- IPO準備企業の経理は激務?
- 仕事は大変だけど年収高いって本当?
- IPO準備経理として採用されるには?
IPO準備中の会社(近い将来に証券取引所でIPOしたい会社)の経理は、
仕事が激務で大変になりやすい一方で、
高年収を稼げるケースも少なくありません。
この記事では、IPO準備企業で働く経理の役割や、
採用可能性を高めるために知っておくべきことを解説します。
参考にしてみてください。
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ブログ管理人
1985年生まれ。未経験簿記なしニートで会計事務所入社→月給16万円で地獄のような目にあう→何度か転職して年収600万円→税理士試験に挫折…→会計事務所から経理へ転職/実体験をもとに始めたこのブログも運営6年目に突入しました(累計読者34万人以上)
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IPO準備企業の経理は激務でしんどい?
ネット上の口コミ評判を見ていると、
「IPO準備企業の経理は激務で大変すぎる…」的な体験談はとっても多いですよね。
もちろん、大変な苦労をした人も中にはいると思うんですが、
実際には「どういう会社に入るか?」によって、
仕事の忙しさ(ワークライフバランス)はまったく違うというのが現実のところだと思います。
IPO準備企業とひとくちに言っても、雇用環境はさまざまです。
それこそ「目の回るような激務…」みたいな職場もあるでしょうし、
「入社してみたら意外に残業ゼロだった」というケースもあるでしょう。
転職活動中の人は「IPO準備企業=激務」というざっくりしたイメージで動くのではなく、
実際に応募する予定の企業が提示している雇用環境まで、
しっかりリサーチしていくのが大切ですよ。
ネットの体験談はオーバーに書いている人も多いです。
鵜呑みにするのは禁物なので、注意してくださいね。
IPO準備経理の激務度は「フェーズ」によって異なる
それでは、なぜ同じIPO準備企業でも、
職場によって「忙しさの差」が生まれるのでしょうか。
理由の1つとして知っておくべきことは、
勤務先の上場準備企業が「IPO達成までの、どのフェーズにいるか?」によって、
そこで働く経理担当者の仕事量はかなり違ってくることです。
IPO準備というのは、ものすごくざっくりいうと、
証券取引所に決算書などをチェックしてもらい、
「これなら審査OK!今年から御社は上場企業だよ!」
という感じで上場をさせてもらうことをいいます。
この審査にチャレンジする期を「申請期=N期」と呼びます。
そして、この申請期(N期)までの時間的な距離によって、
↓以下のようにIPO準備のフェーズは分類されるのです。
- 申請期(N期)
実際に上場申請の手続きを行うフェーズです。 - 直前期(N-1期)
上場申請時に開示する財務諸表はこの期の決算書です。 - 直前々期(N-2期)
主幹事の証券会社が決まり、内部管理体制を構築するフェーズです。 - 直前々々期(N-3期)
上場に向けた体制構築を、これから具体的にスタートするフェーズです。 - それ以前の準備期間(N-4期〜)
企業として「上場を目指す!」という意思は明確に持っているものの、具体的な施策をしてくのはこれからという段階です。
※「N-1期」は「エヌマイナス1キ」と読みます。
↑この中で、経理が「激務」レベルの忙しさになるのは、
N-1期またはN-2期ということになるでしょう。
「多少は激務であっても気にしない。バリバリ働いてがっつり給料を稼ぎ、経理としてキャリアアップしたい!」
という方なら、N-1期またはN-2期のIPO準備企業への転職を目指すのが良いでしょう。
逆にいうと、N-1期やN-2期以前のフェーズのIPO準備企業の経理は、
比較的業務量も落ち着いている事が多いです。
「経理としてIPO準備の経験を積みたいたいけど、激務な職場は避けたい」
というニーズで転職するなら、
N-3期やN-4期のIPO準備企業求人を狙って転職活動していくのがおすすめです。
社長のテンションが高いだけの企業や「永遠のN-2期」状態の企業も…
さらにいえば、「弊社は上場準備中の企業です」とアピールしていても、
実際にはまだN-4期以前で、
経営者が「将来は上場したいんだよね!」という気持ちを持ってるだけ…
みたいなこともありえます。
あと「なんとかN-2期まではきたものの、そこからなかなか進まない…」というのもIPO準備企業あるあるです。
(「永遠のN-2期」といわれたりします)
IPO準備企業だと思ってテンション高く入社したのに、
実際にはフツーの中小企業とやってる仕事は同じ…
では意味がありませんよね。
ひとくちに「IPO準備企業」とはいっても状況は様々です。
どういうフェーズのIPO準備企業で働くか?によって、
経理担当者の仕事内容はまったく違ってくるので、注意して下さいね。
応募先のIPO準備企業の「フェーズはどこか?」を知る方法
IPO準備企業に転職したい!という経理職は、
なんとなく「IPO準備企業で働きたい」というざっくりした志望で動くのではなく、
どういうフェーズのIPO準備企業で働きたいのか?
までしぼりこんで転職活動していくことが大切です。
ここまでニーズをしぼり込んで転職活動している人かどうか?
によって、採用担当者からの評価はまったく違ってきますからね。
それぞれのIPO準備企業のフェーズがいまどこなのか?は、
転職サイトの求人文言をじっくり見るとわかるケースが多いです。
↓例えばこんな感じです。
求人の文言の書き方で、
今どのフェーズにいる準備企業なのか?がわかります。
IPO準備企業を狙うレベルの転職活動をしている人は、
なんらかの転職エージェント会社を使っていると思いますので、
担当のエージェントさんに「この企業のIPOフェーズって今どこですか?」と聞けば教えてくれますよ。
※ 注意点!
ただし、IPO経理求人専門の転職エージェントさんじゃないと、
「すみません。IPOフェーズ?ってなんですか…?」
みたいな、とんちんかんな回答をしてくるかもしれませんので注意。
こういうダメダメな転職エージェントに担当されると、
採用されるものも採用されませんよ。
(機会損失がでかすぎです)
IPO準備企業の経理職に転職したい人は、
IPO準備企業の転職支援に特化したエージェント会社を使うようにしましょう。
IPO経理は年収条件などが極めて良いので、
ライバルの求職者も多いです。
ライバルが多数がいる中で確実に採用可能性を上げるためには、
IPO企業専門の転職エージェントを使うのは必須だと思っておいてください。
↓個人的に、IPO経理への転職でおすすめのエージェント会社はこちらです。
(IPO準備企業の求人だけで2500件以上の求人があります)
ちなみに無料で使える転職サービス会社ですので、
条件の良いIPO準備企業に転職したい人は活用してください。
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上場準備中の会社の経理の役割
上場準備中会社の経理の役割を
一般的な中小企業経理と比較すると、
以下のような点で違いがあります。
上場準備に一貫して携わる
会社が上場するには、少なくとも3年程度の準備期間が必要です。
その間行わなくてはいけない作業は多岐にわたります。
中心となるのが、主幹事証券会社や監査法人の選定、経営管理体制の整備・運用、資本政策の検討・実施、会計監査への対応などです。
経理であればこれらの作業に一貫して携わることになるでしょう。
さまざまな利害関係者との調整も必要
上場準備のための作業は、量も多く、時間もかかります。
そのため、経理部門だけでは到底対応できません。
他部門や税理士・公認会計士などの専門家、
ベンチャーキャピタルの担当者など、
さまざまな利害関係者と調整しながら業務を進める必要があります。
上場準備中の会社の経理として働くメリット
上場準備中の会社の経理として働くことには、
以下のようなメリットがあります。
1. 経験を積めるので自分の市場価値が上がる
経理担当者として上場準備に携わると、
同時並行で多様なタスクに取り組まなくてはいけません。
激務ではあるものの、実際に経験して学べるため、自身の大きな財産になります。
将来的に自分の市場価値が上がり、転職においても有利になるはずです、
2. ストックオプションで収入アップが見込める
会社によっては、上場準備に携わる社員に対し
ストックオプションを付与することがあります。
無事、企業が上場を果たし、業績がアップして株価が上昇すれば、
権利行使価格と実際の株価を利益として得ることが可能です。
結果として収入アップにつながるのがメリットでしょう。
上場準備中の会社の経理として働くデメリット
上のようなメリットがある一方で、
上場準備中会社の経理として働くことには
以下のようなデメリットがあります。
1. 基本的に激務で仕事が大変
上場を目指す会社には、証券会社から上場基準を満たすための課題が記された「チェックリスト」が渡されます。
課題の内容は経理だけでなく、労務・法務・内部統制・財務など多岐にわたりますが、
これらすべてを解決しないと上場はできません。
そのため、経理担当者も含めた従業員は、課題を期限までに解決すべく、
全力で業務にあたることが求められます。
基本的に激務のため、体力勝負の日々が続くと考えましょう。
2. 上場計画がとん挫することもあり得る
経理担当者を含めた従業員が全力で業務に当たっても、
かならず上場できるとは限りません。
たとえ、証券取引所から上場承認を受けても、
取締役会の判断で上場を取りやめることも考えられます。
また、証券取引所が承認を取り消すこともあり得るのです。
このような事態に至った場合、降格・減給などの処分があるかはケースバイケースですが、
なによりも精神的な疲労が大きくのしかかります。
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