- 監査法人の仕事がつまらないから辞めたいな…
- 監査法人を退職後ってどんなキャリアがあるの?
- 監査法人やめて後悔しないかな?
「監査法人の仕事って、意外にやりがいないな…」
と感じている会計士は実は少なくないと思います。
(私自身、入所してからずっと思ってました)
私はベトナムにある日系コンサル会社に勤務している元公認会計士です。
2007年に大手監査法人のBIG4に入社し、
監査業務やIFRS導入支援業務を7年程度経験しました。
その後、4年程度の上場企業の経理業務を経て、2018年から現在の日経コンサル会社に所属しています。
この経験から、同じように悩んでいる方の参考になればと思い、この記事を執筆しました。
この記事では監査法人の退職理由や、監査法人から転職した体験談を紹介します。
監査法人を退職したいけれど、勇気が出ないという方はぜひ最後まで読んでくださいね。
この記事の目次
監査法人を退職して後悔はない?
私の場合、監査法人を7年ほど経験して退職しましたが、後悔はありませんでした。
むしろもっと早く退職すればよかったと思っています。
公認会計士という資格は、昔ほどではないにしても非常に価値ある評価の高い資格です。
この資格と監査法人での4年以上相当程度の経験があれば、転職先がないなんてことはありません。
私はこれまで、監査業務、IFRS、上場企業での経理、海外でのコンサルといった幅広い経験を積めています。
いまでも転職サイトから、年収1,200万円程度の幅広い業務のスカウトがひんぱんに来るような状況です。
もし、いまだに監査法人で監査業務しか経験してなかったら、転職は厳しい状況になっていたと思います。
監査業務を一生続けられるか不安な方は、ぜひ転職して業務の幅を広げてみてください。
監査法人の退職を決めた理由2つ
1. 仕事がつまらない…
まず、私が監査法人の退職を決めた理由の1つが「監査法人の仕事がつまらない」です。
入社当初は、監査人は企業の粉飾や不正を暴く仕事で格好いいなあと漠然としたイメージを持っており、「自分もどんどん企業の粉飾や不正を暴いて活躍してやるぞ」と意気込んでいました。
しかし、実際にはそんな華々しいものではなく、手続き書に従って淡々と作業をする非常に地味で味気ないものでした。
求められる業務もルーティンワークで成果を出しづらく、監査をしっかりやればやるほど、クライアントからは嫌な顔をされるので、やりがいが全く感じられなかったことをいまでも覚えています。
2. 監査業務以外の経験が積めない
退職理由2つ目は「監査業務以外の経験が積めない」です。
1つ目の退職理由から「自分は何のために監査業務をしているのだろう」とむなしくなり、入社して3年で監査部門からIFRSアドバイザリーの部門に異動しました。
IFRSアドバイザリー部門に異動した当初は、監査とは違い、悩んでいる企業の役に立っていると実感できることもあり、「異動してよかったな」と思っていました。
しかし、IFRSを任意適用している企業も増えて監査要員の人手不足になり、結局はIFRSを適用している企業に対する監査業務に戻ることになります。
結局、監査法人にいる以上は監査業務というものから離れられないのだと感じ、自分のキャリアに不安がつのり退職を決めました。
【監査法人退職後のキャリア】私の転職事例
1. 一般事業会社の経理に転職
監査法人を退職後、どこに転職しようかと考え、真っ先に頭に浮かんだのは一般事業会社の経理でした。
自分自身が実際に企業の中で管理業務を経験したことがない、という点に後ろめたさを感じることが多かったため、一度は経験しておきたいと思ったためです。
しかし、事業会社の経理業務に転職するときの一番のネックはやはり給与面です。
監査法人退職時の職位はシニアスタッフで32歳でしたが、年収は860万円ほどありました。
事業会社の経理業務はよくても残業代含めて年収700万円ほど、ほとんどが年収600万円前後の求人ばかりでした。
監査法人で7年経験したとはいえ、経理業務は未経験ですから未経験者扱いです。
ですが、今後のキャリアのためにも年収700万円ほどで某上場企業の経理部門に転職しました。
年収は下がったものの、業務は楽で公認会計士なら当たり前にできることも異様に高く評価してもらえる職場環境は天国でした。
しかし、逆に言うと公認会計士の資格を持っていなくても出来るような業務です。
4年ほど経ったころ、「何のために苦労して公認会計士の資格を取ったんだろう」と思うようになりました。
管理職への昇進の話も頂きましたが、残業がつかなくなるため一旦年収が650万円になるとのことを聞き、次の転職を決断しました。
2. ベトナムの日系コンサル会社に転職
次の転職先として選んだのはベトナムにある日系コンサル会社です。
事業会社の経理にいたときに、海外子会社の管理も任されており、タイやベトナムに3ヵ月に1回程度出張をしていました。
そこで、東南アジアの魅力に取りつかれて一度生活してみたいと思うようになりました。
5社ほど面接を受けた結果、応募した全ての会社から内定を頂き、一番待遇のよい今の会社を選び現在に至ります。
業務内容は、日本からベトナムに進出している会社の進出支援であったり、進出後の会計税務のサポートだったりと多岐に渡ります。
規模もそれほど多くないので、専門家としての業務以外にも営業、人事、社内予算などもこなさなければなりません。
2018年に入社した当初は深夜まで業務に追われることもありましたが、慣れとコロナによる業務減少に伴い、最近は毎日18時くらいには業務が終わってます。
今は順調に出世して、年収1,100万円ほど稼げるようになりました。