- 不動産業界で働く経理事務はきつい?
- 体育会系のチャラい職場でしんどい…って本当?
- 未経験の簿記資格なしで転職はやめたほうがいい?
- 会計仕訳が特殊で経験者でも難しい?
- 給料は高い?安い?手取りどのぐらい稼げる?
今回は、不動産会社の経理としてトータル6年働いている30代女性に、
お仕事や転職活動の体験談を書いていただきました。
不動産業界の経理職に興味があるけど、
「いろいろ悪い口コミ評判もあって不安…」
という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
“この記事を書いた人”
ブログ管理人
1985年生まれ。新卒で営業マンになるも数ヶ月で退職→簿記3級もなしのニート状態で会計キャリアスタート(会計事務所)→ブラックな環境で地獄のような目にあう→何度か転職し年収600万円までアップ→現在はある企業の経理管理職/このブログでは実体験ベースの転職体験談をひたすら書いています(おかげ様で累計読者34万人を超えました!感謝!)
>>自己紹介の記事はこちらです
この記事の目次
不動産経理で働いていて「きつい・しんどい…」と感じるのはどんなとき?
私は一般事務職として10年間働いた後、
未経験・簿記資格なしで不動産会社の経理事務に転職しました。
不動産経理として1回転職を経験し、今の不動産会社は2社目になります。
一般事務職で10年
↓
不動産会社(一社目)で3年
↓
不動産会社(二社目)で3年(現職)
経理経験はトータルで6年です。
未経験で経理に転職した理由は、
「一般事務10年やってなんのスキルが身についたんだろう…。このままじゃやばいかも?」と、
漠然とした不安を抱くようになったからです。
経理は未経験から実務経験を積むのが難しい職種といわれていますが、
当時は簿記資格も持っていなかった私を、
未経験で採用してもらえたのはありがたかったですね。
ただ、不動産会社で働く経理は楽なことばかりでもありません。
以下では、実際に不動産会社の経理として働いていて、
「きつい・つらい…」と感じる瞬間について書いていきます。
1. 総務も兼務?経理業務以外の「雑用」が多い
私が勤めているのは、従業員10名程度のごく小さな不動産会社です。
(社長1人+営業さん6人+営業アシスタント1人+経理2人=10人)
私が現在の職場に入社したときには、
経理の前任者がすでに退職されていたので、もう1人の経理担当者にOJT(オンザジョブトレーニング)で教えてもらいながら業務を覚えました。
私の職場のように人数が少ないところでは、一からていねいに仕事を教えてくれるわけではありません。
資料や過去データを見て、自分で考えながら覚えていく仕事も多いです。
日中は人の少ない事務所でまったり働けることも
社長や営業さんたちは基本的に外回り営業をずっとしていますから、
経理業務以外にも雑用的な仕事が発生することがあります。
ちなみに、社長や営業さんは日中は事務所にほとんどいないので、
事務の人だけでお菓子を食べながら気楽に仕事ができる時間も多いですよ。
私の職種名は経理ですが、実際には「総務・労務などすべてのバックオフィス業務全般を担当する」みたいな感じですね。
良くも悪くも臨機応変に動ける人が向いていると思いますが、
「経理として働くからには、ひたすら経理の仕事だけをやっていきたい」と思う人は、ちょっと苦痛を感じるかもしれません。
経理に特化した働き方をしたい人は、大手企業の経理の求人を狙うのが良いでしょう。
中小企業経理と、大手企業経理の仕事内容の違いについては、
↓下記の記事でくわしく書いています。
大手経理はチームで手分けして仕事をするのが特徴ですね。
-
中小企業の経理担当で大変と感じる場面5つ!大企業とはここが違う
「中小企業経理の大変なところってどんなところ?大企業の経理とはどう違う?」この記事では、実際に中小企業経理として働いている私の実体験から、仕事をしていて「大変・つらい・しんどい…」と感じてしまう具体的な場面を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
続きを見る
「雑用的な仕事」って具体的にどんな仕事?
上で「経理以外にも雑用的な業務も発生する」という話をしましたが、具体的には以下のようなことをやっています。
まず、私の会社では経理その他の事務職が、来客や社内の人たちへのお茶出しをやっています。
不動産会社では「営業マンの働きが命/事務職はサポート役」みたいな雰囲気がありますね。
(さすがに社内の人へのお茶出しまであるのは、私の会社の体質が古いからだと思いますが…)
郵便物の確認や契約書類のファイリングなどもやります。
本当にいろんな業務をやるので、
「初めて出くわすパターンで、どうすればいいのか分からない…」なんてことは日常茶飯事。
特に困るのがパソコン関係ですね。
例えば、パソコンの故障や、セキュリティソフトの入れ替えなどです。
大手企業ならIT専門の部署があると思いますが、
私の会社では経理(私)が最初から最後まで責任を持って対応しなければなりません。
正直言って不得意分野ですが、ネットで調べたり問い合わせをしたりして、どうにか自力で解決しなければならない大変さがあります。
(どうしようもないときには修理業者に任せますが、その業者の手配をするのも私です)
パソコンだけでなく、机や車、その他事務設備の買い替えのときには、
選定・発注・設定まで自分で行うので、知識のない私はとても時間がかかり苦労しました。
大手企業なら備品調達やIT専門の部署があると思いますが、
小さな規模の不動産経理では、経理業務以外の仕事の幅が広いため、きついと感じる人もいるでしょう。
2. 体育会系の職場の雰囲気(軽くてチャラい?営業マンたち)
これは不動産業界あるあるだと思いますが、不動産会社って体育会系の社風の職場が多いです。
営業さんたちはみんなノルマを背負って仕事をしているので、
「ノルマ未到達だった人が、社長やベテラン営業マンからめっちゃ怒鳴られてる…」みたいなのもよく見かけますし、
営業さんは朝礼で「今月は絶対やるぞ!」みたいな掛け声をかけあったりしてます。
令和のこの時代にこんな昭和みたいなことやってるのか…と感じることもありますね。
普通に考えたら「こんな会社辞めてやる!」という人が続出すると思いますが、
不動産営業さんたちは成果を出すと、ものすごく高額のボーナスがもらえるので、
若い人でもやる気満々だったりします。
あと、不動産営業マンって良くも悪くも性格的に軽い、チャラい雰囲気の人が多いんですね。
経理や事務はそういう人は少ないですが、
職場には圧倒的に営業マンの割合が多いので、
経理でも必然的に彼らの中にまじって仕事をすることになります。
あまりの軽さにストレスを感じることもありますね。
「頼まれると断れないタイプ」はきついかも
本来は営業事務の仕事範囲で、内容的にもよく分からない仕事を急に無茶ぶりされると、
腹が立ってしまうこともありますね。
例えば、外出している営業マンから電話が入り、
「俺の机に行ってくれる~?で、〇〇の書類があると思うんだけど探してくれる?それ、今日までに返送しなきゃなんだよね。悪いけど、部長にハンコもらってやっといて~。」
…みたいな指示をされることがよくあります。
職場には営業アシスタント事務も1人だけいるのですが、
とても1人で処理し切れる業務量ではないので、私たち経理も一緒になってやってます。
営業マンが雑談や冗談を交えながら業務を進める中で、
こちらは重要な数字を扱っているので、集中を乱されることが少なくないんです。
今忙しいので、自分のことは自分でやってください!とはっきり言えるタイプの人ならいいんですが、
「頼みを断れずなんでも引き受けてしまう…」というタイプの人には、便利使いされてしまうことが少なくありません。
経理って性格的にまじめな人が多いので、このような軽い雰囲気がきついと感じる人はひょっとしたら多いかもしれませんね。
ただし「さすがは不動産営業マン…」と勉強になる場面も
もっとも、不動産会社の営業さんはコミュニケーション能力が極めて高い人も多く、勉強になる部分も多かったりします。
例えば、お客さんからかなりお怒りのクレーム電話がかかってきたときのことです。
「これは私ではどうしようもない…」と、担当の営業さんに電話をつないだのですが、
そのお客さんは担当営業マンと話をしているうちにどんどんトーンダウンしていったのです。
最終的には、
「なんか俺、さっきのお客さんと仲良くなっちゃった。今度飲みに行こうって誘われた(笑)」
…なんてことになっていました。
その電話の一次受けをして、お客さんの怒りのボルテージを知っている私は、
「どうやったらそんな着地になるの?」と、そのコミュニケーション能力の高さにびっくりした記憶があります。
(驚いたやらあきれたやら…です)
こういうことができるのは、日々きついノルマに追われ、
精神的なプレッシャーに慣れている不動産営業マンならではかもしれませんね。
彼らにまじって経理の仕事ををしていると、
社内外の人間関係の調整や、コミュニケーションスキルがみがかれるのは間違いありません。
ちなみに、不動産営業マンはかなり高年収な人たち(優秀なら年収1000万円超は普通)なので、
職場結婚を狙ってる事務職女性もこの業界には多かったりします。
3. 大家さんの「汚いホンネ」を見てしまう
不動産会社で働く場合、いわゆる「大家(おおや)さん」がお客さんになります。
大家さんとは、自分が持っている物件を他人に貸して、
家賃収入を得ている人たちのことですね。
不動産経理として働いていると、この大家さんたちとのやりとりが日常的に発生します。
(直接の担当は営業マンですが、経理も電話を受けたり、家賃入金の連絡をしたりします)
大家さんっていわばお金持ちな人たちなので、のんびりしているイメージがありますよね。
ただ、実際にはそうでもないんです。
大家さんたちの「汚いホンネ」を見てしまうことも多く、
なんか辛い…と感じてしまうこともありますね。
例えばですが、以下は私が実際に見かけた大家さんのドケチエピソード。
見た目はいかにも温厚な大家さんで、私も何度か実際に会ってお話をしたこともあり、
「優しそうな大家さんだなあ。やっぱりお金持ちはゆったりして余裕のある人が多い」と思っていたんです。
ですが、ある日、この大家さんの所有物件の入居者から、
「お風呂のお湯が出たり出なかったりする」と連絡があったんです。
すぐに修理業者を呼んで見てもらうと、
「とりあえず応急処置をしましたたが、交換時期をだいぶ過ぎた古い給湯器なのでいつ完全に壊れてもおかしくない。」
「このまま放っておくと、いきなり熱いお湯が出てしまって、利用者が火傷をする可能性もある」
と、交換を強く推奨されました。
すぐに大家さんにこの内容を伝えたところ、
「完全に壊れるまで交換はしない、またお湯が出なくなったら連絡をもらえばいい。」
「我々は高い金を払ってるんだから、不動産会社が入居者の気持ちになって考えるのはやめてくれ。」
との回答でした…。
お湯が出なくて困るのは入居者で、
シャワーのお湯が急に水に変わろうと大家さんは関係ありません。
「これが大家の本音か…」と心が痛みましたね。
しかも、物件の必要な修繕はなかなかしないのに、家賃の値上げだけはバンバンします。
(正直、お金持ちが嫌いになりました…)
こんなふうに、不動産会社で働いていると、
あんまり聞きたくなかった大家さんたちのショッキングな発言を聞くことが多々あるのです。
4. 給料が安い?(どういう不動産会社に入るか?でかなり違う)
一般的には、不動産業界って年収の高い人が多いイメージですよね。
ただ、上で見たような「年収1000万円を超えるような人たち」というのは、実際には営業マンだけですね。
私たち経理については、他の業界よりちょっと良いぐらいが相場だと思っておくのが良いと思います。
(とはいえ、平均よりも給料が多めなのはとっても嬉しいことです)
↓あくまで例ですが、私(今の会社は入社3年目)の、
今月のお給料手取り額は以下のような感じでした。
- 給与総額:270,000円
- 源泉徴収:5,800円
- 住民税 :9,600円
- 健康保険:13,000円
- 厚生年金:24,000円
- 雇用保険:1,600円
- 手取り額:216,000円
↑夏と冬のボーナスを含めると年収400万円ぐらいです。
決して多いわけではないです。
ただ「入社数年目のヒラ経理スタッフ」としてはまあまあではないでしょうか。
会社の業績が良い年はボーナスが上乗せになったりもするので、
「会社が利益を出したら、社員に配分する」という考えの不動産会社は多い印象です。
経理職として少しでも多くのお給料を稼ぎたい人は、
不動産業界の経理に挑戦してみる価値はあると思いますよ。
【注意!】不動産経理でも「すごくお給料が安い…」会社もある
注意していただきたいのは、ひとくちに「不動産経理」とはいっても、いろんな会社の求人があることです。
ごく小さな規模の不動産会社の場合、
ワンマン社長の気まぐれで社員たちの給料が決まっているケースも多いので気をつけてください。
社長が「社員なんて使い捨て」みたいに思っているブラックな経営者だった場合、
ものすごく安いお給料で搾取される…なんてこともあるのです。
経理という職種への理解がなく、
「そもそも事務職は売り上げに貢献してない。ただのお荷物」なんて考えている社長もいたりするのです。
こういう会社で経理の給料が安くなってしまうのは当然ですよね。
さらにいうと、中小規模の不動産会社は、営業マンへの「歩合給与」の比率が大きいのが特徴です。
そのしわ寄せとして、経理など事務方のお給料が低く抑えられてしまうことがあります。
経理はノルマとかありませんから「自力で個人成績を出して給料上げる!」なんてことは基本的にできませんからね。
実は、私が初めて働いた1社目の不動産会社もブラックでした…。
あまりにもお給料が安くて不満だったので、
現在の不動産会社に転職したという経緯があります。
(現在の不動産会社は2社目です)
私の1社目の不動産経理での手取り給与は、3年目でも16万円ほどでした。
(初任給だと14万円ちょっと…とかだったと思います)
都市部で一人暮らしをしようと思った場合、この金額はかなり厳しいですよね…。
しかも、慢性的に残業が発生する職場で、定時に帰れたことなんてほとんどなかったです。
この一社目の不動産会社では3年ほど働きましたが、
結局は退職して現在の不動産会社(2社目)に転職しました。
1社目の勤務時間は9:00~18:00(プラス残業)だったのに対し、
2社目は9:00~17:00と1時間短くなりました。
(そのうえに残業もほぼありません)
このように「同じ不動産経理でも、会社によって待遇はまったく違う」ことを知っておいてください。
どういう職場で働くか?はお給料に直結するので、とても大切ですよ。
補足ですが、不動産経理の高年収求人を探すなら、
経理専門の転職サイトや不動産業界専門の転職サイトで探すと良いです。
(いずれも無料でリサーチに使えるサイトです)
いろんな職種業界の求人を雑多にそろえているリクナビやハロワなど違って、
「経理求人専門・不動産求人専門」なので、給料高めの経理求人がたくさんありますよ。
↓実際に検索してみると、以下のようなものが見つかりました。
ヒュープロ(経理専門の無料転職サイト)
経理のホワイト求人多数あり!
ヒュープロは経理専門の無料転職サイトです。
未経験簿記なしで年収400万円〜の求人
実務経験3年で年収600万円〜の求人
在宅もOKのワークライフバランス求人
会計事務所から経理へ転職歓迎の求人
などなど、好条件人が多数ありますよ。
>>10,097件の求人を見てみる
-
経理の求人探すならここ!転職サイトおすすめランキング【厳選3社】
この記事では経理職として働く人におすすめの転職エージェント会社をランキング形式で紹介しています。経理は一種の専門職なので、どの転職エージェント会社を使うか?は転職活動の成功/失敗が決まってしまうぐらい重要なポイントになります。ぜひ参考にしてみてください。
続きを見る
求人のしぼりこみは大切
1社目では経理未経験の簿記資格なしで採用してもらい、
経理職として実務経験を積ませてもらえたので、それはそれで感謝しています。
ですが、生活していくのも厳しいレベルのお給料ではさすがに限界でした。
(当時の同僚たちも同じように感じている人が多く、どんどん人が辞めていく職場環境でした)
このように、ひとくちに「不動産会社」といっても、
どういう会社に入るか?によってお給料はかなり違ってきます。
実際に求人を探すときには「不動産経理ならとりあえずどこでも…」という感じでさがすのではなく、しっかりとホワイトな求人に絞り込みをしていくのが大切になるでしょう。
私の一社目の不動産会社みたいに、
ブラックっぽい求人にまちがえて応募しないように注意してください。
これから不動産経理への転職を検討している方は、この点だけはぜひ注意しておいてくださいね。
不動産業界6年目が語る!不動産経理のリアルな仕事内容
以下では、不動産会社で働く経理の実際の仕事内容について紹介します。
1日のタイムスケジュール(出社〜退社まで)
不動産経理で働く私の1日のタイムスケジュールを紹介します。
朝9時の始業に合わせて出社し、まず社長や営業さんたちにお茶出しをします。
今までの職場ではお茶出しの経験がなかったため、いまだにこんな職場があるんだ!と驚きでした。
小さい不動産会社では、こういう「お茶出しは事務職女性の仕事」みたいな、
昭和の古い習慣が残っていることも多いのです。
最初のころは「なんで自分でやらないの?コップぐらい洗ってくれればいいのに」と思っていましたが、
今は「お茶出しくらい別にいいや」抵抗もなくなりましたね。
その後、午前中はメールチェック、郵送物確認、預金残高確認をします。
午後は会計ソフトに仕訳入力、ネットバンキングで振込作業などをして、定時の17時ぴったりに退社しています。
私は残業はしたくないので、決算時期や年末調整は忙しいです(定時までにがんばって終わらせます)
ただ、プライベートの時間が削られることはなく、メリハリを持って働けているので大きな不満は今のところないですね。
退社後はジムに行ったり、家でYouTubeを見たり自分の時間をたっぷりとることができていますよ。
同僚の事務職従業員の中には、時短勤務で16時30分には退社し、お子さんの保育園のお迎えに向かうママさんもいます。
「一人経理」の職場だとしんどい(休めない・退職引き止め…)
私は、一社目の不動産会社では「一人経理」みたいな状態で働いていました。
(会社の中で経理担当者が私1人しかいないような状態)
決算前などの繁忙期は体調を崩しているのに休めず、本当に辛かったですね。
退職を伝えた後も「後任が決まるまで待って」と引き止められてしまいました。
(しかたなく期間を決めて延長を了承し、後任者の採用と業務引継ぎを終えてから転職しました)
中小企業というのは、多かれ少なかれどこもこんな感じだとは思いますが、
職場内に経理スタッフがたった1人しかいないような職場(一人経理の職場)はさすがに避けた方が無難だと思います。
いわゆる「一人経理」の職場については、メリット・デメリットの両方があります。
↓よければこちらの記事もご覧ください。
-
一人経理を辞めたい人へ。不安とストレスで限界だった私の退職→転職体験談
一人経理を辞めたい。毎日ストレスとプレッシャーで限界…。と感じている人はぜひ読んでみてください。一人経理の経験は転職でもちゃんと評価されますよ。この記事では一人経理働いていた私が退職を決断したタイミングと、キャリアアップ(年収アップ)に成功した方法を解説します。
続きを見る
-
一人経理は辛い?休めない・孤独や不安・ストレスなど中小零細企業の実態
「一人経理が辛い…。病気でも休めないし、孤独でミスもできないプレッシャーがつらすぎる…」この記事では、中小企業の一人経理として働く人にあるあるのお悩みと解決方法を紹介します。職場のストレスに限界を感じている経理担当者は参考にしてみてください。
続きを見る
不動産経理の日常業務
↓不動産経理の日常業務は以下のような感じです。
- 入出金の確認
- 仕訳帳の入力(会計ソフト)
- 各種経費の支払
- 税金や社会保険料の納付など
不動産管理会社の経理業務の特徴というか、他の企業とちょっと違う部分といえば、
売上入金の確認をかなり細かくやることでしょうか。
(ここでいう「売上入金」というのはつまり入居者からの家賃振り込みのことです)
私が働いている不動産会社では、
物件の入居者から家賃が振込されているかの確認を毎朝しています。
(会計仕訳で言えば「現預金/売掛金」です)
これには理由があります。
賃貸住宅に住んでいる人にとって「家賃の支払いが遅れる」というのはかなりの緊急事態だからです。
失業や借金など、その人の経済状況になんらかの変化が生じている可能性が高いでしょう。
なので、もし家賃振込が遅れている入居者がいたら、
すみやかに営業チームに連携し督促をかけてもらわなければいけません。
こういった動きが遅くなると、大家さんとの信頼関係が損なわれてしまいます。
なので、経理と営業で連携しながらスピーディにやらないといけない仕事なのです。
その他、月末には当月支払い分の請求書をまとめ、修繕業者などへの振込を行っています。
単調なルーティーンに見えるかもしれませんが、
中には不動産設備などの高額な支払いが発生することもあります。
大きな金額が動く場合には、ミスがないように集中力が求められますね。
給与計算(年末調整)や社会保険関係の業務
私が働いている不動産会社では、給与計算や年末調整、社会保険関係の事務も経理の仕事です。
(この辺りは、会社によって人事総務部が別にあるケースもあります)
これは社員全員の給料にかかわる仕事ですから、万が一にもミスがあると大変です。
給料の金額がいつもと違う…なんてことがもし続いたら、
そんな会社すぐ辞めたくなっちゃいますよね。
12月には従業員から扶養控除等申告書を集め、年末調整を行います。
そして1月には給与支払報告書や法定調書の作成があり、経理にとって年末年始はとても忙しい時期です。
社会保険手続きも、従業員の手取り給料に反映されるので、1円たりとも間違いは許されません。
労働保険の年度更新や、社会保険の算定基礎届なども経理が担当
6月に行う労働保険の年度更新や、7月上旬の社会保険算定基礎届、
賞与支給日から5日以内に提出する賞与支払届も経理担当者が処理しています。
従業員数が少ないので、一つ一つのボリュームは少ないです。
私の勤めている不動産会社では社会保険労務士のチェックはないので、
国税庁や厚生労働省の手引きを基に、経理担当者が責任を持って処理することが求められます。
ただし、税金にかかわる業務については顧問税理士に質問できる環境なので、例年と違うところは必ず確認するようにしています。
毎月の社会保険料の支払いは口座振替の設定をしているので、何もすることはありません。
住民税や給与はネットバンキングから振込をし、労働保険については銀行に行って納付しています。
月次決算・試算表作成業務
一般的に、月次決算や試算表作成業務は重要な経理業務ですが、現在の私の会社では行っていません。
(月次決算をせず、半年に1回の中間決算と、1年に1回の本決算のみ行っています)
ただし、会社の預金口座がどれくらい動いたかは定期的に社長に報告しているので、社長はだいたいの収支を把握しています。
予想と違う動きをしていると詳細を求められることもありますね。
そのときは、ネットバンキングで明細を確認し、請求書や領収書があれば付け合わせをして報告します。
このあたりの月次業務の扱いは、大企業の経理担当者からすると「信じられない」と感じる部分かもしれません。
小さい会社の経理というのは良くも悪くもそんなものです。
上場企業など大企業経理の仕事内容について興味のある方は、
↓下記の記事も参考にしてみてください。
-
大企業(上場企業)の経理はきつい?激務でしんどい?求められる仕事レベルとは
「大企業(上場企業)の経理はきつい?激務って本当?」この記事では、上場大手企業の経理と中小企業の経理の仕事内容の違いについて解説しています。大手企業経理の平均年収や転職活動のポイントについても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
続きを見る
年次決算と税務申告
不動産経理の仕事内容の中で、年次決算と税務申告は最も重要かつ大変な業務です。
(これはどんな業界の経理でも同じかもしれません)
1年間の全取引をチェックし、貸借対照表や損益計算書を作成します。
1年間の利益額を算出して税額が計算し、納税が完了したら、経理の1年間の仕事のサイクルが完了です。
もっとも、私の会社では、税金の計算(法人税・消費税の申告書作成)は、顧問の税理士さんの仕事です。
決算整理仕訳を入れて、決算書のデータが作成できた時点で私(経理)の決算作業は終わり。
そこから全体的なチェックを税理士さんにしてもらって、最終的に税額計算を確定するのも税理士さんの仕事です。
(納税については、税理士さんが申告をしたあと、e-taxを使って自分たちで納付しています)
経理の「実務経験者」として扱ってもらうためには、税金の計算もできなきゃダメ?
確かに、転職活動では「経理の実務経験があるかどうか?」は、
「決算業務の経験があるか」によって判断されることも多いでしょう。
ただ、経理の実務経験がかなり豊富な人であったとしても、
法人税や消費税の計算まで全部できるという人はかなり少ないのではないでしょうか。
なので、上で説明した私のような決算との関わり方(自分の作業は決算書を作るところまでで、そこからは顧問税理士に丸投げ)であったとしても、
経理の実務経験者として扱われるケースが多いと思います。
特に、中小企業ではほぼすべての会社で顧問税理士がいて、
税金計算については税理士さんが担当することがほとんどです。
「経理の実務経験にあまり自信がない」「税金の計算まではできない」という人であっても、
決算整理その他の作業に何度かかかわった経験がある人なら、
転職活動では「経理の実務経験者」として自信を持って応募して大丈夫だと思いますよ。
不動産業界で発生する会計処理(会計仕訳)は独特で難しい?
不動産業界で発生する会計処理(経理処理)はちょっと特殊です。
経理の実務経験者でも「難しい」と感じることがあります。
これは、不動産特有の取引や契約が多く、一般的な会計処理とは異なる点が多いためです。
以下では、不動産経理の独特の処理方法について、具体例を挙げながら解説していきます。
不動産経理でよく見かける会計仕訳と勘定科目の具体例
不動産経理ならではの会計仕訳は、賃貸や売買などがあります。
賃貸では、毎月の家賃・駐車場代を「賃料収入」「駐車場収入」と計上します。
大家と入居者の間を取り持つ、客付け仲介業者への手数料は「支払手数料」と仕訳をします。
さらに、賃貸物件を維持するための費用である「管理費」、漏水工事などの修理には「修繕費」などがあります。
金額の大きい設備の購入や、エレベータの設置で資産価値が向上する工事だと、費用ではなく固定資産に計上しなければなりません。
次に売買では、建物を購入したら「土地」と「建物」に分けて仕訳をします。
それぞれの購入にかかった費用も「土地」「建物」に計上しなければなりません。
例えば、仲介業者に払う仲介手数料も「土地」と「建物」に按分して取得費用に含めます。
ただし、建売をして儲けている不動産会社の経理では、資産計上しないので注意が必要です。
不動産物件(土地や建物)購入時の会計処理
不動産物件の売買取引では、多額の資金が動きます。
中小企業でも数千万円単位の入出金は日常茶飯事ですし、物件の売買を行う際には、数億円単位の取引が発生することもあります。
物件購入時には、取得費用や仲介手数料、修繕費用などを正確に分けて仕訳しなければならず、一つのミスが大きな影響を及ぼすことがあります。
金額のミスがあると、納税額にもとても大きな影響が出てしまいます。
これは経理として絶対に許されませんから、仕訳処理は慎重にやっていく必要があります。
賃貸物件の管理に関しる会計処理
また、自社が所有している賃貸不動産物件の管理でも、やや特殊な会計処理が発生します。
毎月の家賃収入や管理費の計上、修繕費用の処理などは、それぞれの契約内容によって処理方法が異なり複雑です。
これらの業務を通じて、不動産特有の会計処理の難しさを痛感し、専門知識の重要性を再認識しました。
不動産業界の会計処理は確かに独特で難しいですが、その分、専門性を高めることで他の業界では得られない経験やスキルを習得することができます。
それでも、慎重に正確な処理を行うことが求められます。
消費税の取扱いに注意
不動産業界での会計処理において、消費税の取扱いは特に注意が必要です。
これは、不動産取引が高額であることもありますが、不動産取引では、取引内容によって適用される税率や非課税取引が異なるからです。
例えば、賃貸物件の家賃収入は消費税が非課税ですが、共益費や駐車場収入は消費税の課税対象となります。
また、不動産の売買に関しては、建物部分には消費税が課される一方、土地部分は非課税です。
これらの消費税の処理は、税務調査でも重点的にチェックされるポイントなので、経理担当者としては正確な処理が求められます。
(これを誤ると税務調査で指摘を受けるリスクが高まります)
以下は消費税処理についての私の失敗談です…。
クレジットカード会社に支払う決済手数料は非課税ですが、課税取引として仕訳してしまったことがあります。
決算の見直しの際に、税理士の先生が気付き慌ててすべて修正をかけました。
申告漏れの場合、加算税が発生する可能性があり、会社の損失につながるミスでした。
これは完全に知識不足によるミスでしたが、知らなかったで済まされることではありません。
経理は単なるルーティーンとして処理するのではなく、常に疑問を持ち続けることが求められる職種だと気がつきました。
固定資産管理(建物や土地、設備など)にまつわる会計処理
建物や設備などの固定資産管理も複雑です。
固定資産の取得、減価償却、売却などにあたって、複雑な処理が必要になります。
固定資産は金額がとても大きいですから、実際の状況と会計帳簿に差異があると大変なことになります。
貸借対照表が企業の財務状況を正確に反映していないこととなり、社長の経営判断の誤りにつながってしまうでしょう。
毎年固定資産台帳を更新し、各資産の取得価額、減価償却費、残存価額を正確に記録していくことが重要になります。
新しい建物を購入した際には、その取得価額を建物勘定に計上し、毎年決められた耐用年数に基づいて減価償却を行います。
設備の修繕費用が発生したときには、その費用を資本的支出として処理するのか、単に修繕費として費用処理するのかを正しく判断する必要があります。
前任者のずさんな処理で大混乱…なんてことも
私が働いている不動産会社では、各マンションの建物や設備が数多く固定資産台帳に登録されています。
前任者が登録した名目では何を指しているのか分かりづらく、除却するものがないか確認するときに苦労しました。
例えば「改装工事」とだけ登録があり、
一体なんのこと?と、まったく見当もつかず、当時の資料を探し当てて調べなければなりませんでした。
経理の処理は「継続性の原則」が重要ですから、後から誰が見ても分かりやすく管理する必要があるのです。
不動産会社の決算整理仕訳ってどんな感じ?
私の会社では、ごくオーソドックスな決算整理仕訳(外貨預金の換算替えや借入金の利息計算、未払金計上など)を行っています。
その他「これは不動産会社独特の経理処理かな」と思う部分で言えば、
↓以下のようなことがあります。
不動産経理では決算月に、実際の現預金の動きに合わせて、各入居者の賃料を正確に計上しないといけません。
例えば翌月分をもらっているなら、その金額を集計して前受金計上を行うといった具合ですね。
その他にも、決算時点で預かっている敷金が、帳簿や契約書での取決め内容と合っているか?の確認作業もあります。
これらについて、どういう会計仕訳を計上しているか?は、会社によってかなり違うと思います。
(私の会社も、会社独自の仕訳方法をしている箇所が多く、入社1年目はそれを解読するのに苦労しました)
ただ、基本的に前年以前の処理がどうなっているか?を調べて同じ処理をすれば問題ありませんし、
顧問税理士さんもチェックしてくれるので、そこまで負担は大きくなりません。
経理の仕事にとって、一番しんどい期間は「入社1年目」だと思います。
逆に言えば、2年目以降は基本的に同じことの繰り返しですから、どんどん楽になっていくことが多いですね。
不動産経理に求められる資格やスキルセットとは?
1. 簿記は日商二級程度の「知識」が目安
簿記はどんな業界で働く経理でも必須ですが、
求められる資格スキルとしては、日商簿記2級と同等程度の「知識」が重要です。
検定試験に合格している必要はないと思います。
中小企業の経理の場合、実務で重要なのは「知識があるか?」です。
「簿記2級に合格済み」と履歴書に書けるかどうか?はそれほど重要ではないのです。
基本的な会計仕訳や、帳簿の意味を理解できている人なら、
たとえ簿記3級も持っていない状態でも、
不動産経理として採用される可能性は十分あるでしょう。
私も一社目の不動産会社には未経験簿記資格なしで入社しました。
今の二社目の不動産会社でも、「簿記資格なし、実務経験もなし」で経理入社した人は過去にたくさんいますし、
実際に私の同僚は入社当初はそういうスキル状態だったそうです。
もちろん、1つの求人にたくさんの応募者が殺到するような大手不動産企業の経理の場合には、
簿記二級の有無が「足切り基準」になるようなケースもあるかもしれません。
ですが、少なくとも私の会社のような中小規模の不動産会社では、そういう経理採用の仕方はしていないですね。
重要なのは、少しでも早く経理入社して実務経験者になること!
大企業は別ですが、中小企業の経理では、未経験でも数カ月もすれば、日常業務を一通り習得することができると思います。
逆に、簿記の勉強をどれだけ一生懸命やっていても(たとえ1級に合格しても)、
実務経験がなければ、いつまでたっても経理の未経験者扱いから抜け出すことができません。
これはものすごく損ですね。
これから転職活動する人は「絶対に簿記2級を取ってからじゃないと就活は始められない…」とかは思わない方が良いです。
(ネットでは「2級ぐらい持ってないと相手にすらされない」みたいな口コミを書いている人もいますが、実態は全く違います)
合格は入社後でもまったく問題ないので、まずは現場に入り込んで、少しでも早く実務経験を積み始めることが大切だと思いますよ。
経理の現場で「簿記資格の有無がどう評価されるのか?」については、下記の記事がくわしいです。
-
経理で「簿記資格を持ってない」はやばい?評価されない?
「経理で簿記を持ってないのはやっぱりやばい?未経験で経理に採用されるには簿記2級は必要?経理を目指して転職活動するなら簿記に合格してからの方がいい?」この記事では、経理転職における簿記資格の扱いについて解説いたします。
続きを見る
2. PCスキルは会計ソフトとExcel
不動産経理に限らずですが、経理の仕事はパソコンなしでは何もできません。
ひと昔前は「手書きの帳簿…」なんてこともあったみたいですが、
現在はよほど古い会社じゃない限りそれはありえないでしょう。
少なくとも私が6年前に経理の仕事を始めてからは、会計帳簿や資料はすべてパソコン処理です。
とはいっても、あれもこれもスーパーマンみたいにできないとダメ…なんてことはまったくないです。
↓具体的には以下の2つに慣れておけばPCはほぼ問題なしかと思います。
- 会計ソフトの基本操作
一番重要なのはこちらです。
会計ソフト(アプリ)は誰でも無料で使えるので、使ったことがない人は家計簿がわりに使い慣れておきましょう。 - エクセルの基本操作
会計ソフトの補助的な使い方をすることが多いです。
基本的なエクセル関数と、できればピボットテーブルができるとより良いです。
簿記で習う「仕訳帳」や「総勘定元帳」などの主要簿は会計ソフトで作っていきます。
(会計ソフトの入力データをもとに、最終的に貸借対照表や損益計算書といった決算書を作ります)
Excel(エクセル)は、会計ソフトの補助として使うことが多いです。
基本業務は会計ソフトでやって、必須ではないけれどあったらより役に立つ資料レポートを、エクセルを使って作るみたいな感じですね。
会計ソフトを家計簿がわりに使っておこう
経理にとって、一番重要なパソコン知識は会計ソフトです。
現在、経理の現場はこの会計ソフトを中心に動いている会社がほとんどです。
経理の現場に入ったら、会計ソフトと一日中にらめっこしながら仕事をする感じですね。
会計ソフトを事前に触ったことがあるかどうか?によって、
経理の仕事に慣れるスピードにかなりの差がつくのが実際のところです。
はっきり言って、簿記知識がたくさんある人より、
会計ソフトを使い慣れている人の方が、現場では評価が高いです。
(少なくとも入社してすぐの頃は)
経理未経験者の方は「会計ソフトって何?」と思われるかもしれませんが、
これは要するに「企業版の家計簿アプリ」みたいなものですね。
小さい規模の会社では、会計freee(フリー)やマネーフォワード、弥生会計を入れているところが多いでしょう。
特に、会計freeeは誰でも無料で使えるお手軽アプリなので、
これから経理を目指す人は、家計簿がわりに使って使い慣れておくのが良いです。
>>会計freeeアプリを家計簿がわりに使ってみる(無料アプリです)
不動産経理の現場で使うエクセルはこんな感じ
不動産経理の業務では、会計ソフトのデータをエクセル出力し、
マンションごとに家賃収入と支出をグラフ化する、みたいなことが多いです。
これは営業課がデータ分析するための資料として使われます。
「ここのマンションは収入の割に修繕費がかかりすぎているな」と収支状況を把握することができ、間接的ではありますが収益向上に貢献できますよね。
パソコンが苦手な人は頭がいたいかもしれませんが、実際にはこれはそんなに難しい作業ではないです。
VBAやマクロなどの知識までは必要ないと思います。
合計や平均などの基本的なエクセル関数で十分だと思いますが、できればピボットテーブルを使えると、アピール材料になるでしょう。
3. 不動産業界についての基本知識があること
不動産経理として働くなら、不動産業界についての基本知識を持っておくと良いでしょう。
ひとくちに「不動産会社」といってもいろんな業種があります。
↓おおまかに分けると、以下の4種類の不動産会社がありますよ。
- 不動産売買会社
不動産売買会社は、土地や建物を買ったり売ったりする会社です。
良い物件を見つけて安く購入し、それを他の人に高く売ることで利益を得ます。
例えば「1億円で土地建物を買って、1億5000万円で売ったら5000万円の利益が出る」みたいな商売をしています。
次の「仲介」との違いがわかりにくいですが、売買会社は「自社の所有物として物件を買ったり売ったりする会社」である点が異なります。 - 不動産仲介会社
不動産仲介会社は、物件を売りたい人と買いたい人、または貸したい人と借りたい人をつなげる会社です。
自社の所有物として取引するのではなく、お客さんが売ったり買ったりするのをサポートする点で、1つ目の「売買会社」と異なります。
売主・買主それぞれに物件の情報を提供したり、取引がうまくいくように契約書を作ったりといったサポートをします。
不動産仲介会社はこれらサポート業務の報酬として、仲介手数料を受け取ります(これが不動産仲介会社の収入となります)つまり、不動産の取引を手助けする専門家です。 - 不動産管理会社
不動産管理会社は、不動産物件の所有者(いわゆる大家さん)に代わって、物件の管理をする会社です。
建物のメンテナンスや掃除、賃料の集金、テナントの対応などを行います。物件の価値を保ち、快適な住環境を提供することが目標です。言い換えれば、物件のお世話をする会社です。 - 不動産賃貸会社
不動産賃貸会社は、自社の所有物件を他の人(テナントや居住者)に貸し出すことで収益を得ている会社です。
賃料(家賃)を少しでも高く設定できるか、少しでも多くの借り手を探し出すことができるか、によって賃貸会社の業績は決まります。
特に、空室が出るとその物件からの収入はゼロになってしまいますから、空室を少なくするための工夫を行うことがとても大切になります。
1つの不動産会社が、複数の業種部門を持っていることもあります。
例えば、私が働いているのは不動産賃貸会社ですが、同時に不動産管理会社でもあります。
賃貸会社としては、自社で所有しているマンションやテナントで賃貸業をおこなっており、家賃収入が主な売上です。
その一方で、お客さん(大家さんたち)の物件管理でもお金を得ているので、不動産管理会社でもあるのです。
こういった「不動産の基本的な知識」については、
FP(ファイナンシャルプランニング技能士)のテキストがわかりやすいのでおすすめです。
FP技能士は他にも会計や税金についての知識を広く浅く学べるので、経理で働く人におすすめの資格と言えますよ。
-
経理に必要な資格は?簿記以外でおすすめはこれ!転職を有利にしたい人へ
「経理に必要な資格はどんなもの?簿記以外で勉強するならどれがおすすめ?」この記事では、経理担当者として働くことを目指す人向けに、おすすめの資格・検定試験を紹介しています。1年以内の勉強で無理なく合格できるものを中心に紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
続きを見る
どういう業種の不動産会社に入るか?は大切(社風が違う)
どの不動産業種なのか?によって、日常的に行う会計処理がかなり違ってくるので、
勤務先としてどういう不動産業種の会社を選ぶか?は大切です。
(経理として積める実務経験の内容もかなり違ってきます)
また、業種(上で見た4つのどれか)によって、不動産会社の社風は微妙に違うことも知っておくと良いでしょう。
例えば、売買会社は営業マンのノルマが非常に厳しいイメージがありますね。
その代わり、成果を出せる営業マンはものすごく稼ぐ人も多いです。
賃貸会社や管理会社は、物件や大家さんから毎月安定して収入があるため、
売買業社や仲介業者に比べて、比較的穏やかな雰囲気の職場であることが多いと思いますよ。
4. 職場コミュニケーションをそつなくこなせること
上でも書いたことなのですが、不動産会社の職場では良くも悪くもコミュニケーションがかなり活発です。
不動産営業さんたちは明るく元気な人たちが多いので、彼らとそつなくやりとりできることは必要ですね。
これは、単に「他人と仲良くする/しない」という問題ではありません。
営業担当者とのコミュニケーションを細かくとっておかないと、
経理としてミスや責任を追及されてしまう可能性があるためです。
経理は帳簿を作るだけではなく、会社の実際のお金の動きを把握するのも仕事です。
上で見たように、管理している物件の入居者の家賃引き落としが滞ったような場合には、
すみやかに営業さんに伝えないと「なんで早く言ってくれなかったの?」と注意されるようなこともあります。
他にも、社長は資金繰りを常に気にしていますから、大きな金額の入出金があったような時には伝えるようにしています。
決算については、私の会社では顧問税理士さんとの連携が大切です。
というか、基本的には指示された資料をスピーディに出すことだけが経理の仕事で、税金の計算は税理士さんに実質丸投げですね。
ただ、正しい資料を早めに提出してあげないと、納税期限ギリギリになって納税額が変わってしまい、
社長の資金繰り把握にも影響を与えて叱責される…なんてこともありますので中が必要です。
経理が不動産業界で働くメリット
1. 不動産会社の特殊な経理処理に習熟できる
すでに見たように、不動産経理は特殊な会計処理が少なくありません。
物件の売買や賃貸にともなって、複雑な仕訳処理が発生しましすし、
不動産(土地や建物)という超高額で特殊な売り物を扱うことから、
固定資産管理や減価償却の計算、さらに消費税の扱い方などに強くなれるでしょう。
不動産業界は今後もなくなることがない業界だと思いますから、
不動産業界専門の経理としてキャリアアップしていくという選択肢は大いにありですね。
規模の小さな企業の場合、給与計算や社会保険業務も経理の担当となることになりますから、幅広い経理スキルを身につけることができるでしょう。
(経営者である社長とも近い距離で働けるので、いろいろ勉強になります)
2. マイホーム購入や不動産投資を考える人はメリットも
不動産会社で働いていると、プライベートで役立つ情報をいろいろ得られるのもメリットです。
不動産物件は「千三つ(せんみつ)」といわれることもあります。
これは、「本当に美味しい不動産物件は1000個のうち3個ぐらいの割合でしかない」という意味で、
収益性の高い不動産物件って不動産業界関係者じゃないとなかなかお目にかかれないんですね。
これからマイホーム購入を考えている人や、
不動産投資に興味がある人は、不動産業界関係者じゃないと得られないおいしい物件情報が入ることもあるでしょう。
実際、不動産業界に長くいる人の多くは良い家に安く済んでいますし、サラリーマンをやりながら副業で大家さんをやっている人も多いですよ。
3. 賃貸アパートを借りるときにもメリットが
賃貸アパートを借りて住む場合も同様です。
私の場合ですが、仕事で賃貸契約書を見ているうちに、
どこが重要でどこらへんに何が書いてあるのかすぐに分かるようになりました。
アパートを借りるときには、大家さんと賃貸借契約書を交わします。
慣れていない人には、小さい文字でツラツラ書いてある契約書は見づらいものです。
この契約書って「知識不足につけこんで、入居者に不利な契約(大家さんに有利な契約)になっている…」
なんてことが少なくないんです。
例えば敷金についてです。
賃貸借契約書の「敷金」の項目に、退去時に返金する旨の記載がされていたとしても「特約事項」があったら要注意です。
「特約事項」に「敷金を償却する」と書かれていたら、退去時に敷金の返金は1円もありません。
こんなふうに、「特約事項には重要なことが書いてある」ということを知っておくだけでも、
入居者にとって不利な契約かどうか?がパッと判断をつけられるようになるのです。
不動産会社の経理として働いていると、こんなふうにプライベートで役に立つ場面があると思いますよ。
経理が不動産業界で働くデメリット
1. 経理経験者でも、仕事に慣れるまで時間がかかるケースも
上で見たように、不動産経理は特殊な仕訳も多いです。
他業界で経理の実務経験が豊富な人でも、
不動産会社では経理処理に慣れるまで時間がかかるケースがあるかもしれません。
あと、不動産会社の経理は、不動産の契約手続きに関わることも多いです。
契約書で「この期日までに、手付金としてこの金額の入金をしてください」となっているようなことも多く、その入金チェックを行うのは経理です。
チェックが終わったらすみやかに営業さんに伝えないと、
モタモタしてお客さんに不快感を与えてしまい、結果的に契約が流れる…なんてことにもなりかねません。
(営業さんに文句を言われます)
不動産会社はひとつひとつの契約金額が非常に大きいですから、
このあたりは緊張感を持って業務に取り組む必要がありますね。
2. 不動産会社の「体育会系の雰囲気」にのまれがち
上でも見たように不動産会社の職場の雰囲気(社風)は、基本的に体育会系であることが多いです。
経理は事務職なのでノルマなどは存在しませんが、
一緒に仕事をする営業さんたちはかなりのストレスの中で仕事をしています。
目の前で営業マンが社長に怒鳴られている…なんて場面にもよく遭遇しますから、繊細なタイプの人はつらいかもしれませんね。
こうした雰囲気の中でも飲まれることなく、
彼ら(体育会系な人たち)とのコミュニケーションを楽しみながら仕事をできるタイプの人が、
不動産経理の仕事には向いていると言えるでしょう。
3. クレーム電話の「一次受け」がストレスになることも
また、意外にストレスになるのが、大家さんや入居者からのクレーム電話。
処理をするのは営業さん達なんですが、事務所にかかってくる電話を一次受けするのは経理や事務スタッフです。
担当の営業さんがなかなかクレームに対応してくれないと、
「どうなっているんだ!対応が遅い!」
と、さらにヒートアップした入居者の電話対応をする羽目になります。
このあたりは営業さんと日頃からコミュニケーションをとっているかどうかによって違いが出てくるところです。
一緒の職場で働く仲間ですから、お互いに助け合える関係を築いていくことは大切ですね。
不動産経理の転職活動(最短かつ好条件で採用されるコツ)
以下では、不動産経理への転職活動に成功するコツについて、私なりの見解を書いていきます。
私は経理として不動産会社は2社経験しています。
一社目はこの業界の特徴などについてあまりよくわかっていなかったので、
ブラックな不動産会社に入ってしまった…という苦い思い出があります。
その一方で、二社目では「次は絶対にホワイト環境で働きたい!」と考えながら慎重に転職活動を進めたので、
結果的に一社目よりもかなり良い条件で働けるようになりました。
経理は、未経験者/実務経験者ともに、少しでも良い条件で働くためにはコツがあります。
そのあたりのことを実体験ベースで書いていきますね。
1. 志望動機・自己PRの書き方や面接での伝え方を知っておく
志望動機や自己PRは、書類選考/面接対策いずれにおいても重要です。
↓志望動機作成のポイントとして、以下の2つの「なぜ」が明確に伝わるようにしましょう。
- なぜ、経理という職種で働きたいのか?(別の職種ではなく)
- なぜ、不動産業界で働きたいのか?(別の業界ではなく)
経理という志望職種、不動産という志望業界の2つについて「なぜその選択をしたのか?」を考えてみてください。
もちろん、現時点では「そんなにたいした理由なんてないし、なんなら経理としてまともな環境で働けるなら、正直、会社はどこでもいいんだけど…」と思っている人も多いと思います。
それはそれでOKです。
転職活動を進める中で、イヤイヤでも志望動機を書く必要が出てきた段階で、
「なぜ、自分はあえてこの不動産会社の経理求人を選んだんだろう?」と考えてみればいいのです。
つまり、書類選考や面接対策を「自分のキャリアについて深く考えるきっかけ」にするといいと思うんです。
面接や書類選考って、通過儀礼みたいなものです。
この通過儀礼をスタート地点にして、
自分の志望動機をしっかり考え、
仕事への意欲を高めた状態で入社するのが大切です。
自分がなぜ、他の仕事ではなくて、経理の仕事をやりたいのか?
なぜ、他の業界ではなくて、不動産業界に興味を持ったのか?
ちょっとだけ時間をとって考えてみてください。
(まちがえても「ChatGPTを使って志望動機を作っちゃおう…」なんて考えないでくださいね)
志望動機や自己PRを考えるのなんて、はっきりいってめんどくさいですよね。
ですが、このちょっとめんどくさい作業をしっかりやっておく人と、
そうでない人とでは、面接まで進んだ後の採用可能性がかなり違ってくるのはまちがいありません。
ほとんどの人は「別に大した志望動機なんてないし…」という状態でなんとなく面接にのぞむものです。
そんな中で、あなただけはしっかりと志望動機を考えて面接の場に行くことができれば、
他の採用候補者(あなたのライバル)に大きな差をつけることができますよ。
また、入社前にこういったことをしっかり考えておくことで、高いモチベーションで仕事をスタートすることがでるでしょう。
特に未経験で挑戦する場合にはやる気とモチベーションは大切です。
転職活動のタイミングで「なぜ経理?なぜ不動産業界?」という問いを、
自分の中でしっかり言語化しておくと、職場の先輩たちにも早いタイミングで受け入れてもらえると思いますよ。
経理未経験者の志望動機例文
とはいえ、この説明だけではモヤモヤしてしまう方も多いと思いますから、
以下では具体的な志望動機の作り方について、例文つきでもう少し突っ込んで解説します。
1点目については、経理の実務経験者であればそれほど悩むことはないでしょう。
これまでやってきた経理という仕事について、自分がやりがいを感じていることや、
「過去にこういうがあったから、この仕事が好きです」という具体的なエピソードを伝えると良いです。
一方で、経理未経験者の場合は、この部分をかなりしっかり考えておく必要があります。
なぜ、経理という職種に興味を持ち、自分の仕事にしたいとまで思ったのか?をしっかりと言語化しましょう。
「簿記の勉強をしていて、興味を持ったから」ではちょっとインパクトが弱いです。
なんなら「私はお金が大好きです。なので、お金に直接関わる仕事をしたいと思いました」と伝えた方が印象に残るかもしれませんね。
↓たださすがにそれはちょっと…と感じる方は、
以下のような志望動機の例文を参考にしてみてください。
1. なぜ経理?に答える
前職では10年間にわたって一般事務の仕事をしていました。
具体的な仕事内容は、電話応対や来客応対、データ入力や書類チェック、発送業務などです。
データ入力業務では膨大な作業量かつ細かい数字を扱っていましたが、入力ミスしたことはありません。
正確性と緻密な作業には自信があります。
これまで、事務職としてミスのない正確な仕事をすることと、職場の同僚や営業さんたちとコミュニケーションをとりながら働くことにやりがいを感じてながら仕事をしてきました。
ただ、事務の仕事を長いことやってきたのに「自分の専門分野はこれ!」と他人に自信を持っていえるものが何もないことに、正直にいって不安を感じるようになったんです。
事務職をまがりなりにも10年やったのをきっかけにして、何か専門的なスキルを身につけられる仕事に挑戦してみようと思い、候補として見つけたのが経理のお仕事でした。
ちょっと変な言い方かもしれませんが、私は「お金の流れをおいかけること」が大好きなんです。
銀行通帳を見て「この引き落としってなんだろう?なんで前月と金額が違うのかな?」といろいろ想像しながら原因を突き止めたり、
生活費がちょっとでも安くなるように、携帯電話や電力会社の契約書を引っ張り出してきて、もっと安いところはないかな?と見直したりする作業が大好きなんです。
お金について興味を持って取り組む中で「どうせなら何かお金にまつわる資格の勉強も始めてみよう」と思い、簿記の勉強を始めました。
現在は、今年6月の日商簿記2級の試験に合格するために、通信制の資格スクールを受講して勉強をしています。
経理として実務未経験ではございますが、入社後になるべく早いタイミングで戦力となれるよう、精一杯尽力したく考えております。
2. なぜ不動産業界?に答える
私はいま、賃貸アパートを借りて住んでいます。
生まれて初めて一人暮らしをするために今のアパートを借りたのですが、実際に契約まで進むまでは「こんなに手続きがたくさん必要なんだ」と驚きました。
正直に言って、賃貸借契約書の内容もチンプンカンプンだったのですが、
当時の私の担当営業さんが、かんで含めるように契約内容を説明してくれたおかげで、安心して今のアパートに入居することができました。
私が不動産会社の仕事に興味を持ったのは、このときです。
「人が安心して住める場所を提供する」という、生活に密接にかかわる不動産の仕事は、社会にとってとても大切な仕事だと感じています。
経理の実務経験者の志望動機例文
経理経験者であれば、前職でやってきたことを最大限アピールしましょう。
私は6年間経理に従事し、仕訳入力や決算書作成、給与計算や納税など幅広く経理業務を担当しておりました。
御社では連結決算や財務も担当できるとのことで、経理としてスペシャリストへ成長でき、経営戦略にまで関れるため志望いたしました。
前職では経費削減に向けてペーパーレス化に取り組んだ結果、業務効率改善にも成功しました。
このような経験を生かし、御社でも経費削減や売上アップに貢献したいと考えております。
御社のホームページをすみずみまで拝見しました。
お客様にとっての人生の一大イベントである「マイホーム購入」をサポートすることに、長年熱意を燃やしていらっしゃる御社の姿勢にとても共感しました。
これまでの経験を生かしてやりがいのある仕事ができると感じています。
採用ご検討のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。
経理の未経験者/実務経験者別に、
↓さまざまな志望動機の書き方例文を下記の記事でまとめました。
いろんな業界の経理職に対応する内容になっていますので、参考にしてみてください。
-
【経理の志望動機】なぜこの会社?なぜ経理なのか?転職面接の質問例
経理面接でよく質問される内容として「なぜ、この会社を志望されたのでしょうか?」というものがあります。この質問では、あなたがどのぐらい入社意思が強いのか?が見られています。質問の返答につまってしまうようでは熱意を疑われてしまいますから、スムーズに受け答えができるように志望動機を準備をしておきましょう。
続きを見る
2. 経理未経験者が最短で採用されるにはコツがある
経理未経験者が不動産経理として最短で採用されるためには、いくつかのコツがあります。
まず、基本的な会計知識を身につけていることをアピールするのが大切です。
簿記2級以上にすでに合格していることが望ましいですが、もしまだ簿記の勉強を始めたばかりなら、
「次回⚫︎月の2級試験に挑戦する予定です」といったように、すでに勉強をかなりの程度進めていることを伝えてください。
こうすることで、自主的に学習する姿勢をアピールすることもできるでしょう。
また、経理の仕事は未経験であっても、関連する事務職のスキルや経験をアピールすることで、未経験でも採用されやすくなります。
前職での事務経験やPCスキルを強調し、Excelや会計ソフトの操作に慣れていることをアピールするのが良いでしょう。
経理未経験者がゼロからキャリアスタートするための方法を以下の記事で解説しています。
これから経理の仕事に挑戦する方は、ぜひ参考にしてみてください。
-
経理の実務経験を積むには?未経験者も採用される7種類の求人を紹介!
経理の実務経験を積むには?経理は「実務経験2年以上必須」など未経験にきびしくて経験を積めない…どうしたらいい?この記事では、未経験の社会人がゼロから経理への転職を成功させる方法を解説しています。これから経理としてキャリアスタートしたい人はぜひ参考にしてみて下さい。
続きを見る
-
経理は未経験20代後半でも転職可能。簿記資格・スキルなしで就職成功する方法
「経理に興味があるけど、今は実務未経験で資格もなし。年齢も20代後半になってしまった…。こんな自分でも経理に転職することはできる?」この記事では、未経験・簿記資格なしで経理への転職を目指す方向けに、転職活動のポイントを解説いたします。
続きを見る
3. つぶしのきく経理こそ「働く業界」をしっかり決めるべし
経理って「つぶしのきく職種」と言われることが多いですよね。
確かに、経理がない会社なんて存在しませんし、どこの業界でも必ず経理部署があります。
なので「経理という職種につけるならどんな業界でもOK」と考える人も多いのですが、私はこれをおすすめしません。
「自分は経理として『この業界で』働く!」ということをしっかり決めて、キャリアを構築していくのが大切だと思うんですね。
これを徹底しておくと、単に経理経験者として評価されるかではなく、
業界の経験者としても評価されるので、キャリアアップがスムーズにいくんです。
私自身、経理としては不動産業界2社を経験しました。
1社目に入職するときは正直言って「経理やれるならどこでも」という感じで就活しましたが、
2社目に転職するときは「不動産業界の経理」にだけしぼりこんで経理求人を探しました。
結果的には残業がほぼゼロになり、年収もアップできたので、まずまず転職成功かなと思っていますよ。
もちろん、私はそんなに年収高くないですし、
経理としてもっと上を目指すよ!という人はいると思います。
(それはそれでOKです)
あくまでも「私の場合はひとまずこれでよかった」と感じているという話です。
どういう仕事をするか?どういう待遇で働くか?は、
人それぞれのニーズに合わせて決めるのが大切ですからね。
まとめ
この記事では、不動産経理の仕事のきついところ、
楽しいところなどを現場で働くいち経理スタッフの体験談として書きました。
↓最後に、1点だけ注意点ありです。
本文でも説明したように、入社する不動産会社をどこにするか?にはくれぐれも注意してください。
中には「経理スタッフなんて使い捨て」みたいに思っているブラックな不動産会社もあるからです。
(私が入社した一社目の不動産会社のように…)
せっかく不動産業界や経理という仕事に興味を持たれたのですから、
しっかりとお金を稼ぐことができ、少しでもストレスの小さい職場に転職しましょう。
この記事が、あなたのキャリアパスを見つけるきっかけになれば嬉しいです。
(追伸)労働環境が劣悪な「ブラック経理」で絶対働きたくない人へ
いま経理として働いている人も、これから働く人も、
労働環境が悲惨なブラック企業にまちがえて入社しないよう注意してください。
経理って入社する会社によって労働環境がぜんぜん違う仕事です。
自分の勤務先として選ぶ会社をまちがえてしまうと、
ブラックでつらい働き方になってしまうことがあるので注意してください。
例えば、スキルや学歴がまったく同じ人でも
↓こんなふうにスタート地点からすでに差がついてしまうことがあるんです。
(まさに天国と地獄…)
- ゼロから仕事を教えてもらえる環境で年収400万円でスタートな人。
- 何もわからない状態でいきなり現場に放り出され、しかも年収264万円でスタートする人…。
↓実際の求人をお見せするとこんな感じ。
どちらも未経験OKの求人なのに、
入社時の条件がまったく違いますよね。
↑あえて2つ目のしんどそうな求人(年収264万円〜…)
を選ぶ人はまずいないと思います。
同じ働くなら、お給料はちょっとでも高い方が良いに決まってますよね。
重要なのは、こうした差が
個人の能力の差によって生まれるわけではないことです。
例えば上の2つの求人はどちらも未経験者向けの求人ですが、
未経験者の場合、入社時の仕事の能力なんてみんなゼロで同じですからね。
(経理は実務経験で評価される職種です)
それなのに、入社時のお給料の金額がまったく違うのはなぜなのか?
これは「応募先の企業がきちんと利益を出しているか?」の違いです。
経理って営業マンみたいに個人の成績で給料が決まる職種ではないんですね。
あなたがどんなに優秀な人であったとしても、
勤務先の会社がもうかっていなかったらお給料は低くなります。
逆にいうと、能力的にあまり自信がない人であっても、
良い環境の企業に入ることができれば、
年収で差をつけることができるんですね。
経理はどういう会社を転職先に選ぶか?が、
決定的に重要であることを知っておいてください。
ブラック環境で働く経理は本当に悲惨…
私自身も経験があるのですが、
ブラックな職場で働く経理って本当に大変です。
ろくな新人研修も受けないままいきなり現場に出されて、
「仕事は先輩のマネをしながら覚えてね」
みたいなほったらかし教育をされる危険があります。
当然ながら、そんなかたちで仕事を覚えても、
身につくのは「その会社の中でだけ通用するスキル」だけです。
5年後にどんな差がついているか…。
って考えるとぞっとしますよね。
こういう会社ではしょっちゅう新人が辞めていくので、
「新人なんて育ててもすぐ辞めていくし…」
みたいに考えられているケースも多いです。
新人は使い捨て状態なので、当然ながらお給料も低いです。
逆に、業績の良いホワイト企業では、
未経験者をゼロから育てていくという意識があります。
業績が良いからこそ新人研修にも時間と労力をかけられますし、
未経験でもお給料が良いケースが多いんです。
経理志望者は「どこで求人を探すか?」が決定的に重要
同じ働くなら、しっかりお給料稼げて働きやすい環境でスタートしたいですよね。
まちがえてもハローワークとかで経理求人を探さないように注意してください。
学生の就活とは違うので、リクナビを使うのも避けましょう。
どんなに優秀でスキルが高くて性格の良い人であっても、
経理の求人を探す場所をまちがえてしまうと、
ブラック企業に入ってしまう可能性が高くなります。
逆にいうと、はっきり言ってあんまりスキルが高くない人でも、
ホワイトな職場で良いお給料をもらっているケースはたくさんあります。
転職活動をするときのちょっとしたコツ(求人を探す場所を変える)
を知ってるかどうか?だけで、
こんなふうに差がついてしまうのって理不尽でひどい感じがしますよね。
ですが、はっきりいって世の中なんてそんなもんです。
単に「知ってるか/知らないか」で差をつくことがたくさんあります。
こういうことって社会人やってたらいくらでもあることですから、
不公平だ…!なんて言ってても意味ないです。
(そういうのは政治家の仕事です)
まずはあなた自身が経理として転職を成功させましょう。
私のブログをここまでしっかり読んでくださる方には、
↓ぜひ良い条件で経理への転職を成功させてください。
ヒュープロ(経理専門の無料転職サイト)
経理のホワイト求人多数あり!
ヒュープロは経理専門の無料転職サイトです。
未経験簿記なしで年収400万円〜の求人
実務経験3年で年収600万円〜の求人
在宅もOKのワークライフバランス求人
会計事務所から経理へ転職歓迎の求人
などなど、好条件人が多数ありますよ。
>>10,097件の求人を見てみる
実際の経理求人で年収を見てみよう
上で紹介した経理求人専門の転職サイトなら、
↓例えば以下のようなホワイト経理求人を見つけることができますよ。
- 未経験でも年収400万円〜のホワイト企業求人
- 在宅リモートワークOKのワークライフバランス求人
- ゼロから仕事を教えてもらえる教育環境充実の求人
- 誰もが名前を知る業界トップ企業の経理求人
- 年収600万円スタートの実務経験者むけ経理求人
- 決算前の繁忙期も残業なしなどワークライフバランス型の経理求人
- 将来の管理職候補として入社できる経理求人
- 会計事務所から経理へのキャリアチェンジ歓迎の経理求人
- IPO準備業務の経験を積むことができる経理求人
- CFO直下のポジションで働ける経理求人
今すぐは転職活動できない人へ
なんとなく今の環境に不満はあるし、
一生このままで良いなんてまったく思ってないけど
なかなか重い腰を上げられない…。
いま仕事している人もしていない人も、
↑毎日こんなふうに感じながら過ごしている人がほとんどだと思います。
転職活動なんて、はっきりいってめんどくさいですよね。
特に、条件の良い経理求人は人気ですから、
日常的にこまめに情報リサーチしておくことが大切です。
経理求人専門の転職サイトで年収や勤務地などの条件を入力しておくと、
マッチする求人が出るたびに自動でメール通知してもらえるので活用しましょう。
↓こんな感じでメールが届きます。
自分が希望する条件にあった求人だけを
ピンポイントでピックアップしてくれるのでめっちゃ便利です。
情報ってたくさんありすぎても
ごちゃごちゃしてわけからなくなりますからね。
情報があふれている時代なので、
自分の求める情報を見つけるスキルが大事です。
同じ転職サイトを使っていても、
良い求人を上手に見つけられる人と、
見つけられない人の違いはこういうところでも出ますね。
(自分の希望条件をしっかりめに入力してるだけなんですが)
つねに「逃げ道」を確保しておくのが大切
経理求人専門の転職サイトで希望条件をしっかりめに入力しておき、
「ここいいかも…!」と気になる求人を見つけたら、
情報としてこまめにストック保存しておくようにしましょう。
手元に魅力的な求人がたくさんある状態を作っておくと、
いざ転職活動を始めるときに良いスタートを切ることができます。
また、日常的に転職サイトで求人リサーチするクセをつけておくと、
どうしても今の状態がつらくなったら転職もある
↑という「選択肢」を持てるのも重要ですね。
良い意味での逃げ道を確保できる感じです。
これって精神的にもかなり安定するんですね。
過労やストレスで倒れる前に早めの手を打つことができます。
転職サイトは完全無料で使えます。
いつでも利用やめられるのでリスクはゼロですよ。
↓年収などの条件の良い経理求人がたくさんあるので、
情報リサーチに徹底活用しましょう。
最後の最後にお伝えしたいこと
↑転職活動でも仕事でも、
成功する人の違いって結局はこれだと思うんですよね。
転職サイトへの登録って1分でできる作業です。
無料ですしいつでも解除できるのでリスクなんて何もありません。
変な連絡が来るようなこともありませんしね。
↓それでも、以下の2種類の人に分かれます。
- とりあえず今すぐ無料登録だけでもやっておいて求人検索を始めてみる人
- いつまでたっても何かと理由をつけてやらない人
これは転職活動だろうが仕事だろうが同じです。
(あなたのまわりにも2. みたいな人いませんか?)
ほんのちょっとの行動の差ですが、
理想の働き方に近づける人と、
いつまでたっても職場の文句ばかり言っている人とで違いが生じるのはこういうところです。
↓今から1年後に、あなたはこのどちらになっていたいでしょうか。
- 劣悪な雇用環境で給料も安く、
雑用ばかりさせられる職場で年齢だけを重ねていく…。 - やりがいがあり、給料の高い仕事で人間関係も良好。
ワークライフバランス型の職場でプライベートも充実。
-
経理の求人探すならここ!転職サイトおすすめランキング【厳選3社】
この記事では経理職として働く人におすすめの転職エージェント会社をランキング形式で紹介しています。経理は一種の専門職なので、どの転職エージェント会社を使うか?は転職活動の成功/失敗が決まってしまうぐらい重要なポイントになります。ぜひ参考にしてみてください。
続きを見る