
(30代から税理士って目指せる?)
- 30歳から税理士を目指すって遅い?
- 働きながら税理士試験合格は可能?
- 30代職歴なしでも会計事務所でキャリアスタートできる?

現在30歳の社会人です。
これから未経験で税理士を目指そうと考えているのですが、
年齢的にきびしいでしょうか?
ちなみに会計関係の職歴なしです。
30代から未経験業界に挑戦するのは勇気がいりますよね。
ただ、税理士業界に限っていえば、
30歳という年齢は決して遅くありません。
未経験・職歴なしから税理士を目指すのは十分可能ですよ。

私はこれまでに10年ほど税理士業界で働いています。
3社の会計事務所(税理士事務所)で働いた経験がありますが、
いずれの事務所でも30代未経験からキャリアスタートする人はいました。
働きながらでも税理士試験5科目に合格していく人は普通にいますよ。
この記事では、30代から税理士を目指す方向けに、
税理士のキャリアプランについて解説します。
参考にしてみてくださいね。
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この記事の目次
30歳から税理士を目指すのは決して遅くない(ごく平均的)

(30代・未経験から税理士になることは十分に可能です)
結論から先にいうと、30歳から税理士を目指すのは決して遅くありません。
そもそも税理士業界は平均年齢がとても高い業界です。
理由は簡単で、社会人になってから税理士を目指し始める人が多いからですね。
例えば、日本税理士連合会が公表している統計によると、
↓税理士有資格者の年齢構成は以下のようになっています。
↓年齢で一覧にするとこういう感じです。
- 20代:0.6%
- 30代:10.3%
- 40代:17.1%
- 50代:17.8%
- 60代:30.1%
- 70代:13.3%
- 80代:10.4%
20代〜30代で税理士有資格者になっている人は、たったの10.9%しかいません。
(20代0.6%+30代10.3%=10.9%)
逆にいえば、税理士の89.1%は40代以上の年齢ということですね。
また、国税庁が公表している税理士試験の年齢別結果は、
25歳以下が4,929名・26〜30歳が4,131名と、
総数28,853名に対して31%しかいません。
30歳を過ぎて試験を受験している人の方が多いですし、
有資格者となると30代以下はほとんどいません。
つまり、税理士業界では30代はまだまだ若手なのです。
ちまたでは35歳転職限界説とか言われてますが、
(未経験の職種に挑戦するなら34歳までという説)
税理士業界ではこれはまったく当てはまらないです。
30歳から職歴なし未経験で税理士を目指す人はたくさんいますよ。

>>ただし、労働環境劣悪な「ブラック事務所」に入社すると税理士合格はほぼ不可能になるので注意
税理士の平均年齢がとても高い理由は?
税理士の平均年齢がとても高くなっているのは、
税理士試験がそもそも社会人向けの試験になっているのが原因です。
↓具体的には、以下の2つの理由があります。
- 受験資格の制限がある
日商簿記1級または大学卒業がないとそもそも試験が受けられません(その他実務要件を満たすことで受験資格を得るケースもありますが、超少数派です) - 科目合格制度がある
一度合格した科目は一生涯有効なので、社会人でも「1年に1科目ずつ、5年かけて合格」という現実的なプランを立てることができます。
働きながら合格を目指すのに適した試験といえます。
このように、税理士試験そのものが社会人向けのルールになっていますので、
必然的に社会人(20代後半〜30代)になってから税理士を目指す人が多いのです。
社会人経験は評価される
税理士法人と言えど一般の大手企業とは違いますし、中小企業のひとつです。
社会人のマナーをいちから教えるのは負担になります。
そのため社会人経験は評価されます。
新卒であれば顧問先への電話・メール対応や上司への報告連絡相談、
期限に対する意識、資料の作り方から教える必要があるからです。
30代職歴なしでも会計事務所(税理士補助)に転職できる?
これから初めて税理士業界を目指す人は、
会計事務所(税理士事務所)の税理士補助として働きながら試験勉強を進めていくのがおすすめです。
一般企業の経理で働く人もいますが、
税理士としての実務経験を積むという意味では、
会計事務所ほど恵まれた環境はありません。
働きながら税理士試験の科目合格を毎年重ねていき、
実務経験を積みながら5ぐらいかけて五科目合格を目指すのが現実的なプランになりますね。
なお、30歳になるまで別のことをしていたので、
社会人としての職歴がまだない…。
という方もおられるかもしれません。
やりたいことが見つからなくてずっとフリーターやってた。
でも30代になり、税理士という目標を見つけることができた。
これからゼロから勉強するつもりで頑張りたい。
↑税理士業界って、こういう人けっこうたくさんいます。
税理士は社会人向けの国家資格なので、
30代になってから勉強スタートする人がとても多いのです。
会計事務所で働く仲間は、
ほとんどが税理士試験受験生です。
30代職歴なしの人もすぐなじめると思いますよ。

基本的に平均年齢が高い業界ですので、
30歳以上の人も未経験で採用される可能性は十分あります。
↓実際の会計事務所の求人を見てみましょう。
年齢制限は特に設けられていないのが一般的です。
税理士を30歳から目指すなら「20代受験生と同じこと」をやってはいけない

(年齢30代から税理士を目指す場合のポイント)
税理士を30歳以上の年齢から目指すこと自体は何の問題もありません。
問題は「20代の人たちと同じような勉強のしかた」をしてしまうことです。
30代は仕事でもプライベートでも20代とまったく状況が違います。
20代の人たちと同じような考え方で勉強と仕事の両立を目指してしまうと、
勉強もキャリアもどっちつかずになる可能性が高いです。
30代の貴重な時期を、勉強だけに投入してしまうと、
もっとも重要な「仕事の経験値」がおろそかになり、
キャリア的には本末転倒なことになります。
税理士試験は「10年勉強して不合格…」な人がたくさんいる世界
税理士試験は、10年以上勉強したけど、結局受からなかった…。
みたいな人が普通にいる世界です。
もちろん、それもひとつの人生なので否定はしませんが、
少なくともこのブログを読んでくださっているあなたは、
そういう事態は絶対に避けたい…と考えているでしょう。
30代から税理士を目指すなら、自分でタイムリミットを決めましょう。
そして、そのタイムリミットに間に合わないなら撤退も決断すべきです。
(できれば3年以内に5科目合格。5年以内に合格できないならスパッとあきらめるなど)
きびしい言い方に感じるかもしれませんが、
勉強と仕事の両立はそのぐらいきびしいんです。
ずっと勉強していて、ずっと受からない…という状況ほどつらいものはありません。
世の中で仕事は税理士だけではありませんしね。
>>労働環境劣悪な「ブラック事務所」で働くとこんな悲惨なことになります…
いったん無職になって2年ぐらいは勉強に専念…はやめたほうがいい
税理士受験生でときどき見かけるのが、
「勉強と仕事の両立は難しいので、いったん離職して無職になり、勉強に専念する」というやり方です。
結論から言うと、これ絶対にやめたほうがいいです。
もちろん、中にはこれで5科目合格できる人もいるのでしょう。
しかし、30代で無職になるのは失敗した場合のリスクがでかすぎます。
無職で勉強に専念し、最終的に合格できない場合、本当になにも残りません。
履歴書上もまったく白紙の「ブランク状態」です。
もちろん、転職面接等では「この期間中は勉強に専念していました」という言い訳をすることになりますが、
- 勉強と試験の両立で5科目合格している人は世の中にたくさんいる(なのに勉強専念しても合格できなかった)
- 30代で無職とか、家族にはどう納得してもらってたの?自分のことしか考えないの?
↑などなど、まったくいい評価を得られる要素がありません。
無職になって税理士の勉強に専念…なんてことが許されるのは、
どんなに遅くとも27〜28歳ぐらいまでです。
仕事における30代は、仕事でもっとも貴重な経験ができる年代です。
その期間を学生みたいなかたちで過ごしても周りからは評価されません。
社会人で税理士試験に合格している人のほとんどは会計事務所勤務です。
なので、30歳から税理士を目指す場合は、
働きながらが当たり前であることを認識しておきましょう。
なお、税理士試験に合格するためには、資格スクールに通うことが必須です。
独学で合格しようとせず、うまくいっている人をサクッとまねして短期間で合格するようにしましょう。
勉強との両立が可能な事務所を勤務先に選ぶ
働きながら税理士を目指すなら、「働く環境づくり」がもっとも重要です。
ほとんどの社会人税理士受験生が会計事務所(税理士事務所・税理士法人)で働くことを選ぶと思いますが、
どう言う事務所に入るか?には徹底的にこだわってください。
具体的には、ワークライフバランス重視で、
↓職員の試験勉強を応援していることを明示している事務所を選ぶことですね。
スタッフ5〜10名程度の事務所の場合、基本的に仕事が最優先なケースが多いので、
ある程度の規模(スタッフ20名以上)の事務所を狙うのが良いでしょう。
規模が小さい事務所では、特に繁忙期はスタッフ全員で業務をこなす必要があります。
そのため、繁忙期であっても仕事量を調節してもらうことができません。
一方で、大手で両立を支援している会計事務所であれば、
繁忙期であっても勉強時間を確保できるように仕事を調節してもらえる可能性が高いです。
できれば毎年、税理士試験合格者・科目合格者を出しているような事務所を選びましょう。
(そういう事務所は「うちはこれぐらい働きやすい」ということで実績としてアピールしているはずです)
>>労働環境劣悪な「ブラック事務所」で働くとこんな悲惨なことになります…
大学院修了による科目免除も選択肢に入れよう
資金的に余裕がある人は、
大学院を卒業して科目免除を受けるという選択肢もあります。
働きながらでも、夜間開校の大学院を選べば修了することは可能です。
例えば「平日3日間、18:30~21:30で2コマ授業」みたいな感じで講義があり、
最終的に修士論文を作成できれば科目免除を受けられます。
会計学に関する大学院を修了すれば、会計科目1科目。
税法に関する大学院を修了すれば、税法科目2科目免除です。
修士論文は約1年かけて教授と打ち合わせや添削をしてもらいながら作成します。
授業料は、国公立か私立かで異なりますが、
2年間で約200~400万円程度のところが多いでしょう。
例えば、働きながら「簿記論・財務諸表論・税法1科目」の3科目に合格したら、
そこから税法系の大学院に進んで、2科目の税法免除を受ければ、
5科目合格と同じ扱いで税理士登録が可能になります。
お金はかかりますが、非常に現実的なプランということができるでしょう。
>>労働環境劣悪な「ブラック事務所」で働くとこんな悲惨なことになります…
30代社会人から税理士を目指すキャリアプラン

(未経験の30代社会人が最短で税理士になるルートは?)
現在30代社会人の方がゼロから税理士を目指す場合、
↓この3ステップが税理士を目指す最短ルートといえます。
- まずは会計事務所に入社して働き始める
- 実務経験を積みながら科目合格を増やしていき、税理士試験5科目合格を目指す
- 試験合格したら税理士として独立(または勤務税理士としてキャリアップ転職)
会計事務所で働くというのは、
すでに独立している別の税理士さんに雇用してもらうということですね。
税理士として登録するためには2年間の実務要件が必要です。
遅かれ早かれ税理士としての業務が経験できる職場で働く必要があります。
なお、試験合格するまでは働かず、試験に専念するってどうですか?
という人もときどきいるのですが、
すでに年齢的に30代になっている人にはおすすめしません。
そういう自由なことができるのは遅くとも20代後半までですね。
働き盛りである30代で無職のブランク期間を作ってしまうと、
あなたのキャリアは致命的に断絶してしまいます。
しかも、試験専念でスムーズに税理士試験に合格できればいいですが、
もし合格できない場合は悲惨なことになりますよ。
少しでも早くちゃんとお金を稼げる税理士になりたい人は、
会計事務所で税理士としての実務を学びつつ、
毎年1科目ずつでも科目合格を確実に積み重ねていくことを目指しましょう。
>>ただし、労働環境劣悪な「ブラック事務所」に入社してしまうと、こんな悲惨なことになります…
職員の試験勉強を応援している事務所を転職先に選ぼう
社会人として働きながら税理士を目指す方にとって、とても重要なことがあります。
それは、職員の試験勉強を応援してくれる環境の会計事務所を転職先に選ぶようにすることです。
会計事務所の中には、仕事が激務すぎて勉強どころではない…
みたいな環境のところもたくさんあります(私も経験しました)
こういうところを転職先に選んでしまうと、
いつまでたっても税理士試験に合格できず本末転倒なことになりかねません。
↓そんな中で、職員の試験勉強を応援してくれる会計事務所も数多くあるんです。
勉強と仕事の両立が必須な人は、
あらかじめ職員の勉強OKを明言している事務所を選ばないといけません。
30代が会計事務所に未経験で転職した場合の平均年収は?

(会計事務所の平均年収は?)

ネットの口コミでは会計事務所は給料が安いというのが多いのですが、
これって本当ですか?
私は年齢が30代で家族もいるので、
できるだけ年収は下げたく無いのですが…。
未経験で会計事務所に入社する場合、
平均年収は300万円〜350万円程度と考えておきましょう。
実務経験者として転職できればもっと稼ぐことができますが、
未経験者として入社する場合はどうしても年収は低くなります。

もっとも、最近では税理士業界も人手不足ですから、
未経験でも給料の高いホワイトな事務所も増えてきていますよ。
↓未経験者OKの会計事務所求人の例
30代はブラック事務所に間違って応募しないように要注意

(会計事務所の中には「ブラック事務所」もありますので注意しましょう)
ここまで見てきたように、
未経験・30代の人でも会計事務所に転職することは普通に可能です。
ただし、一点だけ気をつけて欲しいことがあります。
それは、雇用環境が劣悪なブラック事務所に、
まちがえて転職してしまわないようにすることです。
私自身、10年間で3社の会計事務所を経験していますが、
1社目に入社した事務所は
典型的なブラック事務所でした。

ブラック事務所の日常ははっきりいって悲惨です。
↓例えば以下のような感じですね(実体験…)
- 繁忙期は毎日日付が変わるまで残業。残業代はなし。
- 手取り月収はたったの16万円。生活費と資格スクール受講費ですべて消えていく…。
- 激務すぎて勉強との両立なんて不可能。事務所内に合格者なんて1人もいない。
- 人格破綻のパワハラ所長に毎日責められ、うつ状態の新人が続出する職場。
- 先輩は「どうせ新人はすぐ辞めていくし」と仕事を教えてくれない…。
私は結局、うつ病になる寸前のところまでいってしまい、
この事務所は辞めて別の事務所に転職しました。
2社目の会計事務所では残業が非常に少なく、
勉強との両立を応援するスタンスの所長税理士だったので、
税理士試験の合格者も毎年ちらほら出るという恵まれた環境でした。
ひとくちに会計事務所といっても、
雇用環境は事務所によってまったく違うので注意してください。
ブラック事務所の激務に耐えながら税理士試験に挑戦するのはあまりにも無謀です。
ブラック事務所は少数派にはなっているが、まだ存在しているのも事実

(会計事務所に転職するなら、ブラック事務所に注意)
最近は、世の中でブラック企業への風当たりがとても強くなってますよね。
(私が社会人になりたての頃から考えるとずいぶん世の中変わった感じがします)
税理士業界もこれはある程度同じで、私が経験したようなブラック事務所は少数派になりつつあります。
しかし、たとえ少数ではあっても
ブラック事務所は現在も存在しているのがこの業界の実情です。
↓特に、以下のようなスタンスで転職活動を進めてしまうと、
ブラック事務所に間違えて応募してしまうリスク
が極めて高くなるので注意してください。

- どうせ数年後には独立するつもり。だから、職員時代の年収なんてあんまり関係ない。
- お給料をもらいながら実務を勉強させてもらえるならそれだけで十分
- 自分は年齢的にも若い方ではないし、この業界は未経験…。採用してもらえるだけでも感謝すべきかも…。
↑こういう考え方で転職活動を進めていくのは間違いです。
(私自身もこういう考え方で転職活動していたので、
ブラック事務所にまんまと入社してしまいました)
多くの人が将来は税理士として独立することを目指していると思いますが、
独立開業するための資金は職員時代のお給料からコツコツ貯めていかないといけません。
また、税理士試験の勉強を同時進行で進めていくなら、
繁忙期にも残業が少ない事務所や、
終業後の資格スクール通いをこころよくOKしてくれる事務所環境の方が、
早期合格につながるに決まっています。
つまり、30代未経験から税理士としてのキャリアをスタートする人であっても、
働く事務所の雇用環境にはしっかりとこだわって転職活動を進めていかなくてはいけないということですね。
未経験30代で転職の人→中堅規模の税理士法人がおすすめな理由

(実務未経験者は「中堅規模以上の税理士法人」がおすすめ)
これから未経験で会計事務所に転職する人(特に30代以上の人)は、
中堅規模の税理士法人を第一志望にするのがおすすめです。
ここで「中堅規模の税理士法人」とは、
正社員のスタッフが20名以上の会計事務所を想定しています。
(ちゃんとした定義があるわけではないですが)
↓例えばこういう感じの求人ですね。
>>未経験OKの会計事務所求人を見てみる(1000件以上あり)
↓実務未経験の方(特に年齢30代以上の方)に、
この規模の税理士法人をおすすめする理由は以下の2点です。
1. ひと通りすべての税理士業務を経験できる(適度な業務量で)
未経験者の初めての転職先として「中堅規模の税理士法人」をおすすめする理由の1つめは、
適度な業務量で、ひと通りすべての税理士業務を経験できる可能性が高いことです。
ここで重要なのは「適度な業務量で」という部分。
中堅規模の税理士法人の場合、単純作業的な業務(会計ソフトへの打ち込み作業など)については、
その仕事専門のスタッフを雇っていることが多いです。
こうした業務は特別な知識が必要ないわりに、業務負担がとても大きいという特徴があります。
そのため、より高度な業務に集中することができるんです。
中堅規模以上の税理士法人では、特別な会計知識や税務知識の必要ない単純作業(はっきり言って「誰でもできる作業」)については、
それ専門のスタッフがやってくれるケースがほとんどです。
(パートさんや派遣社員さんであることが多い)
逆にいうと、スタッフ20名未満の小規模な会計事務所の場合、
こうした単純作業も正社員の職員が自力でやっているケースがほとんどなんです。
特に、未経験の新人は「先輩の手伝い」などの名目でこうした業務を押し付けられることも少なくありません。
必然的に、小規模な会計事務所では「仕事から学べる部分が少ない割にしんどい…」という働き方になりがちです。
若い人なら残業しながら根性…でなんとかなるかもですが、
年齢30代以上になるとプライベートとの両立も含めてかなりしんどいですね。
効率よく短期間で税理士業務を身につけたい人は、
小規模会計事務所はなるべく避けておきましょう。
中堅税理士法人では「税理士実務」をひと通り経験できる
また、中堅規模の税理士法人ではひと通りの税理士実務を経験できるのも強みです。
(月次監査〜決算税務申告作業まで、一貫して業務を経験できる)
この点、大手事務所では複数のスタッフで手分けして1つのクライアントを担当しますから、
経験3年目とかでも自力で税務申告まで自力でできない…という人が結構いたりします。
未経験者はまず、小さな規模のクライアント企業で良いので
「自力で決算税務申告まで完結できる」レベルを目指すべきです。
ここをクリアしていれば、そこから先のキャリアの選択肢がぐっと広くなります。
また、中堅税理士法人ではある程度の経験年数になってくると、かなり大きな規模のクライアントを担当するチームに入ることもあります。
つまり、経験できるクライアントの幅がとても広いんですね。
(社長が1人でやっている中小零細企業から、売上百億以上規模の法人まで経験できる)
税理士を目指すと言うおおまかな目標は決まっていても、
将来的にどういうクライアントを相手にしたいのか?どんな仕事をしたいのか?までは決まっていないケースが多いでしょう。
未経験のうちに多様な経験を積めるのは重要なことです。
>>労働環境劣悪な「ブラック事務所」に入社するとこんな悲惨なことになります…
2. 新人の教育環境が整っている
未経験者が最初の転職先として「中堅規模の税理士法人」を選ぶべき理由の2つめは、
新人の教育環境が整っていることです。
会計事務所スタッフは一人前の戦力になるまで長い時間がかかります。
(優秀な人でも、最低限の税理士業務を完結できるようになるまで3年はかかるでしょう)
それまでの新人教育を自社で完結するためには、かなりの体力が必要になります。
必然的に、資金的な体力のある中堅規模以上の事務所でないと、まともな新人研修を受けるのが難しいのです。
この点でも小規模会計事務所では、ほとんどのケースで「先輩の背中を見ながら覚える」式の教育がされることが多いですね。
訳もわからない状態で顧問先クライアントに同行させられ、
ミスをしてクライアントから「税理士なのにそんなこともわからないの…?」的な反応をされることもあります(実体験談…)
クライアントからすると会計事務所のスタッフは「税理士先生」です。
これはあなたが税理士有資格者であるか・科目合格が現時点であるか関係なくそうです。
(クライアントは「会計事務所の職員=税理士有資格者のはず」と思っているケースも多い)
ある程度の規模以上の事務所では、
新人研修制度が用意されていたり、
チーム制やメンター制度があったりする事務所が多いです。
わからないことがあった時に自分で調べる姿勢はもちろん大切ですが、
1人ですべて解決するのではなく、一緒に考えてくれたり教えてくれたりする人がいない環境はつらいですよ。
きちんと新人教育を受けてから顧問先デビューをしたい人は、
中堅規模以上の税理士法人(会計事務所)を最初の就職先に選ぶのが良いでしょう。
中堅税理士法人で求められる科目合格数は?
結論から言うと、転職活動をしている時点で科目合格ゼロでも問題ないと思います。
過去に私が働いていた税理士事務所でも、科目合格数ゼロでも未経験入社してくる人はたくさんいました。
実務未経験の場合、税理士資格や科目合格のある人と、そうでない人とで待遇の違いはほぼない印象ですね。
ただ、最低限の会計知識があることはアピールできた方が良いですから、少なくとも簿記論・財務諸表論の勉強はスタートしているのが望ましいです。
税法についても、実務に直結する法人税法や消費税法の勉強経験があるとより好ましいですね。
これらについて業務で必要な最低限の知識は、入門者向けのテキストなどを読み込めばすぐ身につけられるので、
転職活動を進めながら勉強しておくのが良いでしょう。
>>労働環境劣悪な「ブラック事務所」に入社するとこんな悲惨なことになります…
【おすすめしない】未経験30代ならこんな会計事務所求人は避けよう

(未経験者におすすめしない会計事務所求人とは?)
1. 大手税理士法人をおすすめしない理由
大手税理士法人とはBIG4や正社員数百名以上の規模の事務所です。
事務所の運営方針にもよりますが案件規模が大きいので、
チームを組んだり部門に分けたりして業務を進めるケースが多いです。
そのため業務を断片的にしか経験できないことがあります。
するといつまでも全体像を把握できず、
1人で最初から最後まで仕事を完結することができません。
2. 小規模税理士事務所をおすすめしない理由
小規模税理士事務所とは所長1名とスタッフ数名で構成される事務所です。
素晴らしい所長でホワイトな事務所もありますが、
中には低賃金長時間労働のブラックな事務所も多数あります。
知人の紹介でもない限りホワイトな事務所かどうか見極めるのが難しいです。
そのためあまりおすすめできません。
3. いわゆる「特化事務所」も未経験者は避けるのが無難
もし相続がしたい!国際税務がしたい!と、
やりたいことが決まっているなら特化事務所でも良いと思います。
しかし仮に相続に特化しても法人税や周辺領域の質問はされますし、
答えなくてはいけません。
将来的に特化事務所は有りだとしても、
あくまで最初は様々な経験を積める事務所がおすすめです。
>>労働環境劣悪な「ブラック事務所」に入社するとこんな悲惨なことになります…
労働環境が劣悪なブラック事務所でぜったいに働きたくない人へ

(ブラックな会計事務所で働きたくない人へ)
いま税理士事務所で働いている人も、これから働く人も、
労働環境が悲惨なブラック事務所にまちがえて入社しないよう注意してください。
職員を「使い捨て」ぐらいにしか考えず、安い給料で搾取しまくるブラック事務所は、
2023年現在も残念ながら一定数存在しています。
こういう事務所ほど「うちはアットホームな職場です!」…みたいにアピールしていることが多いので注意が必要です。
ブラック事務所にまちがえて応募するリスクを避けるためにも、
会計職専門の転職サイトを活用しましょう。

↓こういった専門サイトでは、
ブラック事務所の求人はあらかじめ排除されているので安全です。
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正直、税理士業界に転職するなら、
ハローワークやリクナビは使わない方が良いと私は思ってます。

実際、私が1社目に入社したブラック事務所はハローワーク経由で応募しました。
(窓口の職員さんに「こちらは特におすすめですよ」と紹介されました…)
私も後から知ったんですが、ハローワークの相談員って、
彼ら自身が非正規職員だったりするのでけっこういい加減なんですよね…。
情報リサーチには会計職専門の転職サイトを使うようにしましょう。
(無料アカウント登録すると詳細な求人検索をかけられます)
↓例えば、以下のような優良求人をたくさん見つけることができますよ。
- 未経験・資格なしでも年収400万円スタートの事務所求人
- リモート勤務OKな税理士事務所求人
- 税理士試験と両立できるワークライフバランス重視の求人
- 一般企業の経理で会計事務所経験者を積極採用している求人
- 相続税申告の実務経験を積むことができる事務所求人
- 将来的に独立を目指すのもOKな事務所求人
- 医業や社福法人など「もうかる分野」で活動している事務所求人
- 社労士や司法書士など他分野の士業と提携している事務所求人
「今すぐ転職する気はない人」もやっておくべきこと1つ
今すぐは転職するかどうか決めてない。
でもさすがに今の職場で定年までずっと働く…はありえない。
チャンスがあれば転職もありだけど、具体的な行動はまだ…。
(なのでいろいろ調べてる)
↑私のブログを読んでくださっている方の多くは、
おそらくこういう段階だと思います。
転職活動ってはっきりいってめんどくさいですよね。
人生でそう何度もあることではありませんし。

ただ、こういう段階の人ほど、
転職サイトの無料アカウントだけは早めに作っておいた方が良いです。
実際には、転職って運で決まってしまう部分もあります。
たまたま良いタイミングで、良い求人に出会えるか?
で決まっちゃうことも多いんです。
能力的に優秀な人でも、たまたま良い求人に出会えずブラック事務所で働いている…みたいなことって普通にあります。
(逆に言うと、能力的には普通だけど、転職活動の進め方が上手でホワイト事務所に入社できている人もいる)
重要なのは、とにかく優良求人に「出会う確率」を上げることです。
具体的には、転職サイトに転職先に求める条件をしっかり入力しておくのがコツですね。
(年収や組織規模、残業上限など)
↑これをやっておくと、
転職サイトから得られる情報の質が一気に上がります。
条件にマッチした事務所求人が出た瞬間にスマホに自動通知してもらえるので、
優良事務所の求人を見逃すリスクがなくなるのが大きいです。
(転職サイトで求人検索をかけてるだけ、
なんとなく求人をながめているだけ…の人たちと大きな差がつきます)
いい感じの事務所求人が見つかったら、
ブックマーク保存等で情報としてストックしていきましょう。
日常的に積み上げた優良な情報ストックを、
行動を起こす時の判断基準に使えるようにしておくのが大切です。

↓年収高めのホワイト事務所の求人や、
BIG4税理士法人を含む大手事務所ほど、
募集期間が短い傾向があるので注意してくださいね。
>>無料アカウント作成時には「希望条件」をしっかり入力しておきましょう
現状への不満とストレスが限界を迎えると、行動する気力がなくなる

(ストレスが限界になる前に手を打てるようにしておきましょう)
転職サイトを日常的にチェックし、
気になった求人をブックマーク保存していくだけでも、
「今の環境で精神的に限界が来たら転職もある。
自分には別の選択肢もある」
↑と気づけるのも重要です。
ストレスでどうしようもなくなる前に、
転職という手を打つことができるようにしておきましょう。
これって、今の職場で働く上でも
精神的な安定につながります。
いい意味での逃げ道を常に準備しておくのが大事ですよ。

逆に言うと、いま現在の環境への不満とストレスが蓄積された後になると、
転職サイトに登録する気力すらなくなります(私の実体験談です…)
そうなると、さらに現状への依存度が高まって、
抜けられなくなる…という無限ループにはまりがちですね。
なぜ「最大手のリクナビ」をおすすめしないのか?

(「税理士業界専門の転職サイト」を情報リサーチに活用しましょう)
転職サイトっていろんなところがありますよね。
この記事を書いている2023年現在で、
なんと1万社以上あるそうです。
最大手のリクナビとかの方が、
学生時代の就活でも使ったのでなじみがある…
という方も多いかもしれません。

ただ、税理士業界って採用側も応募側もかなり事情が特殊です。
必ずしも大手の事務所が環境良いわけではないですし、
仕事探す側も税理士受験生だったり、
キャリアスタートの年齢が高めの人が多かったりと、
普通の求職者とは異なる事情が多いんです。
こういった「特殊事情」をふまえて転職活動していくなら、
税理士業界専門の転職サイトを使うべきです。
- ブラックな会計事務所で絶対に働きたくない人
- 将来は独立を見すえ、ちゃんと年収を稼げる税理士になりたい人
- 税理士試験との両立ができる事務所で働きたい人
- 会計事務所での経験を生かして経理に転職したい人
↑これらに該当する人は、
税理士業界専門の転職サイトを活用しましょう。
リクナビなどとは登録されている求人の質(年収や福利厚生)
がまったく違うので、びっくりすると思いますよ。
会計職専門の転職サイトに登録されている求人例がこちら。
現時点で8,647件の求人がありました。

まとめ
今回は、30代から税理士を目指す人向けに転職活動のポイントを解説しました。
税理士を目指して勉強しながら会計事務所で働く場合、
どの事務所で働くか?が決定的に重要です。
雇用環境が劣悪なブラック事務所を選んでしまうと、
税理士試験に合格できず、年収も低く、キャリアも築けない…
という最悪の状況になってしまうので注意してください。
最後の最後にお伝えしたいこと
↓転職に限らずですが、
仕事で成功するために大事なのって、結局はこれなんです。
能力やスキルももちろん大切なんですが、
転職活動でもっとも重要なのは情報収集です。
税理士業界は、能力的にとても優秀なのに、
転職活動のやり方がまずかったのが原因で、
ブラック事務所で働くことを余儀なくされている人…が多すぎます。

↓今から5年後に、あなたはどちらになっていたいでしょうか。
- 劣悪な雇用環境で給料も安く、税理士試験もいつまでたっても科目合格ゼロ…。貯金もゼロ…。
- 働きながらスピーディに5科目合格達成。年収高めなので独立資金のめどもある程度ついている。あとは税理士としての実務能力を高めていくだけ…!
もちろん後者を目指しましょう。それは誰でも可能です。
