
(会計事務所で働くメリット・デメリットを解説します)
- 会計事務所(税理士事務所)で働くメリットってどんなこと?
- デメリットもある?年収低いって本当?
- 未経験で年齢高めでも転職できる?
- 税理士法人に新卒で就職ってどう?
将来的に税理士を目指す人の多くが、
会計事務所で働きながら税理士試験合格を目指します。
(なお、税理士事務所・税理士法人も仕事内容は同じです)
会計事務所で働くメリットとしてはどんなことがあるでしょうか。
以下では、会計事務所で働くメリット・デメリットを紹介します。
(良いところも悪いところも包み隠さず書きます)
これから未経験で税理士業界への転職を目指す方や、
新卒学生として就活している方は参考にしてみてください。
こちらの記事もおすすめ
MS-Japan(税理士業界専門の無料転職サイト)
ホワイト事務所の求人多数あり!
MS-Japanは、税理士業界専門の無料転職サイトです。
未経験資格なしOK年収400万円の求人
経験2年以上で年収600万円の求人
BIG4など大手税理士法人の求人
税理士試験と両立しやすい残業なし求人
会計事務所から経理への転職歓迎の求人
など、ホワイト求人が多数ありますよ。
>>現在8,647件の求人あり
会計事務所で働くメリット10個

(会計事務所で働くメリットを解説)
1. 働きながら税理士試験の勉強をしやすい
税理士事務所で働く人の多くは、税理士試験を目指す受験生です。
同じように社会人として働きながら勉強している人が周りにいる環境ですから、
勉強を継続しやすいことは税理士法人で働くメリットと言えるでしょう。
終業後に資格スクールに通ったり、
試験直前にまとまった日数の休暇を取ったり
といったことがやりやすいのは大きなメリットです。
もちろん、実際に勤める事務所の方針によって、
勉強との両立がしやすい/しにくいはあります。
少しでも早く5科目合格を達成したい方は、
↓職員の資格試験勉強を応援するという方針を明確にしている事務所を
勤務先として選ぶのがおすすめですよ。

>>税理士受験生歓迎!実際の税理士事務所求人で年収を見てみる
試験勉強と仕事の両立が必須な方は、
こういった事務所の求人を狙って就活していくのがおすすめですよ。
なお、会計事務所・税理士事務所・税理士法人の3つで働き方に大きな差はありません。
(企業として名乗っている名称が違うだけで、業務実態はほぼ同じです)
ただし、税理士法人となるためには、2名以上の税理士有資格者が必要ですので、
比較的大きな規模の組織が多いのが税理士法人の特徴ですね。
実務と試験勉強をリンクさせながら学べる
また、税理士法人での仕事内容は、当たり前ですが税理士実務です。
税理士の実務と税理士試験の内容は非常にリンクしていますから、
仕事で経験した内容が試験勉強に生かせる(逆もまたしかり)ということがひんぱんにあります。
例えば、法人税法の理論は勉強だけではなかなか理解しづらいところが少なくありませんが、
実際に仕事で法人税の申告書を作ったりするうちに肌感覚として理解していける部分があります。
他の税法や会計科目についてもこれは同じです。
税理士法人の仕事として行う経理処理チェックは、簿記論や財務諸表論で学ぶ内容そのままですし、
所得税法や消費税法は税理士法人の実務では日常的に扱う知識です。
試験勉強とオーバーラップしながら学んでいくことが可能になります。
仲間と切磋琢磨しながら働ける環境
税理士事務所ではあなたの同僚の多くも税理士試験受験生です。
なので、切磋琢磨できる環境にあります。
実務と試験対策がリンクしているので、相互に理解が進みやすく、また周りにも聞きやすい環境にあると言えるでしょう。
ただし、仕事と両立しやすい環境にあるかどうかは事務所環境にも大きく左右されるので、入社前にしっかりとチェックすることをおすすめします。
例えば、終業後に専門学校に通いやすい環境にあるか、
試験前に長期休暇を取れるか、
実際に働いている方がどんな風に両立しているかの事例を確認すると良いでしょう。
>>ただし、労働環境劣悪な「ブラック事務所」に入社すると、
こんなに悲惨なことになります…
2. 経理で働くよりも圧倒的早いスピードで成長できる
税理士法人での仕事は、顧問先企業の会計や税務を代行することです。
日々の一つ一つの取引の入力や毎月のチェック(月次監査)から、
年に1度の決算業務や税務申告書の作成まで行うのが基本業務になります。
こうした仕事をやっていく中で、税理士法人の職員は
一般企業の経理スタッフとして働くよりも早いスピードで成長していくことが可能です。
なぜかというと、決算業務の経験をたくさん積むことができるからです。
これは一般企業の経理スタッフとして働く場合と比較して考えるとわかりやすいでしょう。
企業の経理スタッフとして働く場合、
税務申告書の作成まで任せられるようになるためには、少なくとも10年以上のキャリアが必要になります。
それまでは自分の担当する業務範囲だけを扱いますから、会計職として経験できる実務経験には限界があります。
その一方で、税理士法人のスタッフは入社して数ヶ月のタイミングから決算や税務申告の業務を担当します。
(もちろん、先輩の職員や所長税理士の指導を受けながらですが)
しかも、担当する顧問先の数だけ決算業務をやることになりますから、
年間で20件〜30件は決算業務をこなすことになります。
(一般企業の経理スタッフは、1年で経験できる決算業務は当然ながら1回だけです)
税理士法人で働くと、企業などの経理で働くよりも圧倒的に早くスキルアップができるのはまちがいありません。
経理より圧倒的に多くの決算業務を経験できる
決算業務の経験等ものの重要性について、もう少しだけくわしく解説します。
「決算業務をこれまでにどれだけ経験してきているか?」は、会計職としての実務能力を測るモノサシのひとつになっています。
(これは実務経験者として転職するときに問われます)
企業の経理担当者として働く場合、通常は経験できる決算業務は「1年に1回だけ」です。
一方で、税理士法人の職員は顧問先企業の決算や税務申告を業務として扱いますので、
多い人なら年間で30件以上の決算業務を経験することになります。
(税理士法人の職員は、1人につきだいたい20件〜30件ぐらいの顧問先を担当し、それらの企業の決算と税務申告業務を代行します)
さらにいうと、企業経理のスタッフは、
必ずしも経理の知識が豊富でないことも多いです。
(管理職でも簿記2級レベルの知識だったりします)

中小企業では、経理スタッフが作成した帳簿や決算書を、顧問税理士がチェックするという形で税務申告までを完成させているが実情なのです。
会計や税務のプロとして早いスピードで成長したい人には、税理士法人で働くことには大きなメリットがあると言えるでしょう。
経営者との「会計を通じたコミュニケーション」を学べる
一つの会社の会計にしか関われない経理と比べると、
税理士事務所では様々な業種業界規模の企業経営者と直接やりとりをします。
例えば、経理の場合は1年目は請求書の発行や毎月の試算表作成が主な業務です。
それが税理事務所では、作成した試算表を基に経営判断に直接関わるようなアドバイスをすることがあります。
客観的な視点で多種多様な会社経営に触れることができるため、会計税務の全体像を把握することができるのです。
経理よりも、早いスピードで成長できると言えるでしょう。
また、気に入ってもらえれば社長人脈ができることもあります。
実際、事務所職員から経理担当者などへの引き抜きは多いです。
ただし、事務所環境にもよるため、入社前のチェックがは重要です。
>>ただし、労働環境劣悪な「ブラック事務所」に入社すると、
こんなに悲惨なことになります…
3. 経営者目線で仕事ができる
税理士法人に就職したら、自分の担当顧問先企業を持ち、
経営者さんを相手に仕事をするのが基本になります。
顧問先の経営者からはさまざまなことで相談を受けることがあります。
企業の融資対策や節税対策など、経営者は「お金に関するアドバイス」を求めている人が少なくないのです。
こうした業務を行なっていると、自然と「経営者目線」で仕事をする感覚が身に付きます。
一般的な企業の場合、入社して1年目から外部の経営者とやりとりをする仕事なんてほとんどないでしょう。
経営者の人たちと日常的に関わりながら仕事ができることも、税理士法人で働くことのメリットの一つです。
また、顧問先の企業には製造業から飲食業、美容業から不動産業まで、さまざまな企業があります。
いくつもの様々な企業から経理処理を請け負うため、業務を通して多くの業界に関わることが可能になります。
4. 年齢が高い人・ブランクがある人も未経験で就職しやすい
税理士法人は、年齢が高い人も未経験から転職しやすいのもメリットです。
なぜかというと、そもそも税理士試験の受験生の平均年齢が高いからです。
税理士試験というのは、受験資格からして「社会人向け」に作られている国家試験です。
(大卒または日商簿記1級合格が受験資格です)
また、科目合格制度がありますから「働きながらでも挑戦しやすい」として社会人になってから勉強をスタートする人が多いのです。
上でもみたように、税理士法人で働く人の多くは税理士試験の受験生ですから、
必然的に税理士法人で働く人たちの平均年齢も高くなるのです。
未経験から一般企業の経理職に就職するためには、年齢がネックになってしまうことも多いでしょう。
例えば、30代後半の人が経理に未経験入社…というのはなかなか難しいのが実情です。
その一方で、税理士法人では「30代後半で未経験入社」なんてごく普通のことです。
このように、年齢高めの方がキャリアチェンジに挑戦しやすいことも、
税理士法人に就職・転職することのメリットと言えます。
>>ただし、労働環境劣悪な「ブラック事務所」に入社すると、
こんなに悲惨なことになります…
5. 会計や税務という付加価値の高い実務知識が身に付く
中小企業をメインのクライアントとする税理士事務所では、日常的にやり取りをする相手が社長であるということも少なくありません。
社長はその会社の業界知識はお持ちでも、会計の知識は専門外です。
お客様にとって会計や税務はとっつきにくく、だけども一番気にされている部分です。
そのため節税に貢献すると大変感謝されます。
また、会計や税務はどの業界で働くとしても生きる知識です。
なぜならどの会社で働くにも税金とは切っても切れない関係だからです。
例えば、自分の給与明細も知識を持っていれば間違いがあっても気づくことができるでしょう。
仕事上だけでなく、自分自身に役立つ知識を身につけることができます。
ときには友人や家族から頼られることもあり、教えてあげるととても喜ばれます。
6. もし税理士試験に合格できない場合もキャリア構築できる
ある程度の規模の事務所なら、職員として税理士資格を取らずとも幹部になっていくというキャリアステップも考えられます。
幹部になれば社員のマネジメントや新規開拓の営業に関わることが多くなります。
資格を持っていなくても、その分給料も上がっていくでしょう。
転職を考える場合も、税理士事務所から経理へのキャリアチェンジが考えられます。
税理士事務所での勤務経験があれば、大手の経理への転職も夢ではありません。
給与面や福利厚生面、残業時間を見てもより待遇の良い勤務先にキャリアチェンジすることも可能であるため、将来の選択肢が広がるでしょう。
7. マルチタスクが得意になる
常に期限と優先順位を考えて業務を進めていく必要があるため、マルチタスクが得意になります。
なぜなら一人やチームで複数のお客様を担当するため、月次処理や確定申告、決算等を同時進行で進めなければならないことが多い仕事だからです。
私は常に40個以上の未決事項を抱えていますが、マルチタスクが得意になった今、一つも期限を超えることなく捌いています。
>>ただし、労働環境劣悪な「ブラック事務所」に入社すると、
こんなに悲惨なことになります…
8. 年齢的に若打ちから責任の大きな仕事を任せてもらえる
会計事務所で働くメリット1つ目は、
年齢的に若いうちから責任の大きな仕事を任せてもらいやすいことです。
会計事務所は、規模の小さな組織が多いです。
(全体の9割以上がスタッフ数10名未満です)
自分が担当するクライアントの仕事については、
すべて自己完結で処理するケースが多いですね。

少数精鋭の組織なので、1人1人の裁量が多くなるわけです。
例えば、担当顧問先の資料回収〜会計ソフト入力、
月次決算・年次決算をへて法人税や所得税の申告書作成まで、
会計税務にまつわるすべての業務を担当することになります。
一般企業の経理スタッフとして働く場合と比較すると、
これはかなり大きなメリットと言えるでしょう。
経理スタッフの場合、自社の決算業務や税務申告までメインで任せられるまでになるには、
少なくとも10年以上は勤続し管理職にならないとダメだと思います。
この点、会計事務所で働く場合には、
最初から税務申告まで完結するのが自分の仕事ですから、
若いうちから会計や税務についての全体像を把握できるようになります。
例えば、会計事務所で10年経験を積んだ人と、
経理で10年経験を積んだ人とでは、
会計や税務についての実務知識にかなりの差がつくでしょう。
(もちろん、会計事務所の方が有利)

また、会計事務所のスタッフは、
顧問先の経営者とのやりとりなどもすべて自分が窓口になって処理します。
経営者からは節税対策や会計税務についてのさまざまな質問が飛んできますから、
それに応えるためにかなりの勉強をしていくことになります。
最初はきついと思いますが、基本的には決まった内容の質問が多いので、
1年〜2年もすれば慣れてくるものです。
「経営者相手に仕事をしている」ということで、自信にもつながると思いますよ。
>>ただし、労働環境劣悪な「ブラック事務所」に入社すると、
こんなに悲惨なことになります…
9. 提案営業ができる人はボーナス(給与加算)をもらえる
会計事務所のスタッフの給料には、
↓大きく分けて以下の2つがあります。
- 固定給(毎月のお給料)
- ボーナス(固定給に基づく計算)
- ボーナス(実績に基づく計算)
(事務所によって呼び方はいろいろだと思いますが、内容はおおむね同じです)
1.と2. は一般的な企業と同じですね。
「毎月決まった金額のお給料をいただき、夏と冬にボーナスをもらう」みたいな感じです。
やや特殊なのは3.の「実績に基づくボーナス」です。
↓これは具体的には、以下のようなものになります。
- 顧問先を新規開拓した時の報酬
- 顧問先への節税対策の提案などが成功した時の報酬
↑特に金額的に大きいのが、
2つ目の「顧問先への節税対策の提案が成約した時の報酬」です。
会計事務所の顧客クライアントというのは、中小企業の経営者さんです。
中小企業経営者は、税金を少しでも安くするためにいろんな節税対策を行うことがあります。
生命保険に加入して経費として落としたり、
余っているお金を不動産投資などに回したり
といったものですね。

顧問先の企業がこうした節税対策を行う際には、とても大きな金額が動きます。
生命保険で言えば、億単位の保険金が降りる保険に入ることもありますし、
(毎月の保険料は数十万円を超えます)
不動産投資のために土地や建物を購入したときには、億単位のお金が動くこともなります。
こうした節税対策の提案が成功した場合には、
保険会社や不動産会社から、
会計事務所に対して手数料(紹介料や代理店手数料)が入ります。
これらは会計事務所の収益になりますので、
実際に現場で提案に成功した会計事務所スタッフにも、ボーナスとして一部還元されるというわけです。
どのぐらいのボーナス金額になるか?
は事務所によって扱いがかなり異なりますが、
例えば私の経験では、大型の生命保険による節税提案が成功したときに、
1ヶ月で50万円ぐらいのボーナスをもらったことがあります。

もっとも、こうした提案は「難なくできるタイプの人」と、
「まったくできないタイプの人」に分かれます。
過去に営業マンとして働いた経験がある人などであればやりやすいでしょう。
さらにいうと、顧問先や新規顧客からすると、
会計事務所のスタッフは「お金の面をすべてまかせている税理士先生」扱いなので、
さまざまな提案を聞いてもらいやすいのです。
(これは、あなたが税理士有資格者であるかどうかは関係ありません)
一般的な営業マンとは扱いが全く違います。
(顧問先を訪問したときにはお茶とお茶菓子が出てくる…みたいな雰囲気)
営業マン経験者なら「こんなに自分の提案を熱心に聞いてもらえるんだ…!」とびっくりするかもしれませんよ。
(私自身も会計事務所に勤める前は、証券会社の新規開拓営業マンをやっていたのですが、
会計事務所スタッフの「お客さんからのあつかいの良さ」に感動した記憶があります)
固定給でしか稼げないと、会計事務所は年収が低い…
上で見てきたように、会計事務所スタッフは提案営業ができればたくさんのボーナスを稼ぐことができます。
その一方で、会計事務所スタッフの固定給は決して高い方ではないことを知っておきましょう。
未経験で入社した場合、初年度の年収で300万円〜400万円程度なのが現実です。
もちろん、実際の金額は事務所によって異なります。
↓比較的条件の良い会計事務所求人をピックアップしてみました。

>>年収条件の良い会計事務所求人は
こういったサイトで見つけられます
会計事務所のスタッフとして年収を上げていきたいのであれば、
固定給プラスアルファの実績ボーナスを、
どんどん稼いでいくことを考える必要があります。
将来的に税理士として独立を目指す人であれば、
ある程度の営業力や営業センスをみがいておくのは必須ですしね。

税理士としてしっかりお金を稼げる人になりたいのであれば、
提案営業の面でも積極的に経験を積んでいくのがマストだと思います。
もちろん、会計事務所の提案営業って、
節税対策(税金を減らすための対策)の提案が基本ですから、
本質的にお客さんがとても喜んでくれる提案でもあります。
一度提案が決まると、クセになると思いますよ。
提案成功でボーナスがあるか?は求人応募時に要チェック
なお、ボーナスを含めた給与形態は会計事務所によって異なります。
会計事務所の求人に応募する際にはよく確認しておきましょう。
(入社後に「提案してもボーナスがない…」って気づくと悲惨です)
私自身も働いた経験があるのですが、
中にはどれだけ提案してもボーナスの支給がゼロ…みたいな事務所もあります。
こういう事務所ではどれだけ提案営業に成功しても年収が変わりません。
必然的に、スタッフには新規顧客を獲得したり、
お客さんのためにさまざまな提案をしてみる風潮がぜんぜんなかったですね。
「お客さんへの付加価値サービスを考える」といった意識が低いので、学べることも少なかったです。
クライアントにいろんな提案をした経験は、
税理士としてのレベルアップにつながります。
こういった経験をどんどん積んでいきたい人は、
提案営業に対してのインセンティブ(出来高のボーナス)制度がきちんと整備されている事務所を勤務先に選ぶのが良いでしょう。
>>ただし、労働環境劣悪な「ブラック事務所」に入社すると、
こんなに悲惨なことになります…
10. さまざまな業界の会計税務を知ることができる
会計事務所で働くメリットとして、
「様々な企業の会計税務を見られること」も重要です。
一般企業の経理職と比較した場合に、差は歴然ですね。
経理の場合、基本的に自社の会計や税務しか見ることができません。
飲食業界の企業に勤めているなら飲食業の会計税務だけですし、
メーカー企業ならメーカーの会計税務だけです。
この点、会計事務所のスタッフは一人で20件〜30件程度の顧問先を担当し、
それらすべての企業の会計税務を担当することになります。
さまざまな業界の会計税務について経験を積むことが可能になるのです。
これは会計や税務の分野でキャリアを積んでいく人にとって、ものすごく大きな財産になるはずです。
特定の業種業界に特化した税理士を目指せる
税理士業界も、近年は競争がとても厳しくなってきています。
単に「会計や税務の処理ができる」といっただけではもはやダメで、
「この業界についてはうちに任せてください」と、
自信を持ってアピールできる事務所だけが生き残っていくのは間違いありません。
例えば、
- 「会計税務全般についてお任せください」とだけアピールしている税理士と、
- 「飲食業界については絶対の自信があります!融資交渉の支援〜助成金や営業許可申請までお任せ!」とアピールできる税理士
↑この2人の税理士がいたとして、
飲食業の経営者がどっちを顧問税理士として選ぶか?
といえば当然後者ですよね。
特定の業種業界に特化し、顧客に対してさまざまな提案ができる税理士は、
たくさんの顧問報酬を得ることが可能になります。
「得意な業界」があれば、新規顧客の開拓もやりやすくなる
また、特定の業界に特化して決算業務を行えれば、
それを肩書に税理士として新規顧客を獲得しやすくなります。
私の場合は、比較的飲食店業界の企業の決算業務に携わっていました。
通常の決算業務であれば、前年比較や同業種と比較することで自身の作業にミスがないか確認していました。
しかし、ここ数年はコロナ禍の影響で飲食店への給付金などがあり、
決算書が毎年大きく変化することになりました。
このようになると決算書の本質を理解できないと正しく申告書を作成できません。
私はこの期間、自主的に学習し、飲食店業界について詳しくなり、今に至っています。
税理士資格取得後は、この経験を活かして飲食店業界に特化して新規顧客を獲得しようと考えています。
これは私の例ですが、経理職よりも様々な業界を見ることができ、
学習できる機会が得られることが大きなメリットになります。
>>ただし、労働環境劣悪な「ブラック事務所」に入社すると、
こんなに悲惨なことになります…
税理士事務所(税理士法人)で働くデメリット
上では税理士事務所で働くメリットを解説しました。
↓その一方で、税理士事務所で働くことには以下のようなデメリットもあります。
- 良くも悪くも「小さな組織」であること
- 大手企業に比べると給与や福利厚生で劣る
- ブラック事務所が少なからず存在しているので転職活動に注意が必要
こちらも順番に見ていきましょう。
1. 良くも悪くも「小さな組織」であること
税理士法人は、一般企業のように何百人という組織であることは少ないです。
スタッフ数十人~100人くらいの規模の税理士法人も多いですが、
小さいところであれば、社員数が10人以下ということもあります。
実際には、代表税理士+スタッフ3〜5名
ぐらいの規模のところが多いですね。

さらにいうと、親族経営となっている組織がとても多いのが税理士業界の特徴です。
よく言えば家族経営でアットホームな雰囲気で働けるということでもあるのですが、
場合によっては人間関係で息苦しさを感じることもあるかもしれません。
(特に、所長税理士との性格的な相性はとても大事)
もっとも、逆にいえば小さな組織であるからこそ、連帯感や仲間意識を持ちやすい場合もあります。
雰囲気や社風は勤務先によって違いますが、
税理士法人は良くも悪くも「小さな組織」であることは理解しておきましょう。
2. 大手企業に比べると給与や福利厚生で劣る
税理士法人の給与や福利厚生は、大手企業のそれと比較すると明らかに見劣りします。
BIG4税理士法人など、大手外資系グループの税理士法人なら別ですが、そういった組織で働ける人はごく一部です。
全体としては個人事務所レベルの税理士方人が圧倒的に多いですから、給与や福利厚生に過度の期待はできません。
未経験者の平均年収で言えば、300万円〜350万円程度が相場でしょう。
もっとも、税理士を目指す人の多くは、将来的には独立して自分の事務所を持つことを目指しているでしょうから、
「勤務職員時代の給料にはこだわらない」という人が多いのもこの業界の実情ですね。
(修行と割り切って、お給料をもらいながら勉強できるからOKとしている人が多い)
実務経験者として転職すれば年収は上を目指せる
もちろん、上で述べたことは「未経験入社の場合」の話です。
税理士実務を一人前にできるようになれば、実務経験者として即戦力採用してもらうことができますから、
年収や福利厚生もどんどんよくなっていきます。
↓実務経験者向けの税理士法人求人の例
実務経験者として複数の税理士法人を渡り歩いている人の中には、年収800万円〜という高年収の人もいますよ。
(所長税理士のパートナー的な扱いになっている人の中には、無資格でも年収1000万円プレーヤーも普通にいます)
ただ、未経験のうちは年収や福利厚生があまり良くないのは避けられません。
一人前になればおいしいけれど、一人前になるまで時間と労力がかかるのが税理士業界で働くことのデメリットと言えます。
3. ブラック事務所が少なからず存在しているので転職活動に注意が必要
上でお話ししたことと少しかぶりますが、
求人を出している税理士法人の中にはブラック企業的なところも存在しています。
いわゆるブラック事務所というやつですが、
こうした税理士法人には絶対にまちがって就職しないようにしてください。
ブラック事務所は年収200万円台…ということも普通にありますし、
担当顧問先が多すぎて仕事が激務になり、税理士試験との両立なんてとてもできない…なんて状態になりがちです。
たとえば、ブラック事務所で5年働くとか本当に地獄です。
税理士試験の科目合格を着実に重ねていくなんてまず無理ですし、
新人時代からろくに仕事を教えてもらえず、
年齢だけを重ねてぜんぜん実力が身に付いていない…なんていう結果になりかねません。
労働環境が劣悪なブラック事務所でぜったいに働きたくない人へ

(ブラックな会計事務所で働きたくない人へ)
いま税理士事務所で働いている人も、これから働く人も、
労働環境が悲惨なブラック事務所にまちがえて入社しないよう注意してください。
職員を「使い捨て」ぐらいにしか考えず、安い給料で搾取しまくるブラック事務所は、
2023年現在も残念ながら一定数存在しています。
こういう事務所ほど「うちはアットホームな職場です!」…みたいにアピールしていることが多いので注意が必要です。
ブラック事務所にまちがえて応募するリスクを避けるためにも、
会計職専門の転職サイトを活用しましょう。

↓こういった専門サイトでは、
ブラック事務所の求人はあらかじめ排除されているので安全です。
MS-Japan(税理士業界専門の無料転職サイト)
ホワイト事務所の求人多数あり!
MS-Japanは、税理士業界専門の無料転職サイトです。
未経験資格なしOK年収400万円の求人
経験2年以上で年収600万円の求人
BIG4など大手税理士法人の求人
税理士試験と両立しやすい残業なし求人
会計事務所から経理への転職歓迎の求人
など、ホワイト求人が多数ありますよ。
>>現在8,647件の求人あり
正直、税理士業界に転職するなら、
ハローワークやリクナビは使わない方が良いと私は思ってます。

実際、私が1社目に入社したブラック事務所はハローワーク経由で応募しました。
(窓口の職員さんに「こちらは特におすすめですよ」と紹介されました…)
私も後から知ったんですが、ハローワークの相談員って、
彼ら自身が非正規職員だったりするのでけっこういい加減なんですよね…。
情報リサーチには会計職専門の転職サイトを使うようにしましょう。
(無料アカウント登録すると詳細な求人検索をかけられます)
↓例えば、以下のような優良求人をたくさん見つけることができますよ。
- 未経験・資格なしでも年収400万円スタートの事務所求人
- リモート勤務OKな税理士事務所求人
- 税理士試験と両立できるワークライフバランス重視の求人
- 一般企業の経理で会計事務所経験者を積極採用している求人
- 相続税申告の実務経験を積むことができる事務所求人
- 将来的に独立を目指すのもOKな事務所求人
- 医業や社福法人など「もうかる分野」で活動している事務所求人
- 社労士や司法書士など他分野の士業と提携している事務所求人
「今すぐ転職する気はない人」もやっておくべきこと1つ
今すぐは転職するかどうか決めてない。
でもさすがに今の職場で定年までずっと働く…はありえない。
チャンスがあれば転職もありだけど、具体的な行動はまだ…。
(なのでいろいろ調べてる)
↑私のブログを読んでくださっている方の多くは、
おそらくこういう段階だと思います。
転職活動ってはっきりいってめんどくさいですよね。
人生でそう何度もあることではありませんし。

ただ、こういう段階の人ほど、
転職サイトの無料アカウントだけは早めに作っておいた方が良いです。
実際には、転職って運で決まってしまう部分もあります。
たまたま良いタイミングで、良い求人に出会えるか?
で決まっちゃうことも多いんです。
能力的に優秀な人でも、たまたま良い求人に出会えずブラック事務所で働いている…みたいなことって普通にあります。
(逆に言うと、能力的には普通だけど、転職活動の進め方が上手でホワイト事務所に入社できている人もいる)
重要なのは、とにかく優良求人に「出会う確率」を上げることです。
具体的には、転職サイトに転職先に求める条件をしっかり入力しておくのがコツですね。
(年収や組織規模、残業上限など)
↑これをやっておくと、
転職サイトから得られる情報の質が一気に上がります。
条件にマッチした事務所求人が出た瞬間にスマホに自動通知してもらえるので、
優良事務所の求人を見逃すリスクがなくなるのが大きいです。
(転職サイトで求人検索をかけてるだけ、
なんとなく求人をながめているだけ…の人たちと大きな差がつきます)
いい感じの事務所求人が見つかったら、
ブックマーク保存等で情報としてストックしていきましょう。
日常的に積み上げた優良な情報ストックを、
行動を起こす時の判断基準に使えるようにしておくのが大切です。

↓年収高めのホワイト事務所の求人や、
BIG4税理士法人を含む大手事務所ほど、
募集期間が短い傾向があるので注意してくださいね。
>>無料アカウント作成時には「希望条件」をしっかり入力しておきましょう
現状への不満とストレスが限界を迎えると、行動する気力がなくなる

(ストレスが限界になる前に手を打てるようにしておきましょう)
転職サイトを日常的にチェックし、
気になった求人をブックマーク保存していくだけでも、
「今の環境で精神的に限界が来たら転職もある。
自分には別の選択肢もある」
↑と気づけるのも重要です。
ストレスでどうしようもなくなる前に、
転職という手を打つことができるようにしておきましょう。
これって、今の職場で働く上でも
精神的な安定につながります。
いい意味での逃げ道を常に準備しておくのが大事ですよ。

逆に言うと、いま現在の環境への不満とストレスが蓄積された後になると、
転職サイトに登録する気力すらなくなります(私の実体験談です…)
そうなると、さらに現状への依存度が高まって、
抜けられなくなる…という無限ループにはまりがちですね。
なぜ「最大手のリクナビ」をおすすめしないのか?

(「税理士業界専門の転職サイト」を情報リサーチに活用しましょう)
転職サイトっていろんなところがありますよね。
この記事を書いている2023年現在で、
なんと1万社以上あるそうです。
最大手のリクナビとかの方が、
学生時代の就活でも使ったのでなじみがある…
という方も多いかもしれません。

ただ、税理士業界って採用側も応募側もかなり事情が特殊です。
必ずしも大手の事務所が環境良いわけではないですし、
仕事探す側も税理士受験生だったり、
キャリアスタートの年齢が高めの人が多かったりと、
普通の求職者とは異なる事情が多いんです。
こういった「特殊事情」をふまえて転職活動していくなら、
税理士業界専門の転職サイトを使うべきです。
- ブラックな会計事務所で絶対に働きたくない人
- 将来は独立を見すえ、ちゃんと年収を稼げる税理士になりたい人
- 税理士試験との両立ができる事務所で働きたい人
- 会計事務所での経験を生かして経理に転職したい人
↑これらに該当する人は、
税理士業界専門の転職サイトを活用しましょう。
リクナビなどとは登録されている求人の質(年収や福利厚生)
がまったく違うので、びっくりすると思いますよ。
会計職専門の転職サイトに登録されている求人例がこちら。
現時点で8,647件の求人がありました。

最後の最後にお伝えしたいこと
↓転職に限らずですが、
仕事で成功するために大事なのって、結局はこれなんです。
能力やスキルももちろん大切なんですが、
転職活動でもっとも重要なのは情報収集です。
税理士業界は、能力的にとても優秀なのに、
転職活動のやり方がまずかったのが原因で、
ブラック事務所で働くことを余儀なくされている人…が多すぎます。

↓今から5年後に、あなたはどちらになっていたいでしょうか。
- 劣悪な雇用環境で給料も安く、税理士試験もいつまでたっても科目合格ゼロ…。貯金もゼロ…。
- 働きながらスピーディに5科目合格達成。年収高めなので独立資金のめどもある程度ついている。あとは税理士としての実務能力を高めていくだけ…!
もちろん後者を目指しましょう。それは誰でも可能です。
