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所属税理士の直接受任は、独立開業の第一歩となるか?

所属税理士 直接受任

(所属税理士の直接受任は独立開業に向けた第一歩となるか?)

平成26年の税理士法改正によって、「所属税理士」という身分が新設されています。

それに合わせて「所属税理士の直接受任」が認められることになりました。

この記事では、所属税理士が直接受任を行う場合のルールや、具体的な運用方法について解説いたします。

税理士 転職 30代
【税理士の転職】30代以降は独立を視野にキャリアを構築しよう

2020年現在、税理士資格保有者は高齢化が進んでいます。日本税理士連合会が発表しているデータによると、30代の資格保有者は全体の10%程度です。税理士試験の受験者も減少傾向にあることから、30代の税理士資格保有者は「貴重な存在」といえるでしょう。この記事では、30代で税理士資格を持つ人のキャリア構築について解説いたします。

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所属税理士とは?

所属税理士とは、ごく簡単にいえば「税理士事務所で働く税理士有資格者」のことですね。従来は補助税理士と呼ばれていた人たちのことです。

「税理士目指して税理士事務所に転職して、仕事をしながら税理士試験に合格。実務経験をある程度積んだ時点で独立」というのは税理士の王道的なキャリアプランです。

この中で、「ボス税理士のもとでもうちょっと実務経験を積んだら、税理士資格もすでに持っているので独立するよ」という段階の人たちが所属税理士に該当するでしょう。

直接受任とは?

次に直接受任についてです。

従来のルールと何が変わったのかというと、「別の税理士の事務所に所属する税理士有資格者が、外部の人と直接的に顧問契約を結べるようになったよ」ということです。

従来は、たとえ税理士資格を持っている人であったとしても、外部と顧問契約を結べるのは所長税理士だけでした。

この点が改正されて、サラリーマンとして働く所属税理士であっても、外部の人と顧問契約を結べるようになったというわけです。

税理士資格を取得した人の多くが近い将来には独立を考えていると思います。

その前段階となる「プレ独立」のようなかたちで、自分自身の顧問先を獲得するきっかけとしての活用が見込まれます。

所属税理士の直接受任に関する契約ルール

所属税理士 直接受任

(所属税理士の直接受任に関する契約ルール)

所属税理士が直接受任を実際に受ける際の具体的なルールについて確認しておきましょう。

大前提として、税理士の事務所に所属する人は、税理士有資格者となった後も、サラリーマンとして勤務しながら「自分の事務所を持つ」ということはできません。

一つの税理士事務所に所属しながら、副業としてまた別の税理士事務所に所属するということも、税理士法上認められていません。

一方で、直接受任のルールを使えば、1つの税理士事務所にサラリーマンとして所属しつつ、副業のような形で収入を得ることが可能になります。

サラリーマンとして働きながら独立に向けて自分の顧客開拓を行えることになりますから、独立の準備をしている方は活用すべき制度といえるでしょう。

ただし、その際には直接受任の契約を外部と行うたびに、自分の所属する税理士事務所の所長税理士から許可を受けなくてはなりません。

所属税理士が従業員を雇うことはできない

所属税理士が、直接受任を行う場合に、自分の名義でアルバイトなどを雇用して仕事をさせることはできるでしょうか。

↓結論からいうと、これは認められていません。日税連のQ&Aにも明確に記載されています。

Q24.所属税理士が直接受任業務を行う場合、自らの使用人その他従業者(直接受任業務を補助する職員、青色専従者、アルバイト、パート等)を持つことができますか。

A24.所属税理士は、使用者税理士等の事務所に勤務する使用人で、そ
の本来業務は補助業務で、使用者税理士等の承諾を得て直接受任業務できるものであり、また、所属税理士が自らの事務所を設置することもできないことから、自らの使用人その他従業者を持つことはできません。

所属税理士制度(税理士法施行規則第1条の2)に関するQ&A

もし直接受任をした取引先の業務にあたって、人手が必要となった場合には、自分が所属する税理士事務所の所長税理士にスタッフを雇用してもらい、その人に直接受任業務の仕事を担当してもらうといった運用をすることになるでしょう。

当然ながら、この場合には直接受任が自分のボス税理士にとっても利益になるものでなくてはなりません。

直接受任によって得た報酬の一部を所長税理士の取り分にするなどのかたちにすればお互いにWIN-WINの形になるかもしれませんね。

税理士の独立にあたって、「客をとった、とられた」のトラブルは本当によくあることです。

独立開業の大切な時期位に不毛な争いをすることにならないよう、所属税理士として直接受任を実際にやるためにはボス税理士との良好な関係を維持することは必須です。

直接受任した法人企業の経営者に、経営者自身の所得税申告を依頼されたら?

多くのケースで顧問先の法人企業の法人税申告業務と、その顧問先企業の経営者の所得税申告はセットになるでしょう。

後者の所得税申告についても、通常の直接受任と同様にボス税理士からの許可が必要になります。

この点は上記Q&Aの「Q7.」に明確に説明が書かれていますので、参考にしてみてください。

直接受任で受け取った収入の所得区分は?開業届は必要?

所属税理士が直接受任によって収入を得た場合、その所得は事業所得(または雑所得)に区分されます。

事業所得として所得税申告をするのであれば当然ながら開業届をあらかじめ出しておくことが前提となるでしょう。

ただし、形式的には直接受任の形で契約を受けたとしても、その顧問収入がボス税理士を経由して支給されるような場合には、単純に勤務している税理士事務所からの給与所得して処理すれば問題ないでしょう。

所属税理士の直接受任は「独立への第一歩」となるか?

税理士として独立を検討している人がもっとも心配していることが「果たして自分の営業力で顧問先を開拓していくことができるか?」だと思います。

新規開拓の営業といった仕事について、「自信がある」と胸を張って言える方は基本的に少ないのではないでしょうか。

小規模事業者向けの会計ソフトも優秀になってきていますし、全国規模で格安の記帳代行サービスを展開する大手事務所も増えてきました。

今後は経理代行的なサービスはこうした業者にパイが奪われていくでしょうから、税理士としての独立のハードルが高くなっていくことは間違いありません。

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直接受任によって税理士の働き方の選択肢は広がる

そうした中で、直接受任の制度ができたことは、税理士の働き方に新しい方向性を開くものと言えます。

具体的には、別の税理士の事務所や一般企業の経理財務担当者として安定的に給与を受け取りながら、副業的に関係性のある人から直接受任を受けるということがやりやすくなったからです。

実際、クラウドソーシングサイトなどを除くと、確定申告時期に「税理士さんの副業でもいいので、確定申告だけやってほしい」という依頼はたくさん掲載されていますね。

こうした依頼をきっかけとして自分の名義で顧客開拓をしていく所属税理士は今後増えていくでしょう。

「税理士事務所で修行して、働きながら試験に合格したら独立」というこれまでの王道的キャリアを硬直的に選択するのではなく、もっと柔軟にキャリアを考えることが可能になっていくと思われます。

近年、所属税理士として働く人の給与水準は上昇傾向にあります。

現在所属している事務所での働き方に不満を感じている方は、ぜひ視野を広く持ってご自身のキャリアについて考えてみてください。




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