公認会計士が転職活動すると最強?監査法人経験者のキャリア選択肢は?

2022年10月26日

公認会計士 転職 最強

(「公認会計士は転職市場で最強」は本当?)

  • 公認会計士は転職市場で最強…って本当?
  • 実際に転職活動したらどんな評価をされる?
  • 監査法人意外の転職先の選択肢は?
  • 転職で年収アップできる会計士は何が違う?

公認会計士は確かに「日本最難関レベルの国家試験」であることは間違いありません。

苦労して取得した公認会計士資格を活かして、

さらに高いレベルで働きたい!と考えている方はきっと多いでしょう。

ただし、公認会計士とはいっても、

あまりに自信過剰になるのは禁物だと私は思っています。

この記事では、公認会計士合格後、新卒入社した監査法人から転職した私自身の転職体験談を書きます。

いま転職を検討している公認会計士の方は、参考にしてみてくださいね。

この記事を書いた人

野本翔太(公認会計士)
一橋大学卒業後、監査法人勤務→外資系コンサルファームに転職。12年間、M&A・組織変革・市場参入・戦略策定等に従事。シンガポール駐在5年。INSEADファイナンス修士。

 

公認会計士が転職活動すると最強?実際やってみたらこうだった

公認会計士 転職 最強

(記事の信頼性を担保するため、日本公認会計士協会の会計士検索結果のスクショを添付します)

 

私は、一橋大学経済学部(統計学選考)在学中に公認会計士試験合格し、Big4の監査法人に入所しました。

その後、修了試験の直後に別のBig4のコンサルティング部門に転職しています。

M&A(企業買収)・組織変革や戦略立案策定のプロジェクトをクライアントへ提供しています。

2023年までの5年間、シンガポールオフィスに勤務し、

東南アジア全域の日系企業へのアドバイスを行っていました。

シンガポールでは働きながら、INSEADというビジネススクールでファイナンス修士号(Executive Master of Finanance)を取得しました。

 

新卒で監査法人に入社

私は大学3年生で公認会計士試験に合格したため、

4年生から非常勤として当時最大の監査法人であったBig4の1つで働き始めて、計3年を監査法人で過ごしました。

なぜここの監査法人したかと言うと、当時学生だった私は深く考えずに、手っ取り早く業界最大手で、かつ早く海外旅行に行きたかったので、内定が一番早く出たところにしました。

深く考えずに選択はしましたが、希望部門(今はなき国際部)で、

フランス資本の入っているグローバルクライアントのチームにアサインされ、

上司やチームメンバーに恵まれたと思っています。

私のチームには、フランス人や海外駐在を経験した上司が多く、

将来自分も海外で働きたいなと思い始めたのは、この影響もあります。

待遇面も、確か新卒で600万円くらいでしたでしょうか、ゆとりのある生活を送っていたと思います。

ただ、学生時に非常勤勤務をしているときに月収が100万円行っていたこともあったので、

だいぶ減るのね、という印象を受けたのを覚えています。

ゆえに、監査法人が嫌で嫌でしょうがないというわけではなかったのですが、

逆に業務に慣れてしまうと安定しすぎ(学びが少ない)と思い、物足りなさを募らせていきました。

 

私が新卒入社した監査法人を辞めた理由

24歳のときにコンサルティングファームに転職したため、

かなり早い段階で転職をしたという点は稀かもしれません。

なぜ早々に監査法人勤務に終止符を打ったかと言うと、

このまま監査を続けても一人のビジネスパーソンとしての成長に限界を感じたからです。

確かに監査は高度な専門知識が必要な業務ですが、

逆言ってしまえば会計基準や監査のメソドロジーをどれだけ知っているかで、

価値が決まってしまい、そのような環境に疑問を感じました。

例えば、監査のメソドロジーは全部書いてありますし、

監査手続・調書も昨年度のものを更新すれば大きな問題は起きません。

有価証券報告書のチェックも外部業者が作成したマニュアル通りにやれば、間違えることはまずありません。

専門的な判断は必要な場面は多いかもしれませんが、

特にジュニア時代には、新しい視点で考え抜く、

新しいものを生み出すという機会が欠けていました。

そこで、短期で様々な業界のクライアントに多岐にわたるプロジェクトを実施することで、

成長速度を早めようと、コンサルティングファームへの転職を決意します。

上司は理解のある人が多く、

「監査法人が嫌で辞めるわけではなく、新しいことに挑戦したいんです」

と正直にお伝えしたところ、特段の引き止めも合わずにスムーズに退職できました。

振り返ると、ちょっとくらい引き止めてもいいじゃん、って思うのですが、

私の世代くらいからJ-SOX対応で公認会計士大量採用をし、

自主リストラも進めていた時期もあったくらいなので、

若手が1人くらい抜けても、何とも思わなかったのだろうと推測します。

 

転職市場では公認会計士はあくまで1つの強み

私自身の転職経験から1つアドバイスするとしたら、「資格にこだわりすぎない」です。

公認会計士は最難関国家資格の1つとされます。

ゆえに、転職活動でも、過去に投資した時間・労力を回収しようと、

公認会計士であることに固執しすぎてしまう人を多く見かけます。

ただ、私がお勧めしたいのは、監査法人勤務の経験を踏まえて、自分の強みは何かをゼロから考えることです。

というのも、公認会計士であることが役に立つ業務は、基本的には独占業務である監査だけだからです。

逆に監査の外に出てしまえば資格は関係ないですし、

企業は監査のできる人を求めているわけではありません。

なので、監査での経験を1つ1つ追っていって、会計以外の自分の強みを定義しましょう。

特定の業界を担当しているのであれば業界知識、

IT含めた内部統制が強みであればコンプライアンスなど、人それぞれです。

私の場合、グローバルに事業展開しているクライアントのチームに長くいたので、会計x英語を強みとして定義しました。

 

会計士の転職エージェントの利用について

実際の転職活動では、自分より更に早く転職した友人が利用していたエージェントを起用しました。

当時はとくに考えもなく1つのエージェントに絞っていましたが、

エージェントも結局人との出会いなので、複数登録してみて、合いそうなところを探すことをお勧めします。

今でこそ海外の転職市場では、

LinkedIn等を経由して採用企業からダイレクトにヘッドハントがくる時代になりましたが、

まだ日本では転職エージェントがよい求人を握っていますし、

特に20代の転職ではまだコネ入社も難しいので、エージェント活用をお勧めします。

以下、私が当時実際にお付き合いしたエージェントとの具体的な話ですが、

まだ24歳の若者に真摯にお付き合いいただきました。

アドバイスも「これでは志望動機が弱くて通らない」などと厳しい指摘ももらい、

4件程度の求人を紹介してもらいました。

振り返ってみると、紹介案件少ないなと思うのですが、

私は就職活動をしたことがなく、監査法人の内定も試験合格前に出る時代だったので、

外部目線でアドバイスをもらえてよかったです。

結果として、マッキンゼーやBCG等も面接を受けましたが、

結局拾ってくれたのは、勤務していた監査法人とは異なるBig4のコンサルティングチームでした。

彼とは今でも年賀状をやり取りするなど、懇意にしてもらっていますし、

転職エージェント会社が増えた今、1度の転職だけでなく、

中長期的なキャリアプランを真剣に考えてくれるところが増えました。

中長期的な自分の人脈を広げると最初のいう視点で見ても、

転職エージェントを活用することはメリットが大きいと思いますよ。

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成長できる環境を目指し、監査法人からコンサルティングに転職

私の場合、数ヶ月という短期サイクルで様々な業界・クライアントで多岐にわたるプロジェクトを経験できるコンサルティングを、転職のターゲットにしました。

その結果、クロスボーダーのM&Aプロジェクトを多くしているコンサルティングのチームからオファーをもらうことができました。

M&Aではモデリングやバリュエーションなど必ず財務数値がついて回るため、強みが活きるのです。

逆に失敗談としては、会計x英語があまり活きない、外資系の戦略特化型のコンサルティングファームはまったくダメでした。

このようなファームでは、第二新卒の段階では地頭の良さが最重要視されるため、私はその要件に当てはまらなかったようです。

逆説的ですが、公認会計士の転職では、

公認会計士の資格にこだわらず、自らの強みを考え続け、

それにフィットする業界を探すことが重要かなと思います。

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監査法人から転職するならどこ?会計士が選択肢にできる勤務先候補

では、具体的に公認会計士のキャリアにはどのような選択肢があるのでしょうか。

実際の体験談を中心にお伝えいたします。

 

1. 監査法人から一般事業会社の経理へ転職

まず、事業会社の経理への転職です。

私は様々なプロジェクトに携われる環境に行きたかったので、こちらの選択肢は積極的に探しませんでしたが、私の友人には事業会社の経理や財務部門に転職した人も多かったです。

個人的な意見として、事業会社の魅力は何といっても安定性です。

この時期にこういう業務が発生するのでこれくらいの業務量になるだろう、というのが予測できます。

FASやコンサル等のプロジェクトベースの働き方だと、1ヶ月先のことはわからない状態で仕事をしていますので、ワークライフバランスを優先したい人にはお勧めです。

一方、多くの日系企業の場合、おそらく監査法人勤めより年収は2-3割下がると思った方がいいでしょう。

ただし、私は今でもヘッドハンティングの性格の強い外資系エージェントに登録しているのですが、儲かっている業界や外資系等、年収を結構出してくれる求人も紹介されます。

儲かっている業界は、今の時代、製薬・IT(DX等)・ゲームなどでしょうか。

そのようなキーワードで求人を検索するといいものに出会うかもしれません。

 

2. 監査法人から財務系コンサル(FAS)へ転職

FASでは公認会計士の資格が一定程度優遇されるので、私も候補の1つして検討しました。

以下で述べる、チームの細分化がネックとなって、

私は結局コンサルティングへ行ったのですが、

今となってはFASと共同でプロジェクトを組むことも多いです。

FASで働くメリットの1つは、やはり待遇でしょう。

転職時にすぐに給与アップするかはその人次第ですが、監査法人と比べて1つ上のランクと同じ年収をもらえます。

例えば、FASのマネージャーの年収は1,500万円前後なので、監査法人のシニアマネージャーと同等以上と理解していただいて大丈夫です。

一方、FASの現実の1つとして、チームの細分化があります。

FASの中にも財務DD・バリュエーション・FAなど様々なチームがあり、横移動はあまり一般的ではありません。

というのもそれぞれが専門家であり、知識が横展開可能ではないからです。ゆえに、色々経験したいという人は気を付けた方がいいです。

また、言わずもがなですが、激務なのも事実です。

M&Aは時間制約が厳しいプロジェクトなので、プロジェクト中は間違いなく忙しいですし、強いプレッシャーのもとで働きます。

監査法人が激務で転職したい、という人にはお勧めできません。

今はFASも新卒採用する時代になりましたが、当時FASというと、かなり専門家として育った中途の人しか採用しないという風潮があると、エージェントから聞きました。

私は結局応募をしなかったのですが、

ネットには乗っていない業界のプラクティスをエージェント経由で入手できるのも、

エージェントを起用するメリットの1つかなと思います。

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3. 監査法人から税理士法人(税理士事務所)へ転職

私も実は中長期的に独立したいと考えており、当時も税理士法人のオポテュニティをリサーチしました。

個人的には、やはり待遇面(監査法人と変わらない、Big4マネージャーで1,000万円程度)がネックになり、オプションから外しました。

ただ、独立を見据えて税理士業務を経験するというのは、将来への投資という意味で選択肢として十分ありえると思います。

当時私はそこまでの行動をしなかったのですが、税理士業務に興味がある人は、監査チームに税務チームが必ず入っているはずなので、まずそこに話を聞くのがお勧めです。

コンサルティングファームに入って税務チームと一緒にM&A案件を遂行しますが、公認会計士出身で現在税務チームのパートナーとして活躍している人に多く出会います。

やりがい・大変さ等、直接聞けることは直接聞くのが一番です。

なお、余談になるのですが、近年、会計士.JobやCPA Consulting等、会計士専用のフリーランスプラットフォームも多く登場してきています。

パートタイムやプロジェクトベースで、登録者が集まってチームを組成する、というものです。

ライフステージ的に柔軟な働き方をしたい、将来は独立したいという人が、以前より気兼ねなくフリーランスを始められる時代になったのは喜ばしいことです。

私が転職した時に同じような環境であれば、もしかしたら違う選択をしたかもしれません。

 

4. 監査法人から別の監査法人へ転職

私は監査法人への転職は考えていませんでしたし、Big4だったためか、周りに他の監査法人に行った人はあまり出会ったことがありません。

ここでのキークエスションは、別の監査法人に行くと何が変わるの、という点です。

今の監査法人で実現できないことが他の監査法人でできるようになる、または年収が上がる、というのであればいいと思います。

例えば、中小監査法人からBig4に移れば、グローバルクライアントも担当できるし年収も上がる、というのは筋が通っています。

ただ、監査の外に出た身からすれば、監査法人間の差は、大きくないと思いますし、どこもファーム固有のメリット・デメリットがあります。

なので、自分はなぜ転職するのか、をきちんと見つめ直し、それでも合理的な理由があれば、いいかなと思います。

また、近年ですと、非常勤要員として監査法人が募集しているケースが多く増えていると、エージェントや友人経由で聞きます。

ワークライフバランスを最重視したい人は、そのような形態を取るのもいいと思います。

 

5. 監査法人から金融機関へ転職

投資銀行・VCは、みんながあこがれる仕事だと思います。

私も、投資銀行勤務・出身の友達が多くいますし、一時期興味がありました。

ただ、公認会計士であることがまったくアピールにならない業界です。

昼夜なく働くことで、若くしてどんどん昇進していく環境なので、まだ若い人はポテンシャル採用を狙うというのはあるかと思いますが、例えば、30代になって監査だけの経験しかないと、チャンスはあるのはごくごく稀と理解しましょう。

私の周りも、監査法人時代の同期で投資銀行・VCに直接行った人に出会ったことがありません。

採用企業側もスキル面で特に公認会計士を求めているわけではないですし、

求職者側も働き方等の件で監査法人とギャップが大きすぎて、

環境に適応できないというのが現実かなと推測します。

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「これから転職活動を始める会計士」が知っておくべき注意点4つ

公認会計士 転職 最強

(公認会計士の転職は最強?知っておくべき注意点)

1. 監査法人以外は「未経験者あつかい」になりがち

上で見たように、会計士資格があると「転職先の候補」には困ることがありません。

しかし、頭においていないといけないこととして、

監査法人出身だと、税務や経理、FAS業務といったものは「未経験」扱いになるということです。

監査法人内でアドバイザリー業務等をやっている方は別として、

監査では会社側が作成した資料を見る業務です。

実際に資料の作成経験はないため、これは未経験として扱われます。

実際に私が就職活動をした時も「監査業務以外は未経験ですか」といった質問が多くありました。

中途採用の枠は1つだけということが珍しくなく、

業務経験が豊富な方と面接で競った際に、経験の有無で負けてしまうことが意外と多くあります。

これは転職エージェントの無料セミナーで言われたことなのですが

「会計士の転職は嫌われるよ、使えないから」といったことを面と向かって言われたこともあります。

面接お見送りになってしまう理由で多かったのが、

「同分野で経験がある方がいたため」「より業務に適した人材がいたため」というものです。

実際に実務で仕事をした経験がある人とそうでない人は明確に線引きがあります。

実務経験者と面接で競った場合、会計士というネームバリューがあっても競り負けてしまうことが度々あります。

 

2. 採用ライバルも優秀(意外と転職活動で苦戦する)

最近よくあるパターンなのですが、

「監査法人の業務激化に伴い監査法人を辞める会計士」が増えてきました。

私が監査法人にいた時の同僚をみても、

過剰に業務を押し付けられ、80時間以上の残業が常態化しているような人を度々目にしました。

(ちなみに、私も転職前にはそういう状態になっていました)

仕事が将来的に減ればいいのですが、

私がいた監査法人ではIPO業務をどんどんと受け入れていたため、

仕事が増える一方、現場はパンク寸前でした。

そういった現場の状況に嫌気がさし、転職を決心した経緯があります。

そして、同じような経験をした会計士はたくさんいます。

なので、転職候補先の会社で「同じ会計士同士で1つの採用枠を争う」といったことが生じがちなのです。

監査法人時代にデューデリ業務をやっていた、

社内移動で税務をやっていた、

という方は転職先でも強く評価される傾向にあるので、

そういったライバルとの闘いは厳しいものとなります。

 

転職面接では即戦力になれる経験者が優遇されやすいです。

例えば税理士法人などでは、勤務経験を積んでいる税理士の方というのは強力なライバルとなります。

すでに税理士として働いており税務業務がすぐにできる方と、

税務をしたことが無いのでこれから仕事を覚えないといけない会計士では、

雇う側の心理として勤務経験のある税理士側を採用したくなるのは自然なことです。

 

3. 転職で給与アップは意外に難しい

監査法人勤務の公認会計士は、一般的に見て給与待遇が良い部類に入ります。

したがって、監査法人勤務から別の職場に転職する場合に、

年収をキープするのはかなりハードルが高くなることを知っておいてください。

一般事業会社の経理や、税理士法人や会計アドバイザリーといったところに転職すると、

現状より給与が下がってしまう可能性が高くなります。

 

公認会計士専門の転職サイトで求人検索をかけると、

↓例えば以下のような求人が見つかります。

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(公認会計士向けの経理求人)

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(公認会計士向けのFAS求人)

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(公認会計士向けのFAS求人)

 

なお、FASは監査法人以上の激務です(特にBIG4のFAS)

そういった激務でもバリバリ仕事をこなしていきたい方、

FASでデューデリ等のM&A業務に関わりたいと強く志望している方は別として、

それ以外の方が給与アップを狙って転職しようとした場合、

転職先の候補が意外と少なくなってしまいます。

外資系会社の経理などの選択肢もありますが、

この場合、忙しさは会社によってかなり変わってきてしまうため、

事前に転職先候補のリサーチをすることを強くすすめます。

いずれにせよ純粋に給与アップだけを狙って転職する場合、

FAS系の会社(特にBIG4)か外資系会社の経理のどちらか、

ということになり、転職先の幅としてかなり狭まってしまうのが実態です。

 

4.「公認会計士は最強なはず」でジョブホッパーになる会計士は多い

会計士は転職市場で強いというイメージが根強くあるため、

職を数年で転々とするジョブホッパーになる方もおられます。

それ自体は否定しないのですが、

何をもって「転職成功」とするかの定義を自分の中できちんと持っていた方がいいです。

例えば給与アップ、転職先で新しい経験が積める、

ネームバリューのある会社に就職できる等といった自分なりの定義があるかと思います。

そういったことを考えずに転職をどんどんとしていくと、

ふと冷静になった時に転職成功とはいえないような状況になっている場合もあります。

例えば、年収はあがったものの、監査法人時代以上の激務で毎日深夜残業続き、

土日も出勤といった環境になってしまうと、

そこまで働きたくないという方からすると「失敗」と考えるべき状況なのではないでしょうか。

また、いくつもの職を転々としていった場合、

“すぐに辞めてしまう人”という印象を面接先の会社で持たれることになってしまいがちです。

そうなると例え会計士資格を持っていても雇ってくれる会社がどんどん少なくなります。

結果、激務の職場で働き続けないといけなくなったり、

満足のいかない給与や待遇でずっと働かざるを得ないような状態になります。

「監査法人にいたころの方がよかった」

私が監査法人で勤めていたころに、そうもらしたOBの方を度々目にしていました。

転職先が無いので、何年か後に結局、監査法人に出戻ってきて働いている先輩方というのも何名かおりました。

そういった方々は、新卒からずっと監査法人で働き続けていた人に比べ出世が遅くなるため、

年下の上司につめられながら働く状況や、

年齢の割に低い報酬で働かざるを得なくなるということがあります。

せっかく希望を持って監査法人を辞めたのに、

その数年後に結局監査法人に出戻って、同年代の方々より低い役職で我慢して働き続ける。

こうした状況になってしまうことは避けたいのではないでしょうか。

 

まとめ

この記事では、監査法人で実務経験を積んだ公認会計士が選択できるキャリアについて、

私自身の転職体験をベースに解説いたしました。

特に、会計士が「監査法人以外のキャリア」を選択肢する場合には、

メリット・デメリットの両方があることを知っておいてください。

何のために転職をするのか?を明確にしつつ、ベストだと思える意思決定をしましょう。

また、今よりも良い環境に転職したいなら、

転職活動はエージェントを上手に使いながら進めていくのが鉄則です。

「会計士が転職市場でどのような評価を受けるのか?」

「自分の適性年収はどの程度なのか?

「本当に『公認会計士は転職市場で最強』なのか?」

↑現時点で採用可能性のある求人の候補を見せてもらえるので、

こういったことが本当の意味でわかると思いますよ。

これから転職活動をスタートする人は、

まずは会計士専門の転職サイトで無料アカウントを作って、

実際にエージェントの無料面談を受けてみてください。

上記サイトには会計士限定の求人がたくさんありますので、

とりあえず情報リサーチから始めたい人にもおすすめですよ。

皆様のご健闘をお祈りしています。

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