ネット上の口コミを見ると、「税理士事務所の所長税理士はパワハラやセクハラがひどい…」という意見をよく見かけますね。
これから税理士事務所に転職するかどうかを目指している人の中には、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
もちろん、「税理士事務所」とひと口でいっても、従業員5名程度の小規模事務所〜100人以上の大規模な税理士法人までいろんな組織があります。
ですので、「税理士事務所の所長税理士は絶対にパワハラ」といえないのは当然です。
(職場環境を整え、人材の確保や教育に努力している尊敬できる所長税理士も多くいます)
ただ、私自身10年間で3社の税理士事務所で働いた経験があるのですが、中にはパワハラ的な言動が目立つ所長税理士がいたことも事実です。
この記事では、私自身が体験したパワハラ税理士事務所の実態について紹介するとともに、パワハラや差別が横行するブラックな税理士事務所の見分け方を解説いたします。
これから税理士事務所で働くことを目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。
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この記事の目次
税理士事務所の所長はパワハラが多い?私の体験談
上でも書きましたが、私は約10年間で3社の税理士事務所を経験しました。
↓経験した税理士事務所の規模は、以下のような感じですね。
- 1社目:従業員20名ほどの中規模事務所(未経験で入社)
- 2社目:従業員5名ほどの小規模事務所
- 3社目:従業員10名ほどの小規模事務所
このうち、かなりブラック企業に近い環境だったのが、1社目の税理士事務所です。
所長税理士は慎重180センチを超えるかなり体格の良い人で、自ら「自分は体育会系だから」と豪語しつつ若手従業員にきびしい叱責を加えるタイプの人でした。
父親である創業税理士から事業を引き継いで2年目ぐらいの人で、私はちょうどその代替わりのタイミングで新入社員として採用されたのです。
結局、1社目の税理士事務所には2年弱いましたが、その間にも5名以上の人が人間関係を理由に退職していく…という異常な状態でした。
(所長税理士自身は気にもしていなかったし、人が辞めても言動が変わることもいっさいなかったです)
パワハラ所長が経営する職場はまさにブラック企業…
税理士事務所の仕事というのはどこでも決して楽ではありませんが、後から考えるとこの事務所の環境ははっきりいってブラックでした…。
繁忙期には日付が変わるまで(つまり深夜12時以降)までの残業は当たり前でしたし、残業代もほとんど出ないという有様です…。
給料は手取り16万円ぐらいだったので、時給に換算したら500円ぐらいかもしれません(笑)
10年以上前はこういう企業はごく当たり前のように存在していました。
(最近はブラック企業に対する世間の風当たりが非常に強くなっていますので、こういう事務所はさすがに少なくなっていると思います)
2社目、3社目では私も基本的な仕事はできるようになっていたので、「担当する顧問先については基本的に全部任せるからよろしく」という感じで比較的働きやすかったですね。
明らかにブラックな事務所が存在している一方で、ホワイトな雇用環境の税理士事務所が存在しているのもまた事実といえるでしょう。
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税理士事務所は小さな組織が多い=所長税理士の人格が重要
税理士事務所という組織は、上で見たように小さな組織であることが普通です。
(東京・大阪・名古屋などの都市部以外では、従業員20名以上の事務所というのは大規模事務所になると思います)
小さな組織ではその組織のリーダー(所長税理士)の人格が、組織の体質に直接的に反映されます。
そのため、ブラックな税理士事務所に間違えて入社しないようにするためには、「その税理士事務所の所長税理士がどういう人なのか?」をよく見極めることが必要です。
(所長がパワハラ的だと職場内で普通にパワハラが横行するようになるということですね)
次の項目では、ブラックな税理士事務所を見分ける具体的なポイントについて解説していきますので、参考にしてみてください。
ブラック税理士事務所の所長税理士はパワハラ言動が多い
1社目の所長税理士は、非常にパワハラ的な言動が多い人でした。
顧客からのクレームが入るたびに、衆人環視のもと1時間以上も威圧的な態度で説教したり、細かいミスを見つけて怒鳴りつける…ということもたくさんありましたね。
それに加えて、職員の好き嫌いによって差別的に言動を使い分けるので悪質でした。
(さすがに暴力を振るわれることはありませんでしたが、言葉の暴力はひどかった)
所長税理士自身は「自分は体育会系だから」ということで自己満足していたようですが、この事務所は若手の離職率が異常に高いことでちょっと有名な事務所でした。
結局、私は2年弱ほどその税理士事務所で働きましたが、このたった2年弱の間に退職していく人が5名いました。
この規模の組織で退職者が2年以内に5名というのは異常ですね(全員で20名しかいない=人員の25%が2年以内に入れ替わっていることになります)
税理士事務所というのは良くも悪くも小規模な組織ですから、リーダー(経営者)である所長税理士の性格がその組織のあり方の多くを決めています。
所長税理士は、面接などの段階でどういう人格の人なのか?をある程度知ることができます。
これから税理士事務所への転職を検討している方は、入社前に所長税理士の人格をよく見極めるように注意しておきましょう。
※絶対にブラックな税理士事務所に入りたくない人は、転職エージェント経由で転職活動することをおすすめします。
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ブラックな税理士事務所を見分けるポイント
私は3社の税理士事務所で働いた経験がありますが、ブラックな税理士事務所というのはいくつか特徴というか、共通点があります。
↓具体的には、求人情報を見るときには以下のようなポイントをよくチェックしておきましょう。
こんな税理士事務所に注意!
- 職員の年齢構成が不自然(若手とベテランしかいない)
- 税理士試験の合格者や科目合格者がほとんどいない
- 職員が女性ばかり
- 所長税理士の年齢が60代以上なのに後継者的な人がいない
- 未経験者の採用をいっさい行なっていない
- 1人あたりの担当顧問先が30件を超えている
- いつ転職サイトを見ても求人が掲載されている
特に注意して欲しいのは、若手とベテランしかいない税理士事務所(つまり30代〜40代の職員が極端に少ない事務所)です。
私が経験した1社目の税理士事務所がまさにこういう年齢構成でした。
↓具体的には以下のような年齢構成ですね。
職員の年齢構成に注意
- 20代の職員:10名ぐらい(激しく変動する)
- 30代の職員:2名(うち1名は私の在職中に退職)
- 40代の職員:所長税理士自身のみ
- 50代の職員:5名(先代の所長時代からのベテラン)
- 60代の職員:1名(同上)
30代〜40代の職員が極端に少ないということは、20代のうちに仕事を覚えた段階で、
その事務所に魅力を感じなくなって辞めていっているということです。
こういう年齢構成の組織では、必然的に数少ないベテラン職員が、経験の少ない若手職員を酷使する…という環境になりがちです。
(若手はどうせ仕事を覚えたら辞めていくから…で育てる気がそもそもない)
こういう事務所では、落ち着いた環境で仕事を覚えたり、税理士試験の勉強と仕事を両立したりといったことは非常に難しいでしょう。
(実際、1社目の事務所では職員の中に税理士試験の合格者が1人もいませんでした)
まとめ
今回は、税理士事務所の所長はどういう人格の人たちなのか?について私の体験談を解説いたしました。
もちろん、すべての所長税理士がパワハラ人格というわけではありませんし、税理士事務所のすべてブラック企業というわけではありません。
しかし、中にはそういった人や組織がいまだに存在しているのも事実ですから、そういった事務所に入社してしまわないように注意が必要です。
↓以下では、税理士事務所への転職を目指す方向けに、ホワイト環境な税理士事務所への転職を成功させるにはどうしたらいいのか?について解説していますので、参考にしてみてください。