズ(妥協できる点・妥協できない点)を明確にできたとしても、
それにマッチした求人を見つける作業はなかなか自分でやるのが難しいです。
この点、税理士業界専門の転職エージェントなら、
あなたのニーズにマッチした具体的な選択肢(求人)を豊富に提案してくれます。
ときには自分で求人探しをしていたら、まず選択肢に入れていなかったであろう求人が、
実は自分にベストマッチな選択肢だったということもあり得ます。
転職活動って人生でそう何度もやることではありませんから、
徹底的にこだわってやった方が良いですよ。
転職活動のやり方ひとつで、年収が100万円以上も変わってくることって普通にありますからね。
転職エージェントを使えば、
書類選考〜採用担当者とのアポイント取り、面接対策や年収交渉まで無料でやってくれます。
無意味に「自力ですべてやること」にこだわって、
せっかく見つけた優良事務所からの採用可能性を下げる…なんてかしこいやり方ではありません。
なお、転職エージェントに報酬を払うのは採用を行う事務所側ですので、
私たち転職活動する側は無料で使うことができますよ。
使わないのはものすごくもったいないので、活用しましょう。

リク◎ートエージェントなどの「一般向けの転職エージェント」も、
使っちゃいけないわけではないですが、
税理士業界の内情について、いまいちよくわかっていないエージェントに担当されてしまう…みたいなことがあり得ます。
(私自身も経験があります。
面談で税理士試験の科目合格制度ってなんですか?…
みたいなこといわれてガッカリしたことがあります)
税理士業界ってかなり特殊な業界ですので、
この業界に精通した、専門の転職エージェントを使うようにしましょう。
税理士業界志望者はハロワを使うな

(税理士業界の求人は、ハロワやリクナビで探さない方が良いです)
正直、税理士業界に転職するなら、
ハローワークは使わない方が良いと私は思ってます。
なぜかというと、求人の「質」が低すぎるからなんですね。
実際、私が1社目に入社したブラック事務所はハローワーク経由で応募しました。
(窓口の職員さんに「こちらは特におすすめですよ」と紹介されました…)
私も後から知ったんですが、ハローワークの相談員って、
彼ら自身が非正規職員だったりするのでけっこういい加減なんですよね…。

- 未経験・資格なしでも年収400万円スタートの事務所求人
- リモート勤務OKな税理士事務所求人
- 税理士試験と両立できるワークライフバランス重視の求人
- 一般企業の経理で会計事務所経験者を積極採用している求人
- 相続税申告の実務経験を積むことができる事務所求人
- 将来的に独立を目指すのもOKな事務所求人
- 医業や社福法人など「もうかる分野」で活動している事務所求人
- 社労士や司法書士など他分野の士業と提携している事務所求人
今すぐは転職する気がない人もやっておくべきこと
今すぐは転職するかどうか決めてない。
でもさすがに今の職場で定年までずっと働く…はありえない。
チャンスがあれば転職もありだけど、具体的な行動はまだ…。
(なのでいろいろ調べてる)
↑私のブログを読んでくださっている方の多くは、
おそらくこういう段階だと思います。
転職活動ってはっきりいってめんどくさいですよね。
ただ、こういう段階の人も
転職サイトの無料アカウントだけは早めに作っておいた方が良いです。
転職って運で決まってしまう部分もあって、
たまたま良いタイミングで、良い求人に出会えるか?
が非常に重要だったりするからです。
日常的に、税理士業界の最新の求人情報にアンテナを立てておくようにしましょう。
希望年収や勤務地などを転職サイト内で入力しておくと、
マッチする最新のおすすめ求人がメールで送られてくるので便利です。
↓こんな感じで、あらかじめ自分で入力した
年収などの条件にマッチするものだけが送られてきます。
情報って多すぎても使えないんで、
自分にマッチする求人だけを送ってもらえるのが便利です。

転職サイトの使い方って人それぞれだと思いますが、
私はこういう「流し読み」的な感じがいいと思ってます。
流し読みでも日常的に求人情報を見るようにしておくと、
税理士業界の年収や、福利厚生の相場みたいなものもなんとなくつかめてきます。
良さげな求人が見つかったらブックマーク保存しておいて、
いざ転職するとなったときに、
ロケットスタートを切れるようにしておきましょう。
余裕のあるタイミングでこれやってる人と、
やってない人とでは大きな差がつきますよ。
税理士業界は「優秀なのに年収低いループ…」にはまる人が多すぎる

(優秀なのに年収低い…的なループにはまらないために)
税理士業界って、
能力スキル的には非常に優秀なのに、
たまたま良い求人に出会えていないのが原因で、
しかたなくブラック事務所で低年収で働いている…。
みたいな人がかなり多いのが現実です。
仕事のスキルや能力と、良い事務所に入れるかどうか?ってあんまり関係ないんですよね。
良い事務所に入れるかどうかは転職活動のやり方が上手か下手かできまることなんで。
逆に言うと、能力的にはごく普通だけど、
転職活動の進め方が上手で、
ホワイト事務所に入社できている人もいるわけですね。

転職活動のやり方が上手か下手かだけで、
稼げるお給料の金額が年間100万円ぐらい違ってくることもあります。
転職活動のやり方だけで年収減る…とかめっちゃ悲しいですよね。
重要なのは、とにかく優良求人に「出会う確率」を上げることです。
具体的には、会計職専門の転職サイトで定期更新される求人情報を、
日常的にチェックするクセをつけるようにしましょう。
転職サイト内で年収や事務所の人数規模など、
転職先に求める条件をしっかり入力しておくのが大切です。
↑これやっておくと、
転職サイトから得られる情報の質が一気に上がります。
求人が掲載開始された瞬間に自動通知してもらえるので、
優良ホワイト事務所の求人を見逃すリスクをなくせますよ。
転職サイトって、なんとなく求人をながめているだけ…では
なかなか良い求人にはなかなか出会えません。
↓年収高めのホワイト事務所の求人や、
BIG4税理士法人を含む大手事務所ほど、
募集期間が短い傾向があるので注意してください。
ポイント!
- 税理士事務所の求人を探すなら、会計職専門の転職サイトを使うべき
→税理士業界専門サイトなので、ハロワやリクナビと求人の質がまったく違う。 - 転職活動は「能力」より「運」で決まってしまう部分も大きい
→転職サイトを日常的にチェックして「優良求人に出会う確率」を上げることが大切。 - 転職サイトを使うなら、無料アカウントを作り求人の絞り込み条件を設定しておこう
→自分が指定した条件にマッチする求人が出るたびに通知してもらえます。
↓個人的におすすめの税理士業界専門の転職サイトはこちらです。
無料アカウント登録で実際の年収も見ることができますよ。

ヒュープロ(税理士業界専門の無料転職サイト)
ホワイト事務所の求人多数あり!
ヒュープロは、税理士業界専門の無料転職サイトです。
未経験資格なしOKで年収400万円の求人
経験3年以上で年収660万円〜の求人
BIG4含む大手税理士法人の求人
税理士試験と両立できる残業なし求人
など、ホワイト求人が多数ありますよ。
>>10,097件の求人を見る
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税理士事務所の求人探すならここ!おすすめ転職サイトランキング【厳選4社】
この記事では、税理士業界(会計事務所)への転職を目指す人におすすめの転職エージェントを紹介しています。税理士業界はかなり特殊な業界です。年収や福利厚生が良い会計事務所求人を見つけたい人は、税理士業界(会計事務所)専門の転職エージェントを使うようにしましょう。
続きを見る
現状への不満とストレスが限界を迎えると、行動する気力がなくなる

(ストレスが限界になる前に手を打てるようにしておきましょう)
転職サイトを日常的にチェックし、
気になった求人をブックマーク保存していくだけでも、
「今の環境で精神的に限界が来たら転職もある。
自分には別の選択肢もある」
↑と気づけるのも重要です。
ストレスでどうしようもなくなる前に、
転職という手を打つことができるようにしておきましょう。
これって、今の職場で働く上でも
精神的な安定につながります。
いい意味での逃げ道を常に準備しておくのが大事ですよ。

逆に言うと、いま現在の環境への不満とストレスが蓄積された後になると、
転職サイトに登録する気力すらなくなります(私の実体験談です…)
そうなると、さらに現状への依存度が高まって、
抜けられなくなる…という無限ループにはまりがちですね。
なぜ「最大手のリクナビ」をおすすめしないのか?

(「税理士業界専門の転職サイト」を情報リサーチに活用しましょう)
転職サイトっていろんなところがありますよね。
この記事を書いている2023年現在で、なんと1万社以上あるそうです。
最大手のリクナビとかの方が、
学生時代の就活でも使ったのでなじみがある…
という方も多いかもしれません。

ただ、税理士業界って採用側も応募側もかなり事情が特殊です。
必ずしも大手の事務所が環境良いわけではないですし、
仕事探す側も税理士受験生だったり、
キャリアスタートの年齢が高めの人が多かったりと、
普通の求職者とは異なる事情が多いんです。
こういった「特殊事情」をふまえて転職活動していくなら、
税理士業界専門の転職サイトを使うべきです。
- ブラックな会計事務所で絶対に働きたくない人
- 将来は独立を見すえ、ちゃんと年収を稼げる税理士になりたい人
- 税理士試験との両立ができる事務所で働きたい人
- 会計事務所での経験を生かして経理に転職したい人
↑これらに該当する人は、
税理士業界専門の転職サイトを活用しましょう。
リクナビなどとは登録されている求人の質(年収や福利厚生)
がまったく違うので、びっくりすると思いますよ。
会計職専門の転職サイトに登録されている求人例がこちら。
現時点で8,647件の求人がありました。

まとめ
今回は、会計事務所で働く税理士の仕事内容について、
きついと感じる瞬間を紹介しました。
本文でも見ましたが、税理士(税理士補助)の働き方って、
勤務先の事務所としてどこを選ぶか?で決まる部分が大きいです。
税理士業界で成功したい人は、
優良なホワイト事務所を勤務先に選ばなくてはいけません。
特に、未経験者として入社する「最初の事務所」はたいせつといえます。

将来的に独立を目指す人も、
どの事務所で修行するか?はとても重要です。
未経験で会計事務所への転職を検討する場合には、
しっかりと応募先の事務所を選ぶようにして下さいね。
最後の最後にお伝えしたいこと
↓転職に限らずですが、
仕事で成功するために大事なのって、結局はこれなんです。
能力やスキルももちろん大切なんですが、
転職活動でもっとも重要なのは情報収集です。
税理士業界は、能力的にとても優秀なのに、
転職活動のやり方がまずかったのが原因で、
ブラック事務所で働くことを余儀なくされている人…が多すぎます。

↓今から5年後に、あなたはどちらになっていたいでしょうか。
- 劣悪な雇用環境で給料も安く、税理士試験もいつまでたっても科目合格ゼロ…。貯金もゼロ…。
- 働きながらスピーディに5科目合格達成。年収高めなので独立資金のめどもある程度ついている。あとは税理士としての実務能力を高めていくだけ…!
もちろん後者を目指しましょう。それは誰でも可能です。
