- 会計事務所(税理士補助)から経理への転職は難しい?
- 経理の実務経験者としてちゃんと評価してもらえる?
会計事務所(税理士事務所)で働いている人の中には、
一般企業経理への転職を検討している人は少なくないでしょう。
私自身も、会計事務所で10年ほど働いてから経理に転職しました。
結果としては転職して良かったと思っています。
税理士試験をあきらめるのはつらかったですけどね。

以下では、会計事務所から経理への転職を成功させるコツについて解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
>>会計事務所経験者が経理求人を探すときの注意点【このミスをすると地獄…!】
この記事の目次
会計事務所から経理への転職は難しい?

(会計事務所から経理への転職は難しい?)
結論から言うと、会計事務所から経理への転職はそれほど難しいものではありません。
(ごくオーソドックスなキャリアプランと言えます)
会計事務所での実務経験は、経理担当者としても評価される可能性が高いです。
↓実際、以下のように「会計事務所経験者歓迎」
という感じで経理求人を出している企業がたくさんありますよ。
(画像クリックで拡大できます)

大手企業のハイクラス経理求人なら高年収も狙える

(会計事務所経験者が「ハイクラス向けの経理求人」で高年収を実現するケースも)
会計事務所経験者を積極採用している
↓ハイクラス向けの経理求人として以下のようなものもあります。
大手企業への転職はライバルも増えますが、
成功すればかなりの高年収を期待できます。
会計事務所から経理に転職するとどう評価される?
経理の採用担当者は、彼ら自身も日常的に顧問税理士から指導を受けながら仕事をしています。
なので、会計事務所の職員がだいたいどういう仕事をしている人たちなのか?はよく知っていますし、
「会計事務所経験者」というだけで「会計や税務にかなり精通している人たち」というイメージを持っているケースが多いでしょう。
もっとも、会計事務所経験者には、強みと弱みの両方があることも採用担当者は知っています。
転職活動にあたっては、会計事務所経験者であるあなたの強みを最大限に自己PRし、弱みをカバーするという意識がとても重要になります。
会計事務所経験者が自己PRすべきポイント
経理への転職を目指す場合、当然ながらあなたと同じ採用枠に応募してきているライバルがいます。
彼らの多くは一般企業での経理経験のみがある人たちです。
彼らに負けないようにするには、会計事務所経験者であるあなたの「独自性」をアピールすることが大切になります。
会計事務所出身者の独自性(強み)とは、
↓具体的には以下のようなことですね。

- 経営者層とのコミュニケーション経験が豊富
- 経理の「全体像」をよく把握している
- 中小企業の税務や社会保険知識が豊富
- さまざまな業種業態の企業の会計をチェックした経験がある
- 税務調査の立会などの経験がある
- 銀行融資支援など資金繰り対策の経験がある
↑これらは、会計事務所でないとなかなか経験できない強みです。
特に、経営者とコミュニケーションをとった経験や、さまざまな会社の会計を見ているという経験は、経理として高評価の要因になるでしょう。
会計事務所経験者の弱み
その一方で、会計事務所での勤務経験しかないことが、ネガティブな評価を与える可能性もあります。
↓具体的には以下のようなことがらですね。
- 大企業の会計や税務の経験が少ない
- 大きな組織で働いた経験が乏しい
- 経理の基本業務(銀行振込や手形小切手の扱い、実地棚卸しの業務など)の実務経験がほぼない
- 税理士試験をあきらめたから経理へ…というネガティブな理由で転職する人が多い
もちろん、完全無欠の人材なんていませんから、弱みがあることは自然なことです。
重要なことは、これらの弱みが自分にあることを認識し、
それらをカバーすべく努力する姿勢を見せることですね。
例えば、会計事務所では経理の基本業務(銀行振込や商品倉庫での実地棚卸しなど)については経験しない人が多いでしょう。
そうした業務については「現場で先輩に教えを請いながらゼロから経験を積んでいきたい」という姿勢をアピールすることが大切になります。
もっとも、こうした基本業務については本質的にそれほど難しい業務ではありません。
なので、採用側としてもこうした経験が乏しいからと言って即不採用という判断をすることは考えにくいです。
(なので、それほど悲観する必要はありません)
税理士試験をあきらめたから経理に転職するんだな…と思われないことが重要
特に「税理士試験をあきらめたからしかたなく経理に転職する…」という印象を持たれてしまうと、
会計事務所から経理への転職は絶望的になりますので注意してください。
このような疑念を採用担当者に持たれないようにするためには、
「会計事務所ではできない仕事が一般企業経理ならできると思ったので、転職する気持ちになった」
↑というエピソードを具体的に伝えるのが効果的です。
例えば、会計事務所で働いていると「たくさんの企業の経理を見られる一方で、1つ1つの会社との関わり方は少ない」という点に不満を感じるケースは多いでしょう。
(巡回監査で実際に企業を訪問できるのは月に1回程度です)
なので、この点を志望動機や自己PRに持ってくるのも一つの手ですね。
>>会計事務所経験者が経理求人を探すときの注意点【このミスをすると地獄…!】
私が「会計事務所から経理」の転職を選択した理由

(私が「会計事務所から経理への転職」を選択した理由)
↓私が「会計事務所から経理に転職する」という選択をした理由としては、以下の5つがあります。
- 少人数組織特有の「暗くて閉鎖的な人間関係」に疲れた
- ひとつの会社の経理に全力で取り組んでみたかった
- 繁忙期が忙し過ぎた
- 税理士試験をあきらめた
- 所長税理士の顔色をうかがいながら働くのに疲れた
以下、それぞれの内容について説明します。
>>会計事務所経験者が経理求人を探すときの注意点【このミスをすると地獄…!】
1. 少人数組織特有の「暗くて閉鎖的な人間関係」に疲れた
私がいた会計事務所は所長と所員10名程の個人事務所だったので、
事務所に嫌な空気が流れるとすぐに蔓延してしまっていました。
誰かが問題行動を取ると皆イライラして、陰口を言い始めます。
私がいた事務所の場合は、グループチャットやグループLINEで陰湿な陰口のやりとりがされていました。
イライラから集中力散漫になり、雰囲気は悪くなる一方です。
最終的には問題行動をとった人を皆で排除するような流れになってしまい最悪な気分でした。
2. ひとつの会社の経理に全力で取り組んでみたかった
1つの会社の経理にがっつり取り組んでみたいと感じたことも転職理由として大きいですね。
会計事務所の職員って、ひとりで20件〜30件ぐらいの企業を担当しますよね。
いろんな経験が積めるのでそれはそれでメリットだと思うのですが、
なかなか1つの企業の業務にじっくり取り組むということは難しいのが実際のところだと思います。
顧問先の経営者と仲良くなっても、実際に顧問先企業の事務所を訪問できるのは1ヶ月に1回か2回です。
どんな商品を扱っているのか?とか、どんな人たちが現場で働いているのか?
などは会計事務所の職員ではなかなかわかりません。
会計事務所から経理に転職してからは、
自分の勤務先の経理財務業務にとことん取り組むことができています。
私にとっては、これがとてもやりがいが大きいです。
製造原価・給与計算・節税対策・金融機関との交渉などなど、
経理担当者はかなり深いレベルの実務を経験できます。
もちろん、いい加減なことは一切できません。
実際に銀行口座を動かして従業員や取引先の口座に振り込む処理まで私がやっていますので、かなり緊張しますね。
税務調査などではまさに「日頃の自分たちの仕事のレベルが問われる」という意識が働き、緊張感とともにやりがいを感じます。
1つの会社の経理財務をより細かく見ていきたいと思う方は、会計事務所から企業の経理に向いていると思います。
「もっとこういう資料を作ってみよう」
「こうしたら会社にもっとお金が残るかも」
と工夫しながら仕事をしていくのを楽しく感じられる人は、
会計事務所よりやりがいを感じられるのではないでしょうか。

また、会計事務所とちがって、
企業経理は「1つの会社の中で出世していく」という魅力もあります。
会社に愛着を持って定年までずっと働き続けたい人も、
会計事務所より企業経理の方が良いでしょう。
(規模の小さい会計事務所で定年までずっと働く…というのはあまり現実的ではないです)
3. 繁忙期が忙し過ぎた
年末調整がある12月、個人の確定申告がある3月、申告月が集中する5月はまず定時では帰れません。
通常の月次業務や後輩の指導もあるので、私は土日にできるだけ自分の進捗を出して、平日は所内の皆に目を配れるようにしていました。
後輩から質問されて「忙しいから後にして」など言ったことはありませんよ。
「いつも穏やかな話し方の先輩」
「丁寧に指導してくれる優しい先輩」
で通したいと思っていました。
実際は件数が多すぎて終わりが見えず、毎日暗い気持ちになっていました。
クライアントが資料を送ってくれない、質問に対する回答が来ない時はさらに疲弊していきます。
4. 税理士試験をあきらめた
私は税理士試験については完全にダメダメでした。
比較的短期間で合格する人の多い簿記論と財務諸表論ですら、4年受験し続けてどちらも受かりませんでした。
もちろん、激務の中でも税理士試験に合格していく人はいますから、これは私のやり方の問題ですね。
ただ、税理士試験は向き不向きが確実にありますので、何回か受験してみて「合わない」と感じるなら撤退も視野に入れた方が良いです。
つらい試験勉強を続けてきたコストを考えると、「今さらやめられない…」と感じるのもわかります。
ですが、学生時代とは違いますから、年収アップや仕事の満足度アップにつながらない場合には試験勉強を続ける意味があまりないです。
時には「損切り」をする決断も人生では大切だと思いますよ。
私の場合は、税理士という夢をすっぱりあきらめるのは勇気が入りましたが、結果として良かったと思っています。
5. 所長税理士の顔色をうかがいながら働くのに疲れた
小規模の会計事務所の場合、働きやすさは所長との関係性次第でほぼ決まります。
担当クライアントや同僚所員から信頼されているような人でも、
所長の気分を害するような行いをしたりすると一瞬で評価が下がります。
私の場合は、所長がイケイケで、無理な節税もすすめてしまうタイプであることにとても不満を感じていました。
- 会計や税務でグレーなことは極力すべきでない(無意味なリスクを負うべきでない)
- しっかり納税してこそ会社は成長する
- 無理な節税=無駄遣い
と思っている私とは、最後まで意見が合うことはありませんでした。
毎日所長の顔色をうかがいながら仕事をするのはとても苦痛でしたが、
現在はそうしたストレスから解放されたので良かったと思います。
>>会計事務所経験者が経理求人を探すときの注意点【このミスをすると地獄…!】
会計事務所から一般企業経理に転職して感じたメリット

(会計事務所から経理に転職して感じたメリット)
1. 最初から管理職候補としてスタートできた
私は会計事務所から従業員100名程度の企業経理に転職したのですが、
はじめから経理管理職のポジションにつくことができました。
(正確には数ヶ月程度は退職する前任者から引き継ぎを受け、その後管理職として仕事をスタートしました)
↓実際、こんな感じで会計事務所経験者を優遇している経理管理職候補の求人ってたくさんありますよ。
↓管理職クラスの求人でなくとも、
会計事務所経験者を歓迎している経理求人はたくさんあります。

私が会計事務所から経理に転職できたのは、
私自身が特別優秀だったからではまったくないです。
私は税理士試験にも受かりませんでしたし、
会計事務所の職員としての能力もごく普通だと思います。
それでも、会計事務所で年間20件以上の決算をこなしてきたこと、
ひとりで月次業務から決算までこなせることを評価してもらえたようです。
(私はトータルで10年間会計事務所にいたので、これは当たり前と言えば当たり前なのですが)
会計事務所経験者は、会計事務所で職員として働いていると過小評価されていることも少なくありません。
2. 会計事務所での仕事経験を活かして働ける
会計事務所から経理への転職後の仕事内容は、
会計事務所で行っていた業務とほぼ差はありません。
税理士とも顧問契約を結んでおり、最終的には顧問税理士と相談しながら月次決算や税務申告をやっていくのも同じです。
(会計事務所=チェックする側、経理=チェックされる側という違いはありますが)
担当の顧問税理士も私が会計事務所出身であることを知っているので、とても意思疎通がしやすく仕事も進めやすいですね。
広い意味での会計や税務にかかわる仕事という意味では、前職も現職も共通しています。
その一方で、会計事務所時代よりも、
ひとつの企業の会計や財務業務にがっつりと取り組めるようになりました。
くりかえしになりますが、これには大きなやりがいを感じています。
あと、今までは顧問先の経理担当者さんがやってくれたことを、
自分ですべてやることになったのでいろいろ気づく部分はありましたね。
(証憑の整理、給与計算のためのタイムカードの整合、得意先への振り込み、資金繰りなど)
これらは会計事務所の職員としては「おなじみの仕事」ですが、
実際に経理担当者レベルでやるとなると、
意外に手ごわく感じることもあります。

なお、会計ソフトの操作などは会計事務所時代と変わりません。
経理に転職してからもすぐに業務に慣れることができたので、会計事務所で経験を積んでおいて良かったと思っています。
役員やまわりの従業員からいろんな質問をされる立場に
転職した当初、会計事務所出身ということを役員の人たちも知っていましたから、節税対策についていろいろ質問を受けました。
法人税の節税制度や消費税の可否、会計上の処理方法などです。
この辺りは会計事務所時代に顧問先の経営者さんとやっていたやりとりの延長ですね。
役員レベルの人たちともコミュニケーションを取れるのは会計事務所出身者の強みです。
また、一緒に働く従業員の人たちからは給与にかかる社会保険・所得税・住民税などの控除、年末調整などについて質問されます。
やはりみんな税金の計算は気になるようです。
経理はもちろん、個々の社員から頼りにされるのは非常に魅力的です。
3. 繁忙期の業務量も落ち着いていて、年間通して穏やかに過ごせる
会計事務所にいた頃は、通常の月次業務にあわせて担当クライアントの税務申告がある月は超繁忙期でした。
平日9時〜18時が勤務時間でしたが、
残業が多く定時で帰れることはほぼなかったです。
1か月の残業時間は常時30時間超で、
仕事が終わっていなければ休日出勤もしていました。
繁忙期である確定申告時期は22時あたりまで残業する毎日です。
会計事務所では繁忙期(確定申告期)の残業・休日出勤は宿命みたいなものですね。
会計事務所から経理に転職した現在は、
ほとんど残業なく定時で退社できています。
決算前は業務そのもののプレッシャーは大きくなりますが、
働く時間は基本的に変わりません。休日出勤もしたことがありません。
一般企業経理でも決算前後に繁忙期になるのは共通ですが、
率直に言って会計事務所の業務量と比較するとものすごく少ないです。
(年間20件の決算を組んでいたのが、自社1社だけの決算になるのですから当然と言えば当然ですが)
もちろん、自社の決算については会計事務所時代には行わなかった細かい業務もやっていくことになります。
ただ、それはそれで面白いと感じていますね。
少なくとも、会計事務所時代に抱えていた「終わりが見えない暗い気持ち」は無くなりました。
クライアントから資料がもらえない、取引内容が分からないなどのモヤモヤも無くなり、
自社の会計についてすべての内容をコントロールしている感覚で仕事ができています。
4. 年収アップできた

(会計事務所から経理への転職で年収アップできた話)
私の場合、会計事務所から一般企業経理に転職して年収をアップすることができました。
金額的には年収で100万円程度のアップですね。
ワークライフバランスも会計事務所時代より確実に向上したので、生活にはかなり余裕が出たように思います。
繰り返しになりますが、これは私が特別優秀だったからではないです。
強いて成功要因をいうなら、
「年収にだけは絶対的にこだわって転職活動したこと」ぐらいでしょうか。
(成功というほどの成功ではないのですが…)
会計事務所から経理への転職は、私にとって大きな決断でした。
ずっと夢見ていた「税理士として独立」という夢をすっぱりあきらめることになるからです。
その分、一般企業経理に転職するなら「年収では絶対に会計事務所時代より下げたくはない…!」という強い思いがあったんです。
個人的なエゴやプライド丸出しですが、
ここにだけはこだわって転職活動をしたのが、
良い結果につながったのかもしれません。

年収だけで幸せになれるとは限りませんが、自己肯定感にはつながります。
一般企業は人事評価制度を導入しているのが普通なので、
入社後のがんばりしだいで昇給や役職アップも見込めるのもポイントですね。
会計事務所経験者は経理に転職すると評価(年収)が高まる
上でも少しふれましたが、会計事務所の職員というのは、
会計事務所にいる限り過小評価をされることは避けられないと思います。
所長税理士からみて、職員は「たくさんいる職員のうちの一人」に過ぎませんし、
「税理士としての勉強もやらせてやっている」という意識がありますから、提示される年収も低くなりがちです。
その一方で、一般企業の経理採用担当者から見ると、
会計事務所経験者があたりまえに持っているスキルや経験は魅力的です。
これは私自身が会計事務所から経理管理職に転職して、
企業側の経理スタッフの採用にもかかわる立場になって実際に感じていることです。
普通に考えて、20代〜30代の年齢で、
↓以下のようなスキルを持っている人材なんて世の中にほぼいませんからね。
(会計事務所で5年程度働いてる経験者なら「普通」ですが)
- 中小企業の月次決算〜年次決算まで完結できる
- いろんな業種業態の企業会計をみた経験がある
- 経営者とのやりとりやコミュニケーションに慣れている
- 会計だけでなく税務や社会保険の知識もある
もちろん、この記事を読んでいただいている方の中には、
会計事務所で働き始めてまだ数年ぐらいの人も多いと思います。
年次決算を自力で完結するのはまだ不安がある…という段階の方も多いでしょう。
ただ、そういう人でも企業側は「将来の経理管理職候補」として採用するニーズは確実にあります。
↓実際、こんな感じで会計事務所経験者を優遇することを明示して募集をかけている企業はたくさんあります。
>>会計事務所経験者は優遇!経理の実際の求人で年収を見てみる
会計事務所で長く働いていると、
どうしても「税理士以外の仕事なんて考えられない」という意識になりがちです。
気持ちはとてもわかります。私もずっとそうでしたから。
ですが、ほんの少しだけ視野を広げてみてください。
会計事務所でつちかったスキルや経験をしっかり評価してくれる企業はたくさんありますし、やりがいを持って働ける職場はいくらでもあります。
5. 経営者とのやりとりが多く、社内での出世を狙える
経理として働いていると、社長や取締役など、
社内で経営者の人たちとやり取りすることが多くなります。
そこで認められれば昇給もありますので、いい環境だと思います。
経理出身で役員になっている人もいるので、
私もいずれそういうレベルを目指したいと思っています。

私が所属するような規模の中小企業では、
経理や税務の専門知識を持っている人は非常に少ないのが実際のところです。
会計事務所の職員としてはごく平均的だった私でも、
今の社内では「経理財務のスペシャリスト」として扱ってもらえるので働きやすいですね。
特に、税務まで完結できる人って企業の経理畑をずっと歩いてきた人でも少ないです。
会計事務所の職員ってもっと評価されてもいいと思いますね。
職場で一緒に働く人たちもがらっと変化
以前は家族的でアットホームな環境で働いていましたが、
やはり仕事がビジネスライクなものになったと感じています。
40代〜50代の所員が中心だったので、
私は一番若いスタッフでかわいがってもらえました。

ただ、その反面で「ちょっと距離感が近すぎて息苦しいな…」と感じる場面も多かったです。
休みの日に飲みに誘われたり、いろいろとプライベートなことまでつっこまれることが多かったのはつらかったですね。
現在の勤務先はとてもビジネスライクで、おたがいのプライベートには立ち入らない感じです。
人によって好みはあると思いますが、私にはこちらの方が性に合っている感じはありますね。
>>会計事務所経験者が経理求人を探すときの注意点【このミスをすると地獄…!】
会計事務所から一般企業経理に転職して感じたデメリット

(会計事務所から経理に転職して感じたデメリット)
ここまで会計事務所から経理に転職して感じたメリットについて書いてきましたが、デメリットに感じていることもいくつかあります。
↓具体的には以下の2つですね。
1. 社内の人間関係が複雑
会計事務所では全員が基本的に同じ仕事をしているので、
業務の目的や温度感、専門用語など話し相手とのズレを感じることはありませんでした。
ですが、一般企業では業務目的やゴールが異なる人達が集まって仕事をします。
例えば、棚卸に対する考え方で営業さんと私とで、ズレを感じたことがありました。
決算を組む私にとって、極端に言えば棚卸は数値さえ分かれば売上原価を算出できます。
営業さんにとっての棚卸は、差異がでたらどこでミスしたのか、
在庫管理システムをさかのぼって調査するのでとても大変なんです。
手っ取り早く結論だけ教えてくれとは、なかなか言えないですし、
上がってくる数値は「営業さんたちの汗と涙の結晶」ですからいい加減なことはできません。
僅かな温度感の違いや、コミュニケーション不足から仲違いしてしまいそうになる瞬間があるんですね。
これは会計事務所時代には感じたことのなかったストレスというか負担です。
お互いに目的が違うので、今までのようにはいかないのだなと思いました。
2. 決算を組む回数が少ないので、税法が分からなくなる
これは私自身の勉強不足もあるのですが、
会計事務所時代ほど税法改正の情報についていけなくなりました。
(その必要がない…となると人間勉強しなくなるものですね)
自社に必要な範囲の税法改正については、顧問の税理士が伝えてくれます。
この記事を書いている時点でいえば、インボイス制度の導入とかはかなり大きな改正ですね。
あと、決算を組むのは自社の分だけなので、
久々に作ると申告書の作り方でど忘れしていることもあったりしますね。
会計事務所時代に行っていた税制改正の勉強会も、今はその機会がありません。
最新の税制を自力で調べる等して、日々勉強しないとだめですね。
なんのデメリットもない転職なんてありえない
私の場合、会計事務所から経理に転職して感じているデメリットは、上記の2つですね。
勤務先の組織が大きくなった分、人間関係の複雑さはありますが、
会計事務所時代の「閉鎖的で・暗い人間関係」と比べるとはるかにましだと感じています。
私は複数回の転職をしてきていますが、
なんのデメリットもない転職なんて、世の中に存在しないと思っています。
重要なことは「妥協できることと、できないこと」を自分の中で見極めて、優先順位をつけることだと思いますよ。
私の場合は年収面やワークライフバランス面での不満を解消できたことと、
自分のスキルや職歴を正当に評価してもらえている感覚を得ながら働けていることで、会計事務所から経理に転職して良かったと感じています。
>>会計事務所経験者が経理求人を探すときの注意点【このミスをすると地獄…!】
【会計事務所から経理に転職】志望動機作成のポイント

(会計事務所から経理に転職する場合の志望動機作成のポイント)
会計事務所から経理への転職を目指す場合、
↓以下のようなポイントを押さえて志望動機を作成するようにしてください。
- ポジティブな印象を与える転職理由にする
- 会計事務所出身者ならではの長所を自己PRする
- 仕事についての具体的でナマナマしいエピソードを書く
人事採用の担当者というのは、
毎日山のように応募者からの志望動機を読んでいます。
ありきたりなことを書いてしまうと、
うもれてしまってまず読まれません。
ポイントを押さえた志望動機で採用担当者の心をつかみましょう。

1.ポジティブな印象を与える転職理由にする
- 人間関係が悪い…。
- 給料が安すぎて不満…。
- 税理士試験をあきらめた…。
↑などなど、決してポジティブでない理由で会計事務所を辞めたい人もいらっしゃるでしょう。
しかし、転職活動というのは「あなた」という商品を売り込むビジネスの場です。
ネガティブな転職理由をそのまま書くのは避けましょう。
コツとしてはネガティブをポジティブに変換することです。
↓こちらの表現を参考にしてみてください。

- 人間関係が苦痛だった
- 年収が低いのが不満だった
- 仕事内容に飽きた
- もっと雇用の安定した大きな組織で働きたかった
2.会計事務所経験者ならではの長所を自己PRする
実務経験者向けの経理担当者の募集では、
↓日常経理〜月次決算・年次決算の業務に対応できることが最低条件となっているケースが多いです。
会計事務所の経験者は決算と税務申告をメイン業務として経験していますから、
問題なく経理の実務経験者とみなしてもらうことができます。
その一方で、単に経理業務をスタッフとしてこなせるだけでは、
自己PRとして弱いことも知っておきましょう。
経理業務を機械的にこなせる人は世の中にたくさんいますので、それだけでは差別化になりません。
志望動機には、会計事務所の経験者ならではの強みを含めましょう。
会計事務所経験者の最大の強みは、
たくさんの経営者と「会社の数字」を通じたコミュニケーションを取ってきた経験があることです。
単に経理業務をこなせるだけでなく、
経営者の目線でさまざまな会計資料をデータとして提供できる人材は貴重です。
経営者と会計や税務を通じてたくさんやりとりをした経験のある会計事務所経験者は、この点を強みにできるのです。
志望動機では、この会計事務所経験者ならではの長所をもりこむようにしてください。
3.具体的でナマナマしいエピソードを書く
採用担当者の注意をひきつける志望動機を書くためには、
あなたが普段から仕事をしながら思っていることを、
「具体的に、ナマナマしいエピソードとともに」書くことが有効です。
もちろん、志望動機に書くのは仕事に関する内容でなくてはなりません。
↓具体的には、以下のようなことを考えてみましょう。

- 会計事務所で職員として働きながら、毎日のどのようなことを悩んできたのか?
- どんなお客さんと、どんなやりとりをしてきたのか?その中で、なぜ経理として働きたいと考えるようになったのか?
- なぜ、別の会計事務所への転職ではなく、企業の経理職への転職を考えたのか?
- 税理士試験はどうする?今後はもう受験しない?なぜ辞める?
- なぜ、中小企業の経理職を志望するのか?(なぜ、大手企業ではない?)
- なぜ、大手企業の経理職を志望するのか?(なぜ、中小企業ではない?)
志望動機は「いろいろ書く」より「たった1つのエピソードを掘り下げて書く」

(志望動機に「いろいろ書く」はNGです)
↓志望動機というのは、簡単に言えば以下のような内容を書くテストです。
- うちの会社に入社してどんな仕事ができますか?
- そのように言える根拠はなんですか?
- なんで同業他社ではなく、あえてうちの会社を選びましたか?
- なんで他の仕事ではなく、この仕事をしたいと思いましたか?(未経験者の場合)
これへの回答はたった1つのエピソードをとことん掘り下げて書くことを意識してみてください。
優秀な人ほど
「あれもできます・これもできます…」
という志望動機を書きがちですが、
これは志望動機で書くべきことではありません。
(あなたが対応可能な業務内容については、
職務経歴書で列挙しておけば伝わりますし、その方が好まれます)

書類選考で志望動機を書く目的は、
「面接に呼んでもらうこと」これ一点のみです。
採用担当者に「この人は実際にあって話をしてみたい」と思ってもらうことが唯一の目的であり、
これが達成できる志望動機が良い志望動機と言えます。
そのためにどうするか?ですが、
これを実現するのが「志望動機にはたった1つの具体的なエピソードにしぼって書く」という方法なのです。
志望動機では、あなたが過去の仕事で経験したチャレンジの内容を具体的に描写し、
それをどのように克服したのか?を伝えましょう。
(誰と一緒に戦ったのか?戦う上で何が困難だったのか?従来の他の人の戦い方とは何が違ったのか?など)
あなたという人間がどういう人間で、
危機に直面したときにどのようなリアクションを取る人なのか?
が伝わるようにするのがコツです。
(採用担当者はそこをチェックしています)
現状への不満を深く考えることで、理想やヴィジョンが見えてくる

(現場の不満=あなの理想やヴィジョンが実現されていない状態です)
この記事を読んでいるあなたは、
現在の仕事を辞めて、別の会社に転職したいと考えているのだと思います。
働く職場を変えるという決断をされた以上、
あなたには今の職場への何らかの不満があるはずですよね。
現場の何かに不満を感じているということは、
現状ではあなたの理想が達成されていないということです。
今、何に不満を感じているのか?を深く掘り下げて考えてみてください。
現場の不満を考えることで、
あなたが仕事人生を通じて達成したい願望やヴィジョンが見えてくるのです。

もちろん、すでに解説した通り、志望動機はネガティブなものではなく、ポジティブなものでなくてはなりません。
現状への不満をそのまま表現するのではなく、
そこから見えてくるあなたの理想を志望動機に表現することが大切です。
現状への不満からにじみ出てきたあなたの理想やヴィジョンが、
もっとも採用担当者の心にヒットする文章になります。
書類選考のために作成する志望動機は、
多少は荒けずりでも構いません。
まずはあなた自身の中で「なぜ今、転職なのか?」を明確にしておくことが大切です。

書類選考の志望動機は「荒けずり」な方がむしろ良い
上では、書類選考のために提出する志望動機は、多少は「荒けずりでOK」という説明をしました。
なぜ、荒けずりでOKなのかというと、
その方が「ここの部分を面接にきてもらってくわしく聞いてみよう」
と採用担当者に思ってもらえるからです。

つまり、書類選考での志望動機の内容には、
ある程度の「つっこみどころ」を残しておく方が、採用担当者の印象に残る志望動機になるのです。
書類選考の目的は、「面接に呼んでもらうこと」であり、それ以上でもそれ以下でもありません。
きれいにまとまりすぎている文章というのは、
むしろ読む人の興味を失わせてしまいますので注意しましょう。
採用担当者に「面接でくわしく話を聞いてみたい」
と思ってもらえる志望動機にするにはどうしたらいいか?を考えることが重要です。

私が会計事務所の仕事をしていて欲求不満を感じていたこと
参考までにですが、私が会計事務所から経理への転職を考えたのは、
「顧問先企業の経理の仕事に、もっと深く取り組みたい」
と思ったことが大きな理由でした。
会計事務所の仕事では、30件ほどの顧問先を担当していたので、
毎年30回の決算業務をやっていました。
毎月の巡回監査や決算の打ち合わせなどのために顧問先を訪問しますが、
経営者と話をしているなかで「もっとこの会社の仕事に深く付き合ってみたい」と思える会社がたくさんありました。

単に毎月の入力仕訳をチェックして、試算表を作成して決算、社長に報告して1サイクルが終わり…ではなく、
↓「その会社の経理担当者として実務の最前線で働いてみたい」と思ったのです。
- 経理スタッフと話し合いながら会計処理のフローをより効率的に改革する
- 財務会計だけでなく、管理会計的な知識も生かして経営に役立つ会計情報を社長に提供する。綿密な経営計画を作成して実施する
- 経営者の気持ちを理解し、プライベートなことについても相談に乗れる経理担当者になる
- 金融機関担当者との融資交渉を担当する
- 税務調査で実際に税務署職員と交渉する
- 上場企業で公認会計の監査にも耐えられるような経理の内部体制を構築する
会計事務所の仕事ももちろんやりがいのある仕事ですが、
こういったことは1つの会社の経理担当者でないとなかなかできないことです。

- 会計事務所ではできないけど、経理ならできる仕事はなんでしょうか?
- そのように思ったきっかけとなるエピソードはどんなものがあるでしょうか?
↑あなた自身の言葉と、具体的でなまなましいエピソードで志望動機として表現してみてください。
そうすれば、きっと採用担当者に「刺さる」よい志望動機ができあがるはずです。
志望動機のサンプル例文

(会計事務所から経理へ転職する場合の志望動機例文サンプルを紹介します)
↓実際に志望動機を作成する際には、
以下の3つのことを穴埋め式で書いていくとスムーズに完成させることができますよ。
- 過去の実務経験から、どのようなことで貢献できるのかを明確にする。
- 入社後にどのような仕事をしたいのか?を明確にする
- なぜ応募先の企業をあえて選択したのか?を明確にする
実際にこの3つをうめていきながら
志望動機を作成してみましょう。
↓例文サンプルはこちらです。

- 過去の実務経験から、どのようなことで貢献できるのかを明確にする
現職では会計事務所の職員として、常時30件の顧問先企業を担当しております。
決算業務と税務申告の代行をメインに、中小企業経営者から資金繰りや節税対策に関する相談をお受けするのが私の仕事です。 - 入社後にどのような仕事をしたいのか?を明確にする
現職での経験を通して「会計知識を通じて、もっと経営に深く関わる仕事をしてみたい」と考えるようになったことが、経理職への転職を考えるようになった理由です。
会計事務所の仕事では、多くの顧問先と関わることができる反面、1件ごとの顧問先との関係はどうしても希薄になります。
「もっと時間があればこういう資料を作って提案するのに…」と欲求不満のような感情を感じることが多くあり、そのことが経理担当者としての仕事を志すきっかけとなりました。 - なぜ応募先の企業をあえて選択したのか?を明確にする
御社では「経理業務を通じて、経営に有益な情報を提供できる人材」を募集されていると知り、深く共感したことが、御社の求人に応募した理由です。
御社社長の「現在どんな状況にいても、努力すれば必ず道は開ける」というメッセージにも勇気付けられました。ぜひ、御社の経理担当者として貢献したいと考えています。
以下では、上で紹介した志望動機サンプルについて、
それぞれのパートでどのような意図があるのか?を解説します。
1.過去の実務経験から、どのようなことで貢献できるのかを明確にする
現職では会計事務所の職員として、常時30件の顧問先企業を担当しております。
決算業務と税務申告の代行をメインに、
中小企業経営者から資金繰りや節税対策に関する相談をお受けするのが私の仕事です。
→経理業務については決算業務を含めて対応できることをアピールしつつ、
経営者レベルの人ともコミュニケーションをしてきたことを知ってもらう意図があります。
2.入社後にどのような仕事をしたいのか?を明確にする
現職での経験を通して「会計知識を通じて、もっと経営に深く関わる仕事をしてみたい」と考えるようになったことが、経理職への転職を考えるようになった理由です。
会計事務所の仕事では、多くの顧問先と関わることができる反面、1件ごとの顧問先との関係はどうしても希薄になります。
「もっと時間があればこういう資料を作って提案するのに…」と欲求不満のような感情を感じることが多くあり、そのことが経理担当者としての仕事を志すきっかけとなりました。
→入社後には、会計知識を活かして経営の判断材料になるような情報を積極的に提供していく仕事がしたい、というビジョンを持っていることを伝えています。
また、前職ではなぜそれができなかったのか?を具体的な心理描写で表現することにより、
「なぜあえて会計事務所から経理なのか?」という採用担当者側の疑問に答えています。
3.なぜ応募先の企業をあえて選択したのか?を明確にする
御社では「経理業務を通じて、経営に有益な情報を提供できる人材」を募集されていると知り、深く共感したことが、御社の求人に応募した理由です。
御社社長の「現在どんな状況にいても、努力すれば必ず道は開ける」というメッセージにも勇気付けられました。
ぜひ、御社の経理担当者として貢献したいと考えています。
→「なぜ、あえてうちの会社に応募してきたのか?他の会社の経理ではなぜダメなのか?よその会社が内定を出したら、うちの内定は辞退してしまうのではないか?」という採用担当者側の疑問や不安に答える意図があります。
求人情報や会社ホームページから読み取れる「こういう人材が欲しい」というメッセージを読み取り、そこに共感していることをアピールしましょう。
「会計事務所から経理」の転職面接での受け答えの例

(会計事務所から経理の転職面接で多い質問例)
会計事務所から経理への転職面接で、
よくある質問を想定した例文を紹介します。
1. 決算業務はどこまでできますか?
御社と同じ業種の決算書を作成していたため、申告書を作成するところまでできます。
2. 前職で一番力を入れてしていた業務は何ですか?
→税務調査の立ち合いの経験があり、それが一番頑張った業務です。
3. 会計事務所出身者としてご自身の弱みは何ですか?
→弱みは規模の小さな決算業務しか経験がないことです。そのため、入社後は大企業の簿記や会計についても勉強するつもりです。
4. 経理としての業務はどの程度経験がありますか?
→会計処理や決算書作成の業務を行っていたため、棚卸や振込などの一般的な経理業務の経験はありません。入社後は、積極的な質問やメモを頻繁にとることでいち早く活躍できるように努力します。
>>会計事務所経験者が経理求人を探すときの注意点【このミスをすると地獄…!】
経理は企業規模によって仕事内容や年収がかなり違う
会計事務所から一般企業経理に転職する場合、
転職先企業の「規模」によってかなり働き方が違います。
ここでは大手企業の経理と、中小企業の経理の待遇面での違いについて解説しましょう。
1. 会計事務所から大手企業の経理に転職した場合の待遇
会計事務所の経験者は、
企業の経理スタッフとしても実務経験者として扱ってもらうことが可能です。
日本を代表するような上場大手企業の経理として働くことも選択肢にできますよ。
会計事務所の職員はいろんな顧問先の会計業務に広く関わることができますが、
逆にいうと、1つの顧問先企業にさける時間と労力はとても少ないのが現実です。
顧問先に魅力的な企業があったり、
魅力的な経営者がいたりするような場合には
「もっとこの企業の会計業務にかかわりたいのに、時間が足りない…」
というフラストレーションを感じている人もいるでしょう。

そんな方におすすめなのが、会計事務所から経理への転職です。
企業の経理担当者として転職すれば、
自分の勤務先企業の会計業務だけにとことん専念して働くことが可能になりますよ。
職場環境や一緒に働く人たちの違い
ひとくちに経理担当者といっても、
大手企業と中小企業とでは働き方がかなり違います。
大手企業の経理は5名〜10名以上のチームで働くのが普通ですので、
基本的には自分の担当する経理作業に集中して仕事をすることになるでしょう。
(売上担当・仕入担当・経費担当…というように、
業務内容別にセクションが分かれていることが多いです)
決算業務についても、
売上担当なら売り上げについての取引内容だけを締める(決算仕訳を入れていく)というように、
自分の担当分野の仕事に専念することになると思います。
(大手企業の管理職になるためには、少なくとも勤続10年以上のキャリアが必要になるでしょう)
なので、少しでも早く経理担当者として自分の所属先企業全体をコントロールする立場になりたい人は、
大手企業経理より中小企業経理の方が望む働き方に近づくかもしれませんね。
大手企業の経理管理職なら年収1000万円も狙える
大手企業の経理担当者としてキャリアを築き、
チームをまとめる管理職(経理課長や経理部長などの肩書き)となれば、
決算や税務申告その他、経理部の仕事全体を統括する立場になります。
大手企業の経理管理職ともなれば、
↓1000万円以上の年収を稼ぐ人も普通にいますね。

雇用が安定していることも、
中小企業や会計事務所と比較した場合の大手企業の魅力です。
(経理として大手企業に採用された人が、
雇用を失うようなケースはほぼ考えにくいです)
ひとつの企業の中で安定的にキャリアアップを目指していきたい人は、
大手企業の経理を狙ってみるのはおすすめですよ。
2. 会計事務所から中小企業経理に転職した場合の待遇
個人的におすすめなのが、
会計事務所から中小企業の経理職への転職です。
↓おすすめの理由としては以下の3つがあります。
転職活動を短期間で成功させやすいこと
会計事務所から経理(中小企業)への転職がおすすめである理由の第一は、
何よりも転職活動を成功させやすいことです。
↓実際、会計事務所経験者をピンポイントで採用候補として挙げている経理求人は多いですね。
中小企業の経理職は、基本的に即戦力で働ける人が求められています。
具体的には決算業務をどれだけ経験してきているか?が問われることが多いですが、
この点について会計事務所経験者は
かなり自信を持って「経験があります」と言える人が多いでしょう。
会計事務所の経験者の場合、
年間で20件〜30件程度の決算業務は経験してきている人が多いと思います。
これって実はかなりすごいことなんです。
経理の経験しかない人の場合、
1年間で経験できる決算業務は当然1回だけですからね。
経験している決算業務の数だけを単純に比較すれば、
経理の経験しかない人の20倍〜30倍の数を経験しているわけです。
こうした経験から考えれば、
自分が所属する企業の決算業務1件について
すべての時間をかけてやれることはハードルがかなり低いと感じると思います。
経理担当者を採用したい中小企業側から見ても、
会計事務所経験者というのはまさに「採用ニーズにドンピシャの人材」です。
タイミングが良ければ、転職活動を始めて1ヶ月以内に内定が出ることも考えられるでしょう。
転職活動にかける時間と労力が最低限で良いことは、大きなメリットです。
転職活動は長期間やっていても得することは何もありませんからね。
(可能な限りさっさと終わらせる方がいいものです)
これまでの実務経験をフルに活用できること
会計事務所の実務経験者が中小企業の経理担当者に転職すれば、
これまでつちかってきた実務知識を最大限に生かして働けると思います。
具体的には、決算業務や税務申告、給与計算についての知識をフル活用して仕事に取り組むことが可能になります。
もちろん、経理として働く場合には、
会計事務所では経験しにくい経理の日常業務もやっていくことになります。
(銀行振込や手形小切手の管理、他部署の担当者から情報を得てそれらを会計的に処理していくなどの業務から、会計データを使って管理会計的な資料を作成する業務まで)
多くの会計事務所経験者の場合、
これら経理の日常業務についてはゼロから学んでいく必要があるでしょう。
もっとも、これらはそもそもそれほど難易度の高い業務ではありませんから、すぐに慣れますけどね。
会計事務所の経験者は、中小企業経理担当者として高いポテンシャルを持っていることは間違いありません。
管理職のポストを狙えること
会計事務所が中小企業経理に転職した場合、
将来的にはその転職先の経理管理職になれる可能性が高いです。
具体的には、経理部長やマネージャーなどの肩書きで、
経営者の右腕としての働き方が視野に入ってきます。

経理の管理職となるためには、
自社で作成する決算書や税務申告書の内容に責任を持てる人でなくてはなりません。
複数人のスタッフを指揮して決算を完了するだけでなく、税務調査への対応など
ハイレベルな経理財務業務にも対応できる必要があります。
こうした点について、会計事務所経験者は
経理の経験しかない人に比べて高いポテンシャルがあります。
法人税や消費税・従業員の年末調整までやれる人材というのはなかなかいないのです。
さらにいえば、経理管理職には
- 決算書を「作る」ための知識だけではなく、
- 決算書を「使う」能力も求められます。
↓具体的には、以下のような業務も経理管理職の仕事です。
- 試算表や管理会計のデータに基づいて経営者に改善策を提案したり、
- 利用できる節税対策や助成金を活用したり、
- 金融機関と融資条件の交渉をして資金繰りを支援したり
こうした業務についても、
会計事務所経験者は、顧問先経営者とのやりとりの中で経験してきた人が多いと思います。
経営者とひざを突き合わせて仕事をしてきた経験というのは、
中小企業の経理担当者として最大限に活用することが可能なのです。
(追伸)労働環境が劣悪な「ブラック経理」で絶対働きたくない人へ

(経理はブラック企業にまちがえて応募しないよう注意が必要です)
いま経理として働いている人も、これから働く人も、
労働環境が悲惨なブラック企業にまちがえて入社しないよう注意してください。
経理って入社する会社によって労働環境がぜんぜん違う仕事です。
自分の勤務先として選ぶ会社をまちがえてしまうと、
ブラックでつらい働き方になってしまうことがあるので注意してください。
例えば、スキルや学歴がまったく同じ人でも
↓こんなふうにスタート地点からすでに差がついてしまうことがあるんです。
(まさに天国と地獄…)

- ゼロから仕事を教えてもらえる環境で年収400万円でスタートな人。
- 何もわからない状態でいきなり現場に放り出され、しかも年収264万円でスタートする人…。
↓実際の求人をお見せするとこんな感じ。
どちらも未経験OKの求人なのに、
入社時の条件がまったく違いますよね。
↑あえて2つ目のしんどそうな求人(年収264万円〜…)
を選ぶ人はまずいないと思います。
同じ働くなら、お給料はちょっとでも高い方が良いに決まってますよね。
重要なのは、こうした差が
個人の能力の差によって生まれるわけではないことです。
例えば上の2つの求人はどちらも未経験者向けの求人ですが、
未経験者の場合、入社時の仕事の能力なんてみんなゼロで同じですからね。
(経理は実務経験で評価される職種です)
それなのに、入社時のお給料の金額がまったく違うのはなぜなのか?
これは「応募先の企業がきちんと利益を出しているか?」の違いです。
経理って営業マンみたいに個人の成績で給料が決まる職種ではないんですね。
あなたがどんなに優秀な人であったとしても、
勤務先の会社がもうかっていなかったらお給料は低くなります。
逆にいうと、能力的にあまり自信がない人であっても、
良い環境の企業に入ることができれば、
年収で差をつけることができるんですね。

経理はどういう会社を転職先に選ぶか?が、
決定的に重要であることを知っておいてください。
ブラック環境で働く経理は本当に悲惨…

(ブラック企業で働く経理は本当に悲惨です…)
私自身も経験があるのですが、
ブラックな職場で働く経理って本当に大変です。
ろくな新人研修も受けないままいきなり現場に出されて、
「仕事は先輩のマネをしながら覚えてね」
みたいなほったらかし教育をされる危険があります。
当然ながら、そんなかたちで仕事を覚えても、
身につくのは「その会社の中でだけ通用するスキル」だけです。
5年後にどんな差がついているか…。
って考えるとぞっとしますよね。
こういう会社ではしょっちゅう新人が辞めていくので、
「新人なんて育ててもすぐ辞めていくし…」
みたいに考えられているケースも多いです。
新人は使い捨て状態なので、当然ながらお給料も低いです。

逆に、業績の良いホワイト企業では、
未経験者をゼロから育てていくという意識があります。
業績が良いからこそ新人研修にも時間と労力をかけられますし、
未経験でもお給料が良いケースが多いんです。
経理志望者は「どこで求人を探すか?」が決定的に重要

(経理求人専門の転職サイトで求人を探しましょう)
同じ働くなら、しっかりお給料稼げて働きやすい環境でスタートしたいですよね。
まちがえてもハローワークとかで経理求人を探さないように注意してください。
学生の就活とは違うので、リクナビを使うのも避けましょう。

どんなに優秀でスキルが高くて性格の良い人であっても、
経理の求人を探す場所をまちがえてしまうと、
ブラック企業に入ってしまう可能性が高くなります。
逆にいうと、はっきり言ってあんまりスキルが高くない人でも、
ホワイトな職場で良いお給料をもらっているケースはたくさんあります。
転職活動をするときのちょっとしたコツ(求人を探す場所を変える)
を知ってるかどうか?だけで、
こんなふうに差がついてしまうのって理不尽でひどい感じがしますよね。
ですが、はっきりいって世の中なんてそんなもんです。
単に「知ってるか/知らないか」で差をつくことがたくさんあります。
こういうことって社会人やってたらいくらでもあることですから、
不公平だ…!なんて言ってても意味ないです。
(そういうのは政治家の仕事です)
まずはあなた自身が経理として転職を成功させましょう。
私のブログをここまでしっかり読んでくださる方には、
↓ぜひ良い条件で経理への転職を成功させてください。

ヒュープロ(経理専門の無料転職サイト)
経理のホワイト求人多数あり!
ヒュープロは経理専門の無料転職サイトです。
未経験簿記なしで年収400万円〜の求人
実務経験3年で年収600万円〜の求人
在宅もOKのワークライフバランス求人
会計事務所から経理へ転職歓迎の求人
などなど、好条件人が多数ありますよ。
>>10,097件の求人を見てみる
実際の経理求人で年収を見てみよう

(実際に募集されている経理求人を紹介します)
上で紹介した経理求人専門の転職サイトなら、
↓例えば以下のようなホワイト経理求人を見つけることができますよ。
- 未経験でも年収400万円〜のホワイト企業求人
- 在宅リモートワークOKのワークライフバランス求人
- ゼロから仕事を教えてもらえる教育環境充実の求人
- 誰もが名前を知る業界トップ企業の経理求人
- 年収600万円スタートの実務経験者むけ経理求人
- 決算前の繁忙期も残業なしなどワークライフバランス型の経理求人
- 将来の管理職候補として入社できる経理求人
- 会計事務所から経理へのキャリアチェンジ歓迎の経理求人
- IPO準備業務の経験を積むことができる経理求人
- CFO直下のポジションで働ける経理求人
今すぐは転職活動できない人へ

(今すぐは転職するかどうかわからない…という人へ)
なんとなく今の環境に不満はあるし、
一生このままで良いなんてまったく思ってないけど
なかなか重い腰を上げられない…。
いま仕事している人もしていない人も、
↑毎日こんなふうに感じながら過ごしている人がほとんどだと思います。
転職活動なんて、はっきりいってめんどくさいですよね。

特に、条件の良い経理求人は人気ですから、
日常的にこまめに情報リサーチしておくことが大切です。
経理求人専門の転職サイトで年収や勤務地などの条件を入力しておくと、
マッチする求人が出るたびに自動でメール通知してもらえるので活用しましょう。
↓こんな感じでメールが届きます。
自分が希望する条件にあった求人だけを
ピンポイントでピックアップしてくれるのでめっちゃ便利です。
情報ってたくさんありすぎても
ごちゃごちゃしてわけからなくなりますからね。
情報があふれている時代なので、
自分の求める情報を見つけるスキルが大事です。

同じ転職サイトを使っていても、
良い求人を上手に見つけられる人と、
見つけられない人の違いはこういうところでも出ますね。
(自分の希望条件をしっかりめに入力してるだけなんですが)
つねに「逃げ道」を確保しておくのが大切

(良い意味での「逃げ道」を確保しておくのが大切です)
経理求人専門の転職サイトで希望条件をしっかりめに入力しておき、
「ここいいかも…!」と気になる求人を見つけたら、
情報としてこまめにストック保存しておくようにしましょう。
手元に魅力的な求人がたくさんある状態を作っておくと、
いざ転職活動を始めるときに良いスタートを切ることができます。
また、日常的に転職サイトで求人リサーチするクセをつけておくと、
どうしても今の状態がつらくなったら転職もある
↑という「選択肢」を持てるのも重要ですね。
良い意味での逃げ道を確保できる感じです。
これって精神的にもかなり安定するんですね。
過労やストレスで倒れる前に早めの手を打つことができます。
転職サイトは完全無料で使えます。
いつでも利用やめられるのでリスクはゼロですよ。
↓年収などの条件の良い経理求人がたくさんあるので、
情報リサーチに徹底活用しましょう。

最後の最後にお伝えしたいこと

(個人的に衝撃を受けた本です)
↑転職活動でも仕事でも、
成功する人の違いって結局はこれだと思うんですよね。
転職サイトへの登録って1分でできる作業です。
無料ですしいつでも解除できるのでリスクなんて何もありません。
変な連絡が来るようなこともありませんしね。
↓それでも、以下の2種類の人に分かれます。
- とりあえず今すぐ無料登録だけでもやっておいて求人検索を始めてみる人
- いつまでたっても何かと理由をつけてやらない人
これは転職活動だろうが仕事だろうが同じです。
(あなたのまわりにも2. みたいな人いませんか?)
ほんのちょっとの行動の差ですが、
理想の働き方に近づける人と、
いつまでたっても職場の文句ばかり言っている人とで違いが生じるのはこういうところです。
↓今から1年後に、あなたはこのどちらになっていたいでしょうか。
- 劣悪な雇用環境で給料も安く、
雑用ばかりさせられる職場で年齢だけを重ねていく…。 - やりがいがあり、給料の高い仕事で人間関係も良好。
ワークライフバランス型の職場でプライベートも充実。

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