税理士試験に合格し、実務要件も満たした人がまず考えるのが「いつ独立して自分の事務所を持つべきか?」だと思います。
この記事では、税理士が独立を考える場合にどのぐらいの顧客確保が必要なのか?について解説します。
(どういうタイミングで職員として働いている会計事務所から独立すべきか?の目安です)
参考にしてみてください。
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この記事の目次
税理士独立成功の鍵は「顧客の確保」
税理士が独立開業を成功させるためにもっとも重要なことは顧客の確保です。
問題はどのぐらい顧客数を確保すべきか?ですが、
「事務所を維持するための固定費をペイすることができ、その上自分が余裕を持って生活できる分の年収を得られる顧客数」を確保することが必要になります。
税理士が独立後にかかるコストはどのぐらい?
では、税理士が独立開業した後では、どの程度のコストが掛かるのでしょうか。
事務所を賃貸するかどうかにより異なりますが、事務所を借りる場合には年間150万円〜250万円程度かかります。
もし従業員を雇う場合には、これ以上に一人当たり平均330万円の費用がかかります。
それらと別に自分の生活費も考えると、年間で600万円以上の売上をあげられるだけの顧客を確保する必要があります。
固定費として掛かるコストの例としては、下記の通りです。
- 税理士会への年会費:約10万円
- 税理士用申告会計ソフト:約40万円〜
- コピー機のリース料:約15万円〜
- 事務所家賃:約120万円
税理士用申告会計ソフトについては、
選択するソフトにより異なってきますが想像よりも高いものです。
これだけのコストが掛かると考えるとどうでしょうか。
独立開業したことで後悔することもあるので、事前に掛かるコストを試算しておき、顧客をどれほど確保しなければならないのかを確認すると良いでしょう。
顧客確保の方法は
それでは顧客を確保するためには、どのようにすれば良いのでしょうか
方法としては「知り合いからの紹介」「顧客紹介会社からの紹介」「飛び込み営業」などです。
この中で一番顧客確保をできるものが「顧客紹介会社からの紹介」です。
私の経験上、面談まで行った顧客の5割はそのまま契約することができます。
ただし、紹介会社からの紹介にはデメリットもあります。
それが紹介手数料です。
紹介会社によって変わりますが、契約した顧客の年間報酬の50%〜72%が紹介手数料としてかかります。
そのため顧客を確保できたとしても、紹介料の支払いが多額になるため、資金を貯蓄できるようになるまでには3年程度かかります。
「知り合いからの紹介」や「飛び込み営業」は多くの顧客を確保できなかったり、成功率が低い点がデメリットです。
ただし、紹介料はかからないのがメリットと言えるでしょう。
実際私の知り合いで独立開業した税理士は、顧客を確保する方法がわからず一定以上の顧客を確保できなかったため、2年程度で勤務税理士になりました。
顧問料・決算料の相場は?
顧客から得られる顧問料や決算料の相場は、顧問先になる企業や個人事業主の規模により変わりますが、顧問料が月額3万円、決算料は年間20万円です。
規模が大きくなれば、顧問料や決算料は高くなる傾向にあります。
例えば、年商億単位の企業であれば顧問料5万円以上、決算料30万円程度は見込めます。
ただし、年商1,000万円程度の企業であれば顧問料2万円、決算料10万円でも高いと言われることも少なくありません。
従業員を雇わず開業する場合には、顧問料や決算料が高い企業は、作業量や責任の観点から多く持つことは難しいでしょう。
上述したコストを補えるだけの顧問料や決算料を得られる顧客を確保することは、容易ではないでしょう。
所属していた事務所とのトラブルの多くが顧客の引き抜き
独立開業で問題になるのが、独立開業前に所属していた税理士事務所や税理士法人からの顧客引き抜きです。
所属していた税理士事務所や税理士法人も、営業や紹介を受けて必死に集めた顧客です。
それを独立開業する際に引き抜かれては、いい思いはしないでしょう。
そのため、独立開業する際には顧客の引き抜きを行わないのがベターです。
もし、担当していた顧客が自分の事務所に移動したいと言っている場合には、
事前に所属していた税理士事務所や税理士法人の代表税理士に相談しておくと良いでしょう。
給料安くて超激務な「ブラック事務所」で絶対に働きたくない人へ
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↑こんなふうに不満や不安を抱えている方、税理士志望者にはきっと多いと思います。
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税理士業界志望者はハロワは使わない方が良い
私は、税理士業界で転職するならハローワークは使わない方が良いと思ってます。
なぜかというと、登録されている求人の「質(年収など)」があまりにも低すぎるからなんですね。
実際、私が1社目に入社した事務所は完全にブラック事務所だったんですが、
この事務所はハローワーク経由で応募しました。
(窓口の職員さんに「こちらは特におすすめですよ」と紹介されました…)
私も後から知ったんですが、ハローワークの相談員って、
彼ら自身が非正規職員だったりするんです。
はっきりいってけっこういい加減なんですよね…。
税理士業界への転職を検討している方は、
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なぜ「最大手のリ●ナビ」をおすすめしないのか?
転職サイトっていろんなところがありますよね。
リク●ビとかの方が「学生時代の就活とかでも使ってなじみがある」と思われる方も多いかもしれません。
ただ、個人的にはこういう転職サイトの選び方はおすすめしません。
なぜかというと、税理士業界は採用側も応募側も、事情がかなり特殊だからです。
採用側(事務所側)は繁忙期と閑散期で採用の難易度をガラッと変えてきたりしますし、
応募側(私たち)も税理士受験生なので仕事と勉強の両立がマストだったり、
社会人から勉強スタートの人が多く、キャリアスタートの年齢が高めだったりと、
一般的な転職活動とは事情がかなり異なるケースが多いんです。
特に未経験者の方は、年収が極端に低い事務所(年収200万円代など)に応募しないように注意しないといけません。
実務経験者はともかく、業界的な年収相場をよく知らない未経験者を狙って、
「うちは勉強しながら働けますよ!(なので年収は低くても我慢してね!)」
みたいな感じで、極端に低い年収で募集をかけているブラックな事務所は本当に多いんです。
↓特に、以下のいずれかに該当する人は、
税理士業界専門の転職サイトを活用しましょう。
- 税理士試験との両立ができる事務所で働きたい人
- 毎年「1年に1科目」などのかたちで、着実に科目合格を積み重ねていきたい人
- 業界相場より低年収の事務所にまちがえて応募する愚を避けたい人
- 将来の独立を見すえて開業資金をちゃんと貯金していきたい人
- 税理士試験に失敗した場合に備えて、企業経理への転職という選択肢も検討している人
「今すぐは転職活動できない」という人も、これだけは今すぐやっておきましょう
「転職したいけど、今すぐは転職活動は始められない。
ひょっとしたら今の勤務先に残るのがベストかもしれないし…。」
↑今の環境にいろいろ不満はあるけれど、
なんとなく不安で動けなくなっちゃってる方も多いでしょう。
転職活動なんて人生でそう何回もやることじゃないですし、
そのわりに人生に与える影響がデカくて不安になっちゃいますよね。
私自身もブラックで働いている時に経験したことなんですが、
今いる職場でストレスがマックスまで溜まると、
まじで何も行動する気がなくなるんですね。
転職って年齢的に若ければ若いほど有利なのが現実ですし、
精神的な疲労が溜まってくると人間って正常な判断が効かなくなってきます。
あと、転職サイトから得られる情報って、
自分で求人検索とかかけて能動的にとってくるものだけでなくて、
受動的に(受け身で)入ってくるものも大事です。
希望年収や勤務地などを転職サイト内で入力しておくと、
マッチする最新のおすすめ求人がメールで送られてくるので便利。
↓以下の画像のような感じで、
あらかじめ自分で入力した年収などの条件にマッチする求人が出たら、
最速でメール通知してくれるので見逃しがなくなります。
↓※ 私のメールBOXに実際に届いたメール。
↑こういう良さげな求人が見つかったらブックマーク保存しておいて、
いざ転職するとなったときに、ロケットスタートを切れるようにしておきましょう。
これやっとくだけで、「どうしてもつらくなったら転職もある」という選択肢を持つことができます。
過労やストレスでぶっ倒れる前に行動を起こすことができますよ。
転職サイトは完全無料で、
気に入らなければ即解除しちゃえばいいんで使うことにリスクは何もないです。
ブラック事務所にまちがえて入りたくない人は、情報リサーチに使い倒しましょう。
よくある質問と回答(Q&A)
転職サイトに関して、
あるあるな疑問とそれに対しての回答を載せておきます。
転職サイトは本当に無料?なぜ無料?
転職サイトは、企業や事務所が払う紹介手数料(広告料)で運営されています。
お金払ってるのは企業側だけなので、
私たち求職者側は最初から最後まで完全無料で使うことができますよ。
後からお金を請求されるとかはいっさいないので、安心して求人リサーチに使い倒しましょう。
転職サイトに登録したら電話セールスとかうるさくない?
転職サイトの登録は基本的にメールアドレスだけでできるので、
電話はかかってこないですね(相手はこちらの電話番号を知らない状態)
定期的に「こういう求人出てきましたけどどうですか?」みたいな連絡はくれますが、基本的にはメールオンリーです。
未経験資格なしでも応募できる事務所ってあるの?
これは実際に求人検索してみるのが早いかもしれませんが、
税理士事務所って未経験OK求人が意外に多いです。
ただ、リクナビとかハロワで探すと年収200万円台…みたいな、
完全ブラックな事務所もわんさか出てきたりするので、くれぐれも注意してください。
未経験無資格でも年収400万円以上の求人ぐらいなら、普通にたくさんありますよ。
複数の転職サイトを同時に使っても問題ない?
これはまったく問題ないです。
むしろ、たくさん使った方がいろんな求人に出会えるチャンスがひろがるので、2社〜3社ぐらいを使い回す方が良いでしょう。
転職サイトには無料のエージェントサービスがつくことが多いですが、
担当してくれるエージェントとの面談に進んだような場合には、
他社のエージェントからも話は聞いてますぐらいに教えてあげると親切かもしれませんね。
(求人リサーチのために転職サイトを使いたい用途の場合には、そもそもエージェントとのやり取りは発生しません)
最後の最後にお伝えしたいこと
↓仕事や転職で成功するために大事なのって、結局はこれです。
転職活動でもっとも重要なのは、能力やスキルより情報収集です。
具体的には、どの転職サイトを使うか?(リクナビなどの「一般向け」を使うか?税理士業界専門か?)で大きな差がつきます。
税理士業界は、能力的にとても優秀なのに、
転職活動のやり方がまずかったのが原因で、
ブラック事務所で働くことを余儀なくされている人…がものすごく多いです。
転職サイトへの登録なんて、実際には1分でできる作業です。
お金もかかりませんし、気に入らなければ即解除できるのでリスクなんて何もありません。
それでもやらない人はやらないですし、やる人はさくっととやります。
↓今から5年後に、あなたはどちらになっていたいでしょうか。
- 劣悪な雇用環境で給料も安く、税理士試験もいつまでたっても科目合格ゼロ…。貯金もゼロ…。
- 働きながらスピーディに5科目合格達成。年収高めなので独立資金のめどもある程度ついている。あとは税理士としての実務能力を高めていくだけ…!
↑この前者は実は過去の私の姿そのもので、
今思うと「もっと早く行動しておけばよかった」と後悔しています。
この記事を読んでくださったあなたは、もちろん後者を目指してください。
いまどんな状況にいる人でも、
成功に向かって一歩踏み出すことは可能です。