税理士事務所で働くには?

会計職のキャリア戦略

税理士試験「働きながら2科目」はあり?成功の3つのポイント

  • 働きながら税理士試験合格を目指す場合「2科目同時に受験」は適切?
  • 1年1科目ペースで勉強計画を立てるべき?
  • 最短で2科目合格するにはどうしたらいい?

働きながら税理士試験合格を目指す人の多くが、「1年で1科目、5年で5科目合格」という計画を立てます。

しかし、個人的には税理士試験は「2科目同時進行」が短期合格のポイントになると思っています。

というのも、税理士試験は科目どうしの関連性が非常に高いからです。

典型的なのが簿記論と財務諸表論ですね。

この2科目は内容的に重複している部分が多くある上に、

一方を理解するともう一方の理解が深まる」という関係になっています。

(財務諸表論で学んだ理論を、簿記論の計算問題でより具体的に計算してみるなど)

以下では、働きながら税理士試験合格を目指す方向けに、最短で2科目合格を達成するためのポイントを解説いたします。

働きながら最短で税理士試験合格!知っておくべき2つのポイント

税理士試験 働きながら2科目

(働きながら税理士試験合格を目指す時のポイント)

↓働きながら最短で税理士試験に合格するには、以下の2つのポイントが重要になります。

働きながら短期合格のポイント

  1. 勉強環境は「自分の責任で」作る
  2. 自分の適性に合った科目を選択する

それぞれの項目について、順番に解説していきます。

1.勉強環境は「自分の責任で」作る

税理士試験 働きながら2科目

(勉強環境は「多少無理しても自力で作る」という意識が必要です)

働きながら税理士試験合格を目指す人は、勉強できる環境を「自分の責任で」作ることが大切です。

あえて「自分の責任で」と書いたのには理由があります。

  • 「忙しいから…」
  • 「今は仕事を覚える時期だから…」
  • 「繁忙期が終わったら勉強する…」

などなど、働きながらの場合、勉強をしない言い訳というのはいくらでも出てくるからです。

当たり前ですが、税理士試験は言い訳ばかりしていてはまず合格できないからです。

その一方で、働きながらでも短期間で5科目合格を果たす人は確実にいます。

私はこれまで税理士事務所で10年以上働いてきて、合格できる人もできない人もたくさん見てきました。

私自身も「結局合格できなかった人(科目合格止まり)」ですが、それだけに「合格できる人と、できない人とで何が違うのか?」についてはかなり突っ込んで考えてきました。

働きながら合格できる人とできない人との違い

おおまかにいうと、働きながら合格できる人とできない人とでは「勉強時間を作ること」への意識の差があると思うんです。

↓具体的には、以下のような行動を主体的に取れる人が短期合格する人だと言えます。

働きながら短期合格する人の特徴

  • 多少の雑音があっても勉強を優先できる
  • 働く環境を主体的に選んでいる

多少の雑音があっても勉強を優先する

第一に、多少の雑音があっても、勉強を優先できる必要があります。

ここでいう「多少の雑音」というのは、物理的な雑音のことだけではなくて、

周囲の人たちの意見」という意味もあります。

例えば、勤務先から「給料をもらっているのだから仕事を最優先にしろ」といわれたときや、

家族から「休みの日ぐらい家族サービスしてほしい」といわれたときに、

断固として長期的な目標(税理士試験合格)を優先できるかという問題ですね。

さらにいえば、「働きながらなんてやっぱり無理」ということを言ってくる人もきっとたくさんいます。

そういう人たちの意見をしりぞけることができるかどうかということです。

特に、30代以降になると自分のためだけに使える時間というのは少なくなってくるのが現実です。

働きながら税理士試験合格を目指すなら、多少は自己中心的と思われても我が道をいける人でないときびしいのが実際のところだと思います。

働く場所を主体的に選ぶ

第二には、働く場所を主体的に選ぶことも大切です。

働きながら税理士試験合格を目指す人の多くは、税理士事務所で働きながら勉強することを考えているでしょう。

税理士事務所側も、従業員が税理士試験合格を目指して勉強していることは百も承知ですから、優秀な人材を集めるために勉強を応援する環境を用意していることが多いです。

(試験直前期の長期休暇取得や、資格スクールに通いやすいように繁忙期を除いて残業禁止にするなど)

その一方で、実質的に勉強との両立が不可能な税理士事務所も少なくありません。

こういった事務所では、「従業員の試験勉強を応援してもなんの得もない。合格したら独立して行ってしまう」と考えています。

働きながら税理士試験合格を目指すなら、「どの事務所で働くか」は極めて重要な問題といえるでしょう。

何よりも勉強と両立できることを判断基準に働き先を選ぶ」という人と、

「どうせ合格したら独立するから、雇ってくれるならどこでもいい」という基準で働く事務所を選ぶ人ととでは、勉強環境に大きな差が出ることは当然です。

勉強しやすい税理士事務所を見つけるには?

とはいえ、「実際に働く前に、試験勉強と両立できる雇用環境かどうかなんてわからない」という人もいらっしゃるでしょう。

雇用契約を結ぶ前に、事務所に足を運ぶ機会なんて面接の時ぐらいしかありませんからね。

解決策としては、税理士事務所専門の転職エージェントから情報をもらうのが良いです(転職エージェントは無料で使えます)

転職エージェントは、実際に事務所に足を運んで所長税理士から雇用環境についてヒアリングしていますから、

実際に働き始める前に、応募先の税理士事務所が勉強と両立できる雇用環境かどうか?をみきわめることができますよ。

税理士事務所専門の転職エージェントとしては、以下のようなところがあります。

MSジャパン(実務未経験者がお仕事を探すのにおすすめの転職エージェント)

未経験者もOKの優良求人が多数!

MSジャパンは、税理士事務所や企業経理の求人をメインで扱うエージェント会社です。
特徴は「実務未経験・資格なし」の人でも応募できる優良求人が多数あることです(年収400万円〜など)
これから未経験で会計職キャリアをスタートしたいはMSジャパンをメインで使いましょう。

ジャスネットキャリア

経験3年以上の方におすすめ!高年収の求人多数あり

ジャスネットキャリアは、会計職の「実務経験者向け求人」が充実しています。
初年度年収600万円〜など、高年収の求人がたくさん掲載されていますので、実務経験が3年以上ある人はメインで使えます。
なお、実務未経験者は応募できない求人が多いのでMSジャパンを使いましょう。

マイナビ税理士

マイナビ税理士

勉強しながら働ける求人が多数登録!

マイナビ税理士は、大手マイナビが運営する転職サイトです。
試験直前の長期休暇や、繁忙期でも残業少なめなど、税理士試験受験生が働きやすい求人が多数登録されています。
科目合格がすでに1科目以上ある方は有利な条件の求人もあります。勉強との両立重視で事務所を選びたい人におすすめです。

時間をかけて転職活動し、採用された後になってから「やっぱり勉強と両立できる環境ではないと気づいた…」となると大きな時間のロスになってしまいます。

これを避ける意味でも、応募する税理士事務所を選ぶときには、転職エージェントに相談してみるのがおすすめです。

勉強できる環境づくり

働きながら税理士試験を短期間で科目合格するためには、

自分に合った勉強場所を見つける必要があります。

ここで重要なのが、集中できる場所の確保です。

働きながら勉強する人は、学生より勉強時間が少ない分、短時間集中できる場所探しで合否が左右されるといっても過言ではないからです。

なお、勉強場所はひとつにしぼる必要はまったくありません。

集中できる場所はその日の気分や状況によっても変わりますよね。

なので、勉強場所の候補はたくさん持っていた方が便利です。

通勤や仕事中にちょっと寄れるカフェや、時間貸しの自習室など、集中できる場所を見つけておくのが良いでしょう。

「完全に静かでないと集中できない」はNG

ただ、注意してほしいポイントがひとつあります。

それは、勉強する場所は、静かな場所に限定しないことです。

いつも静かな場所で勉強していると、試験時に周囲の電卓音や筆音が気になり、問題に集中できないケースが生じます。

もちろん、雑音がありすぎるのも良くないですが、落ち着いた雰囲気のカフェや人が多い図書館ぐらいの雑音にはなれておかないと試験本番でつまづく可能性が高いです。

小規模な個人事務所は勉強しやすい環境であることが多い

税理士事務所で働きながら税理士試験合格を目指す案ら、まずは小規模の個人事務所で働くことをおすすめします。

なぜなら、日々の業務でいまあなたが学んでいる勉強が生きるからです。

税理士法人や規模が大きい個人事務所で働くと部門ごとに分かれることがおおく、知識が偏ってしまいます。

つまり、働きながら科目合格を目指するためには、日々の業務でいかにアウトプットできるかも重要なのです。

そこで働きながら学べる税理士事務所にはどういう特徴があるかをご紹介します。

税理士が一人の事務所を選ぶ

そもそも税理士登録するためには、2年以上の実務経験が必要とされます。

なので、個人開業税理士事務所で働くか、または大手税理士法人で働くかの選択をしなければなりません。

どちらも経験できれば、それに越したことはありませんが、選択しなければいけない場合は、税理士一人の個人事務所がオススメです。

理由は、実務を通してさまざまな経験ができるからです。

経験ができる=知識が身に付く。

つまり、仕事を通して勉強ができるのです。

最初は、実務を覚えるまで非常に苦労すると思いますが、さまざまな案件に触れられるため、幅広い知識が身に付きます。

また、この個人税理士事務所選びで注意するポイントは、上述でもふれた忙しい事務所を選択しないこと。

下記の5つのうち3つ以上にあてはまる事務所はかなり危険です。

  • 求人が頻繁にでている税理士事務所
  • 給料に残業手当が盛り込まれている求人
  • 働いている従業員の雰囲気が悪い
  • 所長の性格がくせ者
  • 税理士試験日に休みがない

将来、税理士を目指している人はブラック事務所に入社しないように気をつけましょう。

土日祝が休みの事務所を選ぶ

土日祝日が基本休みかどうかは、税理士を目指すうえでもっとも重要な部分といっても過言ではありません。

年末調整や個人・法人の確定申告時期などの繁忙期に休みが少ないというのは、この業界で働くうえで避けては通れません。

しかし、繁忙期以外も残業・休日出勤が当たり前の事務所で働いていては、受かるものも受かりません。

冒頭でも述べたように税理士試験は、国家3大資格に匹敵するほどの難関試験です。

毎日勉強するのはもちろん、休日・祝日は返上して勉強しないと合格するのは難しいでしょう。

これから働きながら2科目合格を目指す人、税理士を目指す人は土日祝日が休みの事務所を選択しましょう。

2.自分の適性に合った科目を選択する

税理士試験 働きながら2科目

(働きながら勉強する場合、科目選択の組み合わせは極めて重要です)

働きながら税理士試験合格を目指すなら、「どの科目を選択するか?」は決定的に重要です。

↓各科目でどれくらいの勉強時間が必要なのかについて、大手資格スクールの情報をまとめると以下のとおりです(スクールによって多少の誤差はありますが、平均するとこうなります)

税理士科目の目安勉強時間

  • 簿記論  :400~450時間
  • 財務諸表論:450~500時間
  • 所得税法 :600~650時間
  • 法人税法 :600~650時間
  • 相続税法 :400~450時間
  • 国税徴収法:150~200時間
  • 固定資産税:200~250時間
  • 消費税法 :300~350時間
  • 酒税法  :150~200時間
  • 住民税  :200~250時間
  • 事業税  :200~250時間

なお、上記は税理士試験初年度の勉強時間の平均値です。

税法科目の中では、選択必須科目である所得税法と法人税法の勉強時間が一番多いですね。

つまり、600時間以上を1年で確保できる税理士事務所でなければ働きながら税理士になることは難しくなります。

↓それぞれの科目の合格率についても見ておきましょう。

税理士科目の合格率平均値

  • 簿記論  :11~13%
  • 財務諸表論:15~18%
  • 所得税法 :12~14%
  • 法人税法 :10~12%
  • 相続税法 :10~13%
  • 国税徴収法:11~13.5%
  • 固定資産税:10~12.5%
  • 消費税法 :11~13%
  • 酒税法  :10~12%
  • 住民税  :14~16%
  • 事業税  :11~14%

勉強時間が少なくても済む科目(固定資産税・国税徴収法・酒税・住民税・事業税など)であっても、合格率でみるとほぼ違いがないことに注意してください。

ボリュームが少ないからと言ってこれらの科目を安易に選ぶのは禁物です(実務でもほぼ使わない知識なので、「実務と関連づけて学べる」という税理士事務所職員ならではの強みもいかせません)

なお、各年度によって「受かり年」というのも存在します。

例えば、令和元年度の住民税19%、H29年度の財務諸表論29.6%というように、例年の合格率より高い数値になることもあるのです。

もっとも、受かり年の科目は誰にも予測できないので、コツコツ勉強するほかありません。

同時合格する最強の組み合わせ

税理士試験は、各科目によって出題内容があらかじめ決まっています。

ここでいう出題内容というのは、計算と理論の比率のことです。

下記の表で各税科目の出題範囲を確認しておきましょう。

税理士科目の出題内容

  • 簿記論  :計算100%
  • 財務諸表論:計算50%/理論50%
  • 所得税法 :計算50%/理論50%
  • 法人税法 :計算50%/理論50%
  • 相続税法 :計算50%/理論50%
  • 国税徴収法:理論100%
  • 固定資産税:計算50%/理論50%
  • 消費税法 :計算50%/理論50%
  • 酒税法  :計算40%/理論60%
  • 住民税  :計算50%/理論50%
  • 事業税  :計算30%/理論70%

ほとんどの税科目が計算50%/理論50%であるものの、簿記論、国税徴収法、酒税法、事業税の比率は異なります。

理論が得意という人は国税徴収法や事業税、住民税が比較的受かりやすく、計算が得意という方は、簿記論に集中しましょう。

2科目受験する人のなかには、計算100%の簿記論と理論100%の国税徴収法を同時にチャレンジする人も多いです。

これから1年に2科目を受けるという人は、理論と計算の出題内容に目を向け、得意分野で勝負してみてください。




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