ここではすでに税理士事務所の経験がある方が、別の税理士事務所に転職する際の志望動機の書き方について解説します。
同じ職種での転職では、採用担当者はあなたに対して「短期間で即戦力になってもらえる」という期待を抱いている一方で、なぜ転職をしたいと考えているのか?については不安を感じています。
税理士事務所は基本的にどこも同じ仕事をしていますから、現在の職場では実現できなかったけれど、新しい職場では実現できることは何なのか?を明確にアピールすることが採用につながるポイントになります。
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ブログ管理人
1985年生まれ。未経験ニートで会計事務所入社→月給16万円で地獄のような目にあう→何度か転職して年収600万円→会計事務所から経理に転職→現在は経理の管理職/2018年開始の当ブログも6年目突入!おかげさまで毎月1万人(累計34万人超)の方に読まれています。
この記事の目次
税理士事務所の志望動機:経験者の書き方のポイント
経験者が別の税理士事務所に転職するときには、次のようなポイントを押さえて志望動機を作成しましょう。
税理士事務所経験者が志望動機を作成するときのポイント
- ①即戦力になれる人材であることを具体的な数値や実績で示す
- ②前の勤務先の不満や批判はいっさい書かない
- ③応募先の事務所で「こういう仕事をしたい」ということを書く
- ④税理士資格に対するあなたのスタンスを明確に書く
以下、順番に解説させていただきます。
①即戦力になれる人材であることを具体的な数値や実績で示す
同業種での転職を目指す場合、何よりも即戦力として活躍できる能力があることを採用担当者にアピールする必要があります。
税理士事務所の採用担当者としては、具体的にはこれまでに何件ぐらいの顧客を担当してきたのか(法人顧客と個人事業主顧客のどちらをメインに担当してきたか?なども書きましょう)、法人税の申告まで自分で完結だけの業務知識があるのかといったことをアピールする必要があります。
また、顧客とはどのような形でコミュニケーションをとってきたのかの情報も重要です。
採用を行う事務所側としては新規顧客の紹介を受けたり、生命保険代理店契約の推進などもやれる人材が理想ですから、こうした実績もある場合には積極的にアピールする必要があります。
②前の勤務先の不満や批判はいっさい書かない
これは意外にやってしまいがちな誤りですが、志望動機、面接などあらゆる場面で前職への不満や批判をするのはいっさい避けましょう。
たとえそれらの批判や不満がまっとうなものであったとしても、どうしても「つらいことがあると辞めていってしまう人」という印象を与えてしまいます。
給料遅配や残業代の支給がないなどの状況は確かに批判されるべきことですが、これらは応募書類で書くのには適さない内容です。
③応募先の事務所で「こういう仕事をしたい」ということを書く
同職種での転職では、「前の職場では経験できなかった仕事が、御社では経験できるからこそ応募した」という文脈で志望動機を作成するのが大切です。
そのためには応募先企業でどのような業務に力を入れているのか?について入念にリサーチしておくことが不可欠です。
応募先企業の情報はホームページなどでも確認することができますが、税理士事務所の場合、ホームページの内容は必要最低限のことしか書いていないことが多いです。
税理士事務所専門の転職サイトの非公開求人では事務所の経営方針や、重要視している面についてとてもくわしく情報収集することができますから、活用しましょう。
新卒での就職活動では業界研究や企業研究をしっかりやったという方でも、転職活動では意外にこの点がおろそかになってしまっている方が少なくありません。
転職活動こそ他の転職希望者との差別化が重要ですから、企業研究の重要性が高くなることを理解しておいてくださいね。
④税理士資格に対するあなたのスタンスを明確に書く
これは業界的な特徴でもありますが、すでに税理士事務所の経験がある人に対しては、採用担当者は「税理士試験に合格するまでの腰かけにされてしまうのではないか」という不安感を常に持っています。
もちろん、本音では最終的に税理士試験に合格し、独立して自分の事務所を持つことを目指している人が多いでしょう。
しかし、そのことを正直に書いてしまうと採用を決定的に難しくしてしまう可能性が高いです。
未経験者の場合には「将来的には独立を目指している」といっても、税理士試験合格までは5年間~10年程度は結局かかることが多いですから、採用担当者としては候補に入れることができます。
一方で、実務経験者の場合は早ければ2~3年程度でも税理士試験合格は見えてきている可能性が高いですから、子の勤務期間では新たにあなたを採用するメリットが小さくなってしまうからです。
あなたが本音では将来の独立を目指しているとしても、志望動機には「もし税理士試験に合格したとしても、勤務税理士として活動していくことを考えている」と書いておくのが無難です。
転職活動はあなたという商品を労働市場で売り込むビジネスの場でもありますから、この点は現実を見すえて転職活動を進める必要があります。
税理士事務所の志望動機:経験者の例文
↓税理士事務所経験者が、別の税理士事務所に転職する場合の志望動機の例文を紹介いたします。
①これまでの職務経験や勉強内容を書く
前職では年間30件の法人顧客(売上規模で数億円~10億円・従業員数で10名~30名程度の規模の法人顧客が中心です)の監査担当者として、月次決算・年次決算・税務申告業務を4年間経験いたしました。
迅速かつ正確に会計税務を処理するとともに、担当する顧客経営者とはこまめにコミュニケーションをとることを重視してまいりましたので、新規のお客様の紹介や生命保険代理店契約なども20件以上経験してきました。
税法知識に関しましては、所得税法・法人税法・消費税法をはじめとして実務に対応するために必要な知識を常にアップデートしていくことを心がけております。
②応募先の企業だからこそ志望したというアピール
税理士事務所職員として、より専門性の高い会計税務に関する業務を経験したいと考えておりましたところ、御社では売り上げ規模10億円を超えるお客様の顧問契約も多く獲得されていることを知りました。
中小企業経営者のアドバイザーとしてより専門性の高いフィールドで貢献できる人材になることを目指し、この度御社の求人に応募させていただきました。
なお、税理士試験につきましてはこれまでに簿記論・財務諸表論の2科目に合格しておりますが、5科目合格後も勤務税理士としてのキャリアを考えております。
(追伸)給料安くて超激務な「ブラック事務所」で絶対に働きたくない人へ
- 税理士事務所ってどこも給料安すぎる…。
- 実務未経験で科目合格もなしだと搾取の対象って本当?
- 将来は税理士として独立目指すけど、今の年収はさすがにキツい…。
- 仕事が忙しすぎて税理士試験全滅…とか絶対避けたい。
- パワハラな所長税理士の下で丁稚奉公みたいに働きたくない…。
↑こんなふうに不満や不安を抱えている方、税理士志望者にはきっと多いと思います。
残念ながら、その不安が的中してしまうケースは少なくありません。
職員を「使い捨て部品」ぐらいにしか考えず、
安月給で搾取しまくるブラック事務所は2024年現在も普通に存在しています。
はっきり言って「令和のこの世の中で、いまだにこんなことやってるのか?」
みたいなブラックな事務所がたくさん存在しているのが現実です。
もちろん「税理士事務所のすべてがブラック」というわけではありませんが、
全体の2割は完全ブラック、
全体の6割はややブラック、
残りの2割だけがホワイト…
みたいな割合がリアルな実態でしょう。
(↓こんな感じ)
↑労働環境が良好な「ホワイト事務所」で働けているのは全体の2割の人だけ。
残りの8割の事務所職員は、ブラックな環境で苦しんでいる…というのが実際のところなんですね。
なぜ、こうなってしまうのか?ですが、理由は単純です。
税理士事務所ってどこもめちゃくちゃ小さな組織で、
しかも所長税理士のワンマン経営なので、
外からの批判にさらされることがないからです。
税理士事務所って、そのほとんどが「所長税理士合わせてスタッフ5名」みたいな感じの小さな組織です。
大企業の場合、ブラックなことやってたら新聞やテレビマスコミから批判されますよね。
でも、税理士事務所みたいに小さな組織が、
メディアに注目されることなんてほとんどないです。
一般企業のように株主と経営者が分離しているなんてこともありません。
基本的に「所長税理士=事務所のオーナー」なので、
ブラックなことやってても、誰からも批判されませんし、
労働組合みたいな「労働者の権利を守る組織」みたいなものもありません。
さらにいえば、ネット上でも「実際に事務所で働いた人たちの正直な口コミ」がめったに出てこないんです。
ただでさえ狭い業界な上に、所長税理士どうしの横のつながりが強いので、
自分の事務所の悪口をネットに書き込んだりすると、
すぐに気づかれてしまってヘタをすると業界にいづらくなる…。みたいなことすらあります。
みんな自分のキャリアを危険に冒してまで、ネットやSNSに口コミなんて書かないんですね。
こんなふうに、ブラック事務所を見分けるための情報が非常に少ないせいで、
まちがえてブラックな事務所に応募してしまう人が続出するんです。
しかも、完全ブラックな事務所ほど人を集めるのに必死ですから、
「うちはアットホームで家族的な雰囲気です!…」
みたいに求人サイトでアピールしたりするので、たちが悪いんですよね…。
ブラック事務所の求人を「最初から選択肢に入れない」ことが重要
これは税理士業界に限らずですが、
すでに志望業界が決まっている人は「業界専門の求人サイト」で求人を探すのが転職成功のコツです。
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業界専門サイトでは「最低限の年収や福利厚生条件を満たしているか?」が厳しくチェックされます。
そうしないと、求人数で勝負している大手リクナビに勝てないからです。
「うちは求人数ではリクナビには勝てませんけど、
求人の『質』ではリクナビなんかより圧倒的に良いものがありますよ」
↑みたいな感じで、ブラック事務所の求人をあらかじめ排除することで、質で勝負しているわけですね。
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税理士業界志望者はリク●ビやハロワ、indeedは使わない方が良い
私は、税理士業界で転職するなら、
リクナビやハロワ、indeedなど、
「一般向け求人サイト」は使わない方が良いと思ってます。
なぜかというと、登録されている求人の質があまりにも低すぎるからなんですね。
実際、私が1社目に入社した事務所は完全にブラック事務所だったんですが、
この事務所はハローワーク経由で応募しました。
(窓口の職員さんに「こちらは特におすすめですよ」と紹介されました…)
私も後から知ったんですが、ハローワークの相談員って、
彼ら自身が非正規職員だったりするんです。
はっきりいってけっこういい加減なんですよね…。
税理士業界への転職を検討している方は、
厳選された求人だけが掲載されている専門サイトを使いましょう。
リクナビやindeedと同じように完全無料で使えるサイトなので、こちらを使わない理由はないです。
(みんな知名度だけでリクナビを選び、失敗します)
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なぜ「最大手のリ●ナビ」をおすすめしないのか?
転職サイトっていろんなところがありますよね。
リク●ビとかindeedの方が「学生時代の就活とかでも使ってなじみがあるし、Googleで検索したときに上の方に出てくるから安心」と思われる方も多いかもしれません。
ただ、個人的にはこういう転職サイトの選び方はおすすめしません。
リクナビとかindeedって、企業側が求人掲載をする料金が以上に安い上に、
ろくな審査もないのでブラックな事務所でも求人出し放題なんですよね…。
あと、税理士業界って採用側も応募側も、ニーズがかなり特殊です。
採用側(事務所側)は繁忙期と閑散期で採用の難易度をガラッと変えてきたりしますし、
応募側(私たち)も税理士受験生なので仕事と勉強の両立がマストだったり、
社会人から勉強スタートの人が多く、キャリアスタートの年齢が高めだったりと、
一般的な転職活動とは事情がかなり異なるケースが多いんです。
特に未経験者の方は、年収が極端に低い事務所(年収200万円代など)に応募しないように注意しないといけません。
実務経験者はともかく、業界的な年収相場をよく知らない未経験者を狙って、
「うちは勉強しながら働けますよ!(なので年収は低くても我慢してね!)」
みたいな感じで、極端に低い年収で募集をかけているブラックな事務所は本当に多いんです。
↓以下のいずれかに該当する人は、
税理士業界専門の転職サイトを使って求人を探すようにしましょう。
- 税理士試験との両立ができる事務所で働きたい人
- 毎年「1年に1科目」などのかたちで、着実に科目合格を積み重ねていきたい人
- 業界相場より低年収の事務所にまちがえて応募する愚を避けたい人
- 将来の独立を見すえて開業資金をちゃんと貯金していきたい人
- 税理士試験に失敗した場合に備えて、企業経理への転職という選択肢も検討している人
>>税理士業界専門の転職サイトで求人検索してみる
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忙しくて今すぐは転職活動できない…という人へ
「転職したいけど、今すぐは転職活動は始められない。
ひょっとしたら今の勤務先に残るのがベストかもしれないし…。」
↑今の環境にいろいろ不満はあるけれど、
なんとなく不安で動けなくなっちゃってる方も多いでしょう。
転職活動なんて人生でそう何回もやることじゃないですし、
そのわりに人生に与える影響がデカくて不安になっちゃいますよね。
私自身もブラックで働いている時に経験したことなんですが、
今いる職場でストレスがマックスまで溜まると、
まじで何も行動する気がなくなるんですね。
転職って年齢的に若ければ若いほど有利なのが現実ですし、
精神的な疲労が溜まってくると人間って正常な判断が効かなくなってきます。
どんなに時間がなくて忙しい人も、
受動的に(受け身で)入ってくる状態にしておくことが大切です。
希望年収や勤務地などを転職サイト内で入力しておくと、
マッチする最新のおすすめ求人がメールが定期的に入ってきます。
↓ある日の私のメールボックスをお見せすると以下の画像のような感じ。
あらかじめ自分で入力した年収などの条件にマッチする求人が出たら、
最速でメール通知してくれるので見逃しがなくなります。
↑良さげな求人が見つかったらブックマーク保存しておきましょう。
これやっとくだけで、「どうしてもつらくなったら転職もある」という選択肢を持つことができます。
過労やストレスでぶっ倒れる前に行動を起こすことができますよ。
転職サイトは完全無料で情報リサーチに使えて、いつでも即解除できます。
変な電話連絡が来るようなこともないです。
無料で使えるものは徹底的に使い倒しましょう。
よくある質問と回答(Q&A)
転職サイトに関して、
あるあるな疑問とそれに対しての回答を載せておきます。
転職サイトは本当に無料?なぜ無料?
転職サイトは、企業や事務所が払う紹介手数料(広告料)で運営されています。
お金払ってるのは企業側だけなので、
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転職サイトに登録したら電話セールスとかうるさくない?
転職サイトの登録は基本的にメールアドレスだけでできるので、
電話はかかってこないですね(相手はこちらの電話番号を知らない状態)
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未経験資格なしでも応募できる事務所ってあるの?
これは実際に求人検索してみるのが早いかもしれませんが、
税理士事務所って未経験OK求人が意外に多いです。
ただ、リクナビとかハロワで探すと年収200万円台…みたいな、
完全ブラックな事務所もわんさか出てきたりするので、くれぐれも注意してください。
未経験無資格でも年収400万円以上の求人ぐらいなら、普通にたくさんありますよ。
複数の転職サイトを同時に使っても問題ない?
これはまったく問題ないです。
むしろ、たくさん使った方がいろんな求人に出会えるチャンスがひろがるので、2社〜3社ぐらいを使い回す方が良いでしょう。
転職サイトには無料のエージェントサービスがつくことが多いですが、
担当してくれるエージェントとの面談に進んだような場合には、
他社のエージェントからも話は聞いてますぐらいに教えてあげると親切かもしれませんね。
(求人リサーチのために転職サイトを使いたい用途の場合には、そもそもエージェントとのやり取りは発生しません)
最後の最後にお伝えしたいこと
↓仕事や転職で成功するために大事なのって、結局はこれです。
転職活動でもっとも重要なのは、能力やスキルより情報収集です。
具体的には、どの転職サイトを使うか?(リクナビなどの「一般向け」を使うか?税理士業界専門か?)で大きな差がつきます。
税理士業界は、能力的にとても優秀なのに、
転職活動のやり方がまずかったのが原因で、
ブラック事務所で働くことを余儀なくされている人…がものすごく多いです。
転職サイトへの登録なんて、実際には1分でできる作業です。
お金もかかりませんし、気に入らなければ即解除できるのでリスクなんて何もありません。
それでもやらない人はやらないですし、やる人はさくっととやります。
↓今から5年後に、あなたはどちらになっていたいでしょうか。
- 劣悪な雇用環境で給料も安く、税理士試験もいつまでたっても科目合格ゼロ…。貯金もゼロ…。
- 働きながらスピーディに5科目合格達成。年収高めなので独立資金のめどもある程度ついている。あとは税理士としての実務能力を高めていくだけ…!
↑この前者は実は過去の私の姿そのもので、
今思うと「もっと早く行動しておけばよかった」と後悔しています。
この記事を読んでくださったあなたは、もちろん後者を目指してください。
いまどんな状況にいる人でも、
成功に向かって一歩踏み出すことは可能です。