- 税理士業界で実務経験2年の人が直面する理想と現実とは?
- 税理士事務所の平均年収はどのぐらい?
- 税理士としての実務要件は経理でもOK?
- 税理士として独立開業は厳しい?
この記事では、税理士業界である程度の実務経験(2年ぐらい)積んだ時点で、
どのぐらいの年収稼げるものなのか?
職歴としてどういう評価をされるものなのか?
といった内容について、現実的な内容を書いています。
税理士登録するための実務要件についても解説していますので、
これから税理士目指してキャリアをスタートする方は参考にしてみて下さい。
この記事を書いた人
上場企業の経理として働きながら8年かけて税理士試験合格→税理士として独立開業しました。現在約15件のクライアント企業の顧問税理士として活動しています。独立開業している税理士として、税理士の仕事のリアルを体験談として書いていきます。
>>私の職歴についてはこちらの記事で書いています。
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ブログ管理人
1985年生まれ。未経験ニートで会計事務所入社→月給16万円で地獄のような目にあう→何度か転職して年収600万円→会計事務所から経理に転職→現在は経理の管理職/2018年開始の当ブログも6年目突入!おかげさまで毎月1万人(累計34万人超)の方に読まれています。
この記事の目次
税理士事務所で「実務経験を2年積んだ人」が直面する理想と現実
税理士業界で2年の実務経験を積んだ人は、
理想と現実のギャップに直面することになるでしょう。
↓理想としては、きっと以下のような感じではないでしょうか。
- 顧客である中小企業経営者から信頼され、毎日充実して仕事をこなす。
- 税務や会計の専門家として高い年収を得ながら、
- 順調に税理士試験科目合格を毎年積み重ねていき、
- 実務経験に自信が持てるようになった段階で独立…
↓しかし、多くの人が直面する現実としてはこんな感じ…。
- 仕事が激務すぎて毎日へとへと…。
- 税理士試験の勉強時間を確保できず、2年連続で科目合格ゼロ…。
- まだ一人前に仕事ができないのに顧客からは「先生」あつかいされる。
- 教わっていないことを質問され、答えられないと担当変更や「出禁」を喰らう…。
- 勤務先の税理士事務所では、所長税理士や先輩職員がきちんと仕事を教えてもらえず放置される…。
はっきりいって、税理士業界(税理士事務所)の仕事はしんどいです。
みんな「自分のウデひとつで食っていく」という職人気質の人が多いですから、
先輩にくらいついていく!ぐらいの勢いで仕事を覚えていかないと、
いつまで経っても税理士として一人前になることはできないです。
どういう税理士事務所で実務経験を積むか?は決定的に重要
ここで重要になってくるのが、
どういう事務所を自分の勤務先に選ぶか?です。
従業員を育てる気がない事務所や、
税理士試験との両立が不可能なぐらい激務な事務所、
さらには雇用環境劣悪なブラック事務所を勤務先として選択してしまう悲惨です。
所長税理士がパワハラで精神的に病む…
みたいな経験をしている人もこの業界にはたくさんいます。
その一方で、職員スタッフをとても大切にしている税理士事務所もあります。
現場に出る前にしっかりと実務教育を行い、
安心して税理士としての実務経験を積んでいける環境の事務所もちゃんとあるんです。
↓こういう事務所は、
年収高めで働けるのも魅力です。
↓税理士試験両立をサポートすることを、
明確にしている事務所なんかも増えてきていますね。
「とりあえず税理士としての実務経験を積めるならどこでもいいや!」
みたいな感じで転職活動してしまうと、
税理士としてろくにキャリアを築くことができず、税理士試験も挫折する…
なんてことにもなりかねません。
くれぐれも注意してくださいね。
税理士事務所で経験2年〜3年目の人の平均年収の現実
税理士という仕事は、実務能力が非常に重要な仕事です。
たとえば、学生時代に税理士資格を取得したような優秀でまじめな人でも、
実務経験2年程度だと年収は400万円前後…というのが現実的なラインだと思います。
勤務する税理士事務所の給与体系にもよると思いますが、
個人事務所レベルの小規模事務所の場合には、
実務経験2年程度だと年収400万円あればいい方だと思います。
BIG4税理士法人や国内大手の税理士事務所だと、
もう少し良くて450万円前後からのスタートになるでしょう。
この仕事は、一人前になるまでに最低でも5年ぐらいはかかるのが現実です。
実務経験2年程度だと、クライアント企業の税務申告まで、
自力で完結するのはなかなか難しいのが実際のところでしょう。
(小規模な個人事業主の所得税申告とかかなら、
優秀な人ならやれるようになってるかもしれませんが)
逆に言うと、税理士事務所の仕事をしっかりこなせるベテラン職員なら、
税理士資格は持っていなくても高い年収を稼いでいる人はいたりします。
税理士事務所で「実務経験2年の若手」の仕事内容
税理士事務所で「実務経験2年の人」の仕事内容はどういったものでしょうか?
2年間の実務経験を積んだ人は、
未経験の新人として入社してから、
そろそろ1人でクライアントを任される段階という頃でしょう。
基本的な仕事内容は、
自分が担当する顧問先企業を毎月1回訪問して月次監査を行い、
年に1回の決算業務と税務申告までやっていくのが仕事です。
月次監査の場では節税対策や融資対策の相談に乗るようなことも多いでしょう。
比較的大きな事務所では、
大きなクライアント企業をチームで担当する(ベテラン税理士の補助)ようなこともあるでしょう。
税理士事務所のワークライフバランスの現実
税理士事務所で働く職員の、
ワークライフバランスのリアルな現実を紹介しましょう。
税理士事務所は繁忙期(忙しい時期)と、
閑散期(ひまな時期)の差がかなり激しい職場です。
繁忙期にはかなりの激務となり、残業も避けられません。
一番忙しいのが毎年2月16日〜3月15日の確定申告時期ですね。
この時期には、毎日深夜まで残業している…。
という税理士事務所職員はとても多いでしょう。
また、三月決算法人の税務申告を行う5月も、繁忙期になることが多いです。
その一方で、決算が集中しない時期(6月〜11月ごろ)などは閑散期で、
この時期はかなり落ち着いて働けることが多いでしょう。
8月には税理士試験がありますので、
働きながら合格を目指す人は、
閑散期にどれぐらいメリハリをつけて勉強できるか?
が税理士試験の合否を分けるケースが多いでしょう。
未経験で2年〜3年働いた後は、転職も視野に入れよう
税理士業界は、転職を経験する人がとても多い業界です。
良くも悪くも「人の入れ替わりが激しい」職場が一般的ですね。
ひとつの事務所で定年までずっと勤め上げる…
みたいな人はほぼ皆無だったりします。
特に、未経験で入社した税理士事務所からは、
2年〜3年ほど働いてある程度仕事を覚えたら、
年収アップを狙って別の事務所に転職する人が多いです。
税理士事務所というのは基本的にどこも同じ仕事をしていますから、
2年程度の実務経験があれば、
↓即戦力としてかなり好条件で採用してもらえる可能性が高いです。
未経験で入社した事務所というのは、
どうしても評価が低くなりがちです。
(つまり、年収が本来のポテンシャルよりも低く抑えられがち)
将来的に税理士として独立を目指すにしても、
勤務職員時代から少しでも高い給料を得られるにこしたことはありません。
未経験入社した税理士事務所で2〜3年の実務経験を積んだら、
別の事務所に即戦力として転職することも選択肢に入れてみましょう。
>>給料安くて超激務な「ブラック事務所」で働きたくない人が知っておくべきこと
税理士志望者に「2年の実務経験」が必要な現実的な理由
税理士を目指す人は、遅かれ早かれ、
どこかで2年間の実務経験を積む必要があります。
↓その理由としては、以下の2つがあります。
- 税理士登録のための要件として必要
- 税理士としてお金を稼ぎ、食っていけるようになるために必要
それぞれ解説していきますね。
1. 税理士登録のための要件として「2年間の実務経験」が必要
国家資格である税理士として登録するするためには、
税理士試験に合格するのにプラスして、
経理や税務についての2年間の実務経験がなくてはいけません。
なんらかのかたちで企業の経理作業を経験し、
最終的に決算と税金の申告作業までやった経験が必要ということですね。
もちろん、無資格でも税理士事務所などで勤務職員(サラリーマン)として働くのは問題ありませんよ。
税理士資格がない人がサラリーマンとして誰かの税務申告書を作成したとしても、
最終的にその税務申告書の担当税理士欄に印鑑を押すのが、
あなたを雇用している、すでに資格登録した税理士であれば問題ないです。
その一方で、自分の名前でお客さんからお仕事を受注して、
最終的に自分の名前で税務申告をお客さんの代わりに行なったりすることはできません。
これは税理士法で決まっているルールですので、例外はありません。
税理士登録したいなら、
勉強ができる(税理士試験に合格する)だけではダメ!
どこかで経理や税務の実務修行を2年間はしてこいや!
というわけですね。
>>税理士として「食えるようになる」ために必要な実務経験とは?
税理士登録に必要な「実務要件」にカウントされる経験とは?
ではこの「実務要件2年間」には、
具体的にどういう職場で働いた経験がカウントされるのでしょうか。
↓これは、ごく簡単にいえば以下の3つのうちどれかです。
- 税理士事務所で働く
- 企業の経理として働く
- 自分で事業を経営する
ここでは一応「3. 自分で事業を経営する」は省きましょう。
そうすると選択肢としては、
1. 税理士事務所で働くか、
2. 企業の経理として働くか、
↑のどちらかになりますね。
ちなみに、私は2. 企業経理として働いた経験で実務要件を満たしました。
(ほとんどの人は税理士事務所を選ぶと思うので、経理から税理士になった私は少数派だとは思います)
「実務経験2年間」は試験合格後・合格前どちらでもOK(通算トータルでOK)
税理士登録するための「実務経験2年間」は、
税理士試験に合格前、合格後どちらでもOKです。
また、この2年は連続した期間でなくても問題ありません。
(つまり、同じ企業で働き続ける必要はありません)
例えば、以下のような職歴の人でも、
↓2年間の実務要件は満たすことになります。
- 無資格でA企業で経理として1年間働いた後、
- いったん退職して勉強に専念し、
- さらにその後、B税理士事務所に入社して1年間働いた人
↑この人の場合、A企業とB税理士事務所それぞれから、
「職務についたという証明書」というのを出してもらい、
通算トータルで2年間の実務経験を証明できれば、
税理士登録するための実務要件を満たすことができます。
2. 税理士としてお金を稼げるようになるために必要
より重要なのはこちらです。
税理士として一人前に仕事ができるようになり、
お金を稼いで食っていけるようになるためには、
どこかで税理士としての実務修行をしなくてはなりません。
また、税理士法のルールでは、
「2年間の経験があれば税理士登録OK」となっていますが、
現実的には5年以上は実務経験を積んでおきたいところです。
例えば、税理士事務所で「2年の実務経験を積んだ人」って、
どのぐらいのスキルレベルでしょうか?
どんなに優秀な人でも「ようやく自分の担当クライアントを任せてもらえるかな?」ぐらいのレベルが現実的なところでしょう。
企業の経理であれば、年次決算に補助的に関わらせてもらえるかな?ぐらいのレベルです。
はっきり言って、実務経験2年程度では、
「税理士として独立して食っていける」レベルにはほど遠い…
というのが現実なんですね。
税法は複雑でほぼ毎年改正が行われます。
最近ではインボイス制度の導入などが話題ですが、
こうした税法のルール変更も「知識として知っているだけ」ではまるでダメです。
税法ルールの変更点を「実際の業務」にまで落とし込み、
自分の担当するクライアントに対して、
「これまでやってきた処理方法のままではダメで、こういう変更をしないといけません」
↑というところまでアドバイスできなくてはいけません。
クライアントは税法のルールなんてくわしくは知りませんし興味もありません。
(だからこそ彼らは税理士と顧問契約を結びます)
そんな彼らに納得してもらえるように、
わかりやすくていねいに説明していくのはなかなか大変なんですね。
言っていることはこちらが100%正しくても、
伝え方が悪かったせいでクレームになる…
みたいなことは普通によくあります。
税理士として一人前の仕事ができるようになるためには、
クライアントとのコミュニケーション能力やビジネスマインド、
マーケティングや営業のスキルも必要です。
↑これらを「実務経験2年間」だけで、
すべてのスキルとして習得することは困難と言えるでしょう。
税理士として一人前になるためには、
税理士試験に合格している人でも、
実務修行を5年ぐらいする必要があるというのが現実です。
どういう環境で「税理士実務経験」を積むか?が大切
そこで重要になるのが、どこでどういう実務経験を積むか?です。
税理士としての実務経験を積んでいくにしても、
どういう環境で実務経験を積むか?がによって、
税理士としての実力に大きな差が出てしまうことを知っておいてください。
多くの人は税理士事務所で働きながら税理士試験合格を目指すと思いますが、
どういう事務所に入社するか?は超重要なので気をつけてください。
ひとくちに「税理士事務所」といっても、
本当にいろんなところがあります。
正直に言って、職員を「使い捨て部品」ぐらいにしか考えていない開業税理士も中にはいます。
こういう税理士が経営しているブラックな事務所を勤務先として選んでしまうと、
本当に大変な目に遭うことになるでしょう。
(私は税理士として独立してからいろんな税理士と交流する中で、
本当にいろんな経営方針の事務所があることを知りました)
その一方で、職員の雇用環境をたいせつに考え、
職員の離職率を下げ、定着率を上げるために、
スタッフが働きやすい環境を作る努力をしている開業税理士もたくさんいます。
開業税理士としてもスタッフを一から教育するのはとても大変ですから、
なるべく長く働いてもらえる方が、長い目で見るとメリットが大きいですからね。
(↓こういう事務所はお給料も平均より高めだったりします)
特に、税理士事務所で働く人の多くは税理士試験受験生ですから、
勉強と仕事の両立をしやすい事務所を選ぶのが良いでしょう。
これから社会人として働きながら税理士を目指す人は、
どういう事務所で「修行」するか?には徹底的にこだわってください。
修行時代をどういう事務所や企業で過ごすか?は、
その後のあなたの税理士としてのキャリアに、
大きな影響を与えるのは間違いありません。
>>給料安くて超激務な「ブラック事務所」で働きたくない人が知っておくべきこと
私の場合(経理から税理士になりました)
私の場合、企業経理として10年間働いた後に税理士として独立しました。
(一応、上場企業の経理です)
2023年に開業し、顧客は現在15社ほど。
まだ創業したばかりですのですが、おかげさまでそこそこ仕事はあります。
経理時代と比較し、自分の裁量で仕事ができますし、
会社に出社することも無いため、自由に時間を使うことができています。
税理士試験は「働きながら勉強」で8年かかった
なお、税理士試験は経理として働きながら挑戦したので、
5科目合格まで8年間かかりました。
仕事を辞めて受験に専念する…という人もいますが、私はおすすめはしません。
実務と勉強をリンクさせて学べるメリットは大きいですし、
ビジネスの感覚を持ち続けることはとても大切だと思うからです。
社会人として働きながら税理士試験に挑戦するのはとても大変ですが、
合格している人はいくらでもいます。
すでに社会人となっている人は、働きながら勉強する方が結果としてキャリアにはプラスになると思いますよ。
(勉強のために仕事を辞める…とかやってしまうと、その間は履歴書にブランク期間ができてしまいます)
税理士として「独立して仕事をする自信」がつくまでは10年かかった
私の場合、税理士としての実務経験は企業経理として働くことで身につけました。
私は税理士事務所での勤務経験はありませんが、
月次決算から年次決算〜税務申告と、経理でも基本的にはやることは同じです。
(個人の所得税申告などは業務としては経験がありませんが、
私は税法選択を所得税法にしたので、この点でも特に大きな問題は感じていません)
正直、税理士として独立して仕事ができるレベルになるまでは、
10年間たっぷりかかった…というのが現実ですね。
>>給料安くて超激務な「ブラック事務所」で働きたくない人が知っておくべきこと
現実的に「お金を稼げる税理士」になるためのキャリアプラン
くりかえしになりますが、
「きちんとお金を稼げる税理士」になるためには、
どこで実務経験を積むか?がカギとなります。
税理士としての実務経験を積む場所によって、その後のキャリアが大きく左右されるのです。
多くの人は税理士事務所で働きながら税理士を目指すと思いますが、
上でも見たように税理士事務所といってもいろんなところがあります。
例えば、大手の税理士事務所では、
多様な業界のクライアントからの相談に対応するため、
いろいろな業界に詳しくなることがでしょう。
一方、中小企業や個人事業主を中心に扱う小規模な事務所では、
経営者と直接接する機会が多く、経営者の考えなどを知ることができます。
どちらが良いかは、あなたが目指す税理士像によりますね。
将来的に、自分はどういったお客さんを相手にしたいのか?を明確にした上で、
その目標に合った場所で実務経験を積むことが、
現実的に「お金を稼げる税理士」になるための近道と言えるでしょう。
経理で「2年間の税理士実務要件」を満たすのってどう?
経理で税理士としての経験を積むことは難しい…
と感じる方もおられるかもしれませんが、実際は可能です。
まず、税理士登録するための「2年間の実務要件」として、
企業経理の経験は100%認められます。
(経理としての業務の重要度や職位は関係なく、とにかく経理として働いていればOK)
また、経理として働くことで、税理士としての仕事ができるようになるのか?という視点で見ても、
経理として働くことでこの経験を積むことは可能です。
企業経理の場合、税理士側ではなく、クライアント側として仕事をすることになります。
(つまり「税理士とのお客さん側」として仕事を学ぶことになります。
実際、私は経理担当者として顧問税理士とやりとりをしながら実務を学びました)
そのため、クライアント側がどういったことに困っているか?
税理士に対してどういう不満を持つことが多いか?について、
実感を持って理解をすることができたと思っています。
(その経験として、独立初年度から15件の顧問先を維持できています)
税理士としてのキャリアをスタートさせる上で、
企業経理を経て税理士になることも選択肢に入れる価値はあると思いますよ。
税法の科目選択をどうするか?は実務でも現実的に重要
税理士としての実務経験を重ねる中で、
税法の科目選択も現実的に重要なポイントとなります。
「少しでも早く税理士5科目に合格する」
という視点で科目選択(酒税法や国税徴収法など)をする人は多いですが、
これらの知識を実務に活かせるか?それを強みに顧客開拓ができるか?
というと大いに疑問です。
これから税法科目の選択をするタイミングの人は、
将来の税理士としての得意分野を作るという視点で科目選択を考えるのが良いでしょう。
選択した税法科目については、必然的にくわしくなりますから、
税理士として自分の強みとなりやすく、顧客獲得のカギになります。
ごくオーソドックスなら税理士を企業税務専門税理士を目指すなら消費税法や法人税法、
個人事業主向けなら所得税法や住民税などを選ぶことが考えられますが、
資産税専門を目指すなら相続税など、
将来的に自分のターゲットとしたい顧客層に応じた税法科目を選択すると良いでしょう。
あと、税理士試験の科目にはありませんが、
国際税務に関する知識を深めていくこともおすすめです。
国際化が進む中、日本でビジネスをしたい外国企業や、
逆に海外で仕事をしたい日本企業をクライアントにできることは強みになります。
(こういうクライアントに対応できる税理士は少ないので、ライバルは少ないです)
自分だけの強みを作り、他の税理士と差別化を図りましょう。
税理士として「得意分野」を作れる環境で実務経験を積もう
将来的に、税理士としての独立を目指している人は、
税理としての「得意分野」を持つことを意識して実務経験を積んでいくのが良いと思います。
お医者さんでも外科医・内科医・産婦人科医・美容医療…といったように、
いろんな「専門分野」がありますよね。
これと同じように、税理士にもいろんな「専門分野」があるのです。
↓例えば、以下のようなものですね。
- 資産税専門の税理士(富裕層顧客の相続税対策など)
- 国際税務専門の税理士
- お医者さん(医療法人)専門の税理士
- 弁護士や司法書士、社労士などと提携して法律業務もワンストップで相談を受ける税理士
- 社会福祉法人の設立認可などもトータルでサポートする税理士
- 飲食業専門の税理士
- 芸能関係者専門の税理士
税理士も競争がどんどん激しくなっていますから、
顧客開拓のために「専門分野」を持つことは大切です。
税理士事務所で働きながら税理士を目指すなら、
専門分野や特化分野のある税理士事務所を、
自分の勤務先に選ぶことも検討してみると良いでしょう。
↓例えば、こういう感じの求人があります。
↑こういった特化分野のある税理士事務所は、
事務所として経営がうまくいっているところが多いので、
年収が高めなのも魅力です。
もちろん、通常の税理士実務にプラスして、
専門分野について学ばなくてはいけないという負担はありますが、
将来の税理士としての活動範囲を広げられるという視点で考えれば、
長い目で見てメリットは非常に大きいでしょう。
あなた自身の「税理士としてのキャリア」を考え、
どの分野に特化した税理士になりたいのか?を考えてみてください。
>>給料安くて超激務な「ブラック事務所」で働きたくない人が知っておくべきこと
これから税理士を目指す人が「最短」で独立まで進む現実的ルート
最短で税理士として独立する現実的なルートとは?詳細を解説します。
1. まずは未経験で税理士事務所に転職
現在、税理士とはまったく関係のない仕事をしている人は、
未経験でも雇ってくれる税理士事務所などに転職をしましょう。
私自身は経理から税理士なりましたが、
正直にいって少し遠回りをした感じがあります。
社会人として働きながら税理士を目指す人にとって、
やはりもっとも良い環境は税理士事務所です。
税理士として働くうえで必要なスキルや知識も、毎日の業務を通じて学べます。
また、一緒に働く人たちの多くも税理士志望者ですので、
切磋琢磨できるため、短期合格に至るケースが多いです。
ただし、税理士事務所で働く場合は、
「どういう事務所に入るか?」がとても重要です。
中には「ブラック事務所」と言われるような、
仕事が激務すぎて勉強との両立なんてとても不可能…
みたいな事務所もありますから注意してください。
↓以下のように、
「税理士試験受験生歓迎」「資格取得のサポート体制あり」
といったことを明示している事務所の求人を狙って応募するようにしましょう。
>>税理士受験生応援の事務所求人はこちらの求人サイトにたくさんあります
2. 働きながら実務経験と税理士試験科目合格を積み重ねる(5年〜8年)
5年から8年の間に、働きながら実務経験と税理士試験科目合格を積み重ねるのが理想的なルートです。
しかし、現実は厳しいです。
税理士試験は難易度が高く、その学習には時間と労力がかかります。
一方で、実務経験を積むためには日々の業務に尽力しなければならず、その両立は容易なことではありません。
しかし、この苦労が自分自身を成長させ、税理士として独立後に生きるスキルとなります。
時間管理や自己管理能力、そして何よりも持続力が試されるこの期間が、一人前の税理士へと成長するための重要なステップとなるのです。
どうしても税理士試験に合格するのが難しいという方は、大学院で論文を書き、税法2科目免除を目指すなど、視野を広げて進んでいきましょう。
3. 独立後の顧客開拓にめどをつけておく
税理士として独立する際には、顧客開拓の戦略が欠かせません。
2年の実務経験を持つ税理士なら、その経験を活かし、所属税理士として直接受任する道も視野に入れましょう。
具体的には、自身の専門分野や得意分野を明確にし、そのニーズが高い顧客を狙うことが一つの手段です。
また、自分が提供できるサービスを明確にし、顧客からの信頼を勝ち取ることも大切です。
さらに、人脈を広げるために、業界のネットワーキングイベントに参加するなどの積極的な行動も必要です。
税理士としてのキャリアを築くためには、独立後どのような行動をとるかを定めておくことが求められます。
4. 税理士として開業(または勤務税理士として転職)
税理士として開業するまでの道のりは、
実務経験2年は最低条件で、他にもいろいろ必要なものがあります。
まずはお金です。
開業には当然お金がかかります。
自宅開業であれば、家賃はかからないので、開業コストは100万円以下でできるでしょう。
しかし事務所を借りるとなれば、事務所の備品等も含め、最低でも200万円程度の初期費用が必要でしょう。
更に、開業初年度は顧客の獲得に時間がかかるため、生活費を含めた運転資金も必要となります。
また、開業初年度の顧客数は、平均で10件から20件程度です。
顧客ひとりあたりどれくらいの顧問料にするかで年収が見えてきます。
収入や開業費用、月々かかる費用をあらかじめ計算し、どれくらいお金が残るかを計算しておいてください。
こういった自身の事業計画を立てることも、実務経験で学ぶべきです。
開業する前に、あらかじめ顧客を獲得しておくことも開業後の成功につなげることができます。
>>給料安くて超激務な「ブラック事務所」で働きたくない人が知っておくべきこと
これから税理士を目指す人へのメッセージ
1. 年齢的に若いうちに行動するのが重要
税理士になりたいのであれば若いうちに行動をしてください。
その理由は、税理士試験は若いうちのほうが受かりやすいですし、若いうちからいろいろと経験をしておけば、将来の糧となります。
さらに、年齢的に若いうちに税理士になれば、年収も上がります。
独立開業しなくても税理士法人の所属税理士として働けば、
地域にもよりますが、年収500万円以上はもらえます。
そこで経験を積んでいき、ゆくゆくは独立をすればいいでしょう。
20代、遅くとも30代のうちに行動し、40代で独立というキャリア形成もあります。
また、若いうちは、失敗を恐れずに行動できます。
それは、やり直しがきくからです。
一方で、年齢を重ねるほど記憶の定着は悪くなり、税理士試験も難しくなります。
さらに固定観念や、失敗を恐れるなど、新たな挑戦もできなくなります。
ぜひ、若いうちに積極的に行動を開始し、税理士としてのキャリア形成をおこなってください。
2. 税理士事務所は「未経験・資格なし」でも正社員として働ける
資格や経験がなくても税理士事務所で正社員として働くことはできます。
実際、税理士事務所は税理士資格や経験を持つ人材だけでなく、未経験者や資格なしの人材も積極的に採用しています。
人手が足りない、経験は働きながら積めばいい、スキルよりも人柄で採用するなどの理由があります。
税理士事務所で働くことは、会計や税務の知識だけでなく、コミュニケーション能力やITスキルなど、多様な知識と技術が求められます。
ですので、未経験者や資格なしでも、自身固有のスキルや意欲をアピールすれば、税理士事務所で正社員として働く道は十分に開けています。
3. サラリーマン時代の雇用環境や給料は重要
税理士業界でのキャリアスタートに向けて、サラリーマン時代の雇用環境や給料は重要な要素となります。
サラリーマンのときにどれくらい労働し、どれくらい稼いでいたか、税理士になったらそれがどうなったか、比較をしてみてください。
一般的に、税理士業界は高給取りのイメージがありますが、開業初めの数年間は収入が低いことが多いのが現実です。
しかし、顧客を獲得していけば、徐々に収入は増え、また、独立開業すれば、自分の裁量で働くことができます。
働く環境も自分で整えることができ、業務が無ければ、自由に休みをとることもできます。
税理士としてのキャリアを積むためには、給与だけでなく働きやすさも考慮に入れてください。
4. 勤務税理士としてのキャリアパスも検討してみて
税理士の道を進む際、自身のキャリアパスを真剣に考えることが大切です。
独立するだけではなく、勤務税理士としてのキャリアパスもあります。
税理士法人に所属し、個人ではなかなかクライアントにできない上場企業の税務を担当することや国際税務を担当することもできます。
自身がどういった税理士になりたいか、勤務税理士であれば、クライアントも多くキャリアパスの幅は広くなります。
また、勤務税理士として働きながら、独立開業を目指すことも可能です。
独立後もどの分野に強い税理士になるのかは、勤務税理士時代に形成をしておいてください。
5. 社会人は「いったん無職になって勉強に専念」はやめた方が良い
この記事を読んでくださっている方の中には、
税理士試験に専念するために、いったんは仕事を辞めて予備校に通う…
↑などを検討している方もおられるかもしれません。
結論から言うと、私はこのやり方はおすすめしないです。
社会人になりたての20代前半の方とかならひょっとしたらありかもしれませんが、
少なくとも20代後半以降の人が勉強専念の期間を作るのは、
キャリア構築上のリスクが大きすぎるからです。
「勉強に専念する」って言っても、
自分以外の人から見たらニートと同じですからね。
結果的に税理士試験に合格できたらいいですが、
もし失敗した場合は目も当てられません。
また、税理士登録を終えることは「キャリアのゴール」ではまったくありません。
本当にしんどいのはそこからです。
税理士として自力で顧客を開拓したり、
よりレベルの高い法人税申告などの業務をこなせるようにならないと、
税理士になれても食っていくことができない…なんてことになりかねません。
きちんとお金を稼げる税理士になりたい人は、
税理士事務所に入社して税理士としての実務修行を積みつつ、
1年1科目などのかたちで地道に科目合格を重ねていくのが、
結局は近道だと思いますよ。
まとめ
実務経験2年という期間は、税理士になるための必須条件です。
この期間中に税理士としての基本的な業務内容を理解し、自分自身の得意分野を見つけることが可能となります。
しかし、現実は厳しく、2年の実務経験が足りないことが多いです。
2年で税務の知識はもちろん、ビジネスやITスキル、コミュニケーションスキルまで得ることは並大抵の努力ではありません。
さらに、平均年収、顧客獲得、ワークライフバランスといった現実を知り、それに対応するための戦略を立てることが求められます。
これから税理士業界でキャリアスタートする人は、これらを踏まえて、自分自身のキャリアパスを見つめ直すことが大切です。
税理士としての道は厳しいですが、その先には確かな成果と満足感が待っています。
(追伸)給料安くて超激務な「ブラック事務所」で絶対に働きたくない人へ
- 税理士事務所ってどこも給料安すぎる…。
- 実務未経験で科目合格もなしだと搾取の対象って本当?
- 将来は税理士として独立目指すけど、今の年収はさすがにキツい…。
- 仕事が忙しすぎて税理士試験全滅…とか絶対避けたい。
- パワハラな所長税理士の下で丁稚奉公みたいに働きたくない…。
↑こんなふうに不満や不安を抱えている方、税理士志望者にはきっと多いと思います。
残念ながら、その不安が的中してしまうケースは少なくありません。
職員を「使い捨て部品」ぐらいにしか考えず、
安月給で搾取しまくるブラック事務所は2024年現在も普通に存在しています。
はっきり言って「令和のこの世の中で、いまだにこんなことやってるのか?」
みたいなブラックな事務所がたくさん存在しているのが現実です。
もちろん「税理士事務所のすべてがブラック」というわけではありませんが、
全体の2割は完全ブラック、
全体の6割はややブラック、
残りの2割だけがホワイト…
みたいな割合がリアルな実態でしょう。
(↓こんな感じ)
↑労働環境が良好な「ホワイト事務所」で働けているのは全体の2割の人だけ。
残りの8割の事務所職員は、ブラックな環境で苦しんでいる…というのが実際のところなんですね。
なぜ、こうなってしまうのか?ですが、理由は単純です。
税理士事務所ってどこもめちゃくちゃ小さな組織で、
しかも所長税理士のワンマン経営なので、
外からの批判にさらされることがないからです。
税理士事務所って、そのほとんどが「所長税理士合わせてスタッフ5名」みたいな感じの小さな組織です。
大企業の場合、ブラックなことやってたら新聞やテレビマスコミから批判されますよね。
でも、税理士事務所みたいに小さな組織が、
メディアに注目されることなんてほとんどないです。
一般企業のように株主と経営者が分離しているなんてこともありません。
基本的に「所長税理士=事務所のオーナー」なので、
ブラックなことやってても、誰からも批判されませんし、
労働組合みたいな「労働者の権利を守る組織」みたいなものもありません。
さらにいえば、ネット上でも「実際に事務所で働いた人たちの正直な口コミ」がめったに出てこないんです。
ただでさえ狭い業界な上に、所長税理士どうしの横のつながりが強いので、
自分の事務所の悪口をネットに書き込んだりすると、
すぐに気づかれてしまってヘタをすると業界にいづらくなる…。みたいなことすらあります。
みんな自分のキャリアを危険に冒してまで、ネットやSNSに口コミなんて書かないんですね。
こんなふうに、ブラック事務所を見分けるための情報が非常に少ないせいで、
まちがえてブラックな事務所に応募してしまう人が続出するんです。
しかも、完全ブラックな事務所ほど人を集めるのに必死ですから、
「うちはアットホームで家族的な雰囲気です!…」
みたいに求人サイトでアピールしたりするので、たちが悪いんですよね…。
ブラック事務所の求人を「最初から選択肢に入れない」ことが重要
これは税理士業界に限らずですが、
すでに志望業界が決まっている人は「業界専門の求人サイト」で求人を探すのが転職成功のコツです。
ブラック企業でも簡単に求人掲載できてしまうリ●ナビやハロワ、indeedとかとは違って、
業界専門サイトでは「最低限の年収や福利厚生条件を満たしているか?」が厳しくチェックされます。
そうしないと、求人数で勝負している大手リクナビに勝てないからです。
「うちは求人数ではリクナビには勝てませんけど、
求人の『質』ではリクナビなんかより圧倒的に良いものがありますよ」
↑みたいな感じで、ブラック事務所の求人をあらかじめ排除することで、質で勝負しているわけですね。
転職サイトの中にどんなに求人数がたくさんあっても、
当たり前ですが実際に働ける事務所は1つだけです。
すでに「税理士業界で働く」「将来は税理士として独立を目指す」とはっきり決めている人なら、
リクナビなどの一般向けサイトではなく、
税理士業界専門のサイトを使うのが鉄則ですよ。
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最有力はヒュープロですね。
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税理士業界志望者はリク●ビやハロワ、indeedは使わない方が良い
私は、税理士業界で転職するなら、
リクナビやハロワ、indeedなど、
「一般向け求人サイト」は使わない方が良いと思ってます。
なぜかというと、登録されている求人の質があまりにも低すぎるからなんですね。
実際、私が1社目に入社した事務所は完全にブラック事務所だったんですが、
この事務所はハローワーク経由で応募しました。
(窓口の職員さんに「こちらは特におすすめですよ」と紹介されました…)
私も後から知ったんですが、ハローワークの相談員って、
彼ら自身が非正規職員だったりするんです。
はっきりいってけっこういい加減なんですよね…。
税理士業界への転職を検討している方は、
厳選された求人だけが掲載されている専門サイトを使いましょう。
リクナビやindeedと同じように完全無料で使えるサイトなので、こちらを使わない理由はないです。
(みんな知名度だけでリクナビを選び、失敗します)
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- 税理士事務所から経理の転職歓迎の求人
- 相続税申告の実務経験を積むことができる事務所求人
- 将来的に独立を目指すのもOKな事務所求人
なぜ「最大手のリ●ナビ」をおすすめしないのか?
転職サイトっていろんなところがありますよね。
リク●ビとかindeedの方が「学生時代の就活とかでも使ってなじみがあるし、Googleで検索したときに上の方に出てくるから安心」と思われる方も多いかもしれません。
ただ、個人的にはこういう転職サイトの選び方はおすすめしません。
リクナビとかindeedって、企業側が求人掲載をする料金が以上に安い上に、
ろくな審査もないのでブラックな事務所でも求人出し放題なんですよね…。
あと、税理士業界って採用側も応募側も、ニーズがかなり特殊です。
採用側(事務所側)は繁忙期と閑散期で採用の難易度をガラッと変えてきたりしますし、
応募側(私たち)も税理士受験生なので仕事と勉強の両立がマストだったり、
社会人から勉強スタートの人が多く、キャリアスタートの年齢が高めだったりと、
一般的な転職活動とは事情がかなり異なるケースが多いんです。
特に未経験者の方は、年収が極端に低い事務所(年収200万円代など)に応募しないように注意しないといけません。
実務経験者はともかく、業界的な年収相場をよく知らない未経験者を狙って、
「うちは勉強しながら働けますよ!(なので年収は低くても我慢してね!)」
みたいな感じで、極端に低い年収で募集をかけているブラックな事務所は本当に多いんです。
↓以下のいずれかに該当する人は、
税理士業界専門の転職サイトを使って求人を探すようにしましょう。
- 税理士試験との両立ができる事務所で働きたい人
- 毎年「1年に1科目」などのかたちで、着実に科目合格を積み重ねていきたい人
- 業界相場より低年収の事務所にまちがえて応募する愚を避けたい人
- 将来の独立を見すえて開業資金をちゃんと貯金していきたい人
- 税理士試験に失敗した場合に備えて、企業経理への転職という選択肢も検討している人
>>税理士業界専門の転職サイトで求人検索してみる
(メールアドレスの無料登録が必要です)
忙しくて今すぐは転職活動できない…という人へ
「転職したいけど、今すぐは転職活動は始められない。
ひょっとしたら今の勤務先に残るのがベストかもしれないし…。」
↑今の環境にいろいろ不満はあるけれど、
なんとなく不安で動けなくなっちゃってる方も多いでしょう。
転職活動なんて人生でそう何回もやることじゃないですし、
そのわりに人生に与える影響がデカくて不安になっちゃいますよね。
私自身もブラックで働いている時に経験したことなんですが、
今いる職場でストレスがマックスまで溜まると、
まじで何も行動する気がなくなるんですね。
転職って年齢的に若ければ若いほど有利なのが現実ですし、
精神的な疲労が溜まってくると人間って正常な判断が効かなくなってきます。
どんなに時間がなくて忙しい人も、
受動的に(受け身で)入ってくる状態にしておくことが大切です。
希望年収や勤務地などを転職サイト内で入力しておくと、
マッチする最新のおすすめ求人がメールが定期的に入ってきます。
↓ある日の私のメールボックスをお見せすると以下の画像のような感じ。
あらかじめ自分で入力した年収などの条件にマッチする求人が出たら、
最速でメール通知してくれるので見逃しがなくなります。
↑良さげな求人が見つかったらブックマーク保存しておきましょう。
これやっとくだけで、「どうしてもつらくなったら転職もある」という選択肢を持つことができます。
過労やストレスでぶっ倒れる前に行動を起こすことができますよ。
転職サイトは完全無料で情報リサーチに使えて、いつでも即解除できます。
変な電話連絡が来るようなこともないです。
無料で使えるものは徹底的に使い倒しましょう。
よくある質問と回答(Q&A)
転職サイトに関して、
あるあるな疑問とそれに対しての回答を載せておきます。
転職サイトは本当に無料?なぜ無料?
転職サイトは、企業や事務所が払う紹介手数料(広告料)で運営されています。
お金払ってるのは企業側だけなので、
私たち求職者側は最初から最後まで完全無料で使うことができますよ。
後からお金を請求されるとかはいっさいないので、安心して求人リサーチに使い倒しましょう。
転職サイトに登録したら電話セールスとかうるさくない?
転職サイトの登録は基本的にメールアドレスだけでできるので、
電話はかかってこないですね(相手はこちらの電話番号を知らない状態)
定期的に「こういう求人出てきましたけどどうですか?」みたいな連絡はくれますが、基本的にはメールオンリーです。
未経験資格なしでも応募できる事務所ってあるの?
これは実際に求人検索してみるのが早いかもしれませんが、
税理士事務所って未経験OK求人が意外に多いです。
ただ、リクナビとかハロワで探すと年収200万円台…みたいな、
完全ブラックな事務所もわんさか出てきたりするので、くれぐれも注意してください。
未経験無資格でも年収400万円以上の求人ぐらいなら、普通にたくさんありますよ。
複数の転職サイトを同時に使っても問題ない?
これはまったく問題ないです。
むしろ、たくさん使った方がいろんな求人に出会えるチャンスがひろがるので、2社〜3社ぐらいを使い回す方が良いでしょう。
転職サイトには無料のエージェントサービスがつくことが多いですが、
担当してくれるエージェントとの面談に進んだような場合には、
他社のエージェントからも話は聞いてますぐらいに教えてあげると親切かもしれませんね。
(求人リサーチのために転職サイトを使いたい用途の場合には、そもそもエージェントとのやり取りは発生しません)
最後の最後にお伝えしたいこと
↓仕事や転職で成功するために大事なのって、結局はこれです。
転職活動でもっとも重要なのは、能力やスキルより情報収集です。
具体的には、どの転職サイトを使うか?(リクナビなどの「一般向け」を使うか?税理士業界専門か?)で大きな差がつきます。
税理士業界は、能力的にとても優秀なのに、
転職活動のやり方がまずかったのが原因で、
ブラック事務所で働くことを余儀なくされている人…がものすごく多いです。
転職サイトへの登録なんて、実際には1分でできる作業です。
お金もかかりませんし、気に入らなければ即解除できるのでリスクなんて何もありません。
それでもやらない人はやらないですし、やる人はさくっととやります。
↓今から5年後に、あなたはどちらになっていたいでしょうか。
- 劣悪な雇用環境で給料も安く、税理士試験もいつまでたっても科目合格ゼロ…。貯金もゼロ…。
- 働きながらスピーディに5科目合格達成。年収高めなので独立資金のめどもある程度ついている。あとは税理士としての実務能力を高めていくだけ…!
↑この前者は実は過去の私の姿そのもので、
今思うと「もっと早く行動しておけばよかった」と後悔しています。
この記事を読んでくださったあなたは、もちろん後者を目指してください。
いまどんな状況にいる人でも、
成功に向かって一歩踏み出すことは可能です。