- 会計事務所(税理士事務所)の仕事はきつい?
- 残業が多いって本当?
- 給料はどのぐらい稼げるの?
- 簿記の知識はどのぐらい必要?
- 職場の雰囲気はどんな感じ?

税理士を目指して勉強しています。
会計事務所(税理士事務所)で働きながら試験合格を目指そうと思うのですが、
「会計事務所の仕事はめちゃくちゃきついからやめとけ」
という口コミ情報が多くて迷ってます。
実際どんな感じなんでしょうか?
そうですね。決して楽な仕事ではないです。
ただし、やりがいの大きさは保証できますよ。
会計や税務の分野でプロを目指す人にはおすすめの仕事です。

この記事では、会計事務所で働く税理士補助の仕事内容について、リアルな実態をお伝えします。
ぜひ参考にしてみてください。
税理士の仕事が「きつい」と感じる瞬間11個

(税理士事務所の仕事できついと感じる瞬間は?)
私自身、会計事務所で10年以上働いた経験があるのですが、
↓この仕事で「きつい」と感じる瞬間は以下のような場面です。
(※青文字をクリックで該当箇所にジャンプできます)

それぞれの内容について、
私自身の体験談(失敗談)こみでお話ししていきますので参考にしてみてください。
1.求められる会計・税務の知識レベルが高くてきつい

(会計事務所では経理や税務についての高度な知識が求められます)
会計事務所の職員の仕事は、
顧問先企業の税務申告を代わりにやることです。
会計や税務に関する高度な知識レベルが求められますので、きついと感じる部分もありますね。
もちろん、入社してすぐの時点では誰もが「未経験者」ですし、
税理士試験の勉強が進むにつれて仕事の意味もわかってきます。
先輩にいろいろと教わりながら、
ひとつひとつ仕事を覚えていくことになるでしょう。

会計事務所の職員(税理士補助)というのは、基本的にどこの事務所も同じような仕事をしています。
↓おおむね以下のような仕事を担当することが多いですよ。
- 月次監査(巡回監査)
日常的な経理処理を顧問先の経理スタッフさんがやってくれていますので、
その内容が正しいかどうか?を1ヶ月に1回程度のタイミングでチェックしにいきます。 - 年次決算
月次監査が12ヶ月分完了したら、1年に1回の「年次決算」を行います。
これは基本的に事務所内でのデスクワークです。 - 税務申告
年次決算が完了し、利益の金額が確定したら税金の計算ができます。
期限(事業年度終了日から2ヶ月以内)までに申告を行います。 - その他
顧問先経営者からの節税や融資、助成金に関する相談をお受けしたり、
税務調査の立ち合いなどの業務があります。
相続税の申告などの業務が単発で入ることもあります。
特に、仕事を始めて1年目は毎日が「勉強、勉強…。」の日々になるのはまちがいありません。
「会計や税務についての勉強が苦痛…」という人はまずこの仕事には向いていないので、注意しておいてください。
>>社会人が税理士を目指すなら「会計事務所で働きながら勉強」がおすすめな理由
2.お客さんから「先生」扱いされるプレッシャーがきつい

(税理士資格の有無によらず、お客さんから見て会計事務所職員は「税理士先生」です)
会計事務所の職員は、顧問先のお客さんからみると「税理士の先生」です。
これは、あなたが税理士試験に合格しているかどうかは関係ありません。
お客さんとしては税金申告を正しく行うために会計事務所にお金を払っていますから、
あなた自身が資格を持っているかどうか?は割とどうでもいいことなのです。

お客さんとしては「わからないことを教えてもらうため」に会計事務所と契約していますので、
お客さんからは会計や税務についてのいろんな質問が飛んできます。
私たちは知識を売り物にしてお金をいただいている立場ですから「わかりません」というわけにはいきません。
正直、これはかなりのプレッシャーです(特に新人のうちはきつい)
もっとも、多くの事務所では入社してから半年ぐらいはお客さんとのやりとりはせず、
事務所の内勤をしながら最低限の知識を身につけるトレーニングを受けることになるでしょう。
この間にしっかりと勉強し、先輩職員から引き継ぎを受けておくことが大切です。
当たり前ですが、最初からすべての質問に答えられるような人はいません。
「申し訳ありません。この場では確実なことはいえないので、
いったん持ち帰ってくわしくお調べします。本日中にお電話で報告いたします」
といったように対応しながら、ひとつひとつ覚えていくしかないのが実情ですね。
わからないことをひとつひとつ確実につぶしていけば、
働き始めて3年後ぐらいになると、お客さんからのたいていの質問には答えられるようになると思いますよ。
最初はつらく感じるかもしれませんが、慣れれば大丈夫です。
3.性格的に内気なタイプだとお客さんとのやりとりがきつい

(税理士の仕事は「お客さんとのコミュニケーション」がとても多い仕事です)
税理士や税理士補助ときくと、
「一日中、電卓を叩きながらデスクワークをしている」というイメージをお持ちの方もひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際にはこれはまったく違います。
税理士の仕事は「外回り(顧問先企業の訪問)」が多い仕事です。
月次監査(巡回監査)で、顧問先企業の営業所を訪問することになるからです。
自分が担当する顧問先1件につき、毎月1回は訪問するのが基本です。
会計事務所の職員は一人で20件〜30件の顧問先を担当していますから、
毎日1〜2件の顧問先企業を訪問することになります。
朝から顧問先を訪問し、夕方ぐらいに事務所に戻ってきて事務作業をするという感じですね。
外部のお客さんとのやりとりがひんぱんに発生しますから、
「性格的に内気で、人とのコミュニケーションが苦手…」
という人にはきついと感じる部分もあるかもしれませんね。

もちろん、新規開拓の営業をする必要はありません。
雰囲気的には「ルート営業」のような感じでしょうか。
また、最近ではコロナ禍をきっかけに、
会計事務所でもテレワークやリモートワークの導入が劇的に進んでいます。
ZOOM(ズーム)などのツールを使って巡回監査を行うケースも増えてきていますから、
税理士の働き方もかなり変わってきている印象ですね。
今後もこの流れが加速していくのはまちがいないでしょう。
4.所長税理士と性格的に合わないときつい

(自分のボスである所長税理士との相性はとてもたいせつです)
会計事務所というのは「所長税理士+職員スタッフ」というかたちの組織になっています。
所長税理士を含めて、
総勢10人未満という組織規模のところが多いでしょう。

職員スタッフの中には税理士資格を持っている人もいますし、
持っていない人(税理士試験受験生)もいます。
まだ資格がない人は「税理士補助」という扱いになりますが、やっている仕事は税理士とまったく同じです。
会計事務所というのはとても小さな組織ですから、
良くも悪くも事務所経営者である所長税理士がほとんどのことをワンマンで決めることになります。
なので、職員スタッフは所長税理士に嫌われたり、性格的に合わなかったりすると非常にしんどい働き方になります。
税理士というのはお金を扱う仕事なので、
基本的には「こまかいことにもきびしい」というタイプの人が多いと思っておいてください。
(必ずしもすべての税理士がそうではないんですが)
逆に、所長税理士と仲良くやっていける感じなら、
非常にいごこちの良い働き方ができると思いますよ。

また、会計事務所というのはどこでも基本的に同じような仕事をしています(顧問先企業の経理・税務の代行)
なので、まずはひとつの事務所で仕事をしっかり覚えてしまえば、
「どこの事務所に転職しても即戦力として働ける」というメリットがあります。
つまり、一緒に働く人たちが性格的に合わなければ、
無理して1つの職場で働き続ける理由があまりないのです。
税理士業界は、転職でキャリアアップしていく人が非常に多い業界で、
「ひとつの職場で定年まで働く」という人はめったにいないのが実情ですね。
税理士業界は、良くも悪くも人材が流動的です。
「自分のウデ一本で食っていく」という職人的な働き方をしたい方にとっては、理想的な職種といえるかもしれません。
5.入社してすぐの頃は給料が安くてきつい

(会計事務所で働く税理士の平均年収は?)
会計事務所に未経験で入社した場合、
資格の有無によらず平均年収は300万円〜350万円が相場になります。
「月給20万円前後で、ボーナスは年間で月給3ヶ月分」という感じですね。
ただし、未経験者向けの求人でも、やや高めのお給料が設定されている事務所もあります。
資産税(相続税関連の業務)を専門で扱っている事務所などは、
事務所自体がもうかっているところが多いので、年収も高いことが多いです。

↓※資産税特化事務所の求人例

(未経験者OKで年収480万円〜の求人:この求人はMSジャパンに登録されています)
↑このように、未経験者OKの求人でも、年収の高い求人はちゃんと探せば見つかります。
税理士を目指す人は将来的に独立を目指す人が多いので、
「職員時代の給料にはあまりこだわらない」という人が多いのですが、これは避けた方が良いですね。
入社してからお給料を上げてもらうというのは非常に難しいのが実情です。
しっかり稼げる税理士になりたいなら、
転職活動の時点で年収にはきちんとこだわった方が良いです。
会計事務所職員という「お金を扱う仕事」をしている人間が低年収…なんてかっこ悪いですしね。
将来的に独立するにしても開業資金が必要ですから、職員時代の年収は高いに越したことはありません。

年収の高い会計事務所の求人はどこで見つかる?

(税理士求人は「会計職専門の転職サイト」で見つかります)
会計事務所の求人は、
↓以下のような「会計職専門の転職サイト」でたくさん見つけることができますよ。

MSジャパン
未経験OKの優良求人が多数!
MSジャパンは、会計事務所や経理の求人をメインで扱っています。
特徴は「未経験・資格なし」の人でも応募できる優良求人が多数あることですね(年収400万円〜など)
これから未経験で会計職キャリアをスタートしたい人におすすめです。
ジャスネットキャリア
経験3年以上の方におすすめ!高年収の求人多数あり
ジャスネットキャリアは、会計職の「実務経験者向け求人」が充実しています。
初年度年収600万円〜など、高年収の求人がたくさん掲載されていますので、経験者のキャリアアップ転職に使えます。
なお、実務経験3年未満の人は応募できない求人が多いのでMSジャパンを使いましょう。
マイナビ税理士
科目合格者向けの求人多数!
マイナビ税理士は、税理士有資格者または科目合格者におすすめです。
登録にあたっては税理士有資格者あるいは科目合格が1科目以上あることが条件になりますが、
BIG4税理士法人などの優良求人が多数登録されています。
すでにある程度税理士試験に目処がついている人が使うのにおすすめです。
6.事務所によっては繁忙期の残業が多くてきつい

(税理士の仕事には「繁忙期」があります)
税理士の仕事は、繁忙期(仕事が忙しい時期)にはある程度の残業が発生します。
↓繁忙期というのは、以下のような時期ですね。
- 2月〜3月
個人事業主のお客さんの所得税確定申告を行います。
顧問先の企業には大きく分けて「個人事業主」と「法人企業」の2種類がありますが、前者については申告時期がすべて共通(毎年3月15日まで)になっているため、この時期には集中的に決算業務を行うことになります。 - 5月
三月決算法人の決算業務を行います。
法人企業の税務申告期限は「事業年度終了から2ヶ月以内」になっていますので、三月決算の法人は5月末日までに税務申告を行います。
日本では三月決算の企業がとても多いですから、この時期は繁忙期になるケースが多いです。 - 12月〜1月
年末調整業務が行われます。
これは顧問先企業の従業員さんの所得税を計算する手続きです。
個人事業主・法人企業を問わず、すべての企業で共通でこの時期に行います。
逆にいうと、これ以外の時期(6月〜11月ごろ)というのは、業務量は落ち着いていることが多いですね。
税理士試験の勉強をしている人は、
繁忙期と暇な時期とでメリハリをつけて両立していくことが求められます。
ただし、どの程度の残業が発生するか?は、
所属する会計事務所によって大きく異なります。
中には「繁忙期でも残業がほとんど発生しない」というところもありますよ。

最近では「うちの事務所は残業少ないです」ということをアピールして求人を出している会計事務所も増えてきましたね。
会計事務所にとって、税理士試験の受験生は有力な採用候補なので、
働きながら勉強できる環境を整えて優秀な人材を確保しようとしているのです。
↓※残業が少ない会計事務所の求人例

(残業が少ない求人例:この求人はMSジャパンに登録されています)
こういった「残業が少ない会計事務所」は、個人事業主のお客さんではなく、
法人企業のお客さんをメインのターゲットとしていることが考えられます。
法人企業の決算時期は「事業年度から2ヶ月以内」がルールで、
決算時期というのはそれぞれの会社が自由に決められますから、
1年を通して業務を標準化することが可能になるのです。
日本では三月決算を選択する企業が多いですが、
「必ず3月じゃないとダメ」ということではまったくありません。
6月決算・8月決算・10月決算…というように、
顧問先の企業の決算時期が適度に分散されていれば、
「5月だけに決算業務が集中する」というような働き方は避けることができるというわけですね。

また、基本的には個人事業主よりも法人企業の方が「大きな企業」であることが多いです。
顧問先に対して高めの顧問料を設定できている事務所なのかもしれません。
(つまりもうかっている事務所=職員の給料も高い)
ひと昔前までは、会計事務所といえば「繁忙期の残業がきつい」という世界でした。
その頃と比べると、会計事務所業界もずいぶんと変わってきたなあという感じがしますね。
\ 税理士試験の受験生は歓迎!/
7.税理士試験との両立がきつい

(税理士は「働きながら合格を目指す社会人」の多い国家試験です)
会計事務所で働く人の多くは、税理士試験の受験生です。
- 会計事務所で税理士としての実務経験を積み、
- 働きながら税理士試験5科目に合格して、
- その後に独立したり、企業内税理士としてステップアップ
というかたちのキャリアを積んでいく人が多いですね。
ただし、税理士試験は公認会計士や弁護士と並んで「最難関レベル」といわれる国家試験です。
仕事をしながら合格を目指すのはかなりきついのはまちがいありません。
もっとも、税理士試験は科目合格制度がありますから、
「1年に1科目」などのかたちで、長期目線で合格を目指していけば、働きながら合格することも十分可能です。
会計事務所の仕事(税理士補助の仕事)は、
税理士試験の勉強内容とかなり重複している部分があります。
会計事務所での実務知識と、
税理士試験の学習内容を互いにオーバーラップしながら勉強していけば、
実務と試験対策の両方について効率的に学習を進めていくことが可能になります。

例えば、実務で法人税申告書の書き方を学びながら、
税理士試験対策として法人税法の理論的な勉強を進めていくといった具合ですね。
実際に法人税の申告書を作成して税務署に出したい経験のある人と、
テキストや問題集でだけ勉強だけをしてきた人とでは、法人税法の理解に差が生じるのは当然です。
会計事務所で働く人に税理士試験の合格者が多いのには、このような背景があるのです。
一定期間、仕事はせずに勉強に専念するというのもひとつの選択肢ですが、
当然ながらその間は無職…ということになってしまいますね。
その期間中は社会人としてはブランク期間となってしまいますから、職務経歴的にはマイナスになります。
試験に合格できればいいですが、もし合格できなかった場合にはキャリア的には悲惨なことになってしまうでしょう。
社会人としてのキャリアを途切れさせたくない方は、
会計事務所で働きながら税理士試験の合格を目指すのがおすすめですよ。

MSジャパン
未経験OKの優良求人が多数!
MSジャパンは、会計事務所や経理の求人をメインで扱っています。
特徴は「未経験・資格なし」の人でも応募できる優良求人が多数あることですね(年収400万円〜など)
これから未経験で会計職キャリアをスタートしたい人におすすめです。
8.担当顧問先が多くなってくるときつい

(税理士の仕事のきつさは「担当する顧問先の数」でかなり変わってきます)
税理士の仕事は、自分が担当する顧問先企業の件数によってかなり業務量が変わります。
会計事務所の職員は、1人で20件〜30件ぐらいの顧問先企業を担当することが多いですね。
当然ながら、担当件数が多くなればなるほど仕事はきつくなります。
20件ぐらいまでであれば比較的余裕を持って働けると思いますが、30件を超えてくるとかなりきついです。
私が経験した中では「1人で担当40件」ということもありました。
これはもう超絶激務です(いい経験にはなりましたが)

1人で何件の顧問先を担当するか?は、事務所の考え方によってかなり差があります。
これは、それぞれの事務所がとっている経営戦略によって決まる部分が大きいからです。
- 担当件数が多い会計事務所
格安の顧問料で、とにかくたくさんの顧問先を獲得するという戦略をとっていることが多い。 - 担当件数が少ない会計事務所
顧問先1件あたりの顧問料を高額に設定する代わりに、1件1件の顧問先に対して質の高いサービスを提供するという戦略をとっていることが多い。
↑個人的には、この後者の戦略をとっている会計事務所で働くのがおすすめですね。
質の高い税理士実務を学べますし、
時間的に余裕をもって働けるので試験勉強との両立もやりやすくなります。
「職員1人あたりの担当件数が何件か?」はかなり重要ですから、
転職サイトで求人を探す際には必ず確認しておくようにしましょう。

9.経営者から「会計や税務以外の相談」をされるのがきつい

(顧問先の経営者からはいろんな質問がきます)
会計事務所で働く税理士の仕事は、
基本的には会計や税務に関するサービスが専門領域になります。
日常業務もこれらの範囲で行うことが多いのですが、
顧問先の経営者のニーズによっては経営コンサル的な助言を求められることもあります。
これは正直に言って、会計事務所の職員としてはかなり負担の大きいことです。
ほとんどの職員は税理士とはいってもサラリーマンです。
経営についての助言を求められてもなかなかきちんと答えられない…という人が多いですね。

今年の税金がいくらになるか?という質問は答えられても、
うちの経営戦略どう思う?と質問されても「正直よくわからない…」というのが現実でしょう。
個人的には、こうした助言を求められたときには「会計的にはこういうことがいえる」とか、
「別の顧問先で、こういう対策を実施したことがある」とかいったかたちでお答えするようにしています。
10.先輩が仕事を教えてくれなくてきつい

(先輩が仕事を教えてくれなくてつらい…という悩みを持つ税理士は多いです)
会計事務所で働く人にあるあるの悩みとして、
「先輩が仕事を教えてくれなくてつらい…」というものがあります。
これは私自身も未経験で働き始めた頃にはとても悩んだので、
気持ちはとてもよくわかります。

この仕事は「自分でとことん調べる」ということが求められる仕事であることも理解しておく必要があります。
仕事のコツのようなものについては先輩が教えてくれるのが理想的ですが、
個々の税法知識などについてはとつひとつ調べながら、自力で習得していくしかないのが実際のところです。
所長税理士や、ベテランの職員であっても、会計や税法のルールについてすべて理解している人はいません。
逆にいうと、こつこつ調べ物をしながら仕事を進めていくという働き方ができない人にとって、
会計事務所の仕事はかなりつらいものになるかもしれませんね。
>>税理士を目指す社会人に「会計事務所で働く」がおすすめな理由
11.ミスが絶対に許されない仕事なのがきつい

(税理士の仕事は「1円単位の正確さ」が求められます)
会計事務所(税理士)の仕事は「1円単位の正確さ」が求められる仕事です。
決算書や申告書の数字に1円でもまちがいがあれば、
それだけでお客さんからの信頼を損ない、顧問契約の解除にもつながりかねません。
もちろん、新人の頃には先輩の手伝いというかたちで仕事を覚えていきますから、
いきなり責任をとらされるというような事態は起こらないでしょう。
また、顧問先に対して最終的に責任を負うのは所長税理士です。
職員が行った計算については所長税理士自身がしっかりと検算やダブルチェックを行うのが普通です。
ミスは事務所内でフォローできれば大きな問題に発展することはありませんから、
過度に失敗を恐れる必要はありません。
むしろ、仕事上で失敗をして許されるのは新人の特権ですから、
入社して1年〜3年ぐらいまでは失敗を恐れずいろんなことにチャレンジしていきましょう。

税理士を目指す人の多くは、会計事務所で働きながら試験合格を目指す

(会計事務所で働く人の多くは税理士試験の受験生です)
税理士を目指す人の多くは、会計事務所で働くことからキャリアをスタートします。
(会計事務所というのは、税理士が独立開業している事務所のことです。)
税理士としての実務をゼロから学ぶことができる上に、
試験勉強を応援する制度のある事務所が多いからです。
会計事務所で働く場合、
いっしょに働く人の多くが税理士試験の受験生になります。
事務所によっては試験直前期(7月)に長期休暇を取れるところもありますね。
税理士試験の勉強をしながら働くなら、会計事務所はベストの環境といえるでしょう。

会計事務所で働きながら、
3年〜5年かけて税理士試験に合格する(その間に税理士としての実務能力を身につけておく)というのが典型的なキャリアプランですね。
↓税理士試験合格後には、以下のような進路を進む人が多いです。
- 別の会計事務所に実務経験者として転職し、さらに税理士としての実力をみがきながら高年収を狙う
- 独立開業して自分の税理士事務所を持つ
- 一般企業の経理財務職などとしてエリートサラリーマンになっていく
また、税理士試験は5科目合格してもそれだけでは税理士になることができません。
2年間の実務要件を満たす必要があります。
会計事務所で働きながら試験勉強を進めていく人が多いのは、
この実務要件を満たすという目的もありますね。

会計事務所の平均年収ってどのぐらい?

(会計事務所で働く税理士の平均年収は?)
↓会計事務所で職員として働く場合、お給料はおおむね以下の金額が相場です。
- 未経験者の場合
年収300万円〜350万円 - 実務経験者の場合
年収500万円〜600万円
会計事務所の年収に「資格の有無」はあまり関係ない
税理士資格や科目合格があれば年収が上がっていくのでは?と考える人は多いと思います。
しかし、意外に思われるかもしれませんがこれは間違いです。
会計事務所の年収は、資格の有無は実はあまり関係ありません。
年収に影響を与えるのは「仕事ができる人かどうか?」です。
税理士資格がなくても高い給料を得ている人はいますし、
逆に、学生時代に税理士試験5科目に合格していても、
実務経験がないと年収300万円代…ということは普通にありますね。

↓会計事務所職員として「仕事ができる人」というのは、以下に該当する人ですね。
「仕事ができる人」とは?
- 多くの顧問先企業を担当できる人
- 売上規模の大きい顧問先企業を担当できる人
平均的な職員で15件〜20件程度の担当数になることが多いですが、中には30件以上の顧問先をさばく人もいます。
また、「売上大きな企業」を担当できるようになると年収も高くなります。
こういった顧問先は高い顧問料を払ってくれるからです。
大きな企業の決算や税務をしっかり処理できるようになるには、
高度な実務知識が必要になりますから、必然的にベテラン職員ということになるケースが多いですね。
税理士の年収は「所属先の事務所がもうかっているか?」でほぼ決まる
上で「担当できる顧問先の数」と「顧問先企業の売上規模」の2点が重要と説明しましたが、
実は、年収を考える上でそれよりはるかに重要なことがあります。
それは、自分が働いている事務所がもうかっているかどうか?です。
会計事務所職員の年収は、
ほぼこれで決まるといっても過言ではありません。

これについては実際の求人をみていただくのが早いでしょう。
↓例えば、こちらの会計事務所求人は未経験でも年収480万円スタートです。

(未経験者OKの求人:この求人はMSジャパンに登録されています)
一方で、こちらの事務所も未経験者向け求人ですが、
↓年収は200万円代からスタートになってしまいます。

(未経験者OKの求人:この求人はMSジャパンに登録されています)
↑上の2つの求人は、
どちらの求人も「未経験者OK」の求人であることに注目してください。

未経験者の場合、当然ながら入社時点では仕事の能力はゼロですから、仕事内容はほぼ同じです。
ほとんど同じ仕事をしているにもかかわらず、
どんな事務所でキャリアをスタートするか?によって、稼げるお給料の額には大きな差がついてしまうのです。
なぜ、こんな差がついてしまうのか?というと、
年収の高い事務所は、お客さんである顧問先企業に対して高い顧問料を設定できているからなんです。
職員のお給料は事務所の売上から払われますから、当然ながらもうかっている事務所ほど職員の年収も高くなります。
顧問料の設定は職員が決められることではなく、
会計事務所の経営者である所長税理士が決めることです。
所長税理士が実力があって業界でも名の知れた税理士なら高い顧問料を設定できますが、
そうではない税理士は安い顧問料しか設定できず、実際にはかつかつの経営をしている…ということも少なくありません。
会計事務所職員として高い給料を得たいのであれば、
必ずもうかっている事務所に所属して働くようにしましょう。
入社後に所長税理士との交渉で自分のお給料を上げてもらうことはほぼ不可能です。

年収の高い会計事務所求人はどこで見つかる?

(年収の高い会計事務所で働くには?)
少しでも年収の高い会計事務所で働きたいなら、
会計職専門の転職サイトで求人を探すようにしましょう。
税理士業界というのはかなり特殊な業界で、
求人情報がハローワークにはあまりオープンになっていないので注意してください。
(求人そのものはハローワークにも登録されているんですが、年収条件がかなりきびしめの求人が多いです)
MSジャパン
未経験OKの優良求人が多数!
MSジャパンは、会計事務所や経理の求人をメインで扱っています。
特徴は「未経験・資格なし」の人でも応募できる優良求人が多数あることですね(年収400万円〜など)
これから未経験で会計職キャリアをスタートしたい人におすすめです。
ジャスネットキャリア
経験3年以上の方におすすめ!高年収の求人多数あり
ジャスネットキャリアは、会計職の「実務経験者向け求人」が充実しています。
初年度年収600万円〜など、高年収の求人がたくさん掲載されていますので、経験者のキャリアアップ転職に使えます。
なお、実務経験3年未満の人は応募できない求人が多いのでMSジャパンを使いましょう。
マイナビ税理士
科目合格者向けの求人多数!
マイナビ税理士は、税理士有資格者または科目合格者におすすめです。
登録にあたっては税理士有資格者あるいは科目合格が1科目以上あることが条件になりますが、
BIG4税理士法人などの優良求人が多数登録されています。
すでにある程度税理士試験に目処がついている人が使うのにおすすめです。
転職サイトに職歴や希望条件の入力をしておくと、
あなたの条件に合った最新の求人情報が定期的にメールで送られてきます。
気になった求人をストックしておくだけでも、
「いざ転職」となったときのスタートダッシュに差をつけられますよ。
税理士試験が終わる8月や、
繁忙期直前の11月〜12月はみんな一気に就活し出すので、情報収集は早めにやっておくのが良いです。
転職サイトは無料で使うことができますので、登録だけは今やっておきましょう。

\ 働きながら税理士を目指す人を歓迎!/