今回は、会計事務所の仕事内容のうち「決算業務」について解説します。
決算業務とは、顧問先企業の1年間の会計の数字を確定し、
税金額を計算して税務署に報告することを言います。
この決算業務で1つの顧問先の1年間の仕事内容ルーティンが1周することになります。
通常、会計事務所の職員は1人で20件~30件程度の顧問先を担当しますから、
年間で20件~30件の決算業務を行うことになります。
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この記事の目次
会計事務所の仕事内容:決算業務とは?
![会計事務所 仕事内容 決算](https://taxwork2.com/wp-content/uploads/2018/04/calculator-1044172_640.jpg)
(会計事務所の仕事内容:決算業務とは?)
日本で活動しているすべての企業は、
1年に1回は必ず決算をして税務署に申告し、税金を納めなくてはいけません。
企業には大きくわけて個人事業主と法人企業(株式会社や合同会社のこと)がありますが、
↓それぞれの企業が決算を行うタイミングは法律で以下のように決まっています。
決算を行うタイミング
- 個人事業主
2月16日~3月15日 - 法人企業
事業年度が終了する2か月後
なお、個人事業主の決算業務のことを確定申告と呼びます。
個人事業主は、毎年1月1日〜12月31日をひとくぎりとして、
翌年の2月16日〜3月15日の間に申告を行わないといけません。
例えば、令和3年1月1日〜12月31日までの分は、令和4年2月16日〜3月15日の間に申告します。
法人企業の決算業務
法人企業の場合、事業年度をいつにするか?は自由に決めることができます。
これは個人事業主とは異なる点ですね。
(個人事業主は、上で見たように必ず1月1日〜12月31日を事業年度としなくてはなりません)
例えば4月1日~3月31日を事業年度にした場合には3月決算法人、
1月1日~12月31日にした場合には12月決算法人というように呼びます。
そして、法人企業の場合は、事業年度が終了してから2ヶ月が経過するまでに決算業務を行わないといけません。
例えば、3月決算法人の場合、
3月31日が事業年度が終了する日ですので、そこから2か月後の5月31日までに決算をして税務署に申告します。
同様に、12月決算法人の場合には2月末日、
1月決算法人の場合には3月末日というように、
決算を行うタイミングは各企業によって異なることになります。
日本には3月決算法人が多い
日本には、慣習的に3月末日を事業年度終了の日とする3月決算法人が多いです。
そのため、5月末までに決算を行う企業が多くなります。
会計事務所のお客さんである顧問先企業にも3月決算法人が多いので、
必然的に税理士事務所の5月は忙しい時期(繁忙期)になるわけですね。
決算業務の具体的な仕事内容(作業内容)
決算業務の具体的な仕事内容(実際に行う作業の内容)についてみていきましょう。
月次監査で毎月の経理作業はチェックを行っているので、
決算業務を行う事業根度末のタイミングで基本的には会計の数字はほぼ完成している状態のはずです。
↓月次監査(巡回監査)の仕事内容についてはこちらの記事を参考にしてください。
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会計事務所の仕事内容:月次監査(巡回監査)とは?
今回は、会計事務所の仕事内容の基本である「月次監査(巡回監査)」について説明します。月次監査をきちんとやっているかどうか?で会計事務所職員の仕事の質が決まると言っても過言ではありません。ぜひ具体的にイメージしながら読んでみてくださいね。
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ごく簡単に言うと、この状態から決算処理の仕訳を入力していくのが決算業務です。
くわしくは簿記で勉強する内容ですが、
事業年度末には以下のような決算整理仕訳を会計ソフトに入力することになります。
- 売上原価の計算
- 未払費用や前払費用(経過勘定)の振替
- 引当金の計上
- 固定資産や有価証券の評価処理
- 仮払勘定の振替など
簿記で「仕入高/繰越商品」「繰越商品/仕入高」って売上原価の計算方法を勉強しますよね。
あれをここで作業としてやっているわけです。
決算整理仕訳を入力した段階で、その企業の当期の税引き前利益の金額が確定します。
次に税引き前利益の金額から、当期の法人税の金額を計算します。
税引き前利益の金額から法人税を計算
法人税の計算は、税引き前利益の金額を調整することで計算します。
くわしい内容は専門書などを読んでほしいですが、ざっくりというと、
「税引き前の利益額+損金不算入+益金算入-損金算入-益金不参入」という形で課税される所得の金額を計算します。
課税される所得の金額に法人税率をかけると法人税の金額を計算できます。
この時点で正確な決算書と法人税申告書が作成できますので
、顧問先の経営者などに報告することが多いですね(納付書も渡します)
経営者への報告と承認をもらったら、税務署に申告します。
ここまでが税理士事務所の仕事内容としての決算業務です。
決算業務が完了すると、1つの顧問先の年間ルーティンが1周することになります。
(追伸)給料安くて超激務な「ブラック事務所」で絶対に働きたくない人へ
![](https://taxwork2.com/wp-content/uploads/2021/05/office-865091_640.jpeg)
(ブラックな会計事務所で働きたくない人へ)
- 税理士事務所ってどこも給料安すぎる…。
- 実務未経験で科目合格もなしだと搾取の対象って本当?
- 将来は税理士として独立目指すけど、今の年収はさすがにキツい…。
- 仕事が忙しすぎて税理士試験全滅…とか絶対避けたい。
- パワハラな所長税理士の下で丁稚奉公みたいに働きたくない…。
↑こんなふうに不満や不安を抱えている方、税理士志望者にはきっと多いと思います。
残念ながら、その不安が的中してしまうケースは少なくありません。
職員を「使い捨て部品」ぐらいにしか考えず、
安月給で搾取しまくるブラック事務所は2024年現在も普通に存在しています。
はっきり言って「令和のこの世の中で、いまだにこんなことやってるのか?」
みたいなブラックな事務所がたくさん存在しているのが現実です。
もちろん「税理士事務所のすべてがブラック」というわけではありませんが、
全体の2割は完全ブラック、
全体の6割はややブラック、
残りの2割だけがホワイト…
みたいな割合がリアルな実態でしょう。
(↓こんな感じ)
![](https://taxwork2.com/wp-content/uploads/2020/05/kanrinin.png)
↑労働環境が良好な「ホワイト事務所」で働けているのは全体の2割の人だけ。
残りの8割の事務所職員は、ブラックな環境で苦しんでいる…というのが実際のところなんですね。
なぜ、こうなってしまうのか?ですが、理由は単純です。
税理士事務所ってどこもめちゃくちゃ小さな組織で、
しかも所長税理士のワンマン経営なので、
外からの批判にさらされることがないからです。
税理士事務所って、そのほとんどが「所長税理士合わせてスタッフ5名」みたいな感じの小さな組織です。
大企業の場合、ブラックなことやってたら新聞やテレビマスコミから批判されますよね。
でも、税理士事務所みたいに小さな組織が、
メディアに注目されることなんてほとんどないです。
一般企業のように株主と経営者が分離しているなんてこともありません。
基本的に「所長税理士=事務所のオーナー」なので、
ブラックなことやってても、誰からも批判されませんし、
労働組合みたいな「労働者の権利を守る組織」みたいなものもありません。
さらにいえば、ネット上でも「実際に事務所で働いた人たちの正直な口コミ」がめったに出てこないんです。
ただでさえ狭い業界な上に、所長税理士どうしの横のつながりが強いので、
自分の事務所の悪口をネットに書き込んだりすると、
すぐに気づかれてしまってヘタをすると業界にいづらくなる…。みたいなことすらあります。
みんな自分のキャリアを危険に冒してまで、ネットやSNSに口コミなんて書かないんですね。
こんなふうに、ブラック事務所を見分けるための情報が非常に少ないせいで、
まちがえてブラックな事務所に応募してしまう人が続出するんです。
しかも、完全ブラックな事務所ほど人を集めるのに必死ですから、
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あと、税理士業界って採用側も応募側も、ニーズがかなり特殊です。
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特に未経験者の方は、年収が極端に低い事務所(年収200万円代など)に応募しないように注意しないといけません。
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