今回は、会計事務所の仕事内容の基本である「月次監査(巡回監査)」について説明させていただきます。
月次監査は会計事務所の仕事内容として「日常のルーティン業務」といえます。
(簡単に言えば、毎日やる仕事です)
月次監査をきちんとやっているかどうかによって、一番重要な決算業務の精度が決まってきます。
とても重要な仕事内容ですので、ぜひ具体的なイメージを持ちながら読んでみてくださいね。
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この記事の目次
月次監査(巡回監査)とは何か?

(会計事務所の仕事内容:月次監査とは?)
月次監査とは、ものすごく単純化していうと、
顧問先企業が経理作業をちゃんとやってくれているかをチェックしに行く仕事です。
具体的にいえば「実際の取引内容を、会計ソフトに入力していく作業」をちゃんとやってくれているかをチェックします。
月次監査ではどんな風にチェック作業を行う?
日常的に、会計ソフトへの入力作業は顧問先の経理スタッフさんなどがやってくれているでしょう。
会計事務所の職員は、1か月に1回ぐらいのスパンで顧問先を訪問し、入力作業が正しく行われているか?をチェックします。
例えば、お客さんから注文が入って商品の納品が完了したら、代金の請求書をお客さんに送るでしょう。
請求書を作成した時点でその会社としては売上が立ったことになりますから、
実際に送った請求書の内容に基づいて「売掛金/売上高」というように会計ソフトに仕訳を入力します。
しかし、人間のやっている作業ですから、
仕訳のしかたをまちがえてしまったり、
金額をまちがえてしまったりすることも少なくありません。
そうした間違いがないか?をチェックし、間違いがあれば修正していくのが月次監査の役割です。
具体的には、請求書などの「現資料」の内容と、会計ソフトの入力内容を照らし合わせて、
入力内容が正しいかどうかを見ます。
(もしまちがえていれば、入力内容を現資料に合わせます。
当たり前ですが、現資料の方を修正してはいけません)
月次監査は顧問先企業を実際に訪問して行う
請求書などの現資料は事務所に持って帰ってくるわけにはいきませんから、
顧問先に実際にお邪魔する必要があります。
もちろん、チェックするのは上で見たような売上高だけではありません。
- 販売する商品を購入したら仕入れ先からの請求書、
- 経費が発生したら領収書、
- 従業員さんにお給料を払ったら賃金台帳…
↑などなど、現資料と会計ソフトの内容の照合作業をひたすら行っていきます。
機械的にチェック作業をやっていくだけではなくて、
経理スタッフさんと相談しながら「ここはこう作業したほうが効率的で良い」とか、
こういうデータを準備しておくと社長の経営判断に役立つかも、といったアドバイスもしていきます。
チェックが完了したら試算表を出力して経営者に報告する(月次監査完了)
チェック作業が完了したら、その月の会計データを集計し、試算表として出力します。
多くの会計ソフトの場合、1ヶ月分の会計データを集計完了(月次決算完了)したら、
後から直接修正することができなくなります。
(どうしても修正が必要な場合、修正仕訳を新たにいれるというかたちで修正します)
月次監査の結果として完成する試算表は、顧問先企業にしてみれば「今月の成績表」のようなものです。
顧問先企業の社長に、事業の状況を正しく把握しておいてもらうためにも、
試算表の内容をきちんと説明することが大切です。
月次監査では顧問先経営者からさまざまな質問や相談を受けることも
なお、月次監査では顧問先の経営者から、
節税対策や資金繰り対策などの相談を受けることもあります。
顧問先企業からしたら、毎月顧問料を会計事務所に支払っていますから、
税金や資金繰りについてアドバイスを受けたいと考えるのは当然のことです。
月次監査をきっかけに経営者と直接顔を合わせた時に、
きちんと付加価値のあるアドバイスをできるかどうか?が、
会計事務所と顧問契約を長期にわたって継続してもらえるかのポイントになりますね。
月次監査をきっちりやっておくと決算業務が楽になる
こうした月次監査を12か月分毎月やっていき、
12か月分のデータをもとに1年に1回決算を行って税務申告…
で1つの顧問先のお仕事が完結することになります。
↓決算業務の仕事内容についてはこちらの記事をご覧ください。
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会計事務所の仕事内容:決算業務・税務申告ではどんなことをする?
この記事では、会計事務所の仕事内容のうち「決算業務」について説明します。決算業務は会計事務所の仕事のうちもっとも重要な仕事といえます。会計事務所職員としてどの程度の実務経験があるか?については、この決算業務の経験数で測られることも多いです。最重要業務という位置付けですので、ぜひ具体的に理解しておきましょう。
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月次監査を毎月きちんとやっておけば、
決算作業としてやることは基本的に流れ作業で完了できます。
極端な話、月次監査が神戸期なら、決算作業なんてほとんどやることがありません。
(決算整理仕訳なんかも自動的に会計ソフトが処理してくれます)
毎日のルーティン作業である月次監査をいかに正確にやれるか?で、
会計事務所職員の仕事の質が決まると言っても過言ではないでしょう。
月次監査は顧問先の経営者と話をする貴重な機会

(月次監査は顧問先の経営者と顔を合わせて話をする貴重な機会です)
また、月次監査は顧問先の経営者と話をする貴重な機会です。
はじめのうちは緊張するものですが、顧問先の経営者と真摯に向き合い、
いろんな相談に真剣に答えていくことで信頼関係を構築していくことが大切です。
経営者という仕事はとても孤独です。
経営者である社長は従業員には相談できない内容(例えばお給料いくらにするか?とかボーナスをいくら出すか?など)
を相談できる相手を探しています。
その相手は同じ経営者相手だったり、経営コンサルタントだったりすることもあるでしょう。
しかし、中小企業経営者が一番相談しやすいのが会計事務所職員なんです。
月次監査では機械的に経理のチェックを行うだけでなく、
ぜひ経営者と本気で向き合うことを意識したいものですね(それが会計事務所の存在意義であったりします)
信頼関係のある顧問先経営者からは新しいお客さんを紹介してもらったり、
節税対策などで保険加入や資産購入などで自分の所属する勤務先に代理店報酬などが入る案件が出てくる可能性もあります。
こういう「おいしい話」を自分が勤務する税理士事務所に持って帰るためにも、
普段から月次監査で顧問先経営者と信頼関係を構築していくことがとても大切です。
労働環境が劣悪なブラック事務所でぜったいに働きたくない人へ

(ブラックな会計事務所で働きたくない人へ)
いま税理士事務所で働いている人も、これから働く人も、
労働環境が悲惨なブラック事務所にまちがえて入社しないよう注意してください。
職員を「使い捨て」ぐらいにしか考えず、安い給料で搾取しまくるブラック事務所は、
2023年現在も残念ながら一定数存在しています。
こういう事務所ほど「うちはアットホームな職場です!」…みたいにアピールしていることが多いので注意が必要です。
ブラック事務所にまちがえて応募するリスクを避けるためにも、
会計職専門の転職サイトを活用しましょう。

↓こういった専門サイトでは、
ブラック事務所の求人はあらかじめ排除されているので安全です。
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正直、税理士業界に転職するなら、
ハローワークやリクナビは使わない方が良いと私は思ってます。

実際、私が1社目に入社したブラック事務所はハローワーク経由で応募しました。
(窓口の職員さんに「こちらは特におすすめですよ」と紹介されました…)
私も後から知ったんですが、ハローワークの相談員って、
彼ら自身が非正規職員だったりするのでけっこういい加減なんですよね…。
情報リサーチには会計職専門の転職サイトを使うようにしましょう。
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「今すぐ転職する気はない人」もやっておくべきこと1つ
今すぐは転職するかどうか決めてない。
でもさすがに今の職場で定年までずっと働く…はありえない。
チャンスがあれば転職もありだけど、具体的な行動はまだ…。
(なのでいろいろ調べてる)
↑私のブログを読んでくださっている方の多くは、
おそらくこういう段階だと思います。
転職活動ってはっきりいってめんどくさいですよね。
人生でそう何度もあることではありませんし。

ただ、こういう段階の人ほど、
転職サイトの無料アカウントだけは早めに作っておいた方が良いです。
実際には、転職って運で決まってしまう部分もあります。
たまたま良いタイミングで、良い求人に出会えるか?
で決まっちゃうことも多いんです。
能力的に優秀な人でも、たまたま良い求人に出会えずブラック事務所で働いている…みたいなことって普通にあります。
(逆に言うと、能力的には普通だけど、転職活動の進め方が上手でホワイト事務所に入社できている人もいる)
重要なのは、とにかく優良求人に「出会う確率」を上げることです。
具体的には、転職サイトに転職先に求める条件をしっかり入力しておくのがコツですね。
(年収や組織規模、残業上限など)
↑これをやっておくと、
転職サイトから得られる情報の質が一気に上がります。
条件にマッチした事務所求人が出た瞬間にスマホに自動通知してもらえるので、
優良事務所の求人を見逃すリスクがなくなるのが大きいです。
(転職サイトで求人検索をかけてるだけ、
なんとなく求人をながめているだけ…の人たちと大きな差がつきます)
いい感じの事務所求人が見つかったら、
ブックマーク保存等で情報としてストックしていきましょう。
日常的に積み上げた優良な情報ストックを、
行動を起こす時の判断基準に使えるようにしておくのが大切です。

↓年収高めのホワイト事務所の求人や、
BIG4税理士法人を含む大手事務所ほど、
募集期間が短い傾向があるので注意してくださいね。
>>無料アカウント作成時には「希望条件」をしっかり入力しておきましょう
現状への不満とストレスが限界を迎えると、行動する気力がなくなる

(ストレスが限界になる前に手を打てるようにしておきましょう)
転職サイトを日常的にチェックし、
気になった求人をブックマーク保存していくだけでも、
「今の環境で精神的に限界が来たら転職もある。
自分には別の選択肢もある」
↑と気づけるのも重要です。
ストレスでどうしようもなくなる前に、
転職という手を打つことができるようにしておきましょう。
これって、今の職場で働く上でも
精神的な安定につながります。
いい意味での逃げ道を常に準備しておくのが大事ですよ。

逆に言うと、いま現在の環境への不満とストレスが蓄積された後になると、
転職サイトに登録する気力すらなくなります(私の実体験談です…)
そうなると、さらに現状への依存度が高まって、
抜けられなくなる…という無限ループにはまりがちですね。
なぜ「最大手のリクナビ」をおすすめしないのか?

(「税理士業界専門の転職サイト」を情報リサーチに活用しましょう)
転職サイトっていろんなところがありますよね。
この記事を書いている2023年現在で、
なんと1万社以上あるそうです。
最大手のリクナビとかの方が、
学生時代の就活でも使ったのでなじみがある…
という方も多いかもしれません。

ただ、税理士業界って採用側も応募側もかなり事情が特殊です。
必ずしも大手の事務所が環境良いわけではないですし、
仕事探す側も税理士受験生だったり、
キャリアスタートの年齢が高めの人が多かったりと、
普通の求職者とは異なる事情が多いんです。
こういった「特殊事情」をふまえて転職活動していくなら、
税理士業界専門の転職サイトを使うべきです。
- ブラックな会計事務所で絶対に働きたくない人
- 将来は独立を見すえ、ちゃんと年収を稼げる税理士になりたい人
- 税理士試験との両立ができる事務所で働きたい人
- 会計事務所での経験を生かして経理に転職したい人
↑これらに該当する人は、
税理士業界専門の転職サイトを活用しましょう。
リクナビなどとは登録されている求人の質(年収や福利厚生)
がまったく違うので、びっくりすると思いますよ。
会計職専門の転職サイトに登録されている求人例がこちら。
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最後の最後にお伝えしたいこと
↓転職に限らずですが、
仕事で成功するために大事なのって、結局はこれなんです。
能力やスキルももちろん大切なんですが、
転職活動でもっとも重要なのは情報収集です。
税理士業界は、能力的にとても優秀なのに、
転職活動のやり方がまずかったのが原因で、
ブラック事務所で働くことを余儀なくされている人…が多すぎます。

↓今から5年後に、あなたはどちらになっていたいでしょうか。
- 劣悪な雇用環境で給料も安く、税理士試験もいつまでたっても科目合格ゼロ…。貯金もゼロ…。
- 働きながらスピーディに5科目合格達成。年収高めなので独立資金のめどもある程度ついている。あとは税理士としての実務能力を高めていくだけ…!
もちろん後者を目指しましょう。それは誰でも可能です。
