- 税理士事務所が地獄のような職場と言われる理由は?
- 残業なしの事務所ってないの?
- 税理士試験との両立は可能?
- ホワイト環境な税理士事務所を見つけるには?
ネットの口コミ評判を見ていると、
税理士事務所は地獄だからやめとけ
という意見が多くてビビってます。
これって本当ですか?
そうですね。
確かに地獄のような環境の事務所も存在します。
(私も一時期そういう事務所で働いていました)
もちろん、すべての事務所がブラックというわけではありませんよ。
特に「繁忙期の残業」は税理士事務所の宿命…
みたいに言われることが多いんですが、
実際には残業ゼロを達成している事務所なんていくらでもあります。
ネットの口コミ評判には極端なものも多いので注意しておきましょう。
この記事では、税理士業界に未経験で転職することを検討している方向けに、
税理士事務所の職場環境の実態をお教えします。
残業なし・高年収で働けるホワイト事務所求人の見つけ方をについても解説していますので、参考にしてみてくださいね。
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この記事の目次
税理士事務所が「地獄の職場環境」と言われる理由4個
1.「小さな組織」なので人間関係が悪いと地獄
税理士事務所って、どこも小さな組織で活動しています。
「所長税理士+職員1名〜5名」
ぐらいの規模のところがほとんどで、
毎日全員がひとつのフロアで顔を見合わせながら仕事をしていますから、
職場の人間関係でつまずくと地獄のような環境になりがちですね。
転勤なんてまずありませんし、
苦手な先輩スタッフがいても逃げることができません。
所長税理士が圧倒的に強い権限を持っている
また、小さな組織ですから、
組織のボスである所長税理士の権限が圧倒的に強いです。
所長税理士と性格が合わない…
とかになるとはまさに地獄ですね。
ワンマンの組織体制となる可能性が非常に高くなり、
責任を持って自由に仕事ができない場合があります。
ワンマンの組織体制のため、いちいち所長への確認が必要で、
あまり権限が与えられずいつまで経っても成長できない…みたいな事務所もあります。
所長勢氏とは「師匠と弟子」の関係になりがち(良くも悪くも)
もちろん、小さな組織ならではの良さもありますよ。
所長税理士とは「師匠と弟子」みたいな雰囲気になりますから、
ゼロから手取り足取り仕事を教えてもらえたり、
多少のミスは「しょうがねえなあ」でかんべんしてもらえたりします。
特に未経験のうちは本当にゼロから仕事を1つ1つ覚えていかないといけませんから、
家族的な雰囲気の事務所を最初の勤務先に選ぶのはメリットになることも多いです。
2. 年収が低いブラック事務所を選ぶと地獄
税理士事務所は地獄…!と不満な理由のNo.1は、
おそらく給料の安さでしょう。
税理士事務所に未経験で転職した場合、
1年目の年収は300万円〜350万円程度が相場になります。
月給手取りにして20万円前後あれば「良い方」ですね。
もちろん、どのぐらいの給料を稼げるか?は入社する事務所によって違います。
未経験職員の年収って能力的な問題よりも、
入社した事務所がもうかっているか?で決まる部分が大きかったりしますね。
なので、未経験者ほど「どういう事務所に応募するか?」が重要です。
↓同じ未経験OK求人でも、
比較的年収高めで募集されている事務所もあります。
税理士事務所によっては、
年収200万円台で正社員を募集しているところもあるので注意してください。
(その時点でほぼブラック事務所確定なので、応募先の候補に入れないこと)
一方で、事務所の規模を拡大していっている事務所では、
未経験であっても平均以上の年収を稼げるケースは普通にあります。
(高めの給料を設定して、従業員の定着率向上を狙っているためだと考えられます)
「給料が安い」といわれがちな税理士業界ですが、
中にはちゃんとお給料を稼げる事務所もありますよ。
ネットの口コミ評判に流されすぎるのは考えものです。
(現状に満足している人は、わざわざネットに口コミなんて書きませんからね…)
↓ブラック事務所の特徴と見分け方
についてはこちらの記事も参考にしてください。
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3. 繁忙期の残業時間が地獄のように長い
税理士事務所が地獄の職場と言われる理由の3つ目は、
繁忙期の残業時間が長いためです。
私の場合、閑散期は毎日、定時で帰宅することができました。
しかし、年末調整や確定申告などの繁忙期になると業務量がかなり多くなります。
特に確定申告の締め切り直前期になると1日12時間以上の勤務が1週間程度続くというブラックな職場環境になります。
ただし、近年は、基本残業ゼロ・在宅ワークを積極促進の事務所もあります。
このような事務所では、閑散期での資料回収の強化やデータのデジタル化による会計入力など繁忙期の業務量を減らすよう努力しています。
4. 税理士試験との両立が地獄のように辛い
税理士事務所が地獄の職場と言われる理由の4つ目は、税理士試験との両立が辛いためです。
税理士試験の平均勉強時間を約3000時間です。
合格までの平均期間は4~5年と言われています。
仕事と両立して勉強するとなるとかなりの自由時間を犠牲にする必要があります。
このことから税理士事務所はブラックだというイメージを持つ人は多いです。
この辛さやブラックさは、税理士を目指している方のブログを読めばある程度把握することができます。
税理士を目指して、就職活動や転職を行っている方は一度確認されることをおすすめします。
ただし、試験前の有給取得を認めるなど職員の勉強を応援している事務所もあります。
これは、税理士が増えると事務所全体の業務処理能力が増え、顧問先を増やすことができます。
また、税理士が多いと協力できるため、より困難な案件を受注でき、更なる顧問先の増加につながります。
以上から、税理士試験の勉強を応援している事務所は非常に多いです。
希望のある税理士事務所に転職するためには、しっかりと情報収集することが重要になります。
残業なしの税理士事務所に転職することは可能?
会計事務所で「繁忙期も残業なし」とか本当にあり得るんですか?
税理士業界のしくみ的に難しいように思うんですが…。
個人事業主の顧客がメインの事務所だときびしいですね。
その事務所がどういう顧客層をメインにしているか?
をチェックするのが、
残業の少ない事務所を見分けるポイントです。
↓いくつか実際の求人を見てみましょう。
未経験者むけの求人でも、
↓残業なしの会計事務所求人はありますよ。
会計事務所の実務経験者の方にはいうまでもないと思いますが、
法人企業は決算時期を自由に決められます。
また、日本では大手企業を中心に3月決算(5月申告)を選択している会社が多いですが、
税理士が顧客にする企業は基本的に中小企業だけなので、顧問先企業の決算時期はバラバラです。
顧問先はほぼ法人企業のみという事務所の場合、
そもそも繁忙期というものが存在しない事務所もありますよ。
(年末調整の時期ぐらいでしょうか)
なお、最近は会計ソフトがものすごく優秀になってきていることもあり、
確定申告ぐらいは自力でやれる個人事業主が増えています。
税理士の顧問先は、今後は業績をのばしている法人企業の奪い合いになっていくでしょう。
事務所の収益を個人顧客の確定申告でまかなわないといけない会計事務所は、
事務所の収益的にも、従業員である職員の働き方的にも、
今後どんどんきびしくなっていくことは理解しておいてください。
なぜ、ホワイト事務所は「残業が少ないのに高年収」なのか?
何度も聞いてすみませんが、
残業が少ないのに給料も高い事務所
なんて本当にあるんでしょうか?
結論からいうと普通にあります。
ポイントはもうかっている事務所で働くことです。
もうかっている事務所というのは、
相場よりも高い顧問料を設定できている事務所のことですね。
会計事務所のホームページをいろいろ見てみてください。
格安の顧問料を売りにしているところもあれば、
富裕層むけの高度なサービスを売りにしているところもありますよね。
このどのような顧客をターゲットにしているか?は、そこで働く職員にとってもとても大切な問題です。
たとえば、同じ「年間1億円の収益」をあげるにしても、
↓事務所によって仕事のとってきかたには違いがあります。
- 格安事務所の場合
顧問料年10万円 × 顧問先1000件=1億円 - 顧問料が高い事務所の場合
顧問料年40万円 × 顧問先250件=1億円
↑この2つの事務所で、
働き方に大きな差があることは容易に想像できるでしょう。
実際に会計事務所の仕事をしている人ならわかると思いますが、
ひとつの企業の決算にかかる時間や労力って、企業規模の大小でそれほど変わりません。
(小さい企業の決算でも、ややこしいところはややこしいですよね)
顧問料単価を高めに設定できる事務所は、顧問先数はそれほど多くなくても稼げますから、
職員の数は少なくても業務をきちんとまわしていくことができるのです。
これが「残業が少なくても高年収」な事務所の秘密です。
顧問料単価をあげることができない事務所は、
必然的に薄利多売のビジネスになりがちです。
そこに所属して働く税理士も、
仕事がしんどい割に低年収…という状態になりがちなのです。
顧客から高い顧問料を払ってもらえる会計事務所とは?
問題は、事務所がお客さんから高い顧問料を払ってもらうにはどうしたらいいのか?
なのですが、これには当然ながら「それに見合った価値がある」とお客さんに思ってもらわないといけません。
↓具体的には、以下のようなことですね。
- 高度な会計・税務業務にも対応できる(国際税務や資産税)
- 所長税理士に金融機関とのコネがあって融資が降りやすくできる
- 大手の不動産会社や保険会社と提携していて節税対策をいろいろ提案できる
↑この中で「顧問料の単価」を決めるにあたって特に重要なのが、2.や3.です。
そしてこれらは、所長税理士の実力にかかわることがらなのです。
「この業界で税理士探すならここ」というように業界内での評判が高い事務所なら、
広告費などに大きなお金をかけなくても、高い顧問料を設定することができます。
「高い顧問料の設定=事務所の売上アップ」ですから、
職員への分配を多くしても利益をしっかり出すことができ、人材に投資することが可能になります。
そうすれば、さらに優秀な職員を集めることができ、
より付加価値の高いサービスを提供してさらに高い顧問料を設定し…
といったように、プラスのサイクルを回していけます。
このように、もうかっている事務所には優秀な職員が集まります。
優秀な人に囲まれて仕事をしていけば、税理士としての実力もどんどん高くなっていくのも当然ですね。
これは将来的に独立を目指している人にとっても、きわめて重要なことです。
税理士業界で「年収の高い人・低い人」の違いが生まれている理由
↓税理士業界には、以下の2種類の人がいます。
- 低年収な会計事務所職員
地獄のように残業しているのに低年収(年収300万円〜など) - 高年収な会計事務所職員
繁忙期を含めて残業がほぼないのに高年収(年収700万円〜など)
なお、独立しない限りは資格の有無は年収にあまり影響はありません。
無資格職員でもめちゃくちゃ稼いでいる人はいますからね。
なぜこのような違いが生まれるのか?というと、理由はたった1つです。
それは、その人がもうかっている事務所で働いているか、
もうかっていない事務所で働いているかの違いです。
これは、実際の求人を見てもらった方がわかりやすいと思います。
↓例えば、以下の2つの求人(どちらも未経験者むけの求人)を見てください。
↑上の2つの求人は、
いずれも「未経験者OKの求人」であることに注目してください。
未経験者は、当たり前ですが「入社時点での実務能力はゼロ」です。
(会計事務所で一人前の仕事ができるようになるまでは3年ぐらいはかかります)
同じ「実務能力ゼロ」なのに、
- 年収370万円代でスタートできる人と、
- 年収250万円でスタートしないといけない人
がいるのです。
くりかえしになりますが、いずれも未経験者むけ求人なので、
この差は「本人の能力の差」によって生まれる違いではありません。
ただ「たまたま選んだ勤務先の事務所がもうかっているかどうか」によって生まれる違いです。
事務所の移籍で「いきなり売れだす芸能タレント」としくみは同じ
こうした違いは、芸能人の働き方をイメージするとわかりやすいですね。
女子アナが大手芸能事務所に移籍して女優デビューするとか、
移籍前はパッとしなかったのに、所属事務所が変わったことでブレイクするタレントとかたくさんいます。
(松竹芸能から吉本に移籍して売れるなど)
タレントの見た目や演技力なんて、
事務所が変わっただけでは変化しません。
彼らがある日突然ブレイクするのは、
所属先の芸能事務所がもうかっているかどうかの違い
に過ぎないケースがほとんどでしょう。
会計事務所の職員の給料もこれと基本的にしくみは同じです。
もうかっている事務所で働くことができれば、
まだ実務能力ゼロの未経験者でも高い年収で働けます。
逆に、実力もあって人がらも良い人であっても、
もうかっていない事務所に入社してしまうと、
どれだけ努力しようが残業しようがお金を稼ぐことは難しいのです。
【ストップ奴隷労働】無能な所長税理士に人生をささげるな
私が実際に「会計事務所勤務→別の事務所」の転職をして実感したのは、
会計事務所はどこも同じような仕事をしているけど、
業務の量や稼げる給料は事務所によってぜんぜん違うことです。
同じような仕事をしてるのに、自分より楽してたくさん稼いでいる人がいる…とかつらいですよね。
でもこれって、転職活動を「年収にこだわってしっかりやった人」とそうでない人の差だったりします。
「どうせ独立するから職員時代の年収にはこだわらない」
という税理士志望者は少なくないですが、これはおすすめしません。
そもそも職員として高年収になれない人が、独立したらいきなり稼げるようになるなんてことは考えにくいです。
少なくとも私は10年以上この業界で働いて、
そんな人は見たことがありません。
お金は「後からついてくる」なんてことは現実にはほぼありえない
お金というものは、何もしてないのに自然についてくるなんてことは現実にはほぼありえません。
お金を稼ぎたいなら、そのための努力を意識的にやっていく必要があるのです。
(これは独立しようが、サラリーマンだろうが同じです)
サラリーマンとして働く場合、「入社後になってから交渉で年収上げてもらう」というのは絶望的に難易度が高いでしょう。
なので、転職活動時(入社前のタイミング)でしっかりと年収にこだわって求人を探すことが大切になります。
本来「残業はない」のが当たり前
いったんブラックな事務所の働き方に染まると、
「残業はあって当たり前」という意識になりがちなんですが、
これって単なる洗脳であることに気づいてください。
本来、残業ってなくて当たり前のものです。
そもそも「慢性的に残業が発生している状態」というのは、マンパワーと業務量のバランスがくずれているのに、それを放置している状態に他なりません。
(これをバランス見ながら是正していくのが経営者の仕事ですが、それをさぼってやっていない)
当然、人を雇ってマンパワーを増やせば経営者(所長税理士)の利益は減るはずです。
しかし、それをしないのは「本来そろえるべき人員を雇っていたら利益が出ないしょぼい経営状態なのに、
無理やり利益を出し、そのツケを従業員にまわしている」ということですからね。
従業員にサービス残業を強制している所長税理士って、
はっきりいって経営者としては無能です。
従業員に残業させずに利益をしっかり出してる税理士なんていくらでもいますからね。
サービス残業というかたちで従業員にケツをふいてもらって、なんとか利益を出している税理士とか悲惨ですよね。
それで顧問先の経営者には「経営指導」とかやってたりするのがこの業界の実情です。
ブラック事務所で滅私奉公しても得することはなんにもないですよ。
ボロぞうきんのように酷使されて捨てられるのがオチです。
しかも「うちは人がすぐ辞めて困ってる」とかぼやいてる税理士に限って、自分の経営者としての無能さに気づいてなかったりします。
すでに1年以上の実務経験がある人なら、
好条件で雇ってくれる事務所なんて山ほどありますよ。
↓※実務経験者向けの会計事務所求人の例
会計事務所経験者なら、
↓企業経理部の管理職候補も狙えますね。
まだ実務未経験の人も、
↓最初から雇用環境の良いホワイト事務所の求人を狙っていきましょう。
職員にサビ残させないと利益出せないしょぼい事務所なんて、さっさと見切りをつけて次行きましょう。
税理士業界って、転職でキャリアアップしていくのが当たり前なんで、
「転職回数が多いこと」が不利になることもほぼありませんしね。
P.S(このブログをしっかり読んでくれる人への追伸)
このブログの記事を読んでくださりありがとうございます。
税理士業界で働く人が、絶対に知っておくべきことを、
↓こちらの記事で書きましたのでご確認ください。
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給料安くて超激務な「ブラック事務所」で絶対に働きたくない人へ
税理士目指して働きながら会計事務所(税理士法人)で働こうと考えているけど、給料安くて超激務な「ブラック事務所」もあると口コミで見て不安…。この記事では、こんなふうに感じている税理士業界未経験の方向けに、この業界での転職活動成功のコツを解説します。
続きを見る
↑どんなに忙しい方でも、
上の記事で説明したことだけは理解した上で税理士業界を目指してください。
さもないと、過去の私のようにブラック事務所にまちがえて入社してしまい、人生の貴重な時間をドブに捨てるようなことにもなりかねません。
(特に、20代〜30代前半で転職を検討している方は、キャリア構築上「一番大切な時期」にあたりますので、くれぐれも注意してください)
いま現在、すでに税理士事務所で働いている人も必ず知っておくべき内容ですので、ぜひ少しだけ時間をとって読んでみてくださいね。